愛知県美術館
愛知県名古屋市にある美術館
愛知県美術館(あいちけんびじゅつかん 英表記:Aichi Prefectural Museum of Art)は、愛知県名古屋市東区東桜一丁目の愛知芸術文化センター8階、10階にある美術館である。
愛知県美術館 Aichi Prefectural Museum of Art | |
---|---|
愛知県美術館が入っている愛知芸術文化センター
| |
施設情報 | |
前身 | 愛知県文化会館美術館 |
専門分野 | 20世紀美術 |
館長 | 南雄介 |
事業主体 | 愛知県 |
開館 | 1992年(平成4年) |
所在地 |
〒461-8525 愛知県名古屋市東区東桜一丁目13番2号 |
位置 | 北緯35度10分16.14秒 東経136度54分40.71秒 / 北緯35.1711500度 東経136.9113083度 |
外部リンク | 愛知県美術館HP |
プロジェクト:GLAM |
歴史
編集1955年(昭和30年)2月に開館した愛知県文化会館美術館を前身とする[1]。愛知県文化会館はサンフランシスコ講和条約締結の記念事業として建設された施設であり、美術館、講堂、愛知図書館(現・愛知県図書館)を内包していた[2]。愛知県文化会館は今日のオアシス21の場所に所在した[2]。
1992年(平成4年)には愛知芸術文化センター内に愛知県美術館が開館した。
8階のギャラリーは、展示室10室を有する。面積は県内最大規模の(計3,113m2)。10階の企画・コレクション展示室は、大小8つの性格の異なる展示室を有する。
特徴
編集パブロ・ピカソ、アンリ・マティス、グスタフ・クリムトを始め、梅原龍三郎、安井曾太郎、横山大観、菱田春草など、国内外の20世紀美術を中心に収蔵する。また名古屋の著名な美術品コレクターであった木村定三から、浦上玉堂や与謝蕪村などの江戸絵画、小川芋銭や熊谷守一などの近代日本絵画、更には陶磁器、仏教彫刻、考古遺物など、重要文化財3件(6点)を含む約3000点を寄贈され、今や20世紀美術に留まらず、古今東西を網羅する総合美術館となっている。
著作権が切れてパブリックドメインとなった作品については、ホームページで公開してダウンロード可能にしている[3]。
歴代の館長には浅野徹、長谷川三郎、市川政憲、牧野研一郎、村田眞宏、島敦彦、南雄介がおり、2021年(令和3年)から拝戸雅彦が務めている。
主な収蔵品
編集西洋画
編集- アンディ・ウォーホル - 「レディース・アンド・ジェントルメン」1975
- ジャック・ヴィヨン - 「存在」1920
- エドゥアール・ヴュイヤール - 「窓辺の女」1898
- マックス・エルンスト - 「ポーランドの騎士」1954
- ジョージア・オキーフ - 「抽象 第6番」1928
- エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー - 「グラスのある静物」1912
- フランティセック・クプカ - 「灰色と金色の展開」1919
- グスタフ・クリムト - 「人生は戦いなり(黄金の騎士)」1903
- パウル・クレー - 「女の館」1921 「蛾の踊り」1923
- ジム・ダイン - 「芝刈機」1962
- アントニ・タピエス - 「コンポジション」1977
- ジャン・デュビュッフェ - 「二人の脱走兵」1953
- ラウル・デュフィ - 「サンタドレスの浜辺」1906
- ポール・デルヴォー - 「こだま」1943
- ニコラ・ド・スタール - 「コンポジション」1948
- ベン・ニコルソン - 「1933(スペインの絵葉書のあるコラージュ)」1933
- ジャーコモ・バッラ - 「太陽の前を通過する水星(習作)」1914
- ライオネル・ファイニンガー - 「夕暮れの海I」1927
- ルーチョ・フォンターナ - 「空間概念」1960
- サム・フランシス - 「消失に向かう地点の青」1958
- パブロ・ピカソ - 「青い肩かけの女」1902
- ピエール・ボナール - 「子供と猫」c1906「にぎやかな風景」c1913
- アンリ・マティス - 「待つ」1921-22
- アルベール・マルケ - 「ノートルダムの後陣」1902
- ジョアン・ミロ - 「絵画」1925
- アメデオ・モディリアーニ - 「カリアティード」1911-13
- アド・ラインハート - 「No.114」1950
- モーリス・ルイス - 「デルタ・ミュー」1960-61
- フランク・ステラ - 「リヴァー・オブ・ポンズ IV」1969
- バルテュス - 「白馬の上の女性曲馬師」1941[4]
- ジョルジュ・ブラック - 「水浴する女性と3つの果実」1926[5]
日本洋画
編集- 浅井忠 - 「八王子付近の街」1887
- 上田薫 - 「なま玉子 G」1976
- 梅原龍三郎 - 「横臥裸婦」1908
- 海老原喜之助 - 「雪山と樵」1930
- 尾澤辰夫 - 「鴨」1938
- オノサト・トシノブ - 「三つの黒」1958
- 岸田劉生 - 「高須光治君之肖像」1915
- 北川民次 - 「メキシコ三童女」1937
- 黒田清輝 - 「暖き日」1897
- 小出楢重 - 「蔬菜静物」1925
- 古賀春江 - 「夏山」1927
- 杉本健吉 - 「正倉院」1976
- 須田国太郎 - 木村定三コレクション含め13件
- 高橋由一 - 「不忍池」c1880
- 遠山清 - 「食後」1940
- 中村彝 - 「少女裸像」1914
- 長谷川利行 - 「酒売場」1927
- 林武 - 「ノートルダム」1960
- 藤田嗣治 - 「青衣の女」1925
- 前田寛治 - 「褐衣婦人像」1925
- 松下春雄 - 「二人のポーズ」1933
- 安井曽太郎 - 「承徳喇嘛廟」1938
日本画
編集- 伊東深水 - 「大島の黎明」
- 浦上玉堂 - 「閣日薇陰図」「雲山模糊図」「高下数家図」「月晴山更静独安平遠図」「山紅於染図」(重要文化財)「秋色半分図・酔雲醒月図・山水図・五言絶句」(以上4点一括重要文化財)
- 岩波昭彦 - 「マンハッタン」四曲屏風一隻
- 小川芋銭 - 「カイツブリの雛とカッパ 」
- 加山又造 - 「黒い鳥」
- 川合玉堂 - 「湖畔晩帰」
- 熊谷守一 - 木村定三コレクション含め72件
- 小林古径 - 「洗濯場」 その1・その2
- 佐藤太清 - 「旅の夕暮」
- 竹内栖鳳 - 「狐狸図」
- 土田麦僊 - 「春昼図」
- 富岡鉄斎 - 「虎僊育虎子図」「暁山雲図」
- 中村正義 - 「おねえちゃん」
- 橋本雅邦 - 「秋景山水図」
- 速水御舟 - 「西郊小景」
- 東山魁夷 - 「雪の山郷」
- 菱田春草 - 「紅葉山水」
- 平川敏夫 - 「黄山松雨」
- 前田青邨 - 「朝鮮五題 水汲 」
- 村上華岳 - 「散華」「草と虫図」
- 安田靫彦 - 「月の兎」
- 山本丘人 - 「幻雪」
- 横山大観 - 「飛泉」
- 与謝蕪村 - 「盆踊り図」「富嶽列松図」(重要文化財)
陶磁器
編集- 長次郎作
- 黒楽 筒茶碗 銘「苔清水」
- 志野茶碗(桃山時代) 銘「鵬」
- 黒織部茶碗(桃山時代) 銘「菱餅」
その他
編集- 紺紙銀字華厳経 - 東大寺二月堂焼経
- ジョルジュ・ミンヌ - 聖遺物箱を担ぐ少年 1897
- オーギュスト・ロダン - 歩く人 1900
- エルンスト・バルラッハ - 忘我 1911 - 12
- ヴィルヘルム・レームブルック - 立ち上がる青年 1913
- ケーテ・コルヴィッツ - 恋人たちII 1913
- ハンス・アルプ - 森 1917頃
- 木村定三コレクション(約3000点)
- 藤井達吉コレクション(約1500点)
- コルネリス・ジットマン(Cornelis Zitman) - カリブの女 1983(屋外展示場に展示)
指定文化財
編集重要文化財(国指定)
編集所在地
編集- 愛知県名古屋市東区東桜1丁目13番地2号
交通
編集脚注
編集- ^ 施設概要 愛知県美術館
- ^ a b 開館から50年 愛知県文化会館愛知図書館 愛知県図書館
- ^ ムンクもクリムトも画像開放/著作権切れ作品 自由に利用可/愛知県美「世界標準」試み『朝日新聞』朝刊2019年3月5日(文化・文芸面)2019年3月13日閲覧。
- ^ “6億円のバルテュス作品、個人が寄贈 愛知県美術館”. 朝日新聞 (2017年6月16日). 2017年6月17日閲覧。
- ^ “匿名の個人が5億円のキュービスム名画 愛知県美術館に寄贈”. 中日新聞 (2023年6月16日). 2024年9月30日閲覧。
外部リンク
編集- 愛知県美術館HP
- 愛知芸術文化センター
- 愛知県美術館 - NAGOYA CONCIERGE
- 愛知県美術館 - Aichi Now
- 愛知県美術館の天気 - 日本気象協会
- 愛知県美術館 - Google Arts & Culture
- 愛知県美術館コレクション -ジャパンサーチ
- 愛知県美術館 - 文化遺産オンライン
- 愛知県美術館 - ART PLATFORM JAPAN
所蔵品
編集- 重文 与謝蕪村筆 紙本墨画淡彩富嶽列松図 - 文化遺産オンライン
- 重文 浦上玉堂筆 五言絶句 - 文化遺産オンライン
- 重文 浦上玉堂筆 紙本墨画淡彩秋色半分図 - 文化遺産オンライン
- 重文 浦上玉堂筆 紙本著色山紅於染図 - 文化遺産オンライン
- 重文 浦上玉堂筆 紙本墨画山水図 - 文化遺産オンライン
- 重文 浦上玉堂筆 紙本墨画淡彩酔雲醒月図 - 文化遺産オンライン