新田郡
日本の群馬県(上野国)にあった郡
郡域
編集1878年(明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の行政区画では概ね以下の区域にあたる。
歴史
編集- 郡衙(郡庁)は太田市天良町の天良七堂遺跡一帯。「上野国新田郡庁跡」として国の史跡に指定されている。
- 律令制下の郡として平安時代中期の承平年間(931年 - 938年)に作成された倭名抄に「新田郡」および「新田駅」が記載される。
- 1108年(天仁元年)の浅間山大噴火によって北関東一帯が荒廃。
- 1157年(保元2年)- 源義国・新田義重父子によって開発された「空閑の郷々」19郷が本家に鳥羽院御願寺の金剛心院、領家に藤原氏北家花山院流藤原忠雅に寄進され、新田荘が立券。
- 1170年(嘉応2年)- 新田荘域が新田郡全体に拡大。
近代以降の沿革
編集知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領 | 1町 1宿 59村 |
山ノ神村、成塚村、北金井村、大鷲村、上中村新田、六千石村、大久保村、溜池村、久々宇村、本町村、寄合村、天良村、志賀村、加波村、小金村、鹿田村、西鹿田村、間野村、田部村、●木崎宿、島ヶ谷戸村、上田島村、粕川村、中江田村、下江田村、高尾村、赤堀村、安養寺村、●上田中村、●大根村、下田中村、上江田村、花香塚村、上矢島村、西今井村、三ツ木村、●小角田村、嘉祢村、金井村、多村、西別所村、●村田村、由良村、反町村、市野井村、●徳川村、四軒在家村、久仁村、高岡村、平塚村、八木沼村、境村、●世良田村、●西長岡村、●菅塩村、●太田町、東今井村、鳥山村、強戸村、新野村、寺井村 |
旗本領 | 21村 | 宮内村、亀岡村、備前島村、下田島村、市村、飯田村、東別所村、飯塚村、東矢島村、上浜田村、西矢島村、内ヶ島村、小舞木村、下浜田村、新井村、岩瀬川村、福沢村、新島村、長手村、鶴生田村、●大島村 | |
幕府領・旗本領 | 1村 | 尾島村 | |
藩領 | 上野前橋藩 | 12村 | 前島村、前小屋村、武蔵島村、二ツ小屋村、鹿の川村、桃頭村、上中村、権右衛門村、阿左村、西野村、●阿左美村、阿左村新田、藪村(詳細不明)、西村(詳細不明) |
三河西端藩 | 2村 | 押切村、富沢村 | |
上野館林藩 | 1村 | ●小金井村 | |
武蔵岡部藩 | 1村 | 中根村 | |
下野佐野藩 | 1村 | 西野谷村 | |
幕府領・藩領 | 幕府領・前橋藩 | 5村 | 大館村、●藪塚村、沖野村、大村、出塚村 |
旗本領・岡部藩 | 4村 | ●岩松村、米沢村、●細谷村、●高林村 | |
旗本領・西端藩 | 3村 | 阿久津村、堀口村、牛沢村 | |
旗本領・前橋藩 | 2村 | 藤阿久村、女塚村 | |
その他 | 寺社領 | 1村 | 脇屋村 |
- 慶応4年
- 幕末 - 西別所村が別所村に改称。
- 明治初年 - 多村から多村新田が分立。(1町1宿114村)
- 明治2年 - 館林藩の領地替えにより、旧・幕府領の一部(太田町、東今井村、鳥山村、強戸村、新野村、寺井村)、旧・旗本領の一部(新島村、長手村、鶴生田村、大島村)が館林藩領となる。
- 明治4年
- 明治9年(1876年)(1町1宿101村)
- 明治10年(1877年)(1町1宿98村)
- 久々宇村・桃頭村が合併して久宮村となる。
- 久仁村が佐位郡国定村に、間野村が佐位郡間野谷村にそれぞれ合併。
- 明治11年(1878年)12月7日 - 郡区町村編制法の群馬県での施行により、行政区画としての新田郡が発足。郡役所が太田町に設置。
町村制以降の沿革
編集- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。特記以外は現・太田市。(4町9村)
- 太田町 ← 太田町[大部分]、大島村[一部]
- 九合村 ← 飯塚村、内ヶ島村、東矢島村、西矢島村、小舞木村、新島村、東別所村、新井村、飯田村
- 沢野村 ← 福沢村、富沢村、牛沢村、高林村、岩瀬川村、下浜田村、細谷村、米沢村、由良村[一部]、邑楽郡古戸村
- 尾島町 ← 尾島村、亀岡村、阿久津村、堀口村、岩松村、押切村、備前島村、二ツ小屋村、武蔵島村、前島村、前小屋村、安養寺村、大館村
- 世良田村 ← 世良田村、出塚村、小角田村、徳川村、粕川村(現・太田市)、上矢島村、西今井村、三ツ木村、女塚村、米岡村、平塚村、境村[大部分](現・伊勢崎市)
- 木崎町 ← 木崎宿、中江田村、下江田村、高尾村、赤堀村
- 宝泉村 ← 西野谷村、別所村、沖野村、上田島村、下田島村、中根村、藤阿久村、由良村[大部分]、脇屋村[一部]、小金井村[一部]
- 鳥之郷村 ← 新野村、鳥山村、鶴生田村、長手村、大島村[大部分]、太田町[一部]
- 強戸村 ← 成塚村、西長岡村、菅塩村、強戸村、寺井村、北金井村、大鷲村、天良村、太田町[一部]
- 生品村 ← 村田村、市野井村、反町村、市村、多村、多村新田、小金村、四軒在家村、小金井村[大部分]、脇屋村[一部]
- 綿打村 ← 大根村、上江田村、上田中村、権右衛門村、上中村、溜池村、大村、嘉祢村、金井村、花香塚村、下田中村
- 藪塚本町 ← 本町村、藪塚村、山ノ神村、大久保村、六千石村、寄合村
- 笠懸村 ← 鹿村、西鹿田村、久宮村、阿左美村(現・みどり市)
- 太田町の一部が山田郡韮川村・毛里田村に、境村の一部が佐位郡境町のそれぞれの一部となる。
- 明治29年(1896年)7月15日 - 郡制を施行。
- 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 昭和15年(1940年)4月1日 - 太田町・九合村・沢野村が山田郡韮川村と合併し、改めて太田町が発足。(4町7村)
- 昭和17年(1942年)7月1日 - 「新田山田地方事務所」が桐生市に設置され、山田郡とともに管轄。
- 昭和18年(1943年)11月1日 - 鳥之郷村が太田町に編入。(4町6村)
- 昭和23年(1948年)5月3日 - 太田町が市制施行して太田市となり、郡より離脱。(3町6村)
- 昭和31年(1956年)9月30日 - 木崎町・生品村・綿打村が合併して新田町が発足。(3町4村)
- 昭和32年(1957年)
- 昭和38年(1963年)4月1日 - 宝泉村が太田市に編入。(3町1村)
- 平成2年(1990年)4月1日 - 笠懸村が町制施行して笠懸町となる。(4町)
- 平成17年(2005年)3月28日 - 新田町・尾島町・藪塚本町が太田市と合併し、改めて太田市が発足、郡より離脱。(1町)
- 平成18年(2006年)3月27日 - 笠懸町が山田郡大間々町、勢多郡東村と合併してみどり市が発足。同日新田郡消滅。
変遷表
編集自治体の変遷
明治22年4月1日 | 明治22年 - 昭和22年 | 昭和23年 - 昭和37年 | 昭和38年 - 平成16年 | 平成17年 - 平成18年 | 現在 |
---|---|---|---|---|---|
太田町 | 昭和15年4月1日 太田町 |
昭和23年5月3日 市制 |
太田市 | 平成17年3月28日 太田市 |
太田市 |
九合村 | |||||
沢野村 | |||||
山田郡 韮川村 | |||||
鳥之郷村 | 昭和18年11月1日 太田町に編入 | ||||
強戸村 | 強戸村 | 昭和32年4月1日 太田市に編入 | |||
宝泉村 | 宝泉村 | 宝泉村 | 昭和38年4月1日 太田市に編入 | ||
木崎町 | 木崎町 | 昭和31年9月30日 新田町 |
新田町 | ||
生品村 | 生品村 | ||||
綿打村 | 綿打村 | ||||
薮塚本町 | 薮塚本町 | 薮塚本町 | 薮塚本町 | ||
尾島町 | 尾島町 | 尾島町 | 尾島町 | ||
世良田村 | 世良田村 | 昭和32年11月1日 尾島町に編入 | |||
昭和32年11月1日 佐波郡境町に編入 |
佐波郡 境町 |
平成17年1月1日 伊勢崎市の一部 |
伊勢崎市 | ||
笠懸村 | 笠懸村 | 笠懸村 | 平成2年4月1日 町制 |
平成18年3月27日 みどり市の一部 |
みどり市 |
行政
編集- 歴代郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治11年(1878年)12月7日 | |||
大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
編集参考文献
編集- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 10 群馬県、角川書店、1988年6月1日。ISBN 4040011007。
- 旧高旧領取調帳データベース