旧東側の空軍組織(きゅうひがしがわのくうぐんそしき)とは、冷戦時代におけるいわゆる東側諸国における航空戦力を有する組織のことを指す。

概要

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ソビエト連邦をはじめとする東側諸国では、いわゆる空軍の他に、防空軍海軍航空隊という2つの航空戦力組織が設置されていた。のち、ソ連では陸軍航空隊も設置された。これらの軍隊はそれぞれ相互に独立した組織であった。また、ソ連には空軍戦力とは別に戦略ロケット軍(戦略ミサイル軍)も存在した。

冷戦時代の各軍の棲み分け

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  • 空軍
前線における航空戦力の中核をなすべくして組織された軍隊。元来、前線戦闘機戦闘爆撃機攻撃機、前線偵察機爆撃機輸送機などを保有し、前線の地上部隊支援、上空の制空権確保といった陸軍直協空軍としての戦術的任務の他、輸送や爆撃といった戦略的任務を司った。
なお、ソ連には他に戦略ロケット軍という戦略任務を遂行する独立した軍があったが、ニキータ・フルシチョフの「ミサイル万能論」により、こちらの方に戦略的任務の重点が置かれた。
  • 防空軍
領土防衛のために組織された軍隊。領空に侵入してくる敵機を警戒・迎撃することを任務とした。初期、防空任務には二線級の戦闘機や諸々の問題を抱えた機体が配備され空軍よりも一段下に見られていたが、冷戦中期以降、防空軍には最も高度なシステムを搭載する迎撃戦闘機、早期警戒機などが配備され、特にソ連防空軍にのみ配備が許された機体もあった。
ソ連以外の国では名目上のみ防空軍(東ドイツなどのように「空軍及び防空軍」として組織上両者が統合されている国もあった)であり、運用する機体は空軍のものと特に変わりはなかった。
  • 海軍航空隊
攻撃用の固定翼機や高速機を装備する部隊は空軍や防空軍と同様の機体を装備し、それらとの任務上の重複も多かった。強いて言えば海軍航空隊は海軍基地周辺と艦艇、海軍歩兵部隊を防衛するというものであったと言われている。
一方、海軍航空隊では艦載ヘリコプターや水上ヘリコプター、飛行艇なども運用し、これらは対潜水艦任務などの哨戒活動、海上救難活動等に用いられた。
なお、旧ソ連海軍航空隊はアメリカ海軍空母戦闘群への攻撃も主任務としていたため、対艦ミサイルを搭載したTu-142(Tu-95の海軍型)、Tu-22Tu-22MSu-24といった中距離攻撃機・長距離爆撃機も運用していた。
  • 陸軍航空隊
冷戦末期、ソ連ではそれまで空軍で運用してきた各種ヘリコプターを陸軍に移管した。

冷戦後

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冷戦後、各国は軍事力の削減を行い、多くの場合航空戦力は主に固定翼機を運用する空軍、哨戒ヘリコプター救難ヘリコプター飛行艇等を運用する海軍航空隊とに整理された。その良い例はポーランドで、まず空軍及び防空軍海軍航空隊に整理し、その後2004年になって海軍航空隊の戦闘機や攻撃機をすべて空軍に移管し、新たに空軍海軍航空隊を組織した。また、ワルシャワ条約機構国ではないが、ユーゴスラビアでも空軍及び防空軍が組織されており、これは独立後のクロアチアセルビア・モンテネグロマケドニア共和国などにも継承された。

ロシアでは航空母艦アドミラル・クズネツォフ」を保有することから艦上戦闘機艦上攻撃機海軍が運用したが、その他海軍航空隊でも陸上運用機を保有し続けた。防空軍はソ連末期の1991年8月19日に発生した「八月のクーデター」においてエリツィンロシア共和国大統領に対し反乱を起こした旧体制保守派の側について行動したが、同クーデターが多くの国民の共感を得られず失敗に終わると、新体制側によって空軍に吸収される形で廃止された。また、陸軍航空隊は廃止され部隊は空軍へ戻った。

一方、ウクライナでは防空軍陸軍航空隊は存続し、また海軍航空隊MiG-29のような戦闘機や攻撃機を運用していた。

参考:戦後ソ連における空軍組織の主な運用機

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※An-2やMi-2といった汎用機はどの部隊でも運用している。

空軍

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防空軍

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陸軍航空隊

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海軍航空隊

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海軍艦隊

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関連項目

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