昭和31年台風第12号
昭和31年台風第12号(しょうわ31ねんたいふうだい12ごう、国際名:エマ/Emma)は、 1956年(昭和31年)9月3日に発生した台風である。エマ台風とも呼ばれる[1]。
台風第12号(Emma / エマ) | |
---|---|
カテゴリー4の スーパー・タイフーン (SSHWS) | |
台風第12号(1956年9月3日) | |
発生期間 |
1956年9月3日 9:00 ~9月11日 9:00 |
寿命 | 8日0時間 |
最低気圧 | 930 hPa |
最大風速 (米海軍解析) | 135 knot |
死傷者数 | 死者39人・負傷者251人・行方不明者2人 |
被害地域 | 日本・韓国・ソビエト連邦 |
プロジェクト : 気象と気候/災害 |
概要
編集9月8日、沖縄気象台(那覇市)は、当時の最大瞬間風速第1位となる73.6mを観測した[2]。同日、最低中心気圧930ヘクトパスカルを記録[3]。沖縄地方では、戦後最大といわれる大きな被害を出した。屋久島では517.9mm、名瀬市などで200mm以上の雨量を記録した[4]。有明海一帯では塩害が発生。佐賀県、長崎県の干拓地の水稲が壊滅的な打撃を受けた[5]。日本海を通過した際には北陸地方にフェーン現象をもたらし、魚津大火の原因となった[6]。
順位 | 名称 | 国際名 | 最大 瞬間 風速 (m/s) |
風向 | 観測年月日 | 観測地点 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 第2宮古島台風 (昭和41年台風第18号) |
Cora | 85.3 | 北東 | 1966年(昭和41年)9月5日 | 宮古島 (沖縄・気象官署) |
2 | 第2室戸台風 (昭和36年台風第18号) |
Nancy | 84.5 | 西南西 | 1961年(昭和36年)9月16日 | 室戸岬 (高知・気象官署) |
3 | 平成27年台風第21号 | Dujuan | 81.1 | 南東 | 2015年(平成27年)9月28日 | 与那国島 (沖縄・気象官署) |
4 | 第3宮古島台風 (昭和43年台風第16号) |
Della | 79.8 | 北東 | 1968年(昭和43年)9月22日 | 宮古島 (沖縄・気象官署) |
5 | 昭和45年台風第9号 | Wilda | 78.9 | 東南東 | 1970年(昭和45年)8月13日 | 名瀬 (鹿児島・気象官署) |
6 | 昭和40年台風第23号 | Shirley | 77.1 | 西南西 | 1965年(昭和40年)9月10日 | 室戸岬 (高知・気象官署) |
7 | 枕崎台風 (昭和20年台風第16号) |
Ida | 75.5 | 南南東 | 1945年(昭和20年)9月17日 | 細島 (宮崎・燈台) |
8 | 平成15年台風第14号 | Maemi | 74.1 | 北 | 2003年(平成15年)9月11日 | 宮古島 (沖縄・気象官署) |
9 | 昭和31年台風第12号 | Emma | 73.6 | 南 | 1956年(昭和31年)9月8日 | 那覇 (沖縄・気象官署) |
10 | 昭和39年台風第20号 | Wilda | > 72.3 | 西 | 1964年(昭和39年)9月25日 | 宇和島 (愛媛・気象官署) |
経過
編集被害
編集→「魚津大火」も参照
- 死者39人、負傷者251人、行方不明者2人、全壊家屋5318戸、浸水家屋4800戸、田畑埋没・流失約4.5ヘクタール、田畑冠水約14.1ヘクタール、道路・橋梁・堤防の流出・損壊336か所[4]。別の統計では、死者・行方不明者36人、負傷者188人、住宅全壊2957棟、住宅半壊7942棟[9]。
- 長崎港・有明海で高潮が発生[9]。有明海の干拓地で塩害が出て、佐賀県・長崎県の水稲が壊滅的な打撃を受けた[4]。
- 9月10日午前7時30分、大雨の静岡市で、最大瞬間風速40mの竜巻が発生。死者2人、重軽傷者44人、全半壊家屋78戸、破損家屋294戸、電柱損壊21か所、家屋の被害額1億円[4]。竜巻は本庄町・豊川市でも生じた[9]。
脚注
編集- ^ 天野輝久「沖縄県における強風の再現期待値について」『琉球大学工学部紀要』第19号、琉球大学工学部、1980年3月、55-62頁、CRID 1050011251818501376、hdl:20.500.12000/1427、ISSN 0389-102X。
- ^ 平成24年台風第15号について~大型で非常に強い台風が、沖縄本島地方に向かって進んでいます~(PDF) 、沖縄気象台、平成24年8月25日
- ^ デジタル台風:台風195612号 (EMMA) - 総合情報(気圧・経路図)
- ^ a b c d 『昭和災害史年表事典②昭和21年~昭和35年』日外アソシエーツ、1992年、p.178
- ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、113頁。ISBN 9784816922749。
- ^ “魚津大火”. 中日映画社. 2020年5月17日閲覧。
- ^ The U.S. Army Center of Military Historyによる進路図
- ^ Unisys (2006)EMMA Best track --2012年8月26日閲覧
- ^ a b c 「強風災害の発生と被害に関する統計」(PDF)『Risk』第59号、損害保険料率算出機構研究部、2001年3月、18-25頁、CRID 1522543655152898816。
関連項目
編集外部リンク
編集- デジタル台風:台風195612号(EMMA)- 総合情報(気圧・経路図) - 国立情報学研究所(北本朝展)
- 台風と沖縄 歴代の台風 - ウェイバックマシン(2008年5月30日アーカイブ分)
- 株式会社エマエンタープライズ ■エマ台風とは…