藤本 卓也(ふじもと たくや、1940年[1] - )は、日本のソングライター編曲家歌手北海道出身[1]

藤本 卓也
別名 柚木公一
生誕 1940年(83 - 84歳)
出身地 日本の旗 日本 北海道
ジャンル ロックブルース歌謡曲
職業 ソングライター編曲家歌手
活動期間 1958年 -
レーベル
共同作業者 矢吹健五木ひろし
公式サイト homepage2.nifty.com/y-h/
リヒャルト・ワーグナー

本名および旧芸名は柚木 公一(ゆずき こういち)[1]矢吹健あなたのブルース』、五木ひろし待っている女』(オリコンチャート最高位6位)等のヒット曲で知られる作家である。

人物・来歴 編集

1958年4月、「岡田朝光とザ・キャラバン」のリード歌手・柚木 公一としてデビュー[1]。当時のバックバンドはザ・ヴァン・ドッグスである。

ロカビリー歌手として活動し、飯田久彦・高松秀晴とともに「スリービート」と呼ばれた[1]1960年(昭和35年)には第11回「日劇ウエスタンカーニバル」に出演した[1]。当時の代表曲はアッカー・ビルクカヴァーで『白い渚のブルース』。その後、作曲家に転向した。

1968年、弟子の矢吹健に楽曲提供した『あなたのブルース』はオリコン27位のヒットとなり[1]、矢吹は同年末『日本レコード大賞』新人賞を獲得した[1]。藤本の門下生には勝彩也、佐久間浩二らがいる[1]

作家的ピークは1960年代 - 1970年代であった。詞・曲・編曲いずれも極端に個性の強い作風ではあるが、前述の『あなたのブルース』、あるいは『愛の旅路を』(内山田洋とクール・ファイブ)のほか、山口洋子(1937年 - 2014年)とコンビを組んだ『うしろ姿』(矢吹健)、『待っている女』(五木ひろし)などがヒットした。

根本敬らの「幻の名盤解放同盟」は、独特の世界観を持つ歌詞や、ロックなどに裏打ちされたメロディ・アレンジを評し、ワーグナーに比して「夜のワーグナー」と形容し評した[1][2]

1996年7月25日、自らが歌うアルバム『相棒』をリリース。

1997年10月22日発売の立花ハジメとLow Powersのアルバム『Low Powers』に収録された楽曲『泣いてどうなる!?』では、『相棒Part7 女たちよ』(『相棒』収録曲)の歌詞が引用・補作されている(クレジットは、Words:藤本卓也・高木完立花ハジメ)。[3]

おもなディスコグラフィ 編集

提供楽曲 編集

カッコ内に明記していないものは、作詞・作曲ともに提供。

  • 紀本ヨシオ井上宗孝とシャープ・ファイブ『だから泣かないで』(1965年) - のちに宮本けんじおさだたいじがカヴァー、藤本がセルフカヴァー(1996年)
  • 紀本ヨシオ・小林隆とブルー・ハワイアンズ『誰よりも誰よりも』(1966年)
  • 紀本ヨシオ・ザ・キャラバン『砂に咲く花』(1967年3月)
  • 紀本ヨシオ『知床の星』『哀愁の湖』(1967年)
  • 平川幸夫『泣かせる東京』(1967年)
  • 佐々木早苗『最後の人』(1968年)
  • 矢吹健
  • 市川好朗『淋しくないかい』『忘れさせて』(1969年)
  • ボビー・ソロ『さよなら恋人』(1969年)
  • ペギー葉山『悲しい道』(1969年)
  • 渡るり子『女ひとりのブルース』(1969年)
  • 戸田智次郎『男が女にブルースを』 (作詞:川内康範、1969年)
  • 鳳けい子『雨の連絡船』(作詞:鳥井実、1969年)
  • 島津ゆう子『ヘイ・モンロー ~モンローに捧げる歌~』『二つのコーヒー』(1969年)
  • 天ヶ瀬美和『愛してよかった』『これでいいのよね』(1969年)
  • 内山田洋とクール・ファイブ愛の旅路を』(作詞:山口あかり、1970年) - オリコン最高位4位
  • 岸ユキ『めまい(眩暈)』(1970年)
  • 梅宮辰夫『シンボル・ロック』(作詞:志賀大介、1970年)
  • 沢たまき『その時あなたは何をしていた?』『女の意地は私の命』(1970年)
  • 小松京二『あなたに限って』(1970年)
  • タマコ『私は私』(作詞:なかにし礼、1970年)
  • 操洋子『お願い入れて』(1970年)
  • 佐久間浩二『断絶のブルース』(1970年)
  • 高峰光司『愛に命を』(1970年)
  • 藤ジャンボ『バーテンダー・ブルース』(1970年)
  • 三田明『振り返ってみたけれど』(作詞:山口洋子、1970年)
  • えんじさやか『はだかで愛して』 (作詞:永井ひとし、1970年)
  • 桂木圭子『流れ蝶』『ミナミの女』(作詞:しょうめぐみ、1971年)
  • 林エイコ『波』『ローリング・タイド』(1971年)
  • 山里ひろこ『女の背中は泣いている』『哀しい願い』(1971年)
  • 谷崎一人『女のひとりごと』『愛は女の命』(1971年)
  • 西城浩二『はじめてだから』『うつり香』(作詞:山口洋子、1971年)
  • 原みつるとシャネル・ファイブ稚内ブルース』(1971年)『信ずる他にない』(1972年)
  • 浜村美智子『スキャンダル』(作詞有馬三恵子、1972年)
  • 五木ひろし
    • 『待っている女』 (作詞:山口洋子、1972年) - オリコン最高位6位
    • 夜汽車の女』(作詞:山口洋子、1972年) - オリコン最高位21位、ソウル歌謡
  • 勝彩也『まぼろしのブルース』(1972年)
  • 市川瑛子『カナダの夜明け』『夜明けの横浜』(作詞:さつきいつお、1972年)
  • 杏真理子 『雪わり草』(作詞:ちあき哲也、1972年)
  • 野村ミチ『その愛は』『愛の胸に振りかえれ』(1972年)
  • 個々(ここ)『エバに捧ぐ』 (作詞:山口洋子、1972年)
  • 江川渥『葛飾の女』 (作詞:あしのまろや、1972年)
  • 森本和子『二杯目のコーヒー』 (作詞:山口洋子、1972年)
  • 西郷輝彦『ローリング・ストーンズは来なかった』(1973年)
  • 林和也『君が欲しい』(1973年)
  • ザ・キャラクターズ『恋の人魚姫』『窓ぎわの女』(作詞:山口洋子、1973年)
  • 中原美樹『愛のイエスタデイ』(1973年)
  • みずさわ美都とクレイジー・ラブ『恋時計』(作詞:山口あかり、1974年)
  • 宮崎憲二とハーバー・ナイツ 『人間砂漠』『愛の夜明け』(1974年)
  • 朝倉つよしとコーラル・ゲイツ『噂のマリー』(作詞:火野かがり、1975年)
  • 鶴岡雅義と東京ロマンチカ『恋はまぼろし』(作詞:高村貴士、1975年)
  • 長谷二郎『闇夜のブルース』(作詞:山口洋子、1976年)
  • 江夏旭『北風物語』『長崎から北へ』(1976年)
  • 沢田あきらとハーバーナイツ『あなたの心を一人占め』(1980年)
  • 碧夏子『サガポ ―旅立ち―』(作詞:里村龍一、1981年)
  • 宮内ひろしとブルーシャンデリー 『君にジェラシー』(1981年)
  • 星ひろみ『恋の家なき子』『このままずっと』(B面作詞:伊井田朗、1982年)
  • 中悠子『眠れない女』(1982年)
  • 八代亜紀『恋の彩』(作詞麻生香太郎、1983年)- 第4回古賀政男記念音楽大賞・大賞受賞曲
  • 北原牧子『天使のブルース』『盛り場流れ唄』(B面作詞里村龍一、1985年)
  • 立花ハジメとLow Powers『泣いてどうなる!?』(藤本卓也『相棒Part7 女たちよ』の歌詞を引用・補作、作詞:藤本卓也・高木完立花ハジメ、作曲:立花ハジメ、1997年) - アルバム『Low Powers』
  • 野路由紀子『ラストメール』(2006年)

ソロシングル 編集

  • 白い渚のブルース(1962年) - 「柚木公一」名義、オムニバスアルバム『カッコイイ10人』収録・初録音[4]アッカー・ビルクのカヴァー)
  • リトル・シスター英語版(『歌う雑誌KODAMA』第25号附録、1962年3月発売) - 「柚木公一・岡田朝光とザ・キャラバン」名義(エルヴィス・プレスリーのカヴァー)
  • マリーは恋人英語版(『歌う雑誌KODAMA』第25号附録、1962年3月発売) - 「柚木公一・岡田朝光とザ・キャラバン」名義(エルヴィス・プレスリーのカヴァー)
  • ディスコ笑大夢(作・編曲藤本卓也、1979年発売)
    • 銀色の月の下(作詞・作曲・編曲藤本卓也)

ソロアルバム 編集

作品集 編集

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j 安田謙一 著「藤本卓也」、馬飼野元宏(監修/編集)・真鍋新一(編集) 編『昭和歌謡 職業作曲家ガイド』(初版)シンコーミュージック・エンタテイメント、2018年4月15日、164-165頁。ISBN 978-4-401-64371-4 
  2. ^ #外部リンク内のYahoo! ミュージック「幻の名盤解放歌集」各リンク先の記述を参照。
  3. ^ 『Low Powers』に明記された一文を参照。
  4. ^ カッコイイ10人 東京ジャズ喫茶めぐりディスクユニオン、2015年8月28日閲覧。

関連事項 編集

外部リンク 編集