女性上位時代』(じょせいじょういじだい、イタリア語: La Matriarca, 「女性リーダー」の意)は、1967年(昭和42年)製作・公開、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ監督のイタリア映画である[1][2]。英語題名はThe Libertine, あるいは The Matriarchとしても知られるイタリア式コメディの1作である[1][2]

女性上位時代
La Matriarca
監督 パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
脚本 オッタヴィオ・イェンマ
ニコロ・フェッラーリ
原案 オッタヴィオ・イェンマ
製作 シルヴィオ・クレメンテッリ
出演者 カトリーヌ・スパーク
ジャン=ルイ・トランティニャン
ジジ・プロイエッティ
音楽 アルマンド・トロヴァヨーリ
撮影 アルフィーオ・コンティーニ
編集 セルジオ・モンタナーリ
製作会社 クレシ・チネマトグラフィカ
配給 イタリアの旗 EIA
日本の旗 東和映画 / NSW 再映
公開 イタリアの旗 1968年12月23日
日本の旗 1969年2月1日
日本の旗 2000年7月29日 再映
上映時間 94分
製作国 イタリアの旗 イタリア
言語 イタリア語
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略歴・概要 編集

本作は、1967年、イタリアの映画プロデューサーシルヴィオ・クレメンテッリが経営する製作会社クレシ・チネマトグラフィカが製作を開始、オッタヴィオ・イェンマが執筆した原案をもとに、イェンマとニコロ・フェッラーリの2名が脚本を執筆、これを撮影して完成した[1]

撮影監督を務めたアルフィーオ・コンティーニは、ディーノ・リージが監督した『追い越し野郎』(1962年)や『怪物たち』(1963年)を撮った人物で、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレとは本作が初仕事であり、その後カンパニーレとは1981年(昭和56年)の『完璧な人などいない』で再会、『トリエステから来た女』(1982年)、『類猿人ビンゴ・ボンゴ』(同年)等を連作する[3]美術デザイナーを務めたフラヴィオ・モゲリーニは、ロベルト・ロッセリーニ監督の『ローマで夜だった』(1960年)、ヴァレリオ・ズルリーニ監督の『鞄を持った女』(1961年)、ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の『アッカトーネ』(同年)の美術を手がけており、カンパニーレとは、本作に先行する同監督のカトリーヌ・スパーク主演作『結婚戦争』(1966年)以来の2作目で、1970年代以降は映画監督になった人物である[4]衣裳デザイナーを務めたガイア・ロマニーニ[5][6]は、ズルリーニ監督の『鞄を持った女』(1961年)、マルコ・ヴィカリオ監督の『黄金の七人』(1965年)を手がけた人物である[7]。劇伴音楽の作曲を行なったアルマンド・トロヴァヨーリは、カンパニーレとはカトリーヌ・スパーク主演作『結婚戦争』(1966年)、『イタリア式不倫』(同年)に次ぐ3作目で、のちに『裸でどこ行くの?』(1969年)、『私のためになんでもすると言って』(1976年)でも起用されている[8]

イタリアでは、同年12月23日にEIAが配給して公開された[1]

日本では、イタリア公開の約1か月後の翌1969年(昭和44年)2月1日、東和映画(現在の東宝東和)が配給して劇場公開された[9]。日本初映から31年後の2000年(平成12年)7月29日には、NSWが配給して再映され、翌2001年(平成13年)2月23日には、ブロードウェイが販売して「94分」ヴァージョンのDVDが発売された[10][5]。日本でその後発売されたピチカート・ファイヴのアルバム『女性上位時代』(2006年)のタイトルは、本作の引用である。

あらすじ 編集

20歳で夫フランコ(マリオ・エルピキーニ)が亡くなり、未亡人になったミミ(カトリーヌ・スパーク)は、夫が生前に、特異な欲望のために秘密の一室をもっていたことを知り、自分のためにその部屋を使うことを決意する。夫が密かにたのしんだサディズムマゾヒズムの世界を経験すべく、分厚い専門書を買い込み、亡夫の親友で弁護士のサンドロ・マルディーニ(ジジ・プロイエッティ)や、親友クラウディア(ファビエンヌ・ダリ)の夫ファブリツィオ(レンツォ・モンタニャーニ)やテニス講師(フィリップ・ルロワ)、生真面目な歯科医(フランク・ヴォルフ)らを夫の隠し部屋につれこむ。ミミの母(ノラ・リッチ)は心配し、精神分析を受けることを勧める。大学病院に行ったミミは、そこで放射線科医カルロ・デ・マルキ(ジャン=ルイ・トランティニャン)に出逢う。学生と偽って講義にも出席、やがて例の部屋にも誘うことになる。最終的にはふたりは結婚し、ミミは念願であった「女性上位」を実現、馬になったカルロにまたがり、新居をたのしく歩き回るのであった。

キャスト 編集

※クレジット順・日本語吹替はテレビ版

ノンクレジット

スタッフ 編集

日本語版

編集

  1. ^ a b c d The Libertine, インターネット・ムービー・データベース (英語), 2011年2月27日閲覧。
  2. ^ a b The Libertine, allmovie (英語), 2011年2月27日閲覧。
  3. ^ Alfio Contini - IMDb(英語), 2011年2月27日閲覧。
  4. ^ Flavio Mogherini - IMDb(英語), 2011年2月27日閲覧。
  5. ^ a b c 『女性上位時代』(DVD)、パッケージ記述。
  6. ^ 『女性上位時代』(DVD)のパッケージ、表面には Costume di Gaia Romanini と記述され、裏面には「衣装 : ガイア・モゲリーニ」(正しくは衣裳、表記ママと記述されている。裏面は美術のフラヴィオ・モゲリーニとの混同による記載ミス。
  7. ^ a b Gaia Romanini - IMDb(英語), 2011年2月27日閲覧。
  8. ^ Armando Trovajoli - IMDb(英語), 2011年2月27日閲覧。
  9. ^ 女性上位時代、キネマ旬報映画データベース、2011年2月27日閲覧。
  10. ^ 女性上位時代、allcinema ONLINE, 2011年2月27日閲覧。
  11. ^ Fabienne Dali - IMDb(英語), 2011年2月27日閲覧。

参考文献 編集

関連事項 編集

外部リンク 編集