村田 夏南子(むらた かなこ、1993年8月10日 - )は、日本女性総合格闘家。元レスリング選手。愛媛県松山市出身。安部学院高等学校卒業。日本大学卒業。リバーサルジム新宿Me,We所属。所属事務所はMILLENNIUM PRO。元Invicta FC世界ストロー級王者。

村田 夏南子
基本情報
本名 村田 夏南子
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1993-08-10) 1993年8月10日(30歳)
出身地 愛媛県松山市
所属 フリー
→リバーサルジム新宿Me,We
身長 156cm
体重 53kg
階級 ストロー級
バックボーン 柔道レスリング
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獲得メダル
日本の旗 日本
女子 レスリング・フリースタイル
アジア選手権
2012 亀尾 55kg級
2013 ニューデリー 55kg級
2015 ドーハ 55kg級
世界ジュニア
2010 ブダペスト 59kg級
2011 ブカレスト 55kg級
ユニバーシアード
2013 カザン 55kg級
全日本レスリング選手権大会
2010 55kg級
2011 55kg級
2012 55kg級
2013 55kg級
2014 63kg級
2015 63kg級

経歴 編集

幼少期より祖父の下で柔道を始めた。女子柔道48kg級世界チャンピオンの浅見八瑠奈と 同じ伊予柔道会に所属して、5歳上の浅見から大きな影響を受けた[1]。小学校高学年では2年連続全国大会で3位となった[2]。また、小学生女子相撲大会4年生の部で優勝経験もある。

中学は愛知県大成中学へ柔道留学。1年次に52キロ級全国3位、2年次に全国優勝[3]。2008年3月のテューリンゲン国際大会でも優勝[4]。しかし、3年の時、自らが得意とする肩車掬投などタックル系の技を禁止するルール改正や、北京オリンピック吉田沙保里に憧れを抱いたことも相俟ってレスリングへ転向した[1]。 そして柔道の実績が評価されて、日本オリンピック委員会によるジュニア育成システムであるJOCエリートアカデミー2期生に合格した。

高校はレスリングの名門安部学院高校へ進学。全国高校女子選手権ジュニアオリンピックジュニアクイーンズカップなどの国内ジュニア大会を総なめにした。さらにアジアカデット選手権でも優勝を果たす。2010年には世界ジュニア選手権59kg級で銅メダル獲得。さらに全日本レスリング選手権大会準決勝では憧れの吉田と初対戦するが、テクニカルフォール負けを喫した。

2011年はFILAゴールデングランプリヤリギン国際大会で優勝。初のシニア国際大会タイトル獲得となった。全日本選抜レスリング選手権大会決勝で再び吉田と対戦するが敗れた。世界ジュニア選手権55kg級では優勝を飾った。12月の全日本選手権では吉田に敗れたものの、第一ピリオドにおいて2ポイントを奪う健闘を見せた[5]

2012年、JOCエリートアカデミーを卒業し日本大学に進学する。この年は1月のヤリギン国際大会、2月のアジア選手権、9月の世界ジュニア選手権、ゴールデングランプリの4大会で優勝と国際戦で大躍進を遂げ、前年の世界ジュニア選手権から5大会連続優勝となった。そして12月には吉田が欠場した全日本選手権で初優勝を果たした。

2013年、JOCが次世代のシンボルアスリートとして初制定した「JOCネクストシンボルアスリート」[6] の6選手の1人に選出された。

2016年からは総合格闘家に転向し、RIZINに参戦[7]

UWW世界ランキングは16位(2016年5月現在)。プロレスラーの橋本千紘は高校・大学の1年先輩。

総合格闘技 編集

RIZIN 編集

2015年12月31日、RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX2015 IZAの舞のリング上で挨拶を行い、RIZIN参戦及びに総合格闘技への転向が発表された。

2016年4月17日、RIZIN.1でプロ総合格闘技デビュー。ナタリア・デニソヴァと対戦し、3R判定勝ち。

2016年9月25日、RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 開幕戦でキーラ・バタラと対戦し、3R判定勝ち。

2016年12月29日、RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 2nd ROUNDで1階級上の中井りんと57.15kg契約で対戦し、3Rにリアネイキドチョークで一本負け。[試合映像 1]

2018年5月6日、RIZIN.10で後にUFC女子ストロー級王者になるジャン・ウェイリーと対戦が発表されていたが、ウェイリーが練習中の怪我で「左肩靭帯損傷」全治1ヶ月という診断を受け、試合直前に欠場[8]。代わりにランチャーナ・グリーンと対戦し、1Rフロントチョークで一本勝ちを収めた。[補足映像 1]

2018年8月12日、RIZIN.12で元UFCのアンジェラ・マガーナと対戦し、2Rに肩固めで一本勝ち。

2019年4月21日、RIZIN.15でサライ・オロスコと対戦し、2Rにヴォンフルーチョークで一本勝ちを収めた。

2019年6月7日、RIZINの団体経由でInvicta FCに参戦。Invictaデビュー戦となったInvicta FC 35でリアーナ・ピロシンにリアネイキドチョークで一本勝ち。

2019年11月1日、Invicta FC 38のInvicta FC世界ストロー級王座決定戦でエミリー・デュコテと対戦し、2-1(48-47、47-48、49-46)で判定勝ちを収め王座獲得に成功した[9]

UFC 編集

2020年11月14日、UFC初参戦となったUFC Fight Night: Felder vs. dos Anjosでランダ・マルコスと対戦し、3-0の判定勝ち[10]

2021年6月19日、UFC on ESPN 25: The Korean Zombie vs. Igeで女子ストロー級ランキング13位のビルナ・ジャンジロバと対戦するも、2Rに左ストレートを出した際に左肘を脱臼し[11]、2R終了時に自らの負傷によるドクターストップでTKO負けとなった[12]

2021年、バンタオ・ムエタイ&MMAで練習中に、練習相手のインド人男性選手がジムのルールを守らず、膝にサポーターを付けないまま村田とマススパーをして村田の顔面に膝蹴りを当てたことで前歯がすべて折れる大怪我を負い手術となった。この怪我により約2年半の間、試合ができなくなる事態となった。

2023年10月7日、約2年半ぶりに大怪我から復帰し、UFC Fight Night: Dawson vs. Greenでバネッサ・デモポロスと対戦するも、0-3の判定負けを喫した[13]

人物 編集

桜庭和志を尊敬している[14]

戦績 編集

総合格闘技 戦績
15 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
12 2 4 6 0 0 0
3 1 1 1 0
勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
× バネッサ・デモポロス 5分3R終了 判定0-3 UFC Fight Night: Dawson vs. Green 2023年10月7日
× ビルナ・ジャンジロバ 2R 5:00 TKO(腕の負傷) UFC on ESPN 25: The Korean Zombie vs. Ige 2021年6月19日
ランダ・マルコス 5分3R終了 判定3-0 UFC Fight Night: Felder vs. dos Anjos 2020年11月14日
エミリー・デュコテ 5分5R終了 判定2-1 Invicta FC 38: Murata vs. Ducote
【Invicta FC世界ストロー級王座決定戦】
2019年11月1日
リアーナ・ピロシン 1R 2:10 リアネイキドチョーク Invicta FC 35: Bennett vs. Rodriguez II 2019年6月7日
サライ・オロスコ 2R 2:12 ヴォンフルーチョーク RIZIN.15 2019年4月21日
アンジェラ・マガーナ 2R 3:53 肩固め RIZIN.12 2018年8月12日
ランチャーナ・グリーン 1R 4:54 フロントチョーク RIZIN.10 2018年5月6日
奈部ゆかり 5分3R終了 判定3-0 DEEP 79 IMPACT 2017年9月16日
クレア・フライヤー 5分3R終了 判定3-0 PANCRASE 288 2017年7月2日
× 中井りん 3R 1:16 リアネイキドチョーク RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 2nd ROUND 2016年12月29日
キーラ・バタラ 5分3R終了 判定3-0 RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 開幕戦 2016年9月25日
イローナ・ワイマン 1R 1:17 TKO(パウンド) Girls S-cup2016 〜七夕ジョシカク祭り〜 2016年7月7日
マイア・スティーブンソン 3R 3:43 TKO(パウンド) KOTC: Firefight 2016年6月4日
ナタリア・デニソヴァ 5分3R終了 判定3-0 RIZIN.1 2016年4月17日

主な戦績 編集

(柔道時代の戦績)

(以降はレスリングでの戦績)

獲得タイトル 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 村田夏南子(JOCエリートアカデミー/愛媛県松山市出身)第1回「オリンピックを目指す17歳」
  2. ^ 全国小学生学年別柔道大会
  3. ^ 全国中学校柔道大会 入賞記録
  4. ^ チューリンゲン国際大会結果(2008.4.1)全柔連
  5. ^ 吉田追い詰めた18歳・村田/レスリング サンケイスポーツ 2011年12月23日
  6. ^ <2013-2016>JOCシンボルアスリート/ネクストシンボルアスリートについて JOCニュース 2013年2月8日付
  7. ^ 村田夏南子 RIZIN参戦表明 女子レスリング東京五輪期待の星 日刊スポーツ 2016年1月1日
  8. ^ ウェイリー・ジャン選手欠場による村田夏南子選手の対戦相手変更のお知らせRIZIN公式サイト 2018年5月3日
  9. ^ 【Invicta】村田夏南子がInvicta FC世界ストロー級王者に!ゴング格闘技 2019年11月2日
  10. ^ 【UFC】村田夏南子がオクタゴンデビュー戦でフルマークの判定勝利!ゴング格闘技 2020年11月14日
  11. ^ 1ラウンド目は大丈夫でした、2ラウンド目、左ストレート出した瞬間に腕が外れました村田夏南子公式ツイッター 2021年6月22日
  12. ^ 【UFC】村田夏南子のUFC2戦目はドクターストップのTKO負け、強豪ジャンジローバに敗れるゴング格闘技 2021年6月20日
  13. ^ 【UFC】村田夏南子2年4カ月ぶり再起戦飾れず「相手の心を折る試合を」決意も0-3判定負け 日刊スポーツ 2023年10月8日
  14. ^ 村田夏南子UFC快勝デビュー「率直にうれしい」”. 日刊スポーツ (2020年11月15日). 2022年8月31日閲覧。

試合映像 編集

  1. ^ 【試合映像】2016.12.29 第9試合:中井りん vs 村田夏南子』RIZIN公式YouTubeチャンネル、2016年https://www.youtube.com/watch?v=XppMm7paCgg 

補足映像 編集

  1. ^ 【番組】RIZIN CONFESSIONS #13(※試合映像&村田夏南子とランチャーナ・グリーンによる試合振り返りドキュメンタリー番組)』RIZIN公式YouTubeチャンネル、2018年https://www.youtube.com/watch?v=oTKRhbHMLbI 

関連項目 編集

外部リンク 編集

空位
前タイトル保持者
ブリアナ・ヴァン・ビューレン
第7代Invicta FC世界ストロー級王者

2019年11月1日 - 2020年9月2日

次王者
N/A