深作健太

日本の映画監督

深作 健太(ふかさく けんた、1972年9月15日 - )は、日本映画監督演出家脚本家

ふかさく けんた
深作 健太
本名 同じ
生年月日 (1972-09-15) 1972年9月15日(51歳)
出生地 東京都
国籍 日本の旗 日本
民族 日本人
職業 映画監督
演出家
脚本家
ジャンル 映画
演劇
テレビドラマ
活動期間 1995年 -
著名な家族 深作欣二(父)
中原早苗(母)
藤尾純(祖父)
南部雪枝(祖母)
主な作品
映画
バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】
スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ
XX(エクスクロス) 魔境伝説
テレビドラマ
黒い報告書シリーズ
 
受賞
日本アカデミー賞
優秀脚本賞
2001年バトル・ロワイアル
ブルーリボン賞
作品賞
2000年バトル・ロワイアル
その他の賞
藤本賞 新人賞
第20回『バトル・ロワイアル』
毎日映画コンクール
脚本賞
第58回『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】
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東京都出身。成城大学文芸学部卒業。父は映画監督深作欣二[1][2]、母は女優中原早苗、祖父(早苗の父)は俳優藤尾純。名前の由来は、中原によると、俳優の今井健二が名付け親で健は高倉健、太は菅原文太から取った[3]

人物 編集

5歳の時、父・欣二に連れられ、映画柳生一族の陰謀』、『宇宙からのメッセージ』が撮影されていた東映京都撮影所へ行った[4][5]。欣二を慕う役者たちの存在は父への尊敬を膨らまし、「ケン坊、これ終わったら次は宇宙人の役やでえ」と声かけられ、「何とおもしろい世界だろうか」と思っていた[4][5]。幼い頃から遊んでくれた千葉真一真田広之がスクリーンの中で輝いていたことに感動し、ふだんの姿と役柄の違いを「裏側から楽しむ」ようになり、映画に惹かれていく[4][5]

大学卒業後、清掃会社に就職[1]。その後、フリーの助監督として東映テレビ・プロダクションスーパー戦隊シリーズ、映画『身も心も』(97)、『時雨の記』(98)、「おもちゃ』(98)などの作品につく[1]

脚本、プロデュースを担当していた『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』の撮影開始直後に監督である父の欣二が入院、翌2003年初頭に死去したため、その後の監督を引き継ぎ完成させた[1]。そのため実質的に『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』が深作健太作品となり、監督第1作となる。

早稲田大学教授の石原千秋は、成城大学勤務時代の教え子だった深作について、「彼は横光利一『上海』に色を感じると書いて、レポートに24色の色鉛筆を駆使した奇妙な物語展開図を付表として付けてきた。さっぱりわからなかったので、敬意を払って90点を付けた。翌年の卒業論文は「悦(よろこ)びの王権」と題する谷崎潤一郎細雪』論だった。副査の教員が「修士論文でも十分通用する」と感嘆したほどの出来だった。僕は教員として「わからないものにはとりあえず1票」という姿勢を採ることにしている。」と述べている[6]

近年では演劇やオペラ、テレビドラマの演出にも、活動の場を広げている。

受賞 編集

主な作品 編集

映画 編集

演劇 編集

  • 罠(2010年5月、演出 天王洲銀河劇場ほか)…舞台演出デビュー作
  • カレーライフ(2011年5月、演出 天王洲銀河劇場ほか)
  • 宮地大介第一回単独公演「ディスクジョッキーを黙らせろ」vol.深作健太(2012年3月、演出 笹塚ファクトリー)
  • カワイクなくちゃいけないリユウ(2012年6月、演出 新国立劇場ほか)
  • 里見八犬伝(2012年11月、演出 新国立劇場ほか)
  • 渇いた太陽 (2013年11月、演出 シアタークリエほか)
  • Be Here Now(2014年7月、演出 シアターグリーン)
  • 里見八犬伝(2014年10月、演出 新国立劇場ほか)
  • スワン(2014年12月、演出 紀伊国屋ホールほか)
  • シアワセでなくちゃいけないリユウ+カワイクなくちゃいけないリユウ(2015年1月、演出 新国立劇場ほか)
  • TABU タブー(2015年6月、演出 新国立劇場ほか)
  • MORSE モールス(2015年11月、演出 東京グローブ座ほか)
  • 闇狩人(2016年5月、演出 原作:坂口いく 天王洲銀河劇場ほか)
  • 裁判劇 Terror テロ(2016年8月、上演台本・演出 兵庫芸術文化センターほか)
  • 音楽劇 夜のピクニック(2016年9月、演出 水戸芸術館ACM劇場)
  • スルース〜探偵〜(2016年11月 - 12月、演出 新国立劇場ほか)[8]
  • 里見八犬伝(2017年4月、演出 文京シビックホールほか)
  • 罠(2017年7月、演出 サンシャイン劇場ほか)
  • いつもいつも君を憶ふ(2018年1月、演出 俳優座劇場)
  • 奏劇 ライフ・コンチェルト ある教誨師の物語(2018年8月、演出 紀伊国屋ホール)
  • 暗くなるまで待って(2019年1月、演出 サンシャイン劇場ほか)
  • ちょっと今から仕事やめてくる(2019年6月、演出 CBGKシブゲキ)
  • 里見八犬伝(2019年10月、演出 中野ZERO大ホール、明治座ほか)
  • Symphonic Drama 火の鳥 黎明編(2020年2月、演出 舞浜アンフィシアター)
  • 音楽劇 夜のピクニック(2020年9月、演出 水戸芸術館)
  • 火の顔(2021年3月、演出 吉祥寺シアター 第一回深作組プロデュース)
  • 神・鬼・麗 三大能(2021年8月、総合監督 映像配信)
  • UNDER STUDY アンダースタディ(2021年8月、演出 東京芸術劇場ほか)
  • CEDAR×深作組 ブリキの太鼓(2021年8月、演出 サンモールスタジオ)
  • ドン・カルロス(2021年11月、演出 紀伊国屋ホールほか)
  • CEDAR×深作組 ブリキの太鼓(2022年5月、演出 サンモールスタジオ)
  • オルレアンの少女(2022年10月、演出 シアタートラムほか)
  • 奏劇 Trio 君の声が聴こえる(2022年12月、演出 よみうり大手町ホール)
  • 火の顔 / アンティゴネ(2023年4月、演出 吉祥寺シアター)
  • ファンファーレ!! 響き続けた吹奏楽部の物語(2023年7月、演出 水戸市民会館開館記念事業)
  • 未婚の女(2023年10月、演出 銕仙会能楽研修所)
  • ノラ ーあるいは、人形の家ー(2024年5月、演出 銕仙会能楽研修所、水戸芸術館ACM劇場特設能舞台)

オペラ 編集

  • R.シュトラウス「ダナエの愛」(2015年10月 日本初演、演出 東京二期会)[9]
  • R.ワーグナー「ローエングリン」(2018年2月、演出 東京二期会)
  • L.V.ベートーヴェン「フィデリオ」(2020年9月、演出 東京二期会)

朗読劇 編集

  • 朗読 罠(2010年12月、演出 天王洲銀河劇場)
  • 朗読 カレーライフ(2011年12月、演出 サンシャイン劇場)
  • リーディング カワイクなくちゃいけないリユウ(2013年2月、演出 新国立劇場)
  • 橋爪功 ちょっぴりコワイ話(2013年5月、演出 兵庫芸術文化センターほか)
  • 橋爪功 ちょっぴりゾッとする話(2014年6月、9月 演出 兵庫芸術文化センターほか)
  • リーディング シアワセでなくちゃいけないリユウ(2015年12月、演出 天王洲銀河劇場)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選第一弾 「それから」(2016年3月、構成・演出 紀伊国屋サザンシアター)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選第二弾 「三四郎/門」(2016年12月、構成・演出 TOKYO FMホール)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選第三弾 「こゝろ」(2017年2月、構成・演出 東京グローブ座)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選第四弾 「三四郎/門、それから」(2017年5月、構成・演出 紀伊国屋サザンシアター)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選第五弾 「銀河鉄道の夜」(2017年10月、構成・演出 TOKYO FMホール)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選第六弾 「舞姫事件〜鷗外輪舞曲〜」(2018年4月、構成・演出 紀伊国屋サザンシアター)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選第七弾 「三つの愛と殺人〜芥川、太宰、安吾〜」(2018年10月、構成・演出 紀伊国屋サザンシアター)
  • 世界遺産劇場 「こゝろ」(2018年10月、構成・演出 奈良興福寺中金堂落慶記念)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング海外文学名作選第一弾 「ハムレット」(2019年1月、構成・演出 紀伊国屋サザンシアター)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選第八弾 「草枕〜漱石とグールド〜」(2019年2月、構成・演出 紀伊国屋サザンシアター)
  • 古事記〜出雲国神話集〜(2019年3月、構成・演出 出雲大社遷宮完遂記念)
  • 声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選第九弾 「こゝろ」(2019年5月、構成・演出 紀伊国屋サザンシアター)
  • 橋爪功リーディングシアター 「テロ」「居心地の悪い部屋」(2019年7月、演出 兵庫芸術文化センター)
  • 豊川市民朗読劇 「ハイネさん 〜豊川海軍工廠をめぐる物語〜」(2019年8月、演出 ウィンディアホール)
  • リーディング シェイクスピア「ロミオとジュリエット」(2019年12月、構成・演出 サンシャイン劇場)
  • 声のプロフェッショナルが奏でる日本文学 「吾輩は猫である〜はじまりの漱石」(2020年10月、構成・演出 紀伊国屋サザンシアター)
  • リーディング シェイクスピア「マクベス」(2020年12月、構成・演出 サンシャイン劇場)
  • リーディング シェイクスピア「ロミオとジュリエット」(2021年4月、構成・演出 昭和音楽大学テアトロジーリオショウワ)
  • 声のプロフェッショナルが奏でる日本文学 「三つの愛と、厄災 パンデミック」(2021年10月、構成・演出 紀伊国屋ホール)
  • 江戸川乱歩 名作朗読劇 「孤島の鬼」(2023年1月、構成・演出 紀伊国屋サザンシアター)
  • 朗読劇「胡蝶ノ、ユメ」(2023年8月、演出 TOKYO FMホール)
  • 江戸川乱歩 名作朗読劇 「怪人二十面相」(2024年2月、構成・演出 博品館劇場)

テレビドラマ 編集

  • 黒い報告書 女と男の事件ファイル「孤独」第一の報告書:「かげぼうしの女」(2012年6月9日、BSジャパン)テレビドラマ初監督
  • 黒い報告書 女と男の事件ファイルII「仮面」 第三の報告書:「リア充の女」(2012年12月8日、BSジャパン)
  • 黒い報告書 女と男の事件ファイルIII 「誤解」 第五の報告書:「たかる女」(2013年7月6日、BSジャパン)

テレビアニメ 編集

ラジオドラマ 編集

短編映画 編集

  • 斬〜KILL〜「こども侍」(2008年、監督)
  • ジョーのかけおち(2010年、監督)
  • シネマ☆インパクト/胸が痛い(2012年、監督)
  • のどぼとけ(2013年、監督)

携帯ドラマ 編集

  • 奇妙な恋の物語 第二話「恋するエスパー」(2014年7月、UULA

ミュージックビデオ 編集

  • 長渕剛「Come on stand up!」DVD The making of 19R(2007年、演出)
  • Hibikilla「仁」「最悪ノ事態」(2011年、演出)

ラジオ 編集

  • THE NEVER ENDING STORY FMヨコハマ (2017年、パーソナリティ 共演 世名加奈)

コンサート 編集

  • JET STREAM 2014“LIVE IN CONCERT”(2014年3月、演出)
  • JET STREAM 2015“LIVE IN CONCERT”(2015年3月、演出)

ゲーム 編集

  • 荒野行動(2018年、日本首席ストーリーアドバイザー)

脚注 編集

  1. ^ a b c d 「スーパー戦隊制作の裏舞台 深作健太」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1995 超力戦隊オーレンジャー講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2019年4月10日、32頁。ISBN 978-4-06-513710-9 
  2. ^ 深作さんに最後の別れ/映画関係者多数が参列”. 四国新聞社 (2003年1月16日). 2021年5月31日閲覧。
  3. ^ 深作欣二、萩原健一に「Vシネマみたいな台本だよ」」『アサ芸+』、徳間書店、2012年11月20日、2012年12月13日閲覧 
  4. ^ a b c 父・深作欣二に望んだ息子・健太の「一子相伝」」『アサ芸+』、徳間書店、2012年11月30日、2012年12月4日閲覧 
  5. ^ a b c 深作健太監督インタビュー / 第1回” (html). 東映チャンネル特別企画 没後10年メモリアル【総特集 映画監督 深作欣二】. 東映チャンネル (2013年). 2013年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月9日閲覧。
  6. ^ 『文芸時評』3月号 早稲田大学教授・石原千秋 「わからなさ」への態度https://web.archive.org/web/20120226122336/http://sankei.jp.msn.com/life/news/120226/bks12022608490006-n1.htm
  7. ^ HiNT!進化挑戦のヒケツ file14 深作健太”. 2022年11月27日閲覧。
  8. ^ “「スルース~探偵~」新納慎也&音尾琢真、Wキャストで西岡徳馬に対峙”. ステージナタリー. (2016年10月4日). https://natalie.mu/stage/news/204145 2016年10月4日閲覧。 
  9. ^ 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター

外部リンク 編集