絆會(きずなかい)は、兵庫県尼崎市に本部を置く指定暴力団。準構成員を含めた組員数は2020年末の時点で約490人(構成員約230人、準構成員約260人)[1]

絆會
設立2017年4月30日(任俠団体山口組として)
本部〒661-0961
兵庫県尼崎市戸ノ内町3-32-6[1]
首領織田絆誠(本名:金禎紀)[1]
活動期間2017年 - 現在
活動範囲1都1道1府10県[1]
構成員数
(推定)
約490人[1]
┗構成員 約230人
┗準構成員等 約260人
敵対組織六代目山口組
神戸山口組

概要編集

元々は六代目山口組から分裂して発足した神戸山口組の一部直系組員らがさらに分裂して2017年4月30日に結成されたものであり、当初は、山口組の名を冠した「任俠団体山口組」[2]としていた。その後、後述の理由により同年8月9日に「任侠山口組」に改称。さらに2020年1月12日に山口組の名を外した現名称へ変更した[3]

来歴編集

元々は、指定暴力団山口組を源流としていたが、2015年に抗争分裂が起き、一部メンバーが神戸山口組を結成。しかし、2017年4月30日、この神戸山口組のメンバーの一部が再分裂して「任俠団体山口組」を結成。これにより山口組を源流とする暴力団は3派に分割することになった。

2017年4月30日の決意表明と称した結成式で、組織については名目上の「組長」は置かずに、神戸山口組系列の中核団体山健組(本部神戸市中央区)の織田絆誠(金禎紀)元副組長(当時50歳)を代表、また、真鍋組(本部尼崎市戸ノ内町)の池田幸治組長(当時50歳)を本部長とする組織を発表した。

暴力団対策法上、指定暴力団とする場合には「暴力団の威力を用いて資金を獲得」「構成員の一定以上に暴力団特有の犯罪歴」「組長などをトップとした階層的な暴力団特有の組織形態」の3要件が必要と規定されており、組長を置かない任侠団体山口組は暴対法逃れの組織形態になっているとの指摘があるが、警察当局は、分裂でなく内部対立状態であり、今後も神戸山口組の一部として暴対法上の規制対象になると認識している[4]

なお、5月7日には六代目山口組淡海一家から分裂した「京滋連合」の結成式に任俠団体山口組の池田幸治本部長らが出席しており、同団体も任侠団体山口組に合流したとみられる[5]

8月9日に、「任侠山口組」へ改名した。 改名の主な理由として、報道機関が旧組織名である「任俠山口組」を報じる際、旧字体である「俠」がインターネットニュースなどで正確に表記されず、「任●山口組」と誤表記される事例が相次いだことが挙げられる。あたかも隠語のような「任●山口組」では、あまりにも体裁が悪いとして、内外より不満の声が高まったため改名に至った[6]

9月12日、神戸市長田区の路上で、代表・織田絆誠らの乗った車列が、武装した集団から銃撃された。織田は現場近くに住んでおり、自宅を出発した直後に待ち構えていた男らに襲撃された。織田の乗車する車両は後進(バック)走行でその場から立ち去り、織田にけがはなかったが、織田のボディーガードである組員1名(当時44歳)が射殺された[7]。現場からは銃撃した複数の男らが逃走していたが、9月16日、兵庫県警長田警察署捜査本部は、殺人容疑で神戸山口組直系である山健組傘下の組員を全国に指名手配した。

2018年3月22日、兵庫県公安委員会により指定暴力団に指定された[8]

2020年2月17日、兵庫県公安委員会は、名称が「絆會」に変更されたとして官報に公示された。 理由としては名称変更によって「特定抗争指定暴力団」に指定された2つの組織との違いを明確にするねらいがあると見られる。

8月11日、池田幸治若頭が尼崎署に真鍋組の解散届を提出、同組は解散し 翌月、六代目山口組本部を訪れ謝罪し、正式に引退した。

構成編集

役職 氏名 二次団体 本部
総裁 織田絆誠(本名:金禎紀)
総裁 池田幸治 四代目真鍋組組長 兵庫県尼崎市
− 総裁 山崎博司 二代目古川組組長 兵庫県尼崎市
総裁 金澤成樹(本名:金成行) 織田連合会長 長野県上田市
総裁 土倉太郎 二代目土倉組総裁 大阪府大阪市
総裁補佐 植木亨 二代目植木会会長 福岡県福岡市
総裁補佐代行 前川勝優 絆誠連合会長 北海道札幌市
総裁補佐代行補佐 高橋輝吉(本名:高橋剛) 古川興業組長 兵庫県尼崎市
総裁補佐代行補佐代行補佐 紀嶋一志(本名:小笹仁) 二代目織田興業組長 大阪府大阪市
副総裁 権藤聡 三代目鈴秀組組長 大阪府寝屋川市
副総裁代行 田中勝彦 大阪府岸和田市
副総裁代行補佐 新井孝寿(本名:朴孝寿) 雅新会会長 兵庫県尼崎市
若頭補佐 小島大享 神戸絆会会長 兵庫県神戸市
若頭補佐 日高洋行 二代目姫野組組長 大阪府東大阪市
若頭補佐 上杉正義 誠連合会長 千葉県千葉市
組長付・副総裁 張本勝 二代目張本組総裁 兵庫県西宮市
舎弟 石澤重長 石澤組組長 長野県長野市
舎弟 花田哲雄 三代目東海連合総裁 静岡県三島市
舎弟 山下憲生 山下組組長 大阪府大阪市
舎弟 中井一廣 中井組組長 大阪府大阪市
幹部・組長秘書 前田貴光 二代目志闘会会長 兵庫県神戸市
幹部・慶弔委員長 佐藤栄城 二代目柏田組組長 大阪府東大阪市
幹部・風紀委員長 大島毅士(本名:東野毅) 奥州会会長 宮城県石巻市
幹部 拝藤眞冶(本名:拝藤政也) 三代目勢道会会長 大阪府東大阪市
幹部 芥川貴光 二代目平山組組長 茨城県日立市
幹部 金山健一 三代目矢倉会会長 大阪府堺市
幹部・事務局長 山本一守 山本会会長 大阪府大阪市
直参 牟田秀次郎 牟田会会長 兵庫県神戸市
直参 福井誠則 薩州会会長 鹿児島県鹿児島市
直参・渉外委員 加藤直樹 三代目北竜会会長 北海道札幌市
直参・渉外委員 鈴木頼一 二代目川田組組長 東京都
直参・渉外委員 阪東浩 阪東組組長 大阪府大阪市
直参・慶弔委員 浅野敏春 浅野会会長 長野県長野市
直参 宮下聡 四代目竹内組組長 長野県松本市
直参 中村彰宏 三代目大平組組長 兵庫県尼崎市
直参 山原隆寿 五代目春駒組組長 和歌山県和歌山市
直参 道久誠 二代目清水組組長 長野県長野市
直参・風紀委員 稲山恵 二代目土倉組組長 大阪府東大阪市
直参 廣瀬元則 二代目絆侠会会長 大阪府大阪市
直参 東龍英史 龍侠會会長 群馬県高崎市
直参 仲島利秋 絆秋會会長 東京都
直参 出石正人 絆真会会長 兵庫県神戸市
直参 矢野剛毅 昌道会会長 千葉県千葉市
直参 百瀬雅樹 二代目金澤組組長 長野県松本市
直参 狩野誠 二代目張本組組長 埼玉県さいたま市

事務所の使用差し止め請求編集

2018年、暴力団追放兵庫県民センターは、地域住民人の代理として尼崎市内の任侠山口組本部事務所に対し、使用差し止めを求めた仮処分申請を神戸地方裁判所に申し立て同年中に認められた。さらにセンターは、会合などで使われていた古川組事務所に対し、使用差し止めを求めた仮処分申請を神戸地方裁判所に申し立てた[9]

出典編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e 警察庁組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課 (2021-04-08) (PDF). 令和2年における組織犯罪の情勢【確定値版】 (Report). pp. 1-34. https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kikakubunseki/sotaikikaku09/R02.sotaijyousei.pdf 2021年4月8日閲覧。. 
  2. ^ 神戸山口組・分裂 新組織は「任侠団体山口組」(毎日新聞2017年5月1日 同5月6日閲覧)
  3. ^ “指定暴力団 任侠山口組が「絆會」へ名称変更 “山口組”外す”. NHKニュース. (2020年1月12日). オリジナルの2020年7月15日時点におけるアーカイブ。. http://archive.ph/DI9KT 2020年1月12日閲覧。 
  4. ^ “【山口組再分裂】新組織は「組長空席」「平等、支え合い」標榜 暴力団指定免れる形態に?”. 産経ニュース. (2017年5月11日). http://www.sankei.com/affairs/news/170511/afr1705110029-n1.html 2017年5月13日閲覧。 
  5. ^ “「任侠団体山口組」結成1週間、6代目山口組にも異変 直系から組員離脱「京滋連合」誕生”. zakzak. (2017年5月9日). http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170509/dms1705091700009-n1.htm 2017年5月13日閲覧。 
  6. ^ “「神戸山口組離脱の勢力、組織名を「任侠山口組」に変更 旧字体表記されず不満か”. 産経WEST. (2017年8月10日). http://www.sankei.com/west/news/170810/wst1708100100-n1.html 2017年9月14日閲覧。 
  7. ^ “溝口敦氏特別リポート 「任侠山口組」織田代表襲撃の内幕か”. 日刊ゲンダイ. (2017年9月13日). https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/213441/1 2017年9月15日閲覧。 
  8. ^ “任侠山口組が指定暴力団に 官報で公示”. 神戸新聞. (2018年3月22日). https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201803/0011090905.shtml 2018年3月24日閲覧。 
  9. ^ 任侠山口組傘下組織事務所 使用差し止め申し立て”. 神戸新聞 (2019年10月31日). 2019年11月2日閲覧。

関連項目編集