著作権問題を考える創作者団体協議会
著作権問題を考える創作者団体協議会(ちょさくけんもんだいをかんがえるそうさくしゃだんたいきょうぎかい)とは、かつて日本に存在した著作権問題について芸術・芸能ジャンル、事業分野の異なる各団体が連携協力するための協議団体。略称=「創団協」。
概要
編集2006年7月に、著作権の保護期間を現在の死後50年から死後70年に延長することを主要な目的として設立された団体で、当初は日本文藝家協会、日本漫画家協会、日本美術家連盟、日本写真著作権協会、日本音楽著作権協会、日本芸能実演家団体協議会など16団体で設立。同年12月、日本演劇協会が参加し、17団体となる[1]。著作物の利用機会の多い放送事業者や新聞、書籍出版・雑誌出版などのメディア関係団体は参加していない。
保護期間の延長に加えて、戦時加算問題の早期解決、私的録音録画補償金制度の拡大・改善、音楽や映画、文学作品など各種著作物の権利者情報を検索するための情報システムの運用に取り組む[2]。
事務局は、日本音楽著作権協会(JASRAC)内に存在した。議長(代表)は、作家の三田誠広(日本文藝家協会副理事長、日本文藝著作権センター事務局長)。
沿革
編集2006年7月4日、関係14団体が著作権の保護期間の延長問題について懇談会を開催。同年9月15日、役員会で協議会の名称を「著作権問題を考える創作者団体協議会」とすることを決定。同年9月22日、著作権の保護期間を現在の死後50年から死後70年に延長することを求める共同声明を発表、文化庁に対し要望として提出。同年12月1日、日本演劇協会が参加[3]。
2007年1月24日総会で、世界各国の著作権管理団体で構成される非営利、民間の国際組織CISAC(著作権協会国際連合)に対し戦時加算問題の解消を呼びかける書簡を送付することを決定した[3]。
同年3月12日、戦時加算の解消について支援を求める書簡をCISAC事務局長に送付[3]。
6月1日にベルギーのブリュッセルで開催された著作権協会国際連合(CISAC)総会で、各国の加盟団体が会員に対して戦時加算の権利を行使しないよう働きかけることを要請する決議が、全会一致で採択された[4]。決議は、戦時加算分の10年の倍にあたるプラス20年の著作権保護期間の延長される日本の法改正を前提に加算分の放棄を呼びかけるものとなった[5]。
※詳細は戦時加算の「日本に関する戦時加算解消への動き」の節参照。
2007年8月31日、音楽や映画、文学作品など各種著作物の権利者情報を検索するための情報システムを2009年1月に運用開始する方針を表明[6]。
2009年1月23日、権利者情報を提供するウェブサイトを開設[7]。
2018年12月30日に環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP、TPP11)が発効されたことで保護期間が延長されたため、協議会は解散した[注 1]。
脚注
編集注釈
編集- ^ しかしながら、依然として戦時加算の問題は完全に解決されておらず、結果的に“食い逃げ”という形となった。
出典
編集- ^ 創作者団体協議会の活動状況[リンク切れ]著作権問題を考える創作者団体協議会サイト内
- ^ よくある質問著作権問題を考える創作者団体協議会サイト内[リンク切れ]
- ^ a b c 前掲・創作者団体協議会の活動状況[リンク切れ]
- ^ 保護期間延長の是非を問う議論がスタート、文化審議会小委INTERNET Watch 2007年6月26日
- ^ 日本における戦時加算に関する決議著作権問題を考える創作者団体協議会サイト内・PDFファイル][リンク切れ]
- ^ 著作権17団体、権利者データベースを2009年1月に開設PC Online's Weekly
- ^ 著作権17団体のポータルサイトが開設、DB構想は大幅縮小2009年1月23日 PCオンラインサイト内
構成団体
編集- 日本文藝家協会
- 日本脚本家連盟
- 日本シナリオ作家協会
- 日本児童文学者協会
- 日本児童文芸家協会
- 日本漫画家協会
- 日本美術家連盟
- 日本美術著作権連合
日本美術家連盟/日本グラフィックデザイナー協会/日本児童出版美術家連盟/日本図書設計家協会/日本理科美術協会/日本出版美術家連盟/東京イラストレーターズソサエティ - 日本写真著作権協会
日本写真家協会/日本広告写真家協会/日本写真文化協会/日本婚礼写真協会/日本肖像写真家協会/日本写真作家協会/全日本写真連盟/日本スポーツプレス協会/日本自然科学写真協会/日本風景写真協会 - 日本写真家ユニオン
- 日本音楽作家団体協議会
詩と音楽の会/全日本音楽著作家協会/全日本児童音楽協会/日本音楽著作家連合/日本歌謡芸術協会/日本現代音楽協会/日本作曲家協会/日本作曲家協議会/日本作詩家協会/日本作編曲家協会/日本詩人連盟/日本童謡協会/日本訳詩家協会 - 日本音楽著作権協会
- 音楽出版社協会
音楽出版社270社 - 日本芸能実演家団体協議会
関西俳優協議会/名古屋放送芸能家協議会/日本映画俳優協会/日本演出者協会/日本喜劇人協会/日本芸能マネージメント事業者協会/日本劇団協議会/日本児童・青少年演劇劇団協同組合/日本新劇製作者協会/日本新劇俳優協会/日本人形劇人協会/日本俳優協会/日本俳優連合/日本モデルエージェンシー協会/人形浄瑠璃文楽座むつみ会/能楽協会/大阪三曲協会/関西常磐津協会/義太夫協会/清元協会/古曲会/新内協会/筑前琵琶連合会/当道音楽会/常磐津協会/長唄協会/名古屋邦楽協会/日本小唄連盟/日本三曲協会/日本琵琶楽協会/音楽制作者連盟/日本演奏連盟/日本オーケストラ連盟/日本オペラ連盟/日本音楽家ユニオン/日本歌手協会/日本作編曲家協会/日本シャンソン協会/日本シンセサイザー・プログラマー協会/日本青少年音楽芸能協会/日本録音指揮者連盟/パブリック・イン・サード会/レコーディング・ミュージシャンズ・アソシエイション・オブ・ジャパン/現代舞踊協会/全日本児童舞踊協会/東京バレエ協議会/名古屋洋舞家協議会/日本ジャズダンス芸術協会/日本バレエ協会/日本舞踊協会/日本フラメンコ協会/上方落語協会/関西演芸協会/関西芸能親和会/講談協会/太神楽曲芸協会/東京演芸協会/日本奇術協会/日本司会芸能協会/日本浪曲協会/ボーイズバラエティ協会/漫才協会/落語協会/落語芸術協会/浪曲親友協会//沖縄芸能実演家の会/沖縄県芸能関連協議会/日本照明家協会/日本舞台音響家協会/日本舞台監督協会/日本ミキサー協会/日本民俗芸能協会/全日本舞踊連合/日本演芸家連合/芸団協中部協議会/芸団協関西協議会/賛助会員団体 - 日本レコード協会
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