西村義明
経歴編集
アメリカ留学から帰国後の2002年にスタジオジブリに入社[2]。当初は著作権・法務関係の部署に所属、次いで『ハウルの動く城』『ゲド戦記』『崖の上のポニョ』で宣伝を担当[2]。2006年にスタジオジブリが公開したフランスのアニメ映画『王と鳥』の宣伝プロデューサーを担当した[2]。
2006年11月から、当時企画が進行していた高畑勲監督作品の担当プロデューサーとなる[3][4]。この企画には先に担当者が1名おり、2名体制で取り組んだ[3]。2008年5月、企画が最終的に『竹取物語』を原作とした『かぐや姫の物語』に決まる[4]。しかし、同年8月に先任者が降板、以後は西村が一人で担当することとなる[3]。その後、さらに5年あまりの歳月をかけ、2013年11月に公開にこぎ着けた。
2014年3月、2014年夏公開の映画『思い出のマーニー』のプロデューサーとなり、従来は鈴木敏夫がおこなっていた業務を引き継ぐことが明らかにされた[5]。
2015年6月、同年4月にスタジオポノックを設立し、西日本旅客鉄道(JR西日本)のキャンペーン用アニメを手がけていたことが発表された[6]。その時点ではスタジオジブリ社員という身分も継続していると報じられていたが[6]、実際には2014年末に退社していた[7][8]。
批判編集
2016年6月に行われた英紙ガーディアンの取材において、ジブリに女性監督がいなかった理由を「『女性は現実主義的、男性は理想主義的』であり、(ジブリが重要視する)ファンタジー映画には理想主義的なアプローチが必要だから」と発言、男性監督が選ばれてきたことは偶然ではないと答えた[7]。この発言が海外メディアから批判されたことを受け、西村は6月13日にスタジオポノックのtwitterにおいて、問題となった発言につき「男性は観念的な傾向が強く、現実を生きる力は女性の方が長けている。そういう差別的で偏った考えは、確かに自分の中にありました。反省し、勉強します。映画を作るのに性別は関係ありません。深くお詫びいたします」と謝罪した[8]。
代表作編集
公開日 | 作品名 | 制作(配給) | 役職 |
---|---|---|---|
2004年11月20日 | ハウルの動く城 | 徳間書店 スタジオジブリ ウォルト・ディズニー・カンパニー 日テレ 電通 三菱商事 (東宝) |
制作業務 |
2013年11月23日 | かぐや姫の物語 | スタジオジブリ ウォルト・ディズニー・カンパニー 日テレ 電通 博報堂DYメディアパートナーズ 三菱商事 KDDI (東宝) |
プロデューサー |
2014年7月19日 | 思い出のマーニー | スタジオジブリ ウォルト・ディズニー・カンパニー 日テレ 電通 博報堂DYメディアパートナーズ 三菱商事 KDDI (東宝) |
プロデューサー |
2017年7月8日[9] | メアリと魔女の花 | プロデューサー | |
2018年8月24日 | ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間- | プロデューサー |
参考文献編集
- 「キネマ旬報 2013年12月上旬号」、キネマ旬報社、2013年、 JAN 4910207211238。
脚注編集
- ^ ポノック短編劇場 『小さな英雄 -カニとタマゴと透明人間-』 キャスト・スタッフ
- ^ a b c ジブリ新時代を担う西村義明ってどんな人? - cinemacafe.net 2014年3月22日
- ^ a b c 「『かぐや姫の物語』への道」『スタジオジブリ絵コンテ全集20 かぐや姫の物語』月報、徳間書店、2013年、pp.7 - 12
- ^ a b 「西村Pの制作クロニクル」『美術手帖』2014年1月号、p.63
- ^ ジブリ・鈴木プロデューサーが勇退!後任36歳・西村氏で“新時代”到来 - スポーツ報知2014年3月9日
- ^ a b スタジオジブリはどうなる!? “鈴木敏夫の後継者”西村義明プロデューサーが新会社を設立していた! - おたぽる2015年6月11日
- ^ a b ジブリ作品プロデューサーの発言が性差別的と物議「あくまで個人の見解」と説明 - BuzzFeed 2016年6月9日
- ^ a b “元ジブリ西村氏、“性差別”発言を謝罪「反省し、勉強します」”. シネマトゥデイ. (2016年6月13日) 2016年6月14日閲覧。
- ^ “スタジオジブリ出身・米林宏昌監督の新作『メアリと魔女の花』が2017年夏公開”. シネマトゥデイ. (2016年12月15日) 2016年12月15日閲覧。