赤い河
『赤い河』(あかいかわ、原題: Red River)は、1948年製作のアメリカ合衆国の西部劇映画。ハワード・ホークス監督作品。ボーデン・チェイスが史実に基づいて執筆した "Blazing Guns on the Chisholm Trail"(『チザム・トレイル』、サタデー・イヴニング・ポスト誌に連載)を原案とし、チェイス本人とチャールズ・シュニーが共同で脚色を担当している[4]。アカデミー賞2部門にノミネートされるなど、西部劇映画の傑作の一つである。当時新人のモンゴメリー・クリフトは、本作に出演した事によりスターの仲間入りを果たした[5]。
赤い河 | |
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Red River | |
![]() ポスター(1948) | |
監督 | ハワード・ホークス |
脚本 |
ボーデン・チェイス チャールズ・シュニー |
原案 | ボーデン・チェイス |
製作 | ハワード・ホークス |
製作総指揮 | チャールズ・K・フェルドマン[1] |
出演者 |
ジョン・ウェイン モンゴメリー・クリフト ジョアン・ドルー ウォルター・ブレナン |
音楽 | ディミトリ・ティオムキン |
撮影 | ラッセル・ハーラン |
編集 | クリスチャン・ナイビー |
製作会社 |
Monterey Productions チャールズ・K・フェルドマン・グループ[2] |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 133分 |
製作国 |
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言語 |
英語 スペイン語 |
製作費 | $3,000,000[3] |
日本ではユナイテッド・アーティスツ日本支社と松竹洋画部が初めて提携して配給・公開した作品である[4]。
ストーリー編集
1851年。開拓民の幌馬車隊と行動を共にしていた開拓者のトーマス・ダンソンは、自分の牧場を設けるのにうってつけの土地を見つけ、幌馬車隊の隊長に別れを告げる。隊長は「この一帯は、インディアンが出るから危ないし、お前は有能だから手放したくない」と抗議するが、ダンソンは一度言い出すと聞かない一面があったので、根負けする。幌馬車隊の娘であり、ダンソンに恋をしていたフェンは自分を一緒に連れて行くよう申し出るが、ダンソンは「女は連れて行けない」と断る。代わりに、ダンソンは母の形見である腕輪をフェンに贈り、必ずいつか迎えに行くと約束を交わし、ダンソンに惚れ込んだ同じく開拓者のグルート・ナディンと自分の家畜である2頭の牛を連れて隊を離れた。だが、しばらくして川の近くまで来た2人は幌馬車隊の向かった方向から、煙が上がるのを見て幌馬車隊がインディアンの襲撃を受けた事を知る。助けに行くにしても、ここからでは遠すぎるし間に合わない。2人は断腸の思いで幌馬車隊の救助を断念した。
その夜、川の近くで野営をしていたダンソンとグルートは、少数人数のインディアンの集団に夜襲を受ける。辛うじて撃退に成功するものの、倒したインディアンの一人がダンソンがフェンに贈ったはずの腕輪を付けているのを見て、ダンソンはフェンがインディアンに殺害されてしまった事を知り愕然とする。
翌日、テキサス州のレッドリバーに向かう途中で、家族をインディアンに殺害された一頭の牛を連れた一人の少年、マシュウ・ガースに出会う。ダンソンは彼を養子として迎え、ミシシッピ川の側にある広大な土地に自分の牧場を作る。
それから14年後。南北戦争(血を流すカンザス)が締結した1865年。ダンソンの牧場の牛は1万頭を超えていたが、南北戦争によって牛を買ってくれる業者がいなくなり、牧場の経営は火の車となっていた。そこへ、南北戦争から青年になったマシュウが帰ってきた。銃の腕前もダンソンに勝るとも劣らない腕前になっていた。やがてダンソンは、サンタフェ・トレイルを通ってセダリアへ1万頭の牛を運ぶ大規模なロングドライブの計画を立てる。列車を使えばこれまでより肉の需要が豊富なミズーリ州の市場まで安全に行けるにもかかわらず、カンザス州北部アビリーンから東部まで列車(Kansas Pacific Railway)が通ったという噂には耳を貸さなかった。
そして、セダリアへ向けて、ダンソンはマシュウとグルートを片腕に、多くの牧童と1万頭の牛を連れて旅に出る。
キャスト編集
- トーマス・ダンソン
- 演 - ジョン・ウェイン、日本語吹替 - 小林昭二
- 開拓民の幌馬車隊を離れ、大牧場主になった男。
- マシュウ(マット)・ガース
- 演 - モンゴメリー・クリフト、日本語吹替 - 山内雅人
- 少年時代にダンソンが引き取って育てた青年。切れ者でダンソンの右腕。
- ナディン・グルート
- 演 - ウォルター・ブレナン、日本語吹替 - 槐柳二
- ダンソンの相棒。料理担当として旅に同行。
- フェン
- 演 - コリーン・グレイ、日本語吹替 - 森ひろ子
- ダンソンの恋人。先住民に殺される。
- テス・ミレー
- 演 - ジョアン・ドルー、日本語吹替 - 北浜晴子
- マットが旅の途中で出会った女性。マットを深く愛する。
- チェリー・ヴァレンス
- 演 - ジョン・アイアランド、日本語吹替 - 中田浩二
- 銃の腕の立つカウボーイ。牧場主ミーカーの下を離れてダンソンに雇われる。
- バスター・マクギー
- 演 - ノア・ビアリー・Jr、日本語吹替 - 野田圭一
- ダンソンに雇われたカウボーイ。マットの右腕として働く。
- ダン・ラティマー
- 演 - ハリー・ケリー・ジュニア、日本語吹替 - 緑川稔
- ダンソンに雇われたカウボーイ。牛の暴走事故で死ぬ。
- ティーラー・ヤシー
- 演 - ポール・フィックス、日本語吹替 - 北村弘一
- ダンソンに雇われたカウボーイ。旅の途中でダンソンのやり方に反発して脱走する。
- メルヴィル氏
- 演 - ハリー・ケリー
- グリーンウッド商社の男。マットが運んだ牛を高値で買い取る。
※日本語吹替版 - 初放映1968年1月7日『日曜洋画劇場』
スタッフ編集
- 製作総指揮:チャールズ・K・フェルドマン
- 製作:ハワード・ホークス
- 監督:ハワード・ホークス
- 脚本:ボーデン・チェイス
- 撮影:ラッセル・ハーラン
- 美術:ジョン・D・アレンスマ
- 音楽:ディミトリ・ティオムキン
- 編集:クリスチャン・ナイビー
受賞歴編集
脚注編集
関連項目編集
外部リンク編集
- 赤い河 - allcinema
- 赤い河 - KINENOTE
- Red River - オールムービー(英語)
- Red River - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- Red River - TCM Movie Database(英語)
- Red River - Rotten Tomatoes(英語)