辻堂ゆめ
1992年12月18日[1] -)は、日本の小説家、推理作家。女性。神奈川県藤沢市出身[2][3]。
(つじどう ゆめ、辻堂 ゆめ (つじどう ゆめ) | |
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誕生 |
1992年12月18日(31歳) 神奈川県藤沢市 |
職業 |
小説家 推理作家 |
国籍 | 日本 |
活動期間 | 2015年 - |
ジャンル | ミステリー |
主な受賞歴 |
『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞(2014年) 大藪春彦賞(2022年) |
デビュー作 | 『いなくなった私へ』(2015年) |
公式サイト | 辻堂ゆめ Official Website |
ウィキポータル 文学 |
経歴
編集小学4年までは茨城県水戸市で過ごし[4]、中学1年から高校1年までをアメリカで過ごす[3]。(いずれも父の転勤によるもの[4]。)
そのため藤沢市立明治中学校に入学[5][6]したが、1ヶ月で途中で転校し[7]、アメリカ合衆国・ニュージャージー州のBrookside Middle Schoolを卒業[8]。高校2年生のときに帰国し[4]、神奈川県立湘南高等学校[6]に編入。2011年に卒業[3]。国家公務員に興味があったため[9]、同年、東京大学教養学部文科一類に入学した[3]。
2014年、東京大学法学部の在学中に、神家正成「深山の桜」とともに「夢のトビラは泉の中に」で第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞(大賞は降田天「女王はかえらない」)[10][11]。『このミステリーがすごい!』大賞の学生での受賞は水田美意子(第4回、特別奨励賞)以来で、優秀賞の受賞は女性初となる[12]。翌2015年、同作を『いなくなった私へ』と改題し刊行、小説家デビューを果たす[5]。同年3月、東京大学総長賞を受賞し[13]、同大学を卒業[14]。同年4月、都内にあるIT通信関係の企業に就職[15][16]。藤沢市生涯学習特別貢献表彰を受賞[17]。2018年6月、通信関係の企業を退職して専業作家になる[18]。
2021年、『十の輪をくぐる』で第42回吉川英治文学新人賞候補[19]。2022年、『トリカゴ』で第24回大藪春彦賞受賞[20]、第75回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門候補[21]。
人物
編集4歳の時に親から「作家」という言葉を教えてもらい、幼稚園で「大きくなったら作家になりたい」と話していたという[22]。受賞コメントとして、「読み終わった時に、心に温かいものが残るような作品を書いていきたい」と語っている[22]。
ペンネームの「辻堂」は出身地名[6]、「ゆめ」はサークルでの愛称に由来する[23]。
受賞作「夢のトビラは泉の中に」は、大学2年の時にプロットを考えて冒頭の部分だけを書き、大学3年の時に最後まで書き上げた。書き始めた当初は、新人賞に応募しようとは思っていなかったため、「本当に書き上げて良かった」と語っている[24]。
大学のサークルは合唱・バンド・ミュージカル[4]。趣味はギターの弾き語り[2]。
2018年3月に結婚。夫は会社の同期[18][25]。2児の母[26]。
社会人3年目に通信制大学で教員免許(小学校教員免許)を取得したが、作家業が忙しくなったことと出産もあり、教員としての活動は行っていない[4]。※2020年8月現在
ミステリ・ランキング
編集- 本格ミステリ・ベスト10
- 2022年 - 『トリカゴ』22位
作品リスト
編集単著
編集片想い探偵 追掛日菜子
編集- 片想い探偵 追掛日菜子(2018年6月 幻冬舎文庫)
- またもや片想い探偵 追掛日菜子(2020年10月 幻冬舎文庫)
図書館B2捜査団
編集- 図書館B2捜査団 秘密の地下室(2020年6月 青い鳥文庫)
- 図書館B2捜査団 人気占い師の闇(2020年9月 青い鳥文庫)
その他の小説
編集- いなくなった私へ(2015年2月 宝島社 / 2016年2月 宝島社文庫)
- コーイチは、高く飛んだ(2016年3月 宝島社 / 2017年4月 宝島社文庫)
- あなたのいない記憶(2016年11月 宝島社 / 2017年10月 宝島社文庫)
- 悪女の品格(2017年7月 東京創元社 / 2020年8月 創元推理文庫)
- 僕と彼女の左手(2018年1月 中央公論新社 / 2021年3月 中公文庫)
- 今、死ぬ夢を見ましたか(2019年3月 宝島社文庫)
- お騒がせロボット営業部!(2019年7月 文春文庫)
- 君の想い出をください、と天使は言った(2019年8月 角川文庫)
- 卒業タイムリミット(2019年11月 双葉社 / 2022年3月 双葉文庫)
- ヒマワリ高校初恋部!(2020年1月 LINE文庫)
- 【改題】初恋部 恋はできぬが謎を解く(2021年6月 実業之日本社文庫GROW)
- あの日の交換日記(2020年4月 中央公論新社)
- 十の輪をくぐる(2020年12月 小学館)
- ようこそ来世喫茶店へ〜永遠の恋とメモリーブレンド〜(2021年1月 スターツ出版文庫)
- トリカゴ(2021年9月 東京創元社)
- 二重らせんのスイッチ(2022年4月 祥伝社)
- 君といた日の続き(2022年10月 新潮社)
- 答えは市役所3階に 2020心の相談室(2023年1月 光文社)
- サクラサク、サクラチル(2023年7月 双葉社)
- 山ぎは少し明かりて(2023年11月 小学館)
- 二人目の私が夜歩く(2024年4月 中央公論新社)
アンソロジー
編集「」内が辻堂ゆめの作品
- 5分で読める! ひと駅ストーリー 旅の話(2015年12月 宝島社文庫)「星天井の下で」
- 10分間ミステリー THE BEST(2016年9月 宝島社文庫)「茶色ではない色」
- 5分でドキッとする! 意外な恋の物語(2020年8月 宝島社文庫)「星天井の下で」
- 放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー(2020年11月 創元推理文庫)「黒塗り楽譜と転校生」
- 非日常の謎 ミステリアンソロジー(2021年3月 講談社タイガ)「十四時間の空の旅」
- 3分で読める! 眠れない夜に読む心ほぐれる物語(2021年7月 宝島社文庫)「ぴこぱこぽん」
- 3分で読める! 誰にも言えない○○の物語(2022年5月 宝島社文庫)「誰にも言えない死後の世界の物語」
- 陥穽の円舞曲(2022年11月 光文社)「加害者と被害者」
- 3分で仰天! 大どんでん返しの物語(2023年1月 宝島社文庫)「ぴこぱこぽん」
- 東大に名探偵はいない(2023年1月 KADOKAWA)「片面の恋」
- 3分で読める! ティータイムに読むおやつの物語(2023年4月 宝島社文庫)「大人になるってそういうこと」
単著未収録作品
編集- 小説
- エッセイ
- 「最高のひと皿」 - 『小説すばる』2019年9月号
映像化作品
編集テレビドラマ
編集配信ドラマ
編集脚注
編集- ^ 会員名簿 辻堂ゆめ|日本推理作家協会
- ^ a b 第13回『このミステリーがすごい!』大賞発表 - 宝島社
- ^ a b c d 作家 辻堂ゆめ先生ご出演「小山助学館ブックカフェ」放送中!|小山助学館
- ^ a b c d e “作家の読書道 第220回:辻堂ゆめさん|作家の読書道|WEB本の雑誌”. WEB本の雑誌. 2022年1月31日閲覧。
- ^ a b 「このミス」受賞しデビュー | 藤沢 | タウンニュース
- ^ a b c “辻堂元町出身 辻堂ゆめさん 「人々の絆」題材に連作短編 | 藤沢”. タウンニュース (2020年4月17日). 2022年1月31日閲覧。
- ^ “東大卒小説家×元アイドル 学問ガチ対談|片想い探偵|須藤凜々花/辻堂ゆめ”. 幻冬舎plus. 2022年1月31日閲覧。
- ^ 本人のTwitterより
- ^ 『このミステリーがすごい!』大賞 » 第13回『このミス』大賞 1次選考通過作品
- ^ 「このミス」大賞に降田天さんの『女王はかえらない』 - 産経ニュース
- ^ 『このミステリーがすごい!』大賞 » 第4回『このミス』大賞 特別奨励賞受賞
- ^ 選考結果・授与式について | 東京大学
- ^ 湘南える | 湘南リビング新聞社
- ^ 藤沢市生涯学習特別貢献表彰|辻堂ゆめの執筆ブログ
- ^ ミステリー作家は会社員 「このミス」優秀賞 藤沢出身・辻堂さん | 東京新聞
- ^ 藤沢市生涯学習特別貢献表彰|藤沢市
- ^ a b “『結婚と退職と。』”. 辻堂ゆめ日誌. 2022年1月31日閲覧。
- ^ “辻堂ゆめ著『十の輪をくぐる』が第42回吉川英治文学新人賞ノミネート!【冒頭試し読み】”. 小学館 (2021年2月17日). 2022年12月26日閲覧。
- ^ “第24回 大藪春彦賞『阿修羅草紙』(武内 涼/著)、『トリカゴ』(辻堂 ゆめ/著)に決定!|徳間書店のプレスリリース”. PR TIMES (2022年1月26日). 2022年1月26日閲覧。
- ^ “会員名簿 辻堂ゆめ|日本推理作家協会”. 日本推理作家協会. 2023年3月14日閲覧。
- ^ a b 『このミステリーがすごい!』大賞 » 第13回『このミス』大賞優秀賞受賞 辻堂ゆめ
- ^ 辻堂ゆめ@2/10『いなくなった私へ』さんはTwitterを使っています: ペンネームの由来
- ^ 第13回「このミステリーがすごい!」大賞|辻堂ゆめの執筆ブログ
- ^ “結婚は自分を磨くチャンス|片想い探偵|須藤凜々花/辻堂ゆめ”. 幻冬舎plus. 2022年1月31日閲覧。
- ^ “辻堂ゆめTwitter 2021年11月10日”. Twitter. 2022年12月26日閲覧。
- ^ “NHK、月~木に「夜ドラ」スタート 第1弾は青春ミステリー『卒業タイムリミット』”. クランクイン. (2022年2月9日) 2022年4月10日閲覧。
- ^ “乃木坂46 5期生主演の配信ドラマ「古書堂ものがたり」で創元推理文庫の3作品が原作となります”. Web東京創元社マガジン. 東京創元社 (2022年4月7日). 2023年5月5日閲覧。
- ^ 乃木坂46 [@nogizaka46] (2023年4月25日). "本日4月25日(火)12:00〜、5期生初出演ドラマ「#古書堂ものがたり」の第3話【黒塗り楽譜と転校生】がスタートします 第3・4話に #井上和 #五百城茉央 #冨里奈央 が出演します ※毎週火曜日に配信中です!皆さま是非ご覧くださいませ". X(旧Twitter)より2023年5月5日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 辻堂ゆめ Official Website
- 辻堂ゆめ日誌 - Ameba Blog
- 辻堂ゆめ (@YumeTsujido) - X(旧Twitter)