北海道立産業共進会場
北海道立産業共進会場(ほっかいどうりつさんぎょうきょうしんかいじょう、1972年7月開場[2] - 2016年3月31日閉鎖[5])は、北海道札幌市豊平区にあった施設[5]。愛称は「月寒グリーンドーム」[6]。
北海道立産業共進会場 Tsukisamu Green Dome | |
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正面から撮影 | |
情報 | |
旧名称 |
月寒アルファコートドーム(2007-2010) 北翔クロテック月寒ドーム(2010-2012) ケーズデンキ月寒ドーム(2014-2016) |
完成 | 1972年 |
開館 | 1972年7月22日 |
開館公演 | 環境産業展 |
閉館 | 2016年3月31日 |
最終公演 | スキフェス2016[1] |
収容人員 | 5,831人 |
客席数 |
固定席3,331席(強化プラスチック椅子) 仮設席2,500席(折りたたみ椅子) |
延床面積 | 8,132.06[2][3]m² |
用途 | 展示会、スポーツ、コンサート |
旧用途 | 畜産共進会 |
運営 | 一般財団法人北海道体育文化協会[4] |
所在地 |
〒062-0053 札幌市豊平区月寒東3条11丁目1-1 |
位置 | 北緯43度1分38.7秒 東経141度24分45秒 / 北緯43.027417度 東経141.41250度座標: 北緯43度1分38.7秒 東経141度24分45秒 / 北緯43.027417度 東経141.41250度 |
最寄駅 | 地下鉄東豊線福住駅 |
最寄バス停 | 北海道中央バス「月寒東3条11丁目」停留所 |
最寄IC | 道央自動車道大谷地IC |
概要
編集1968年の北海道百年記念事業の一環として天候に左右されない家畜共進会の開催を目的として1967年に建設の検討を開始し[7]、日本には常設の共進会場がないことからアメリカ・ウィスコンシン州の「デーン・カウンティ記念館」(en)を参考に設計し1970年より建設に着手[8]、1972年7月に開業[1]。北海道農政部の所管で運営され[1]、日本初の総合畜産共進会場として[6]、4年ごとに開かれる「北海道総合畜産共進会」や競走馬の競り市といった畜産関係の催事場としての利用を主目的として館外には牛馬をつなぐ設備も設けられた[1]。
また、北海道における産業の振興および生活文化の向上を図る事を目的に多目的な使用も想定されており博覧会、スポーツ、コンサート、各種見本市、自動車販売等の畜産以外の各種イベントにも使用され[1][9]、札幌市内最大のホールが2,300人程度の定員だったのに対し本会場は3,500-4,000人規模の収容力を擁しており、通年利用可能なアリーナ会場として北海道立総合体育センターや札幌ドームの完成までは国内外の有名歌手のコンサート会場にも用いられた[1]。その一方で周辺の宅地化が進展するに伴い家畜の臭いへの苦情も生じ1986年を最後に畜産関係の利用を終了[1]。
愛称「月寒グリーンドーム」は、所在地名「月寒」と公園周辺の芝生をイメージした「グリーンドーム」、ドーム型の建物を表す「ドーム」を合わせたものとして畜産関係以外での利用の増加を受けてイメージ向上を目的に制定された[6]もので屋根の色は白色となっている。
2009年(平成21年)9月には、施設の老朽化が進み維持管理の負担が増加する一方で建設当時と比べ大規模屋内施設が増加したことを理由に2015年度(平成27年)を目処に廃止する方針を固め[10]、2016年(平成28年)3月31日に閉鎖された[5]。 2016年(平成28年)度中に売却及び解体を検討するとしていたが[11][12][13][注釈 1]、最終的に2018年(平成30年)4月末時点で建物は解体。
跡地のうち44,000平米には大和リースが手掛ける大型商業施設が2019年(令和元年)6月に完成する予定とし[15]、「ブランチ札幌月寒」として2019年7月19日に一部先行開業し10月23日に全面開業した[16]。未活用の約7万9千平米の市有地にはアクセスサッポロの後継となる展示・見本市会場の整備が計画されており、2027年(令和9年)の竣工[17]、同年9月供用開始を予定している[18]。
施設概略
編集沿革
編集- 1970年(昭和45年)8月24日 - 起工式開催[20]。
- 1972年(昭和47年)7月22日 - 開館、初のイベントとして北海道新聞社・札幌市・北海道商工会議所連合会による「環境産業展」(7月22日-8月6日)を開催[21][22][23]。
- 1977年(昭和52年)- 中華人民共和国展覧会(北海道中国展)開催[24]。
- 1979年(昭和54年)12月6日 - 初の大型コンサートとしてエリック・クラプトン公演を開催[1][25]。
- 1982年(昭和57年) - '82北海道博覧会開催[26]。
- 1985年(昭和60年)7月 - 愛称「月寒グリーンドーム」を制定[6]。
- 1988年(昭和63年) - 世界・食の祭典開催[27]。
- 1992年(平成4年) - コミュニケーションワールド'92 北海道2000(コム博)開催[28]。
- 2006年(平成18年) - 指定管理者制度を導入し、北海道体育文化協会の管理運営となる[29]。
- 2007年(平成19年)
- 2010年(平成22年)4月 - 命名権をリフォーム請負会社の北翔クロテック株式会社に売却して「北翔クロテック月寒ドーム」に変更[33]。
- 2012年(平成24年)12月10日 - 同社の命名権が不祥事により解除され、翌日より愛称が「月寒グリーンドーム」に戻された[注釈 2]。
- 2014年(平成26年)4月21日 - 命名権を道内で家電量販店ケーズデンキを展開するデンコードー(宮城県名取市)に売却して同日より愛称を「ケーズデンキ月寒ドーム」に変更[36]。
- 2016年(平成28年)3月31日 - 閉鎖[5]。
- 2018年(平成30年)4月19日[37] - 5月 - 解体工事実施。
- 2019年(令和元年)10月23日 - 跡地に「ブランチ札幌月寒」を全面開業[38]。
交通
編集- 札幌市営地下鉄東西線 - 南郷13丁目駅下車 → 徒歩20分
- 札幌市営地下鉄東豊線 - 月寒中央駅下車 → 徒歩15分
- 札幌市営地下鉄東豊線 - 福住駅下車 → 北海道中央バス(64・月64)「月寒グリーンドーム[注釈 3]」下車 → 徒歩5分
周辺
編集- 札幌ドーム
- スーパースポーツゼビオドーム札幌月寒店
- 北海道農業専門学校
- ツキサップじんぎすかんクラブ
- 月寒東ショッピングセンター
- 共進橋 - 本施設に因んで名付けられた月寒川に架かる白石・藻岩通の橋梁、1971年10月竣工[40]。
参考資料
編集- ケーズデンキ月寒ドーム ご利用ガイド (PDF) (北海道体育文化協会)
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h 北海道)月寒ドーム、時代の変化映した会場に幕 - 朝日新聞2016年4月6日朝刊30面北海道本社版
- ^ a b c d e f g 『ケーズデンキ月寒ドーム(北海道立産業共進会場)の屋内展示場の閉鎖について』(PDF)(プレスリリース)北海道農政部農政課、2016年1月6日 。2016年12月11日閲覧。
- ^ a b c d e [ご利用ガイド], p.08
- ^ a b “月寒ドーム跡地3.7万坪どうなる?旧自衛隊札幌病院と並ぶ巨大敷地”. リアルエコノミー. (2016年1月15日) 2016年12月11日閲覧。
- ^ a b c d “月寒ドーム閉鎖 札幌 44年の歴史に幕”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2016年4月1日)
- ^ a b c d ごんどら 道立共進会場に愛称できた - 北海道新聞1985年7月6日札幌市内版
- ^ 百年記念事業また一つ 常設の共進会場 道で構想練る - 北海道新聞1967年10月26日朝刊
- ^ 東月寒に大共進会場 道が建設計画 - 北海道新聞1970年2月18日
- ^ “グリーンドーム尽きぬ思い出 きょう閉鎖 市民から惜しむ声”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2016年3月31日)
- ^ “月寒ドーム 廃止方針 中古車販売の業者ら「残念」”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2009年9月10日)
- ^ “月寒ドーム3月末閉鎖 北海道、解体や売却検討”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2016年1月7日) 2016年12月11日閲覧。
- ^ “月寒グリーンドーム跡地は札幌市と譲渡協議へ - 他の取得希望なく”. 北海道建設新聞 (北海道建設新聞社). (2016年6月8日) 2016年12月11日閲覧。
- ^ a b “北海道農政部/産業共進会場(札幌市)活用/17年2月にも事業者公募”. 日刊建設工業新聞 (日刊建設工業新聞社): p. 6. (2016年9月5日) 2016年12月11日閲覧。
- ^ “木下大サーカス!5年ぶりの札幌公演!”. 札幌市議会議員 小竹ともこオフィシャルブログ. CyberAgent (2017年6月3日). 2018年12月22日閲覧。
- ^ “グリーンドーム跡地の複合商業施設 起工式”. どさんこワイド!!朝!. 札幌テレビ放送. (2018年10月12日) 2018年12月22日閲覧。
- ^ 「ブランチ札幌月寒(つきさむ)」グランドオープン(ニュースリリース) - 大和ハウス工業(PR TIMES 2019年10月17日)
- ^ 札幌市/新展示場実施方針案、BTO方式で8月にWTO一般競争入札公告 - 日刊建設工業新聞2023年6月4日
- ^ “アクセスサッポロ後継展示場、27年秋開業 札幌市、月寒ドーム跡に”. 2023年6月2日閲覧。
- ^ [ご利用ガイド], p.11
- ^ 知事のクワ入れで着工 道産業共進会場-北海道新聞1970年8月25日
- ^ スポーツなどに開放 道産業共進会場ホール 観客七千人を収容 - 北海道新聞1972年6月21日朝刊道央版
- ^ 育て無公害北海道 環境産業展開く-北海道新聞1972年7月22日夕刊
- ^ "公害"への関心高め「環境産業展」が閉幕 - 北海道新聞1972年8月7日朝刊
- ^ 北海道・中国交流デジタル資料館 https://www.hiecc.or.jp/hokkaido-china.jca40/story/story02.html
- ^ 娯楽 クラプトンがやって来る!12月6日に札幌で公演 - 北海道新聞1979年10月17日夕刊
- ^ “華やかに前夜祭”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1982年6月12日)
- ^ “食の祭典、苦い閉幕。赤字は90億円突破の公算-入場176万人、最終日は皮肉にも最高の12万人”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1988年10月11日)
- ^ “華やかに前夜祭”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1992年6月27日)
- ^ “協会の沿革”. 一般財団法人北海道体育文化協会. 2016年12月11日閲覧。
- ^ “きょうから「アルファコート」 グリーンドーム 看板を付け替え”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2007年9月1日)
- ^ [ご利用ガイド], p.07
- ^ “3月末閉鎖の札幌・月寒ドーム敷地内 ドッグラン存続へ署名運動、愛犬家に人気”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2016年1月28日)
- ^ “現代かわら版 施設の命名権契約 明暗くっきり セキスイハイム・北翔クロテック・ニトリ…”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2010年3月31日)
- ^ “北翔クロテック:道が一部業務停止命令 違法勧誘で”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2012年11月21日) 2016年12月11日閲覧。
- ^ 『北海道立産業共進会場におけるネーミングライツの解除について』(プレスリリース)北海道農政部農政課、2013年3月29日 。2016年12月11日閲覧。
- ^ “デンコードーが道立産業共進会場の命名権取得「ケーズデンキ月寒ドーム」に”. リアルエコノミー. (2014年5月4日) 2016年12月11日閲覧。
- ^ “まるい屋根とお別れ 月寒グリーンドーム解体”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2018年4月24日) 2018年4月24日閲覧。
- ^ 出店ウォッチ
- ^ 『バス停の名称の変更について』(PDF)(プレスリリース)北海道中央バス、2016年4月1日 。2016年12月11日閲覧。
- ^ 新世代歌人山田航のモノローグ紀行 月寒の大久保レンガ工場跡地 - 北海道新聞2021年3月26日夕刊
外部リンク
編集- ケーズデンキ月寒ドーム(北海道体育文化協会 Internet Archive)