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金日成競技場

北朝鮮の平壌市にある競技場

金日成競技場(キム・イルソンきょうぎじょう、朝鮮語: 김일성경기장)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)平壌直轄市中区域にある人工芝競技場マスゲームを行う際の競技場として使われるため、観客席の椅子は背もたれも無いプラスチック製で、取り外せる構造になっている[1]

金日成競技場
North Korea-Pyongyang-Kim Il-Sung Stadium-02.jpg
金日成競技場の位置(平壌市内)
金日成競技場
施設情報
所在地 平壌直轄市中区域牡丹峰
位置 北緯39度2分37.4秒 東経125度45分27.7秒 / 北緯39.043722度 東経125.757694度 / 39.043722; 125.757694
起工 1960年2月10日
開場 1964年10月23日
建設費 5,325億北朝鮮ウォン
設計者 金日成朝鮮労働者団体
建設者 金日成朝鮮労働者団体
使用チーム、大会
牡丹峰体育団
収容能力
50,000人(100,000人)
金日成競技場
各種表記
ハングル 김일성경기장
漢字 金日成競技場
発音 キミルソン(キム・イルソン)キョンギジャン
日本語読み: きん・にっせいきょうぎじょう
英語表記: Kim Il-sung Stadium
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概説編集

大同江西岸、凱旋門の東側に立地する。もとは「牡丹峰(モランボン)競技場」という小規模の運動場であったが、70年代に競技場の増改築を行ったときに数千人がマスゲームの練習を頻繁に行えば、天然芝では傷んでしまうために人工芝を敷き詰められた[1]1982年金日成主席が70歳の誕生日を迎えたことを記念して改称されると同時に拡張された[2]

収容可能人数は約5万人[3]陸上トラック人工芝のサッカーコートを有する競技場で、人工芝は国際サッカー連盟(FIFA)が無償で提供している。朝鮮日報によると人工芝で摩擦力が強く弾性が低く、足首や膝のけがのリスクが高いのでW杯やアジア・カップの本大会を開催することができない「B級競技場」である。1990年代に平壌市体育団所属のプロ選手として活躍し、金日成競技場で数年にわたりプレーしていた脱北者は「真夏は人工芝の下に敷かれた黒いゴムの粒子が熱くなり、足の裏が熱くてプレーができないほど」「金日成競技場でタックルしたときにやけどして、その傷痕が今も両太ももにはっきり残っている」「平壌では綾羅島メーデースタジアム、羊角島総合競技場という天然芝が敷かれている競技場m芝の質が良くなく、あちこちに雑草も生えている」と話している[1]

毎年4月に行われる万景台賞国際マラソン(平壌国際マラソン)では、本競技場がスタート/ゴール地点として使われている。

アクセス編集

最寄りの駅は、平壌地下鉄千里馬線凱旋駅である。

試合・騒動編集

2005年3月30日2006年サッカーW杯アジア予選グループB最終予選の北朝鮮-イラン戦では、審判の判定に憤慨した観衆が椅子をグラウンドに投げつけ、イラン代表を乗せたバスを取り囲むという事件が起きた。そのため、北朝鮮はFIFAから2万スイス・フランの制裁金を課され、同年6月8日に本競技場で開催される予定だった同最終予選北朝鮮-日本戦は、タイでの第三国無観客試合となった[2][1]

2011年11月15日2014年サッカーW杯アジア予選3次予選グループCでは、本競技場で北朝鮮-日本戦が開催された。日本戦が平壌市内で開催されたのは、22年ぶりとなった[4]

2017年4月の金日成競技場でアジア・サッカー連盟(AFC)の女子アジア・カップ予選の試合を行った韓国人選手たちは、機械のように一糸乱れぬ動きを見せる5万人の観衆に驚いた。池笑然は「応援の熱気があまりにすごく、ひょっとして家に帰れないのではないかと思った」、キム・ジョンミは「試合開始を前に、私たちが頑張ろうと叫ぶと、それを聞いた北朝鮮の選手たちが『殺してやろう』と対抗してきた」「競技場の圧倒的応援はむしろ北朝鮮選手にとって重荷として作用する可能性もあるため、気持ちで押されてはいけない」と語っている[1]

2019年のW杯予選の南北戦で韓国代表チームは報道陣も応援団も1人もいないテレビの生中継も無い中でプレーすることが、北朝鮮が選手団を除く韓国側人員の訪朝を何の説明もなく不許可にしたために決まった。朝鮮日報は「北朝鮮は2011年に平壌で日本とW杯予選をした際に生中継したが、韓国に対しては冷淡だ。」「「付き合わない」「ゆでたウシの頭」「おじけづいたイヌ」と北朝鮮に嘲笑されても2032年ソウル・平壌五輪共催を主張する文在寅大統領だが南北でサッカーを1試合するのも難しいのに何が五輪共催なのか。」と批判している[4]。韓国国内世論からも無観客・無中継・引き分け、予選が生中継されないという異例の事態に文大統領の就任時の演説になぞらえて「本当に一度も経験したことのない国になった」「こんな非正常的な国と正式に五輪を共に開催できるのか」、「五輪の共同開催が実現するにしても、またしても北朝鮮へのバラマキになる」「ここ3年間でわれわれの知らないカネまでばらまいておきながら、手にした結果がこれか。北朝鮮はわれわれを金づる以上には絶対に考えていない」、脱北者団体からも「仮に共同で五輪を開催するならば、全国の北朝鮮一般住民が平壌で想像できないような苦痛を昼も夜も関係なく受けるだろう」、FIFAからも「試合の生中継、ビザ発給問題、外国記者の接近などに関する問題を知り驚いている。言論の自由は最も重要な価値だ」と北朝鮮の顔色ばかり伺って何も出来ずに共同開催のみを主張している韓国政府への批判の声で埋まった[5][6]

画像編集

脚注編集

  1. ^ a b c d e 人工芝に狂的な応援…金日成競技場は「アウェーチームの墓」” (日本語). ライブドアニュース. 2019年10月20日閲覧。
  2. ^ a b 与田タカオ『北朝鮮の歩き方 未知の国からの招待状』彩図社 2006年 ISBN 978-4-88392-530-8
  3. ^ World Stadiums: Stadiums in North Korea
  4. ^ a b 【萬物相】先行き不透明な南北サッカー” (日本語). ライブドアニュース. 2019年10月20日閲覧。
  5. ^ チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版. “「非正常国家と五輪共同開催とは」…無中継サッカー波紋で対北政策懐疑論が拡大” (日本語). www.chosunonline.com. 2019年10月20日閲覧。
  6. ^ サッカー:平壌からの生中継中止か、韓国政府は北の顔色ばかりうかがいお手上げ-Chosun online 朝鮮日報”. archive.is (2019年10月20日). 2019年10月20日閲覧。

外部リンク編集