電力館
電力館(でんりょくかん)は、かつて東京電力の子会社である東電ピーアールが運営していた企業博物館。電気や発電、エネルギーに関する展示を行う科学館・PR施設であった。1984年(昭和59年)11月開館。東京都渋谷区神南に所在していたが、2011年(平成23年)5月31日をもって閉館した[1]。
電力館 | |
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施設情報 | |
正式名称 | 電力館 |
専門分野 | 電気 |
事業主体 | 東京電力 |
管理運営 | 東電ピーアール |
延床面積 | 3,719.01 m2(展示スペース) |
開館 | 1984年(昭和59年)11月 |
閉館 | 2011年(平成23年)5月31日 |
所在地 |
〒150-0041 東京都渋谷区神南一丁目12-10 |
位置 | 北緯35度39分48秒 東経139度42分3秒 / 北緯35.66333度 東経139.70083度座標: 北緯35度39分48秒 東経139度42分3秒 / 北緯35.66333度 東経139.70083度 |
プロジェクト:GLAM |
概要
編集渋谷・ファイヤー通り沿いに特徴的なデザインの建物を構えていた。東京電力の企業博物館として、省エネ家電の紹介コーナーを設置したり、原子力発電の仕組みを解説する模型を展示するなどしていた[2]。また歴史に関する企画展なども行われていた。ラジオを中心にCMも打たれていた。
2010年(平成22年)には大規模な改装工事が行われ、同年4月1日より1階から7階の各フロアが順次閉鎖されていた。表記も「Denryoku Kan(電力館)」と改め、翌2011年の3月20日に新装開館する予定となっていた[3]。改装後は「電気を『大切につくる』『大切につなぐ』『大切につかう』」をコンセプトに、「次世代を担う子供たちなどを対象に、地球の未来について考え、コミュニケーションの広がる場」としてリニューアルオープンを予定していた[1]。
だがその直前の3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に伴って再開を延期[4]、翌4月時点で全館休館となった。東京電力では震災に伴う福島第一原子力発電所事故なども発生したことから事業の見直しが行われ、同年5月31日をもってそのまま閉館した[1]。また、東京電力の広報子会社であり運営者であった東電ピーアール株式会社も清算されることとなった。
閉館後は建物・土地の売却などが検討されていたが、建物の地下に渋谷地区一帯の電力供給を担う変電所(東京電力パワーグリッド渋谷変電所)がある上、東京電力渋谷支社が併設されていることから売却を断念。土地と建物は継続して東京電力が保有したまま、建物は解体せずシダックスに貸し出し、カラオケボックス「渋谷シダックスホール」として使用され[5]、2013年4月には「シダックスカルチャービレッジ」に店名を変更[6]。カルチャースクールとフィットネスおよび貸し会議室・ホールが運営されている[7]。2016年11月にはインターネットラジオ局・渋谷クロスFMが移転して来た。
なお、廃止された電力館および隣接する東京電力渋谷支社がある場所には、渋谷区成立の4年後である1936年(昭和11年)から1965年(昭和40年)まで渋谷区役所庁舎があった[8]。
開館当時の情報
編集2010年から2011年のリニューアル工事前の施設構成
編集- 1階+中2階 TEPCO Plaza
- 電力館ガイダンス
- ミュージアムショップ
- 2階 TEPCO Plaza
- TEPCOギャラリー
- TEPCOインフォメーション
- 渋谷タウンガイド
- 3階 Your Stage
- Life Stage
- Quick Spa
- α-Wave Library
- IH Herb Cafe
- Lifestyle Collection
- Powder Room
- 4階 Switch! Station
- 5階 Magical Square
- 6階 Energy World
- 7階 All About TEPCO
- 8階
- TEPCOホール
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常設展示(2010年2月2日撮影)
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同左(2010年2月2日撮影)
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企画展「江戸の街並み展」(2010年2月2日撮影)
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同左(2010年2月2日撮影)
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同左(2010年2月2日撮影)
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同左(2010年2月2日撮影)
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同左(2010年2月2日撮影)
2011年のリニューアル後に予定されていた施設構成
編集この節の出典は、2011年2月10日の東京電力プレスリリース別紙1「電力館 リニューアルの概要」による。
- 2階展示フロア「大切な地球とともに」
- 東京電力のエコロジーの取り組みと未来へのメッセージを紹介。
- 3階展示フロア「大切につかう CO2の少ないくらし」
- 家庭内でできるCO2削減の技術や工夫を紹介。
- 4階展示フロア「大切につかう CO2の少ない街づくり」
- ヒートポンプなどの技術を使った、CO2削減のための施設や乗り物を紹介。
- 5階展示フロア「大切につくる 再生可能エネルギー・大切につなぐ 送配電」
- 6階展示フロア「大切につくる 原子力発電」
- CO2を出さない原子力発電の可能性と未来について紹介。
- 地球視点で現在を見つめ、CO2の少ない電気をつくる東京電力の取り組みを紹介。
かつて存在した電力館以外の東京電力のPR施設
編集2011年2月10日の東京電力プレスリリース別紙2「東京電力PR施設の概要」を参照。
脚注
編集- ^ a b c (閉館)電力館 「渋谷文化プロジェクト」東京急行電鉄都市創造本部
- ^ 「渋谷の電力館 東電が閉館」日本経済新聞 平成23年6月14日朝刊
- ^ “「DENRYOKU KAN(電力館)」のリニューアルについて”. 東京電力 (2011年2月10日). 2022年5月25日閲覧。
- ^ 電力館グランドオープンの延期について 電力館公式サイト、「発生いたしました東北地方太平洋沖地震の状況を踏まえ、当面の間、オープンを延期します」と告知されていた。
- ^ “東電、渋谷の電力館売却を断念 地下に変電施設あり困難”. MSN産経ニュース (2011年12月15日). 2011年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月25日閲覧。
- ^ “ニトリ渋谷公園通り店、2017年6月30日開店-丸井・シダックス跡に「都心初」単独旗艦店”. 都市商業研究所 (2017年2月13日). 2022年5月25日閲覧。
- ^ “シダックスがスポーツ&カルチャー事業-渋谷電力館跡の施設で新事業”. シブヤ経済新聞. (2013年5月29日) 2020年9月29日閲覧。
- ^ 散策マップ No.1 『渋谷駅から渋谷のルーツをたずねて』渋谷区歴史散歩の会 平成13年10月発行
関連項目
編集- 企業博物館
- Switch! Station大宮SONIC - さいたま市。電力館と同じく東電ピーアールにより運営されていたが事業整理により廃止された東京電力のPR施設。1988年から2009年まで「TEPCO SONIC」として運営されていた。
- 電気の史料館 - 鶴見区に所在する東京電力直営の資料館。この施設のみ再開未定の長期休館扱いとなっている。
- でんきの科学館 - 名古屋市中区。中部電力が運営する電気に関する科学館。
- 川越電力館テラ46 - 三重県三重郡川越町。JERAが運営するPR展示施設。
- 九州エネルギー館 - 福岡市中央区。九州電力が運営していたエネルギー学習施設。2014年閉館。
- たばこと塩の博物館 - 日本たばこ産業が運営する企業博物館。電力館と同じ渋谷区神南の渋谷公園通り沿いにあったが、2013年に閉鎖、2015年に墨田区横川へ移転。