300 〈スリーハンドレッド〉
『300 〈スリーハンドレッド〉』(300)は、2006年のアメリカ合衆国の歴史アクション映画。監督はザック・スナイダー、出演はジェラルド・バトラーとレナ・ヘディなど。フランク・ミラー原作のグラフィックノベル『300』を元にペルシア戦争のテルモピュライの戦いを描いた作品。
300 〈スリーハンドレッド〉 | |
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300 | |
監督 | ザック・スナイダー |
脚本 |
ザック・スナイダー マイケル・E・ゴードン カート・ジョンスタッド |
原作 |
フランク・ミラー リン・ヴァーリー 『300』 |
製作 |
ジャンニ・ヌナリ マーク・キャントン バーニー・ゴールドマン ジェフリー・シルバー |
製作総指揮 |
フランク・ミラー デボラ・スナイダー クレイグ・J・フローレス トーマス・タル ウィリアム・フェイ スコット・メドニック ベンジャミン・ワイスブレン |
ナレーター | デビッド・ウェナム |
出演者 |
ジェラルド・バトラー レナ・ヘディ |
音楽 | タイラー・ベイツ |
撮影 | ラリー・フォン |
編集 | ウィリアム・ホイ |
製作会社 |
レジェンダリー・ピクチャーズ バーチャル・スタジオズ Atmosphere Pictures Hollywood Gang |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
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上映時間 | 117分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $65,000,000[1] |
興行収入 |
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次作 | 300 〈スリーハンドレッド〉 〜帝国の進撃〜 |
日本ではR15+指定。
ストーリー
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
紀元前480年、スパルタ王レオニダスの元にペルシア帝国(アケメネス朝)からの使者が訪れ、スパルタに服従を要求した。レオニダスはこれを拒否し、使者を殺害した。
レオニダスはスパルタ全軍での迎撃を考えていたが、デルポイの神託(エフォロイ)によって非戦と決定されてしまった。王と言えども神託には従う義務があり、スパルタ評議会も非戦の方針を支持した。
このままではスパルタは戦わずしてペルシア帝国の支配下に入ってしまう。レオニダスは「散歩」と称して300名の親衛隊を率い、ペルシア王クセルクセス率いる100万のペルシア軍の迎撃に向かった。兵力差は圧倒的であったが、スパルタ軍は峻険な山と海に挟まれた狭い街道に布陣して、ペルシア軍が大軍の利を生かし切れないようにした。
ここに、壮絶な死闘となるテルモピュライの戦いが始まる。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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レオニダス | ジェラルド・バトラー | 中田譲治 |
王妃ゴルゴ | レナ・ヘディ | 湯屋敦子 |
セロン | ドミニク・ウェスト | 内田直哉 |
ディリオス | デビッド・ウェナム | 山野井仁 |
隊長 | ヴィンセント・リーガン | てらそままさき |
ステリオス | マイケル・ファスベンダー | 桐本琢也 |
アスティノス | トム・ウィズダム | 加瀬康之 |
ダクソス | アンドリュー・プレヴィン | 世古陽丸 |
エフィアルテス | アンドリュー・ティアナン | 佐々木睦 |
クセルクセス | ロドリゴ・サントロ | 咲野俊介 |
ペルシャの使者 | ピーター・メンサー | 乃村健次 |
ソフト化
日本ではワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントよりブルーレイ、DVDが発売。
- 300 〈スリーハンドレッド〉 特別版(DVD2枚組、2007年9月26日発売)
- 300 〈スリーハンドレッド〉 ブルーレイ(1枚組、2007年9月26日発売)
- 300 〈スリーハンドレッド〉 リミテッド・コレクターズ・エディション(3枚組、2009年2月21日発売・限定生産)
- 300 〈スリーハンドレッド〉 コンプリート・エクスペリエンス(ブルーレイ1枚組、2009年11月3日発売)
サウンドトラック
サウンドトラックはタイラー・ベイツによって制作され、イラン出身の歌手アザム・アリを起用してアビー・ロード・スタジオで録音された[3]。2007年3月6日発売。
作品の評価
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「血、暴力、そして既存の映画の引用に満ちており、単純だが視覚的に刺激的な体験ができる。」であり、236件の評論のうち高評価は61%にあたる144件であり、平均点は10点満点中6.1点となっている[4]。 Metacriticによれば、42件の評論のうち、高評価は19件、賛否混在は16件、低評価は7件で、平均点は100点満点中52点となっている[5]。
文化的影響
パロディ
『300』は公開後、セリフやシーンが様々なメディアでパロディされ、特に「This is Sparta!」のシーンはインターネット・ミームとして流行した[6]。2007年のサタデー・ナイト・ライブではスケッチ・コメディーの題材に引用されている[7]。ストップモーションアニメ『ロボットチキン』のアメリカ独立戦争を題材にした「1776」[8]、アニメ『サウスパーク』のシーズン11の第6話「D-Yikes!」、アニメ『ラーバ』のシーズン3の99話「Larvarta」などでは映画の演出や視覚表現が引用されている。また、2008年には20世紀フォックスからジェイソン・フリードバーグとアーロン・セルツァーが監督した『ほぼ300(原題: Meet the Spartans)』というパロディ映画が製作されている。
スポーツ
「スパルタンズ」の名を冠するミシガン州立大学のスポーツチーム「ミシガン・ステート・スパルタンズ」では、劇中の力強いセリフ回しや「Spartans, what is your profession?」の部分をチャントの掛け声に採用している[9]。また、アメリカンフットボール選手のネイト・エブナーは髭を生やした風貌と運動量から、劇中でジェラルド・バトラーが演じたスパルタの英雄「レオニダス」のニックネームで呼ばれている[10]。
備考
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
- この映画に対し、イラン政府がイラン人の先祖であるペルシア人を激しく冒涜しているとして非難している[11][12][13]。これに対して、映画製作関係者達は、「この映画は、単にイラン人とスパルタ人の戦争物語を、史実と異なる形で語っているもので、歴史を正確に伝えるものではない。」と説明している。
- ごく一部を除いてすべてスタジオで撮影され、背景などもCGで編集したものが多い。そのため一部の評論家からは「あのスパルタ人たちの立派な腹筋もCGじゃないか」と揶揄されたが、制作関係者達は「制作費を削るために鍛えるようにと指導していた」とコメントしている。
- 予告編で使用された曲はナイン・インチ・ネイルズのアルバム『ザ・フラジャイル』収録の「ジャスト・ライク・ユー・イマジンド」。
- 2010年5月9日に日曜洋画劇場枠で地上波初放映。首を刎ねるシーンなど一部の残虐な描写がカットされているものの、R-15指定された作品では非常に珍しい(ただし、北野武監督作品の『座頭市』の前例もある)。なお、視聴率は12.8%であった。
- 2015年から配信されているアプリゲーム『Fate/Grand Order』に登場するレオニダス一世の造形にも影響を与えている。
出典
- ^ a b “300” (英語). Box Office Mojo. 2009年12月9日閲覧。
- ^ 2007年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ “WB Records to Release 300 Soundtrack” (英語). SuperHeroHype.com. (2007年1月19日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ “300 (2006)” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年4月12日閲覧。
- ^ “300 Reviews” (英語). Metacritic. 2021年4月12日閲覧。
- ^ Spalding, Steve (2007年9月30日). “How To Explore Internet Memes” (英語). How to Split an Atom. 2007年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月15日閲覧。
- ^ “Saturday Night Live, March 24, 2007” (英語). Backwardfive.com. 2007年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月15日閲覧。
- ^ “"Moesha Poppins", Robot Chicken episode #50” (英語). WeShow. 2007年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月15日閲覧。
- ^ Charron, Doug (2007年9月18日). “"300" cheer shows unity, reflects Spartan history” (英語). The State News. オリジナルの2009年2月23日時点におけるアーカイブ。 2018年3月15日閲覧。
- ^ “Nate Ebner Earns 'Leonidas' Nickname, Dubbed Ohio State's Most Valuable Player for Strong Work Ethic” (英語). NESN. (2012年5月2日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ “映画『300』に非難轟々 2007年03月25日付 Iran紙”. TUFSMedia 日本語で読む中東メディア. 東京外国語大学. 2018年3月13日閲覧。
- ^ “映画「スリーハンドレッド」 祖先の描写に怒りを抱くイラン人 - イラン”. AFPBB News. (2007年3月14日) 2018年3月13日閲覧。
- ^ “『ハリウッド映画300(スリーハンドレッド)―アメリカと、イラン人の文明の歪曲』”. イラン・イスラム共和国放送. 2016年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月13日閲覧。
関連項目
- スパルタ
- テルモピュライの戦い
- ペルシア戦争
- スパルタ総攻撃(同じくテルモピュライの戦いを描いた映画)
- 300 〈スリーハンドレッド〉 〜帝国の進撃〜(本作の続編)
外部リンク
- ウィキメディア・コモンズには、300 〈スリーハンドレッド〉に関するカテゴリがあります。
- 公式ウェブサイト(日本語)
- 公式ウェブサイト(英語)
- 300 〈スリーハンドレッド〉 - allcinema
- 300 〈スリーハンドレッド〉 - KINENOTE
- 300 - オールムービー(英語)
- 300 - IMDb(英語)