Beauty うつくしいもの』(ビューティー うつくしいもの)は、2007年に製作された日本の郷土映画後藤俊夫監督作品。2008年5月10日に長野県長野市の長野ロキシーと同県飯田市の飯田センゲキシネマズで先行上映され、長野県内各地での上映を経たのち、順次全国公開された。北村和夫の遺作となった作品でもある。

Beauty うつくしいもの
監督 後藤俊夫
脚本 小野竜之助菊原とい美
製作 後藤俊夫、山田俊輔
製作総指揮 角川歴彦
出演者 片岡孝太郎片岡愛之助
麻生久美子
音楽 小六禮次郎
撮影 岩淵弘
編集 鍋島惇
配給 ジョリー・ロジャー
公開 日本の旗 2008年5月10日
(長野県先行上映)
上映時間 109分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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キャッチコピーは「いつから逢わぬか、おまえ、憶えていやしゃんすか ―だれに話そう、きみとぼくとの八十年を―」。

概要

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長野県下伊那郡大鹿村江戸時代中期から約300年続いている国の重要無形民俗文化財大鹿歌舞伎[1][2]を題材に、歌舞伎の花形役者・雪夫に魅せられ200年以上の伝統を持つ村歌舞伎に生涯を捧げる道を歩んだ少年・小椋半次と、半次の歌舞伎舞台を常に支え、ともに舞台を演じてきた花形役者・桂木雪夫との、激動の昭和時代の80年間にわたる絆を描いた物語である。

ふたりが初めて演じ、大成功を押さえた歌舞伎演目「新口村(にのくちむら)」。その「新口村」の物語をなぞるが如く運命に翻弄されるふたり。

「いつから逢わぬか、おまえ、憶えていやしゃんすか」

この言葉は、半次と雪夫が初めて演じた「新口村」の前段に当たる演目「封印切(ふういんぎり)」の中で、女郎・梅川が恋仲であった飛脚宿「亀屋」の跡継ぎ養子・忠兵衛に問いかけた科白である。これらは実在する歌舞伎演目のひとつ「恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい/こいのたよりやまとおうらい)」に属し、単独でも演じられる「新口村」はその最終・三段目の演目である。

第31回モスクワ国際映画祭コンペティション部門の正式招待作品で、受賞は逃したが、同部門ノミネート16作品中唯一の邦画であった。

あらすじ

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昭和10年、長野県伊那谷にある小さな山村・伊那路村。この村の少年・小椋半次は代々伝えられてきた村歌舞伎を初めて目にし、その歌舞伎舞台で村の伝統舞踊「天竜恋飛沫(てんりゅうこいしぶき)」を舞う役者・桂木雪夫の美しさに惹かれる。歌舞伎の美しさに興味を持った半次は、雪夫に誘われ歌舞伎の世界へと入り込んでゆく。半次はやがて、雪夫が忠兵衛役を務める歌舞伎演目「新口村(にのくちむら)」で病気で休んだ東浦歌子の代わりに梅川役(女形)を演じることとなり、その初舞台は大成功を収める。いつしかふたりは村でもほかとない看板役者になっていく。

昭和19年、太平洋戦争が悪化するなか、ふたりのもとにもついに召集令状が届き、同郷の木下政男とともに戦線へと出征してゆく。翌年終戦を迎えたものの、捕虜となった半次たちはシベリアの強制収容所に送られ極寒の中で過酷な労働生活を強いられる。過酷な環境のなかで同郷の政男が高熱に倒れ、助けるすべもなく政男は亡くなってしまう。政男に続くように雪夫も高熱を発症し、見守ることしかできない半次。雪夫の口からは懐かしい歌舞伎の科白が漏れる。「いつから逢わぬか、おまえ、憶えていやしゃんすか」 やがて雪夫は兵士に連れ出され、半次は雪夫が他の戦没者とともに埋葬されたことを聞かされる。程なくして収容所に帰国の知らせが伝えられ、沈んだ気持ちのまま半次はひとり伊那路村へと帰る。会社勤めの傍ら、歌子とともに村歌舞伎の復興に力を注ぐ半次。女形から、かつて雪夫が演じていた立役へと身を転じ、やがて二人の舞台は評判となる。そうして数年、ある時、伊那谷から少し離れたところの村で盲目の役者が歌舞伎演目「六千両」を演じているという新聞記事が載る。伊那谷にしか伝わっていない伝統歌舞伎「六千両」を演じているのは間違いなく雪夫だと確信した半次は雪夫の元へと会いに行く。

スタッフ

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製作スタッフ

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有限会社信州村歌舞伎保存会・Picture Gold Company

出演

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特別出演

関連商品

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  • DVD「Beauty うつくしいもの」
発売元:角川映画
発売日:2010/06/25、品番:DABA-685

脚注

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  1. ^ 長野県指定無形民俗文化財(1977年)指定、国の選択無形民俗文化財(1996年)選択。国の重要無形民俗文化財(2017年)指定。
  2. ^ 「祝 大鹿歌舞伎 重要無形民俗文化財指定」(大鹿村公式サイト:2017年3月3日)

外部リンク

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