dearMoon

スペースXの個人月旅行ミッション兼アートプロジェクト

ディアムーン[1]英語: dearMoon)は、日本億万長者前澤友作により構想・出資される月旅行ミッション兼アートプロジェクトである。

ディアムーン
dearMoon
徽章
ミッションの情報
ミッション名 ディアムーン
dearMoon
宇宙船 スターシップ
乗員数 6~8人
発射台 ケネディ宇宙センター
打上げ日時 2023年 (予定)
ミッション期間 6日 (予定)

前澤自身の他、数人のアーティストとそれに1名か2名の乗組員が、スペースX社の宇宙船スターシップにより、を周回して地球に帰還する民間宇宙飛行を行う。

プロジェクトは2018年9月に公開され、打ち上げは2024年以降に予定されている。

概要 編集

 
宇宙船内で演奏する様子(想像図)

dearMoonは民間人による初の月周回の宇宙プロジェクトである。打ち上げにはスペースX社が2021年現在開発中の宇宙船スターシップが用いられる。[2]

乗員は前澤自身の他に公募などにより集められたアーティストらが予定されている。ミッションのコストは1000億円ほどと推測されており、前澤が全額を負担する。[3]

宇宙を舞台にした世界初のアートプロジェクトでアポロ計画アポロ17号が月面着陸して以来の有人月旅行となる。当時は冷戦のさなかで国家の威信をかけていたが、今回の計画は民間資本で実施される。かつては超大国であったソビエトでさえも、月への有人飛行を計画したものの技術的な困難により失敗した。現在では民間主導で有人月飛行が進められ、実現すれば人類史上に残る快挙となる。

ミッション 編集

 
月近傍を飛行するスターシップ(想像図)

dearMoonでは自由帰還軌道英語版と呼ばれる月を回る軌道が用いられる。スターシップは打ち上げ後は月に向かう自由帰還軌道に乗り、月の裏側を巡って、地球に帰還する。この軌道は初期の月探査機でも用いられたもので、軌道に乗った後はエンジンを噴射せずとも地球に帰還できるため、安全性が高い。ミッション期間は約1週間を予定している。[3]

乗員 編集

前澤自身の他、数人のアーティストが乗船する。2018年の計画発表当初は「各界を代表する最大8人の世界的なアーティストを招待する」としていたが、2021年3月に最大8人の同乗者を世界中から公募することが発表された[3]

2022年12月9日、DJのスティーブ・アオキ、宇宙系YouTuberのティム・ドッド英語版、表現者のイェミ・A・D英語版、写真家のリアノン・アダム英語版、写真家のカリム・イリヤ、俳優のデヴ・ジョシー英語版、ドキュメンタリー映像作家のブレンダン・ホール、ラッパーのチェ・スンヒョンらがクルーとして選ばれたことが発表された[4]

宇宙船 編集

 
スターシップが分離する様子(想像図)

dearMoonの宇宙船としては、スペースX社が2023年現在開発中の超大型ロケットであるスターシップ/スーパー・ヘビーが用いられる。スターシップは再使用ロケットの二段目兼有人宇宙船であり、スーパー・ヘビーにより打ち上げられた後、月へと向かう。スターシップは最大100人の乗員が搭乗可能で、軌道上で燃料を補給することで月着陸を行う能力も持つ計画だが、本ミッションでは燃料補給を行わずに直接月軌道に向かう。[3]

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集