MCバトル
概要編集
諸説はあるが、1970年代後半にアメリカの東海岸のヒップホップシーンが起源とされており、DJバトルやダンスバトルと共に行われ広まっていったとされる。アメリカでは1980年代バトルラップがラップの表現の一つとして人気を博し、その後、定着した[1]。
MCバトルはゲーム的要素だと、ビートを小節ごとに交互で回すのが主流であるが、ただ単にラップでお互いを攻撃し合うこともあり、これもMCバトルと定義される。1980年代初頭のアメリカのヒップホップシーンでのMCは、他のMCのライブのステージでバトルラップを用いて戦い、それを通じて名声を得ていた。尚、その場のステージや街角などで行われるものをMCバトルとし、MCそれぞれの音源の歌詞で繰り広げられる中傷合戦はビーフとされている。
日本におけるMCバトル編集
日本においては、クラブイベントの企画の一つに取り入れられたり、MCバトルメインのイベントが行われたりと全国各地で行われている。会場もクラブだったりライブハウスだったりとイベントの規模により異なる。
日本のMCバトルの大会においてはDJが流すビートに、MC同士が小節ごとに即興の歌詞を用いてフリースタイルのラップをし、お互いのスキルを競い合う。勝敗は即興性、内容、ディス、韻、フロウなどを総合して判定される。相手から言われたことに対してアンサーがちゃんと返せているかもバトルにおいて重視される。大体は8小節を2~3ターンずつ交互で行われるが、16小節で行われる場合もある。DJとMCの他にバトルを進める進行役も存在する。バトル終了後の勝敗の判定は、現場の観客の歓声の大きさで決まったり、審査員の多数決で決まったり、どちらも取り入れられたりと、そのイベントにより基準が異なる。
大会でなければDJや進行がいなくても周辺への配慮が必要となるが、トラックのインストをスマートフォンやCDラジカセ、コンポ等で流し屋内や路上、公園等で行うことも可能。また、音がなくともアカペラでしようとすればすることもできる為、気軽に行うことができる。インターネットが普及してからはSkypeなどを通じてフリースタイルのラップを披露し合う者もいる。この他、スキル上達の練習方法としてサイファー(複数人が円形に形成し、順番にフリースタイルのラップを披露すること)などがある。
全国的にMCバトルが広まっていったのはB-BOY PARKがMCバトルを盛り込んだ2000年前後とされ、1999年~2001年のB BOY PARKのMCバトルではKICK THE CAN CREWのメンバーのKREVAが3年連続優勝を果たしている。2002年には日本でもヒットしたアメリカ公開の映画「8 Mile」でMCバトルがモチーフにされたこともあり、知られるきっかけとなる。その後もULTIMATE MC BATTLEや戦極 MCBATTLEなどのMCバトルのイベントが派生していった。イベントによってはバトルの模様を収録したDVDも制作され、映像化している。
出場するMCはメジャーレーベルからCDもリリースしてライブ活動も行うプロのラッパーから、音源制作をしていないラッパーまで様々である。参加目的も自分のラッパーとしての実力を試したいという理由や名声を得る為など多種多様である。バトルの大会で名を残したMCやバトルでの活動に特化しているMCをバトルMCと呼ぶ。近年ではお笑い芸人によるMCバトルのイベントも開催され、戦極MCBATTLEが主催した「戦極MCBATTLE feat 芸人ラップ王座決定戦」ではとろサーモンの久保田和靖やレイザーラモンRG、中山功太などが参戦し、MCバトルを行っている[2]。
2010年代にはBAZOOKA!!! 高校生RAP選手権やフリースタイルダンジョンなど、MCバトルを取り入れたテレビ番組も制作されている。
主なMCバトルのイベント編集
CRAZY-A主催。日本最古のMCバトルの大会。代々木公園にて開催される。
Libra Records主催。全国47都道府県+リベンジ1枠で予選が行われ、決勝大会は主に東京で開催される。
9sari Group主催。東日本、西日本で予選が行われ、数々のMCバトルの優勝者が集まり、決勝大会は東京で開催される。
MC正社員主催。全国各地で予選が行われ、決勝大会は主に東京で開催される。
BAZOOKA!!!主催。高校生、もしくはそれに準じる年齢のMCのみ出場可能。全国数ヶ所でオーディションが行われる。
G.O主催。主に関東地方で予選が行われ、決勝大会は東京で開催される。ボディタッチありのルールが特徴。
韻踏合組合主催。ENTERという予選大会が3ヶ月毎に行われ、予選、決勝大会共に大阪で開催される。
- ADRENALINE[5]
Sound Luck主催。東京で開催される大会。平成選抜、昭和選抜のチームに別れトーナメントが行われる。
主なMCバトル出場者編集
- 世界
- 日本
- KREVA
- B BOY PARKにて初の3連覇を果たす。
- R-指定
- ULTIMATE MC BATTLEにて初の3連覇を果たす。
- 晋平太
- ULTIMATE MC BATTLEにて初の2連覇を果たす。
- GADORO
- KING OF KINGSにて初の2連覇を果たす。
- ZORN(Zone The Darkness)
- MC BATTLE THE 罵倒にて初の3連覇を果たす。
- TKda黒ぶち
- 戦極 MCBATTLEにて初の2連覇を果たす。
- SAM
- 戦極 MCBATTLEにて2連覇を果たす。[6]
- 五十音順
- 9for
- ACE
- Amateras
- Authority
- BASE
- Battle手裏剣
- BOZ
- CHICO CARLITO
- COMA-CHI
- CIMA
- DARTHREIDER
- D.D.S
- doragon one
- DOTAMA
- ERONE
- FEIDA-WAN
- FORK
- FRANKEN
- GIL
- GOLBY
- GOMESS
- GOTIT
- HARDY
- HIDADDY
- HI-KING TAKASE
- ID
- JAG-ME
- JAKE
- KEN THE 390
- KOOPA
- Kowree
- KBD
- Kennydoes
- KOPERU
- KZ
- K-razy
- LicK-G
- MAKA
- MC frog
- MC☆ニガリa.k.a.赤い稲妻
- MC松島
- MEISO(外人21瞑想)
- MULBE
- MU-TON
- NAIKA MC
- NONKEY
- Novel Core
- peko
- PONEY
- RAWAXXX(MOL53)
- RHYME&B(RHYME BOYA)
- RUMI
- SIMON JAP
- SKRYU
- SURRY
- T-Pablow
- T-TANGG
- USU aka SQUEZ
- U-mallow
- Y.A.S
- 韻マン
- カルデラビスタ
- 漢 a.k.a. GAMI
- がーどまん
- 黄猿
- 句潤
- サイプレス上野
- 掌幻
- じょう
- 崇勲
- スナフキン
- 早雲
- 椿
- 智大
- チプルソ
- 鎮座DOPENESS
- ハハノシキュウ
- 般若
- 紅桜
- ふぁんく
- 蛇
- 梵頭
- ミメイ
- ゆうま
- 呂布カルマ
- 裂固
- 輪入道
脚注編集
- ^ Battle rap
- ^ “芸人ラップ王座決定戦にとろサーモン久保田、RG、中山功太ら参戦”. ナタリー. 2016年3月28日閲覧。
- ^ 2017年度をもって大会終了。
- ^ 2018年度をもって大会終了。
- ^ 2019年度をもって大会終了。翌年より、真•ADRENALINEとして開催。
- ^ 一度目の優勝は団体戦