野中ともそ
野中 ともそ(のなか ともそ、生年不詳2月11日 - )は、日本の小説家、児童文学作家、翻訳家、エッセイスト、イラストレーター。
野中 ともそ (のなか ともそ) | |
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ペンネーム | 野中 ともそ |
誕生 | 日本・東京都 |
職業 | 小説家・随筆家・翻訳家・イラストレーター |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
教育 | 学士 |
最終学歴 | 明治大学文学部 |
ジャンル | 小説・随筆・イラストレーション |
主な受賞歴 | 小説すばる新人賞(1998年) |
デビュー作 | 『パンの鳴る海、緋の舞う空』 |
公式サイト | 野中ともそ公式サイト |
ウィキポータル 文学 |
東京都生まれ。明治大学文学部文学科演劇学卒。音楽雑誌編集、音楽ライター、ファッション誌編集者等を経て、1998年、『パンの鳴る海、緋の舞う空』で小説すばる新人賞を受賞[1]。1992年よりニューヨークに在住。
小説作品に加え、児童文学、自身のイラストによる絵ものがたりやイラストエッセイ集など、多分野にわたる創作活動を続けている。
来歴・人物
編集明治大学文学部・文学科・演劇学専攻卒。大学時代は音楽サークルに所属し、バンド活動に明けくれる。
卒業後は音楽出版社に入社し、主にキーボード雑誌編集に携わる。後、フリーランスの音楽ライターとして活躍、数多くの音楽雑誌に寄稿する。ちなみにペンネームの「ともそ」は、出版社勤務時代にふざけてつけられたあだ名を、そのまま使用したものである。
取材した主なアーティストは、ブエナビスタ・ソシアル・クラブ、ランディ・ニューマン、JAPAN、オノ・ヨーコ、B'z、RCサクセション、久保田利伸、プリンセス・プリンセス、渡辺美里、BUCK-TICK、矢野顕子、ムーンライダーズなど多岐に渡る。
1992年、当時ミュージシャンの取材でたびたび訪れていたのがきっかけで、ニューヨークに移住。理由としては、「帰国を気にせずにライブを観たかったから」と語っている。
1994年、ニューヨークの水彩画スケッチをもとにしたイラストエッセイ集『ニューヨーク街角スケッチ』を出版。つづいて、ニューヨークのアンティークやカリブ海の島々を題材にしたイラストエッセイ集を出版。
1998年、『カリブ海おひるねスケッチ』の取材で訪れたトリニダード・トバゴとニューヨークを舞台にした長編恋愛小説、『パンの鳴る海、緋の舞う空』で第11回小説すばる新人賞を受賞し、小説家デビュー[1]。
第2作となる『フラグラーの海上鉄道』は、旅行先のキー・ウエストとブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの取材のために訪れたキューバがきっかけとなり、執筆された作品である。
『カチューシャ』が小学館児童出版文化賞と日本児童文学者協会新人賞、『チェリー』が坪田譲治文学賞候補となる。
2020年、『宇宙でいちばんあかるい屋根』が藤井道人監督、清原果耶主演で映画化された。
2023年、コロナ禍のニューヨークと長崎を舞台にした小説『遠い空の下、僕らはおそるおそる声を出す』を出版。激動する社会の中で悩み戸惑いながらも、ア・カペラやマーベル・コミック、映画によって繋がり、歌声を放とうとする少年達の姿が色鮮やかに描かれている。
過去、ニューヨークと石川県で自身の水彩画による作品展をおこなうほか、現在はニューヨークで時折、詩の朗読会や講演会に参加している。
作品
編集小説
編集- 『パンの鳴る海、緋の舞う空』(1999年1月 集英社 ISBN 9784087743821 / 2004年10月 集英社文庫 ISBN 9784087477481)
- 『フラグラーの海上鉄道』(2002年4月 集英社 ISBN 9784087753127 / 2006年9月 集英社文庫 ISBN 9784087460803)
- 『宇宙でいちばんあかるい屋根』(2003年11月 ポプラ社 ISBN 9784591079072 / 2006年7月 角川文庫 ISBN 9784043817016 / 2020年4月 光文社文庫 )
- 『カチューシャ』(2005年3月 理論社 ISBN 9784652077566)
- 『世界のはてのレゲエ・バー』(2005年10月 双葉社 ISBN 9784575235388 / 2008年11月 双葉文庫 ISBN 9784575512410)
- 『おどりば金魚』(2007年7月 集英社 ISBN 9784087753790)
- 『チェリー』(2007年9月 ポプラ社 ISBN 9784591098929 / 2010年2月 ポプラ文庫 ISBN 9784591115480)
- 『犬のうなじ』(2009年8月 双葉社 ISBN 9784575236729 / 2013年11月 双葉文庫 『銀河を、木の葉のボートで』(改題) ISBN 9784575515374)
- 『ぴしゃんちゃん』(2009年9月 小学館 ISBN 9784093862561 / 2014年9月 小学館文庫 ISBN 9784094060812)
- 『鴨とぶ空の、プレスリー』(2011年6月 理論社 ISBN 9784652079782)
- 『海鳴屋楽団、空をいく』(2012年10月 ポプラ社 ISBN 9784591131084)
- 『つまのつもり』(2014年5月 双葉文庫 ISBN 9784575516739)
- 『虹の巣』(2016年4月 KADOKAWA ISBN 9784041039052)
- 『洗濯屋三十次郎』(2018年8月 光文社 ISBN 9784334912352)
- 『遠い空の下、僕らはおそるおそる声を出す』(2023年2月 光文社 ISBN 9784334915162)
イラストエッセイ集
編集- 『ニューヨーク街角スケッチ』(1994年11月 トラベルジャーナル ISBN 9784895593175)
- 『ニューヨーク・アンティーク物語』(1995年10月 東京書籍 ISBN 9784487792283)
- 『カリブ海おひるねスケッチ』(1996年8月 東京書籍 ISBN 9784487792788)
翻訳
編集- 『もぐらのバイオリン』デイビッド・マクフェイル(2006年2月 ポプラ社 ポプラせかいの絵本 ISBN 9784591090992)
共著・選集 小説
編集- 「メゾン・ブランシェ」『いたずら天使―Little Rascal』(1990年10月 CBS・ソニー出版 ISBN 9784789705691)
- 関陽子、石井研二、三宅久美子、岡村尚正、岡部泰明、日向敏文
- 「ハバナとピアノ、光の尾」『Teen Age』(2004年11月 双葉社 / 2007年11月 双葉文庫 ISBN 9784575511680)
- 角田光代、川上弘美、島本理生、藤野千夜、瀬尾まいこ、椰月美智子
- 「宇宙でいちばんあかるい屋根」『14歳の本棚 家族兄弟編』(2007年4月 新潮文庫 ISBN 9784101309538)
- 北上次郎・編纂による青春小説傑作選。梨木香歩、五木寛之、内田春菊、志賀直哉、多島斗志之、川端康成、三浦綾子、宮本輝、森絵都、井上ひさし
共著・選集 ノンフィクション
編集- 『ニューヨーク遭遇読本』(1996年12月 宝島社 ISBN 9784796611572)
- 『愛がなければ、人生はない 『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のミュージシャン達が語る、キューバ式“愛の生き方”』
(2000年2月 スイッチ・パブリッシング ISBN 9784916017758)
文庫解説
編集- 『サンカクカンケイ』小手鞠るい(2010年5月 新潮文庫 ISBN 9784101309736)
外国語訳
編集- 『Niu Yue Jie Tou De Gu Dian Mei Li』(2002年7月 皇冠文化出版 ISBN 9573318970)
- 『ニューヨーク・アンティーク物語』中国語訳
- 『Niu Yue.Jie Dao.Feng Qing Hua』(2004年9月 Marco Polo Press ISBN 9867890841)
- 『ニューヨーク街角スケッチ』中国語訳
- 『층계참 금붕어』(2008年1月 Mayabook ISBN 9788959741670) 『おどりば金魚』韓国語訳
イラストレーターとしての作品
編集書籍(自著)
編集- 『パンの鳴る海、緋の舞う空』(単行本、文庫装画)
- 『フラグラーの海上鉄道』(単行本、カバー写真)
- 『世界のはてのレゲエ・バー』(単行本、文庫装画)
- 『ぴしゃんちゃん』(単行本装画、挿絵)
- 『宇宙でいちばんあかるい屋根』『チェリー』(電子書籍装画)
書籍
編集- 『リズムの法則』 ミッキー・アーンショウ(1995年 リットーミュージック、単行本装画)
- 『ポピュラー・ミュージックのためのブラス&ストリングス・アレンジ』 松浦あゆみ(1996年 リットーミュージック、単行本装画)
- 『西の魔女が死んだ』 梨木香歩 (1996年 小学館、単行本装画)
- 『ことばが育てるいのちと心』 桜井美紀(2002年 一声社、単行本装画)
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編集- 『四季のNYスケッチ』(1998年 NTTデータ 、カレンダー作品集)
- 『Gentle Colors』(1999年 NTTデータ、カレンダー作品集)
- 『6 Little Stories』(2000年 NTTデータ、カレンダー絵本)
- 『NY発 美味しい生活通信』(2003年 住友生命、カレンダー作品集)
- 『ハミングタイム』(2004~2006年 タカシマヤ友の会ローズサークル会報誌、表紙)
- 『時のメッセージ』(2009年 資生堂、カレンダー作品集) ほか多数
脚注
編集関連項目
編集外部リンク
編集- おひるねスケッチブック - 野中ともそ公式サイト
- 椰子がなくちゃ生きていけない - 本人ブログ
- 野中ともそ (@tomosononaka) - Twitter
- 野中ともそ (@tomosononaka) - Instagram
- Web本の雑誌 作家の読者道 第48回 - インタビュー