宮澤有紀

日本の陸上競技選手

宮澤 有紀(みやざわ ゆき、1990年8月29日 - )は、長野県飯山市出身・千曲市育ちの元陸上競技選手。現在は医師。専門は短距離走100mの自己ベストは元北信越学生記録の11秒56。2015年北京世界選手権女子4×100mリレー日本代表候補。

宮澤 有紀 Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム みやざわ ゆき
ラテン文字 Yuki Miyazawa
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 100m, 200m
大学 富山大学
生年月日 (1990-08-29) 1990年8月29日(33歳)
出身地 長野県飯山市
身長 167cm[1]
体重 57kg[1]
引退 2016年度
成績
地域大会決勝 日中韓3カ国交流
100m 3位 (2015年)
4x100mR 2位 (2015年)
国内大会決勝 日本選手権
100m 2位 (2015年)
自己ベスト
100m 11秒56 (2015年)
200m 24秒22 (2012年)
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経歴 編集

高校時代まで 編集

長野県飯山市に生まれ、同県千曲市で育った。血液型はA型。家族に陸上経験者はいない[1]

小学4年生の時に100mで県1位になり本格的に陸上競技を開始するも、その後は伸び悩んだ。そのため、千曲市立更埴西中学校に進学後は違うスポーツをやるつもりだったが、父に競技続行を促されると、無理やり出場させられた4月の大会で自己ベストを連発し、中学でも陸上を続けることを決めた。中学には陸上部がなかったため、週に2-3回ほど市の指導員だったコーチの下で練習を行う程度だったが、2年時にジュニアオリンピック100mで2位、3年時には全日本中学校選手権の100mで3位、200mで4位に入るなど活躍した。しかし、その後は極度の低血圧に苦しめられ、男子100mの元県記録保持者が指導する長野県屋代高等学校に進学後は、階段を上るのも辛い、授業中に気絶して椅子から転げ落ちそうになるなど、日常生活にも支障をきたした。1年時は県大会を突破することができず、2年時はほとんど走ることができず陸上部を1年ほど休部した。父とともに日本全国の著名な医師に診てもらうも病名は分からなかったが、父が探してくれた骨格改造に取り組んだ結果、日常生活を送れるほどまでに回復。3年時には北信越大会まで進出したが、高校時代の100mのベストは12秒41に留まり、中学時代の自己ベストを更新することはできなかった[1][2]

大学時代 編集

高校時代の経験から医師を目指し、2浪の末、2011年に富山大学の医学部医学科に合格。当初は大学で陸上を続けるつもりはなく、4月に他の部に入部もしたが、最終的に5月に陸上部へ入部。7月の学生初レースでは、2年間のブランクがありながらも100mを12秒6で走った[1]

2012年、6月の日本学生個人選手権100mで中学3年以来の全国大会入賞(6位)を果たすと、9月の日本インカレの100mと200m、10月の国民体育大会でも入賞(全て7位)を果たした。この年は100mの自己ベストを中学以来7年ぶりに更新し、最終的に11秒84まで引き上げた[2]

2014年、6月の日本学生個人選手権100mで中学3年以来の表彰台に上ると(3位)、8月の全日本医歯薬獣医大学選手権100mでは11秒60(+4.9)をマークし、追い風参考記録ながら10秒60を体感した。これをきっかけに走り方を変えると、9月の日本インカレ100mでは自己ベストを11秒84から11秒68まで引き上げ、優勝した藤森安奈に0秒02差で敗れたものの2位に入った[2]。同月のコンチネンタルカップ4×100mリレーにはアジア・太平洋代表(日本の学生選手で編成)として出場し、初めて国際大会を経験した。

2015年、6月の日本学生個人選手権100mでは惜しくも追い風参考記録に留まったものの、自己ベストを上回る11秒60(+2.1)で初の全国タイトルを獲得[3]。初出場となった同月の日本選手権では100m予選で11秒67(0.0)の自己ベスト(当時)をマークすると、決勝では優勝した福島千里に0秒27及ばなかったものの2位に入り、8月に開催される北京世界選手権4×100mリレーの日本代表候補に選出された[4]。日本チームが出場権を獲得できれば「候補」という文字は外れ、日本代表して北京世界選手権に参加することができたが、日本チームは出場権を獲得できなかった。7月の日中韓3カ国交流100mでは日本学生歴代5位タイ・北信越学生タイ(ともに当時)の11秒56(+1.8)をマークし、目標にしていた北信越学生記録(1996年に金沢大学吉田香織が樹立)に並んだ[5]

2016年、8月のリオデジャネイロオリンピック出場を目指すも、5月に右脚のトラブルもあり[6]、6月の日本選手権は予選で敗退した。

大学卒業後は県内の病院に就職し、陸上競技生活を終えた[7]

自己ベスト 編集

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 11秒56 (+1.8) 2015年7月12日   札幌市 元北信越学生記録
200m 24秒22 (+0.3) 2012年9月12日   東京都
室内
60m 7秒50 2012年2月4日   大阪市

主要大会成績 編集

国際大会 編集

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2014 (大4) コンチネンタルカップ (en   マラケシュ 4x100mR 3位 45秒40 (1走) アジア・太平洋代表
2015 (大5) 日中韓3カ国交流   札幌 100m 3位 11秒56 (+1.8)
4x100mR 2位 45秒08 (1走)

日本選手権 編集

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2015 (大5) 第99回 新潟市 100m 2位 11秒77 (-0.3) 予選11秒67 (0.0):自己ベスト
2016 (大6) 第100回 名古屋市 100m 予選 12秒43 (-1.7)

その他 編集

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2004 (中2) 全日本中学校選手権 前橋市 100m 予選 12秒86 (-0.5)
200m 準決勝 25秒99 (+1.3)
ジュニアオリンピック 横浜市 100m 2位 12秒57 (-0.6)
2005 (中3) 全日本中学校選手権 岐阜市 100m 3位 12秒57 (-1.3)
200m 4位 25秒56 (-2.5)
国民体育大会 岡山市 200m 準決勝 25秒56 (+0.5)
4x100mR 予選 47秒94 (3走)
ジュニアオリンピック 横浜市 100m 9位 12秒75 (-0.1)
2011 (大1) 北日本インカレ 新潟市 4x100mR 4位 48秒81 (2走)
2012 (大2) 北信越インカレ 福井市 100m 優勝 12秒01 (+2.5)
200m 優勝 24秒91 (+4.0)
4x100mR 優勝 48秒57 (2走)
4x400mR 2位 3分57秒24 (2走)
日本学生個人選手権 平塚市 100m 6位 12秒07 (+0.9)
日本インカレ 東京都 100m 7位 12秒11 (-0.7) 予選11秒99 (-1.8):自己ベスト
200m 7位 24秒22 (+0.3) 自己ベスト
4x100mR 予選 48秒71 (1走)
国民体育大会 岐阜市 100m 7位 11秒92 (+0.6) 自己ベスト
4x100mR 準決勝 46秒85 (2走)
2013 (大3) 織田記念国際 広島市 100m 予選 12秒32 (+0.5)
北信越インカレ 新潟市 100m 決勝 DNS 予選12秒24 (+1.5)
日本インカレ 東京都 100m 準決勝 12秒20 (+2.6)
国民体育大会 調布市 4x100mR 予選 47秒36 (1走)
2014 (大4) 北信越インカレ 富山市 100m 2位 11秒95 (+2.1)
4x100mR 2位 47秒71 (4走)
日本学生個人選手権 平塚市 100m 3位 11秒95 (-0.1)
日本インカレ 熊谷市 100m 2位 11秒85 (-1.3) 準決勝11秒68 (+1.3):自己ベスト
実業団・学生対抗 小田原市 100m 決勝 DQ フライング
メドレーR 2位 2分12秒97 (1走)
国民体育大会 諫早市 100m 6位 11秒93 (-0.1)
4x100mR 準決勝 46秒59 (4走)
エコパトラックゲームズ 袋井市 100m 決勝 DNS 予選12秒11 (+0.2)
4x100mR - 45秒73 (2走)
2015 (大5) 織田記念国際 広島市 100m 6位 11秒99 (-0.2)
ゴールデングランプリ川崎 川崎市 100m 8位 11秒91 (+1.2)
北信越インカレ 金沢市 100m 優勝 11秒94 (-1.2)
200m 優勝 24秒58 (+2.2)
4x100mR 優勝 47秒81 (4走)
4x400mR 3位 3分55秒50 (1走)
日本学生個人選手権 平塚市 100m 優勝 11秒60 (+2.1)
200m 準決勝 DNS 予選24秒66 (+1.6)
日本インカレ 大阪市 100m 3位 11秒88 (+0.6)
国民体育大会 和歌山市 100m 5位 11秒82 (+0.3)
4x100mR 8位 46秒21 (2走)
2016 (大6) 織田記念国際 広島市 100m 4位 12秒01 (-1.8)
ゴールデングランプリ川崎 川崎市 4x100mR 4位 44秒78 (4走)
布勢スプリント 鳥取市 100m 予選 12秒47 (+1.1)

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 「マイプライバシー / 宮澤有紀(富山大)」『月刊陸上競技』第48巻第12号、講談社、2014年11月号、239頁。 
  2. ^ a b c 「日本インカレ デイリーハイライト」『月刊陸上競技』第48巻第11号、講談社、2014年10月号、65頁。 
  3. ^ 「日本学生個人選手権」『月刊陸上競技』第49巻第9号、講談社、2015年8月号、36頁。 
  4. ^ 第15回世界陸上競技選手権大会(2015/北京) 追加日本代表選手 (PDF, 99.9 KB) 寺田的陸上競技WEB 2017年11月09日閲覧
  5. ^ 「NEWSフラッシュ」『月刊陸上競技』第49巻第10号、講談社、2015年9月号、138頁。 
  6. ^ y_ragchatのツイート(747009847124602881)
  7. ^ 「[進学就職情報] 大学トップ選手編」『陸上競技マガジン』第67巻第6号、ベースボール・マガジン社、2017年3月号、117頁。 

外部リンク 編集

記録
先代(タイ記録保持者)
吉田香織
(11秒56)
1996年5月25日
女子100m
北信越学生記録保持者
(11秒56)

2015年7月12日 - 2017年6月10日
次代
前山美優
(11秒51)
2017年6月10日