エールディヴィジ

エールディヴィジオランダ語: Eredivisie, オランダ語発音: [ˈeːrədiˌvizi])は、オランダ・プロサッカーリーグの最上位リーグである。またオランダ語で「名誉ある階級」という言葉が由来である。

エールディヴィジ
Eredivisie
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加盟国 オランダの旗 オランダ
大陸連盟 UEFA
創立 1956
参加クラブ 18
リーグレベル 第1部
下位リーグ エールステ・ディヴィジ
国内大会 KNVBカップ
ヨハン・クライフ・スハール
国際大会 チャンピオンズリーグ
ヨーロッパリーグ
最新優勝クラブ アヤックス (27回目) (2020-21)
最多優勝クラブ アヤックス (27回)
テレビ局 Fox Sports Eredivisie
NOS (ハイライト)
日本:Hulu(生中継)
DAZN(ハイライト)
公式サイト Eredivisie.nl
2020-21

大会形式編集

18クラブによる2回総当りで基本的に8月終わりに開幕して翌年5月に閉幕する。優勝クラブは次年度のUEFAチャンピオンズリーグへの出場権を得る。4位~7位がヨーロッパ・リーグ出場枠を賭けてリーグ戦終了後に勝ち抜き戦形式のPOを行う。最下位 (18位) のクラブはエールステ・ディヴィジ (2部リーグ) に自動降格 (代わってエールステ・ディヴィジの優勝クラブが昇格) し、16位17位 とエールステ・ディヴィジの8クラブが入れ替えPOを争う。

2020-21シーズン所属クラブ編集

2021-2022シーズンのエールディヴィジのクラブ数は前年同様の18。昨シーズンのエールステ・ディヴィジからの昇格クラブはNECナイメヘンSCカンブールゴー・アヘッド・イーグルスの3クラブ。

チーム 創設 監督 ホームタウン スタジアム 収容人数 前年度成績
AFCアヤックス 1900年   エリック・テン・ハフ アムステルダム ヨハン・クライフ・アレナ 54,990 優勝
AZアルクマール 1967年   パスカル・ヤンセン アルクマール AFASスタディオン 17,250 3位
SCカンブール 1964年   ヘンク・デ・ヨング レーワルデン カンブール・スタディオン 10,500 2部1位
フェイエノールト 1908年   アルネ・スロット ロッテルダム フェイエノールト・スタディオン 53,000 5位
フォルトゥナ・シッタート 1968年   ショルス・ウルティー シッタート・ヘレーン フォルトゥナ・シッタート・スタディオン 12,500 11位
ゴー・アヘッド・イーグルス 1902年   キース・ファン・ウォンデレン デーフェンテル デ・アデラールスホルスト 10,000 2部2位
FCフローニンゲン 1971年   ダニー・バイス フローニンゲン エウロボルグ 22,525 7位
SCヘーレンフェーン 1920年   ヨニー・ヤンセン ヘーレンフェーン アベ・レンストラ・スタディオン 26,900 12位
ヘラクレス・アルメロ 1903年   フランク・ヴォルムート アルメロ エルフェ・アシト 12,080 9位
NECナイメヘン 1900年   ロジェール・マイェル ナイメーヘン ホフェールト・スタディオン 12,500 2部7位
PSVアイントホーフェン 1913年   ロガー・シュミット アイントホーフェン フィリップス・スタディオン 35,000 2位
スパルタ・ロッテルダム 1888年   ヘンク・フレイザー ロッテルダム スパルタ・スタディオン 11,000 8位
FCトゥウェンテ 1965年   ロン・ヤンス エンスヘデ デ・フロルーシュ・フェステ 30,250 10位
FCユトレヒト 1970年   レネ・ハケ ユトレヒト スタディオン・ハルヘンワールト 23,750 6位
SBVフィテッセ 1892年   トーマス・レッシュ アーネム ヘルレドーム 25,000 4位
RKCヴァールヴァイク 1940年   ヨセフ・オースティング ヴァールヴァイク マンデマケルス・スタディオン 7,500 15位
ヴィレムII 1896年   フレット・フリム ティルブルフ コニング・ヴィレムII・スタディオン 14,700 14位
PECズヴォレ 1910年   アルト・ランゲレル ズヴォレ MAC³PARKスタディオン 14,000 13位

概要と歴史編集

オランダのフットボールリーグの歴史は1897年まで遡るが、プロ化されてエールディヴィジとしてスタートしたのは1956-57シーズンからである。創設当初はアヤックス、BVC、BVVDOSEVVエリンクヴァイクSCエンスヘデフェイエノールト、フォルトゥナ'54、GVAVMVVNACNOAD、PSV、ラピドJC、スパルタVVV '03、ヴィレムIIの18クラブが参加した。[1]レギュレーションは、1956年から18チームとほぼ変動していない。

1897年、オランダ主要都市で発足したチーム同士が競い合ったのをきっかけに、サッカーの普及とともに全国リーグの開催へと発展していった。しかし、第2次世界大戦前には多くの西欧各国のサッカーリーグがプロ化された中、オランダのリーグは1950年代までセミプロやアマチュアの体制をとるクラブがほとんどであった。

その後、オランダでもプロ化の機運が高まりはじめ、1954年にリーグがプロ化し、1956年にエールディヴィジが発足した。ちなみにプロ化以前の第2次世界大戦中、オランダはナチス・ドイツの占領下に置かれたが、オランダリーグ自体はアマチュアであったためか、リーグは例年通りに開催された (事情は違うが、スコティッシュ・プレミアリーグも第2次世界大戦中に通常開催している) 。

プロ化した1956-57シーズンから2007-08シーズンまでの52回のリーグ戦で、アヤックス、PSV、フェイエノールトの3チームが48回の優勝を記録する完全な3強寡占のリーグ構造であった。それ以外のチームではDOS (1957-58) 、スパルタ・ロッテルダム (1958-59) 、DWS (1963-64) 、AZ (1980-81) の計4回にとどまり、1981-82シーズンからの27シーズンは3強による優勝の独占が続いた。

しかし、ボスマン判決によって1996年以降は他国リーグの青田買いの対象となり、各国の代表選手達が次々と他国リーグへ移籍。3強も例外ではなく主力選手の流出で戦力低下を余儀なくされて、リーグの地盤沈下を招いた。

2000年代に入ると、アヤックスやPSVが海外での選手発掘によって戦力の底上げに成功してUEFAチャンピオンズリーグでの活躍で復活を印象づけたのに対して、フェイエノールトは2002年のUEFAカップ制覇を境に経済的に弱体化。一方で、AZやFCトゥウェンテなどのチームが徐々に力をつけて上位陣に定着、2008-09シーズンにはAZが28年ぶり2度目の優勝、2009-10シーズンにはFCトゥウェンテがチーム創設以来初のリーグ優勝を果たした。

このためかつての圧倒的優位を失ったトップ3は伝統的なトップ3との意味で"トラディツォネール・トップ3"と呼ばれているが、現在でもクラブ規模の面では依然群を抜いた存在であり、地方クラブがこの3クラブを追い抜く事は不可能に近い(PSVも地方クラブであるが、例外的にフィリップスのスポンサーシップと過去の成績から国外で高い知名度を得ることに成功した)。AZは後にスポンサーの銀行が破産し経済力が大きく低下、代わりに外国資本によって買収されたフィテッセが財政面での力を付け(実質的には赤字経営だがオーナーが補填)、財政面で危機を脱したフェイエノールトがトップクラブを夢見て運営に失敗したトゥエンテの予算規模を再び抜いている。

2019-20シーズン、世界中で猛威を振る新型コロナウイルス感染症の影響を受けるオランダでは、4月にマルク・ルッテ首相が9月までのプロフットボールをはじめとしたイベント開催の禁止を発表した。これを受け、1956年のエールディヴィジの歴史において史上初めてリーグ打ち切りが決定した。

アヤックスとフェイエノールトの対戦はデ・クラシケル (De Klassieker) と呼ばれる。

リーグ再編編集

2021年3月16日、ベルギープロリーグの総会でリーグ戦の将来について検討を行い、ジュピラー・プロ・リーグとエールディヴィジを統合して「BeNeLiga(ベネリーガ)」の創設に向けて全会一致で合意したことを発表した[2]

歴代大会結果編集

クラブ別優勝回数編集

エールディヴィジ移行後編集

回数 クラブ
27 アヤックス
21 PSV
10 フェイエノールト
2 AZ
1 スパルタ・ロッテルダム, トゥウェンテ, DWS, DOS

都市別優勝回数編集

回数 都市 クラブ
28
アムステルダム アヤックス (27), DWS (1)
21
アイントホーフェン PSV (21)
11
ロッテルダム フェイエノールト (10), スパルタ・ロッテルダム (1)
2
アルクマール AZ (2)
1
エンスヘデ トゥウェンテ (1)
1
ユトレヒト DOS (1)

連覇記録編集

  • 4連覇
    • PSV (1985-86, 1986-87, 1987-88, 1988-89)
    • PSV (2004-05, 2005-06, 2006-07, 2007-08)
    • アヤックス (2010-11, 2011-12, 2012-13, 2013-14)

歴代得点王編集

国際大会での戦績編集

2020-21シーズン終了時点
アヤックス (4回)
フェイエノールト (1回)
PSVアイントホーフェン (1回)
アヤックス (2回)
フェイエノールト (2回)
PSVアイントホーフェン (1回)
アヤックス (1回)
FCトゥウェンテ (1回)
AZ (1回)
アヤックス (1回)
アヤックス (1回)
アヤックス (1回)
アヤックス (3回)
アヤックス (1回)
フェイエノールト (1回)
PSVアイントホーフェン (1回)
アヤックス (2回)
フェイエノールト (1回)
PSVアイントホーフェン (1回)

主な選手編集

出場ランキング編集

2019-20シーズン終了時点

ランク 選手 出場数
1   ピム・ドゥースブルグ 687
2   ヤン・ヨングブルート 683
3   ピート・シュライフェルス 575
4   サンデル・ボスフケル 560
5   エディ・トライテル 553
6   ヴィリー・ファン・デル・カイレン 533
7   ダニー・ブリント 521
8   エドワート・メホト 519
9   アート・マンスフェルト 503
10   ヴィレム・ファン・ハネヘム 488
太字 は現役選手[3]

得点ランキング編集

2019-20シーズン終了時点

ランク 選手 得点数 出場数
1   ヴィリー・ファン・デル・カイレン 311 533
2   ルート・へールス 265 393
3   ヨハン・クライフ 215 308
4   キース・キスト 212 372
5   トニー・ファン・デル・リンデン 205 323
6   ヘンク・フロート 196 283
7   ピーター・ハウトマン 180 330
8   シャーク・スワルト 176 463
9   レオ・ファン・フェーン 174 491
10   コル・ファン・デル・ハイプ 160 214
太字 は現役選手[4]

日本人選手編集

1982年に望月達也HFCハーレムにアマチュア契約で入団し、日本人選手初のエールディビジデビューを果たした[5]

2001年に小野伸二フェイエノールトに加入し、日本人選手としてエールディビジ初ゴール(2部では小倉隆史が記録)やチームのUEFAカップ優勝に貢献。5シーズン在籍して112試合出場19得点をマークし[5]、エールディビジで最も優れたアジア人選手とオランダメディア『elfvoetbal』は伝えている[6]

2008年には本田圭佑VVVフェンローに加入。1年目にチームは2部へ降格してしまうが、2部ではキャプテンとしてチームの昇格に貢献し、2部の年間最優秀選手賞を受賞。本田の活躍もあり、VVVには吉田麻也カレン・ロバート大津祐樹など日本人選手が続けて所属した[5]

2010年代では、ハーフナー・マイクがオランダ2クラブでプレーし、日本人選手最多となるエールディビジ通算51ゴールをマークしている[6]。2019年には堂安律FCフローニンゲンからPSVアイントホーフェンに移籍した。

シーズン別大会名編集

  • Eredivisie (1956–1990)
  • PTT-Telecompetitie (1990–1999)
  • KPN-Telecompetitie (1999–2000)
  • KPN Eredivisie (2000–2002)
  • Holland Casino Eredivisie (2002–2005)
  • Eredivisie (2005–現在)

脚注編集

  1. ^ Netherlands 1956/57”. RSSSF. 2013年10月12日閲覧。
  2. ^ ベルギーリーグがオランダとの合併に全会一致で賛成、「BeNeLiga」が誕生か”. ヤフーサッカー (2021年3月17日). 2021年3月18日閲覧。
  3. ^ http://www.ererat.nl/asp/ererat_speler.asp?report=11&van=1956&tot=2099&clubid=&wie=&natioid=
  4. ^ http://www.ererat.nl/asp/ererat_speler.asp?report=2&sortitem=0&sortdir=-1&van=1956&tot=2020&clubid=-1&wie=1&natioid=-1
  5. ^ a b c 若き日の小野や本田が放った輝き オランダで欧州“一歩目”を刻んだ日本人選手の系譜football-zone 2017年8月12日
  6. ^ a b 日本とオランダは最高の相性?現地メディアが考える歴代最高のアジア人選手とはゲキサカ 2018年3月23日

関連項目編集

外部リンク編集