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オンネトーは、北海道足寄郡足寄町東部・阿寒摩周国立公園内にあるである。名前はアイヌ語で「年老いた沼」あるいは「大きな沼」の意味である。

オンネトー

Onneto, -September 2010 a.jpg
オンネトーと雌阿寒岳(左)と阿寒富士(右)

オンネトーの位置(北海道内)
オンネトー
オンネトーの位置(北海道)
所在地 日本の旗 日本
北海道十勝総合振興局
位置 北緯43度23分04.5秒 東経143度58分11.7秒 / 北緯43.384583度 東経143.969917度 / 43.384583; 143.969917座標: 北緯43度23分04.5秒 東経143度58分11.7秒 / 北緯43.384583度 東経143.969917度 / 43.384583; 143.969917
面積 0.23 km2
周囲長 2.5 km
最大水深 9.8 m
平均水深 3.0 m
貯水量 0.0007 km3
水面の標高 623 m
成因 火山による堰止湖
淡水・汽水 淡水
湖沼型 酸栄養湖
透明度 7.1 m
Project.svg プロジェクト 地形
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オンネトーの位置(100x100内)
オンネトー
阿寒カルデラ周辺の地形図とオンネトーの位置。本湖の右が雌阿寒岳
北側にある湯の滝、黒っぽいものが酸化マンガン

目次

地理編集

阿寒摩周国立公園内に位置する。雌阿寒岳噴火により西麓の螺湾川の流れが止められてできた堰止湖である。湖水は酸性で、魚類は棲めないが、エゾサンショウウオザリガニが棲息する。湖面は刻々と色を変えることから五色沼の別名もある。波のない時は雌阿寒岳阿寒富士を映し出す。阿寒湖から近い湖沼だが、流出河川の螺湾川は西方の十勝方面へと流れる。

オンネトー湯の滝編集

オンネトー湯の滝(オンネトーゆのたき)は、オンネトー湖の南東方向にある2つのである。天然記念物日本の地質百選の1つである。落差30メートル、標高800メートル、分岐瀑。地質は雌阿寒岳火山の安山岩溶岩第四紀更新世[1]

雌阿寒岳と阿寒富士の西麓のアカエゾマツ林内に位置し、雌阿寒岳由来の温泉水(水温43度、pH6、Mn2+を3.05ppm含む)が湧き出て、高さ20mほどの2条の滝となって安山岩溶岩の崖を流れ落ちている。かつては滝上の池が天然の露天風呂として利用されたが、微生物によって酸化マンガンを生成する現象が発見され、保護のため入浴禁止となった。無料の露天風呂が別に作られたが、それも入浴禁止となった。

歴史編集

1953年頃、辺りにはマンガン鉱山があり、3500トンのマンガン鉱石が採掘された[2]北海道大学の針谷教授が、形成中の鉱床であることに気づいた。1989年に学術調査が行われ、温泉水から微生物(糸状藻類とマンガン酸化細菌)がマンガン鉱物を生成する「生きている鉱床」であること、それは陸上においては「世界唯一の場所」であることが分かった。マンガン鉱物の析出は数千年前から継続していると考えられ、近年では年間1トン程度の生成とされる[2]

1992年には万国地質学会議の出席者らによる視察、1995年には日独共同研究講演会が行われた。翌年、滝の近くに小屋などが設置された。

2000年9月6日には「オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地」として国から天然記念物の指定(文部省告示 第144号)を受けた[3]1985年頃より人為的に池にナイルティラピアが放流された。その後もグッピーなどの熱帯性淡水魚が放流され、それらの魚が越冬・繁殖して藻類を食害し、マンガン泥の生成量が減少してしまうことが問題視されるようになる。1999年よりポンプで池を排水して数千匹の外来魚を駆除するなど大掛かりな対策が毎年実施されているが、熱帯魚の根絶には至らなかった。2010年には環境省職員らがティラピア1800匹、グッピー7500匹を捕獲している[4]

環境省は温泉水をホースで迂回させるとともに、沢の冷水を流し込んで、熱帯魚の生息に適さない水温に下げる対策を実施。オンネトー湯の滝における外来魚根絶の判断基準の第1段階を平成29年度(2017年度)末までに達成。平成30年(2018年)10月までに再確認・捕獲がなかったことから、2019年1月22日に開催された評価会にて、第2段階の達成を確認。野外に定着したナイルティラピア、グッピーを駆除事業により根絶させた全国で初めての事例となった[5]

現象編集

マンガン酸化物が沈殿するための3条件がある。

  • 原水中のMn2+濃度が高いこと
  • 原水が無菌的であること
  • 有機物の提供があること

湧き出る温泉水が上2つの条件を満たし、残りの条件は、崖にある糸状藻類が、マンガン酸化バクテリアに有機物を供給することで満たしていると考えられる[6]。泉源と滝斜面のシアノバクテリア(藍藻類)が光合成によって酸素を放出し、マンガン酸化菌がその酸素と温泉水中のマンガンイオンより二酸化マンガンを生成する。生成された二酸化マンガンは泥状となり、池や滝の周囲に溜まっている。

観光・利用編集

オコタンペ湖東雲湖とともに北海道三大秘湖の一つとされているが、湖畔には散策路が設けられ、国設野営場もあるなど、他の2つと比べると周辺の整備は進んでいる。晴れた日の太陽が斜めに射す午前中は湖面が綺麗なコバルトブルーに染まる。オンネトー野営場と雌阿寒温泉は、雌阿寒岳の登山口となっている。北東に約2km進んだ雌阿寒温泉には、国民宿舎ユースホステル民宿がある。

交通アクセス編集

足寄市街地から東へ約50km。国道241号北海道道949号オンネトー線北海道道664号モアショロ原野螺湾足寄停車場線を経由する。北海道道664号モアショロ原野螺湾足寄停車場線の足寄寄り区間は一部未舗装道路となっており幅員が狭いため走行には注意が必要。冬季は一部区間が通行止めとなる。夏期は阿寒湖畔からバス(所要時間30分)が運行されている。

オンネトーの滝へは、オンネトー湖の南にある駐車場からの遊歩道(湯の滝コース、1.4km)を歩くとあり、滝と共に小屋・トイレもある。なお、ヒグマの出没地域であり、注意・対策が必要である。

ギャラリー編集

脚注編集

  1. ^ 北中康文『日本の滝1 東日本661滝』山と渓谷社、2004年、14頁。ISBN 4-635-06257-0
  2. ^ a b 国指定文化財等データベース(文化庁
  3. ^ 出典 : 国指定文化財 データベース オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地 - 文化庁
  4. ^ 外来魚から「湯の滝」守れ 足寄で水抜き駆除作戦 『北海道新聞2010年10月16日朝刊 第4社会面
  5. ^ “阿寒摩周国立公園「オンネトー湯の滝」の外来魚の根絶が確認されました” (プレスリリース), 環境省, (2019年1月22日), https://www.env.go.jp/press/106377.html 2019年1月23日閲覧。 
  6. ^ 竹松伸『マンガン団塊-その生成機構と役割』恒星社厚生閣 p95,96

関連項目編集

外部リンク編集