サイコミュPsycommu)は、アニメ作品『ガンダムシリーズ』の内、宇宙世紀を舞台にした作品群に登場する架空の制御機構の名称。ニュータイプの発する特殊な脳波である「感応波(サイコ・ウェーブ)」を利用し、機体内外の装置の制御を行うシステムのことである。

概要編集

正式名称はサイコ・コミュニケーター (Psyco Communicator) [1]。サイコミュとは、サイコ・コミュニケーションシステムの略称である[2]ミノフスキー粒子の震動を受信、増幅し、ニュータイプの意志をそのまま機械に伝える[3]、脳波コントロール・システム[4]。または、脳波を増幅して発信する装置[5]やニュータイプの脳から検出される感応波をコンピュータ言語に翻訳する脳波制御システムなどと言われる[1]一年戦争時に、ジオン公国フラナガン博士が指揮を執るフラナガン機関において、ミノフスキー粒子の干渉を受けない兵器の誘導用の通信方法として思考波による通信(サイコ・コミュニケーション)の概念が提示され、開発が進められた[6]。サイコミュの原型は、ジオン軍のエルメス・タイプから現れ、このようなサイコ・タイプのモビルスーツが出現した頃から、サイコミュの技術は多少知られるようになっていった[7]。本装置を操作するには、パイロットに高いNT能力が求められる[8][注釈 1]。開発された当初は、パイロットへの負担が大きく、ガンダムタイプMSへ積極的に採用されるのは、U.C.0093のνガンダムまで持ち越される事になった[2]

原理編集

ミノフスキー粒子が散布された空間において、電子通信に起こる一定の規則性を持った変調を利用した、ミノフスキー粒子を媒体にする(と考えられる)通信。技術的には、被験者の感応波を増幅し、コンピュータ言語に翻訳する事で通信が可能となっている。ただし通信のソースとなる信号は“思考波”である必要があるので、会話を成立させるのは困難で、“意志”および“知覚”を伝播する機能に限定される。(メカニズム的に、思考波が空間を伝播するのか、装置間の共鳴作用なのかは解明されていない)[8]。サイコミュは、戦場でより突出して発現する人の意識により、作動する[7]。感知した意思を増幅し発振させ、ミノフスキー粒子下であっても、電波で誘導するように、ミサイルを誘導する[7]

機能編集

サイコミュ兵器の制御
ビットファンネルといった攻撃端末を遠隔で操作し、離れた複数の敵に攻撃が可能となる[2]
サイコミュにより、攻撃端末の照準調整、トリガー操作など、フィードバックを含む相互通信が可能となる[8]。つまりパイロットは、端末が捕らえた情報を、自分の知覚として捕らえる事が可能となる[8]
気や意志の感知
サイコミュを通してパイロットは、気[9]や人の意志を知覚する事が出来る[10]
ザンネックに乗っていたファラ・グリフォンは、身体に付けた鈴をコネクターにして、サイコミュで感知した“気”を知覚域に繋げていた[9]
反応速度・動作の円滑性の向上
サイコミュは操縦者の意志をダイレクトにマシンに伝達する事によって、機体の反応速度と動作の円滑性に飛躍的な向上をもたらす[1]
魂の集積・物理的エネルギーへの転化仮説
サイコミュは、一種のエネルギー体である死者の魂を集め、物理的なエネルギーに転換し、モビルスーツに作用させる“のではないか?”、という仮説が立てられている[11]
共振現象
サイコミュは、サイコミュ同士[12]、または感応波などに共振する事象が見られる。
クェス・パラヤα・アジールのサイコミュが、νガンダムのサイコミュに引っ張られる事を利用し追撃を試みた[13]
ザンネックのサイコミュが、エンジェル・ハイロゥの波動と共振し、ファラが消極的になっていたと考えられていた[14]
意志の強化
サイコミュはパイロットの意志を強化する。その影響が大きい為、サイコミュ開発はその都度中止され、対応するために意志強化を施されたパイロット「強化人間」が養成された事もあった[4]
洗脳効果
サイコミュには、他者の思考を自分の物にする機能がある[15]
サイコミュ要塞であるエンジェル・ハイロゥは増幅されたサイコ・ウェーブを放射し、平和の祈願を人に強制する事で、人々に催眠効果を発揮した[15]
発光現象
サイコミュの延長線上にある装置のバイオセンサーやサイコ・フレームなどを搭載した機体から発光現象が確認されている。
構造体に軽量複合材を使用されているエンジェル・ハイロゥは発光するような性能など無いにも関わらず[16]シャクティ・カリンと数万人のサイキッカー達と思念を共振させると[17]、リング部分が[17]、黄金の光と青白い光を強く発光した[16]

欠陥編集

常人が使用時に生理的な強迫観念に襲われる
サイコミュの最も大きな欠陥は、普通の人がサイコミュを使用した場合、生理的な強迫観念に捕らわれて、自滅をしてしまう事だった[7]
平時の人間の意思を拾えない
サイコミュは、平時の人間の意思を拾うことは出来ない[7]
使用にはニュータイプ能力が不可欠
特別な能力を持っていないと、サイコミュは使用できない[7]。また、敵の意思を読む、自分の意思を敵に投影して混乱させるというレベルの芸当は、アムロ・レイのようなニュータイプといった人々でなければ不可能である[7]

サイコミュの発展編集

一年戦争期
アニメ『機動戦士ガンダム』の舞台となった宇宙世紀0079年では、当初はサイコミュシステムが巨大化せざるを得なかった為、ジオン公国が開発したニュータイプ専用のモビルアーマーブラウ・ブロエルメスなど大型のものだった。
サイコミュ技術の隠蔽
一年戦争後すぐに設立された連邦軍のムラサメ、オガースタの両ニュータイプ研究所で、ジオン公国軍のフラナガン機関の資料を元にして、サイコミュの研究が続けられていた[18]。しかしサイコミュは、MSMAのマン・マシーン・インターフェイスとして理想的な機能を持っていたがパイロットに対する負担が大きいという致命的な欠陥を抱えていたので、サイコミュ周辺技術は連邦軍によって隠蔽された[2]。最高度の軍事機密として扱われていた為、軍需産業といえど容易に技術を入手する事が出来ず、民間の企業では公に開発する事が不可能になっていた[2]
サイコミュ技術の流出
サイコミュの開発に従事した技術者を完璧に追跡する事は難しく、連邦軍が運営するニタ研などの施設から情報が漏洩し、A・Eを始めとしたいくつかの民間企業に流出され、サイコミュの概念や基本的な機能はかなり広く知られるところとなった[2]。これは連邦軍が意図的にリークした情報かも知れないと言われている[2]
グリプス戦役期

アニメ『機動戦士Ζガンダム』の舞台となった宇宙世紀0087年では、アクシズがサイコミュシステムの小型化に成功して、機体サイズをキュベレイの大きさにまで収める事に成功した。また、ガンダムジ・オといった機体は準サイコミュに属するバイオセンサーを搭載している。ムラサメ研では、ジオングの開発資料を元にして、サイコガンダムが完成され、その改良型であるサイコガンダムMk-IIも製造された。しかし、それらに搭載されたサイコミュは未完成で、多くのパイロットの精神を破壊した[18]

ペズンの反乱
小説『ガンダム・センチネル』の舞台となった宇宙世紀0088年では、インコムなどの人工的サイコミュ技術の発展等もあり、Sガンダムに搭載された画期的なコンピューター「ALICE(発展型論理・非論理認識装置)」は継続しての開発は見送られた[19]。オーガスタ研究所で、サイコガンダムの小型版として開発されたガンダムMk-Vは準サイコミュを搭載し、NT能力のないパイロットでも操作出来るインコムを装備していた。この技術はニューディサイズの敗北と共に、ネオ・ジオンへと技術が流出して、ドーベン・ウルフの原形となった[20]
第一次ネオ・ジオン抗争期
アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』の舞台となった宇宙世紀0088年では、ネオ・ジオングリプス戦争の際に、宇宙を漂流していたサイコガンダムMk-IIを回収し、連邦軍の技術を吸収した事でサイコミュを発展させた。サイコミュを搭載したゲーマルクの操縦には高いNT能力が必要とされたがキュベレイより扱いやすかった[21]ドーベン・ウルフNT能力が低いパイロットでも、サイコミュが使用出来るように工夫されていて、インコムや有線制御式メガ・アーム(指揮官機のハンドビームはレーザー誘導式)はパイロットの感応波を利用したミノフスキー通信を使用せず、有線制御式となっている[22]ΖΖガンダムザクIII改はバイオセンサーを搭載している。
第二次ネオ・ジオン抗争期
アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の舞台となった宇宙世紀0093年では、サイコミュとサイコフレームを併用する事で、一般的なパイロットであっても、ミサイルであるファンネルを脳波誘導する事が想像されていた[23]アムロ・レイのようなニュータイプがこれらを使えば、敵のパイロットの意思まで読み取れるのではないかとも期待されていた[23]。戦場では、サイコミュとサイコフレームを搭載したνガンダムサザビーといった機体が登場した。
ラプラス事変
アニメ『機動戦士ガンダムUC』の舞台となった宇宙世紀0096年では、新型のサイコフレームの開発により、フル・サイコフレームのユニコーンガンダムが登場し、実戦に投入された。袖付きは、旧式のサイコフレームを使用しているクシャトリヤユニコーンガンダムのプロトタイプでフル・サイコフレームのシナンジュを運用した。
コスモ・バビロニア建国戦争期
アニメ『機動戦士ガンダムF91』の舞台となった宇宙世紀0123年では、ガンダムF91にサイコミュの他に、バイオコンピュータ、バイオセンサーが搭載されている。ラフレシアには、ネオ・サイコミュが搭載されている。
ザンスカール戦争期
アニメ『機動戦士Vガンダム』の舞台となった宇宙世紀0153年では、サイコミュがニュータイプという特殊能力者に依存するシステムであったことや、バイオコンピュータの発達などによって兵器としての有用性を徐々に失っていった結果、この時代では機動兵器に搭載されることが稀になっている[24]
コンティオのショットクローのような有線式の攻撃端末、ザンネックのザンネックベース、ゲンガオゾのヴァリアブルビーム・ランチャーはサイコミュ兵器のような動作をしており、サイコミュの存在を示唆してはいないが、かつて簡易サイコミュとして採用されたインコム並のインターフェィスの介在が考えられる[25]ザンネックは、鈴を媒体としたサイコミュが搭載されたサイコミュ対応型試作MSと明言されている[26]
この時代のサイコミュ研究施設は、ザンスカール帝国のスーパーサイコ研究所があり、大衆洗脳プログラムの開発と並行して、サイコミュの開発や強化人間の養成も行われている[4]。また、ザンスカールは木星船団と協力して、巨大サイコミュ兵器エンジェル・ハイロゥを開発している。
マハの反乱期
小説『ガイア・ギア』の舞台となった宇宙世紀0200年台では、サイコミュはガイア・ギアαブロン・テクスターなど一部のマン・マシーンに搭載されている。アフランシ・シャアウル・ウリアンなど劇中でニュータイプと評価される人物が使用し、自己の脳波と五感を拡大させていた[27]。この時代のサイコミュは、技術が進歩した為か、使用してもパイロットの頭は変にならない[28]。アフランシが搭乗した場合と違いケラン・ミードが、ガイア・ギアに乗り込んだ際にはサイコミュの反応が出なかった事からオールドタイプがサイコミュを使用する事は不可能[29]。ラジオドラマ版では宇宙世紀0203年を舞台にしていると明言されていて、こちらもニュータイプしか、サイコミュを使用する事は出来ない。しかし、緊急時にはオールドタイプのパイロットであっても、手動でサイコミュを発動させる事が出来るが、代償として激しい精神及び肉体(特に)への負担がかかるため、繰り返し使用すると最悪の場合は廃人になる可能性もある。

準サイコミュ編集

サイコミュ制御による兵器体系を、システムとの親和性の低い一般パイロットにも操作可能とするシステム、また概念そのものを準サイコミュと呼ぶ。パイロットの脳波を繰り返しサンプリングすることで、特定コマンドのリアルタイム入力が可能となり、機体操作に伴うタイムラグが大幅に短縮される。インコムやリフレクター・インコム等の有線式の誘導端末に応用され、擬似的ながらもオールレンジ攻撃が可能となるため、兵器として非常に有用性が高い。ただし、このシステムの操作にニュータイプの様な高度な空間認識能力は必要とされず、コンピューターのバックアップによってサイコミュ制御による遠隔誘導端末の挙動が再現されているに過ぎない。本来のサイコミュ程の大規模な情報のやりとりは不可能であり、アシストを併用しても2次元的な運動が限界であるとされている。

なお、映像化すると通常のサイコミュとまぎらわしいためか、映像作品中にはこの呼称は登場していない。また、劇中描写も通常のサイコミュと明確な区別はなかった。

一般兵用サイコミュ(インコム)編集

UC0088年頃、地球連邦軍で一部実用化されたシステム。ニュータイプとしての能力を持たない一般人にも存在する微弱な感応波を増幅する装置を搭載し、文字通り一般兵にもサイコミュ応用兵器の使用を可能にした。ただ、制御方法は有線に限られ、制御される端末の挙動もより単純な二次元運動に限定される。

オーガスタ研究所の開発機ガンダムMK-Vに搭載され、その後、同機をベースにしたネオ・ジオンの量産機ドーベン・ウルフにも採用された。火器管制装置や有線ビーム砲の操作に使われた。ただミノフスキー通信の使用は難しかったのか無線誘導にはレーザー通信を使用していた。

バイオセンサー編集

バイオセンサー・システムとも呼ばれ[30]、準サイコミュ装置[2]、簡易サイコミュ[21]、サイコミュの廉価版として扱われる[30]

機構が複雑な割にパイロットとのチューニングがデリケートで扱いにくいサイコミュに変わり[30]A・Eが開発した[2]システムで[30]NT能力を持つと思われるパイロットに供与された機体であるΖガンダムΖΖガンダムなどに秘密裏に組み込まれた[2]ジュピトリス製モビルスーツのジ・Oにもバイオセンサーが搭載されており、多数のスラスターとRCS(反動姿勢制御システム)を制御している[31]。小説版『Ζガンダム』においてはハンブラビにもバイオセンサーが搭載されていると言われている。

バイオセンサーは役に立たないケースが多くそれならば高価なサイコミュを装備した方が良いという判断から[30]、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の時点では第二世代第三世代モビルスーツに組み込まれたのを最後に[30]、制御機器としての技術の確立も行われず[2]、搭載される事が無くなってしまったという設定であった[30]。しかし、映画『機動戦士ガンダムF91』の劇中で、ガンダムF91に、バイオセンサーが搭載されていることがシーブック・アノーにより明言されている。

機体のコントロールシステムの補助を行う機能を持つ[2]。脳波制御により操縦系のサポートを行い、機体の追従性を高めようというシステムで、NT能力の低いパイロットが搭乗した場合は、保護機構によりシステムは作動しないようになっている[21]。 サイコミュの廉価版である為、人の精神波を捉えて、増幅・放射する能力は低く、優れたニュータイプの資質を持った人間でなければシステムを起動させる事は出来ず、ビットファンネルを用いたオールレンジ・アタックも使用出来ない[30]

システムが搭載された機体のパイロットが歴史上、最も高いニュータイプ能力を持っていたカミーユ・ビダンや優れたニュータイプ能力だけでなく今までのニュータイプにない強いメンタリティを持ったジュドー・アーシタだったことから、ティターンズネオ・ジオンのNT専用兵器との対戦で機体スペック以上の能力を発揮したが、この機能はパイロットが意図して発動させた訳ではない[2]。『機動戦士ガンダムUC』の原作小説や『機動戦士ガンダムNT』のシナリオを手掛けた福井晴敏は、バイオセンサーが発動したときの現れ方に、サイコフレームとの類似性を指摘している[32]

システムを完全に稼働させたのはΖガンダム搭乗時のカミーユ・ビダンただ一人で、それも精神崩壊させる程のテンションをかけなければならないとされる[30]。システム稼働時は、機体が紫色の光に包まれる。以下の複数の能力が確認できる。

  1. ビーム兵器の強化。カミーユ・ビダンの搭乗したΖガンダムは、ビームサーベルを巨大化させ、ハンブラビを一刀両断している[33]ZZガンダムの場合は、機体から発する紫の輝きがハイ・メガ・キャノンの砲口に集まり発射されたビームの威力は凄まじく、ΖΖガンダムの砲口やアンテナ部分まで損傷するほどで、バリアーを展開したキュベレイを押しやった[34]。エネルギーが枯渇している状態では、急速にエネルギーが補充され、ジュドー・アーシタΖΖガンダムは、ハイパー・ビーム・サーベルを起動出来ない程エネルギーが枯渇していたにも関わらず、システム起動後、機体に加速をかけつつサーベルを起動させ、半壊し装甲が剥がれ内部構造がむき出しの状態ではあったがサイコガンダムMk-IIを両断した[35]
  2. 推力の上昇。MA形態となったハンブラビに、システムを発動させたZガンダムは、MS形態のまま追い縋った[33]。システムを発動させたZZガンダムMS形態のまま、離脱しようとするサイコガンダムMk-IIの頭部に追いついている[35]
  3. バリアーの発生。ハンブラビの発射したビームライフルを何度も弾き返した[33]。頭部だけになったサイコガンダムMk-IIを追い駆ける際、ZZガンダムはビームを弾き返している[35]。このバリアーは物体を弾き返す力があり、小説『機動戦士Zガンダム』では、ジ・Oの姿に父親のフランクリン・ビダンの面影を見て激昂したカミーユの意志に反応して、Ζガンダムは紫の輝きに包まれ機体に沿って渦を巻いたそれは、突進してきたジ・Oに対してバリアーとして働き、跳ね飛ばした[36]ZZガンダムコア・ファイターは、紫の光に包まれると、ハマーン・カーンキュベレイを後方へ押し返した[34]
  4. 敵機の動きを止める。Zガンダムは、ジ・Oを金縛りにした[37]
  5. 思惟の実体化。Zガンダムは、サラ・ザビアロフカツ・コバヤシフォウ・ムラサメなどの思惟を実体化させ、その声はパプティマス・シロッコも聞いている。コア・ファイターは、高次の世界に生きたまま入り込んでしまったカミーユ・ビダンだけでなく、エルピー・プルララァ・スンフォウ・ムラサメカツ・コバヤシサラ・ザビアロフなどの思惟が仁王立ちする巨大なイメージをハマーン・カーンに見せている[34]
  6. 物体を引き寄せる。分離した状態でレバーを入れても動かなかったコア・ファイターは、コア・トップコア・ベースへ紫の輝きを伸長させ、合体を行った[34]

改良型バイオセンサー編集

ΖΖガンダムに搭載されたバイオセンサーは改良型で、このデバイスはΖガンダムに搭載されたバイオセンサーと呼ばれる簡易サイコミュの発展型であり、パイロットの思惟を機体制御に反映させることが可能であった。本機のシステムは双方向通信機能を有する武装としてのサイコミュとは異なり、純粋に機体のコントロール・システムの補佐を行うデバイスとして機体管制に導入されている。通常のサイコミュは主にコクピット周辺に搭載されるが、本機のそれはコア・ブロックのメインプロセッサーを中心として機体各部に端末が分散配置されている。このシステムはサイコミュのコンパクト化・高密度実装化の点で有利であり、機体の追従性並びに運動性向上に対する効果は、フル・スペックのサイコミュと同等以上のレベルに達している。[38]

バリエーション編集

サイコ・ニュートライザー編集

OVA『GUNDAM EVOLVE../9 MSZ-006 Z-GUNDAM』に登場するレッド・ゼータに搭載され、パイロットの思考を直接機体に反映させる。

サイコフレーム編集

劇場アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が初出。サイコミュの機能をもつ極小のコンピューター・チップを鋳込んだMSの構造材。

ナイトロ編集

ゲーム『機動戦士ガンダムUC』や漫画『機動戦士ガンダムU.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』などに登場するガンダムデルタカイなどに搭載されているサイコミュシステム。ニュータイプ的な素養の低いパイロットでも、搭乗するとニュータイプと同等の空間認識能力を得ることができる。このシステムの恩恵によりオールドタイプの一般兵でも、ガンダムデルタカイに搭載されたサイコミュ兵器(フィン・ファンネル)を操る事ができる。これは、パイロットを強制的に強化人間化することで、システム側に言わば強引に最適化しているためであり、ナイトロシステムが発動する毎に、搭乗者の脳内を強制的に書き換えている。短期間でパイロットのニュータイプ的素養の覚醒を促すことも可能だが、パイロットの性格が非常に攻撃的で不安定なものへと変化していく危険性も孕んだ、諸刃のシステムでもある。本システムは、初期のサイコミュ・システムの欠陥であった「感応波の逆流現象」を応用したものではないかと推測されている。この仮説が正しいとするなら、パイロットはナイトロ・システムの起動する度に自身の感応波に晒され、結果的に催眠法による「強化処置」と同等の効果が生じていた可能性が高い。人格崩壊を含む精神面でのリスクはあるにせよ、薬物を伴わない分、禁断症状に苦しめられることはないという利点もあった[39]。なお、初期に開発された旧式のナイトロシステムでは、パイロットが燃え尽きる(廃人になる)という欠陥もあった[40]。本来はグリプス戦役期の0087年に、サイコガンダムをよどみなく動かすためにティターンズで作られたシステムである[41]。使用時の特性として、機体各部の駆動部から青い炎のような光が噴き出すという外観上の性質がある。

インテンション・オートマチック・システム編集

機動戦士ガンダムUC』に登場するサイコミュ思考操縦システム。「UC計画」によって誕生したユニコーンガンダムシナンジュ[42][43][44]に搭載された、機体の操縦にニュータイプ・パイロットが思い描く操縦イメージを直接反映させる思考操縦システムであり、パイロットの思考が機体の動きにダイレクトに反映され、通常の手動のみの操縦を遥かに凌駕する反応速度と動作精度を誇る。このシステムとフル・サイコフレーム機を組み合わせることにより開発された、ユニコーンガンダムに搭載される特殊管制システム「NT-Dシステム(ニュータイプ・デストロイヤー・システム)」は、パイロットと機体の交感をインテンション・オートマチック・システムを介して極限にまで高め、その際のMSの機動性は、まるで瞬間移動をしているかのような機動が行われる。その動きは、対峙した相手がニュータイプのパイロットであっても容易には察知することができないほどの機動性を誇る。また、インテンション・オートマチック・システムによる機体とパイロットの交感状態が限界を超えた域にまで達すると、パイロットの思考のまま自身の身体のように機体を制御できるまでに到る。だがこの域まで達した状態で機体が損傷を受けると、その損傷のイメージまでパイロットにダイレクトにフィードバックされるようになってしまうという危険性もある。その機体制動の反動としてパイロットに掛かるG(重力加速度)の負荷も殺人的なレベルであり、パイロットの安全を考慮するとNT-D使用での最大機動は5分が限界と見られている。パイロットへのG負荷を緩和するために、専用のパイロットスーツには「DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)[45]」と呼ばれる対G負荷用薬剤投与システムが搭載されており、パイロットに薬剤を投与することで体内の血液循環を活性化して、Gによる循環の停滞を抑える役割を持っている。このシステムによる機体とパイロットとの同期性の向上のために、専用のパイロットスーツのヘルメットには、内部フレームにサイコフレームが採用されており[46]、またΖガンダムのパイロットのヘルメットにも搭載されていたバイオセンサーシステムも組み込んでいる[46]。このヘルメットの後頭部には「NT New type device」と記載され、専用の認識コードで管理されていた[46]

思考操縦システムとしての用途以外にも、ユニコーン1号機はフルアーマー装備で多数の銃火器を用いた際、サイコミュと連動した本システムがパイロットによる目標の探知と呼応し、ある程度は自動で照準を行ったり[47]、サイコフレームが最大共振した際には、3枚のシールドを本システムを介してファンネルの様に遠隔操作した。「袖付き」の巨大MAネオ・ジオングは、本システムを搭載するシナンジュをコア・ユニットとして中枢に据える事で、ネオ・ジオングが備える多数かつ大型のサイコミュ兵器の運用を、単独のパイロットによる操縦で実現している。

ネオ・サイコミュ・システム編集

ラフレシアに搭載された、新型の機体制御システム。カロッゾがクロスボーン・バンガードに参画する以前に開発していた技術を拠り所としており、思考のみによる操作を可能とする[48]。ただし、こちらは制御系にバイオコンピューターを使用している[49]

ラフレシアは作中で人体と機体を光ファイバーによって有線接続する描写が存在し、パイロットに特殊な手術が必要である可能性もうかがわせる。また、ネオガンダム試作1号機にもこれと類似したシステムが搭載されている。しかし、『シルエットフォーミュラ91』でパイロットを務めたガレムソンは頭に電極のような物を付けていることを除いて外見的には常人と変わらず、普通のパイロットスーツで1号機を操縦している。

サイコミュ兵器編集

遠隔誘導端末編集

リンク先を参照。

サイコ・ジャマー編集

機動戦士ガンダムUC』に登場するローゼン・ズールが搭載する対感応波兵器(アンチ・サイコミュ・システム)。敵機のサイコミュを妨害する。

サイコミュ・ジャック編集

サイコミュ搭載機同士の戦闘において、相手のサイコミュを封じる、あるいは乗っ取って意のままに操る機能および現象。名称の初出は小説版『機動戦士ガンダムUC』で、宇宙世紀0096年にローゼン・ズールのサイコ・ジャマーによってユニコーンガンダムのデストロイモードが解除され自由を奪われたことを、アーロン・テルジェフが「まるでサイコミュをジャックされてるみたいだ」と表現した際にミネバ・ザビが発した言葉による[50]

ユニコーンガンダムにも装備されている機能であり、こちらはフル・サイコフレームを援用した高い演算能力により[50]暗号化されたミノフスキー通信を突破し[51]操ることも可能とされる[50]。アニメ版ではアーロンがこのことを説明する描写はないが、小説版・アニメ版ともにこのとき以前のパラオ攻防戦の際に、デストロイモードの同機がクシャトリヤのファンネルを乗っ取って攻撃に転用しており、その様子を見ていたフル・フロンタルは「敵のサイコミュを支配する力」と表現している[52]。小説版『UC』では更に、MAシャンブロが対ビーム防御に用いるリフレクター・ビットをジャックしている。小説版では複座式のシャンブロにおいて、サイコミュ制御を専任していたロニ・ガーベイが内部のいさかいによって死亡すると同時に、シャンブロを守る「堅い圧」が消え失せたために、バナージがビットから制御を失わせることに成功している[53]。なお、アニメ版『UC』はシャンブロのパイロットがロニ一人に変更されており、リフレクター・ビットの制御も最後まで彼女のもとにある。また、 2号機 バンシィはサイコミュ・ジャック機能を効果的におこなうため、デストロイモードでは頭頂部アンテナをV字に展開するとされる[54]

劇場アニメ『機動戦士ガンダムNT』では、0097年にナラティブガンダム B装備IIネオ・ジオング(となるハル・ユニット)を起動させて乗っ取っており、本来のコア・ユニットであるシナンジュ・スタインに搭乗するゾルタン・アッカネンはこれを「サイコミュ・ジャック」と呼んでいる(映像作品としては、名称はこれが初出)。このとき、ナラティブガンダムは特殊管制システムNT-Dをパイロットの意思とは関係なく発動しているが、同機をモニタリングしているブリック・テクラートは「それ以上に強い力が、(パイロットの)ヨナ・バシュタから発せられているようです。ニュータイプは感染する、フェネクスに誘われてのことか」と述べている。

また、0087-0088年のグリプス戦役で、サイコ・ニュートライザーを搭載するレッド・ゼータゲミヌスの腕部誘導端末を乗っ取った事例や、Ζガンダムジ・Oの操作を封じたのも(双方ともバイオセンサー搭載)サイコミュ・ジャックによるものとする資料もある[51]

サイコ・キャプチャー編集

劇場アニメ『機動戦士ガンダムNT』に登場するナラティブガンダム A装備に搭載される、フェネクス捕獲用の複合特殊兵装。

三叉のクローを備えた2つのアームを向かい合わせ、先端の爪部分が開いて形作られる八面体の「キャプチャー・フィールド」により、サイコミュ兵器を捕らえて起動不可能にする。また、フェネクスの放つサイコ・フィールド相殺する性能を発揮している[55][56]

ナラティブガンダム B装備インコムは、NT-D発動時のオプションとして、自動的に有線設備を外してファンネルとなりサイコ・キャプチャーを形成する。劇中では、二基のインコムがコロニー「メーティス」内でフェネクスを執拗に追撃し、キャプチャー・フィールドで捕らえると完全に機能を停止させた[57]

初期設定ではサイコ・ジャマーと同一視されており、設定画では「サイコ・ジャマー」と書かれている[58]

エンジェル・ハイロゥ編集

サイコミュを利用した脳波干渉型巨大兵器。

サイコミュ施設編集

ニュータイプ感応波遮断施設編集

ニュータイプ感応波を外界に遮断できる施設または設備。 『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』内にて登場した。

他のガンダムシリーズでのサイコミュ及び類似システム編集

宇宙世紀以外の世界観に属する作品(いわゆるアナザーガンダム)に登場。劇中ではサイコミュとは呼称されていないものの、非常によく似たシステム。

機動新世紀ガンダムX編集

機動新世紀ガンダムX』の舞台となるアフター・ウォーの世界では、革命軍のMA・パトゥーリアの制御にサイコミュ・ダクトと呼ばれる装置が組み込まれ、人工ニュータイプによる機体稼働に用いられている[59]

また、月面基地に配備された「DOMEビット」もDOMEによる精神感応(サイコミュ)によってコントロールされている[59]。ただし、アフター・ウォーにおいてこれらサイコミュと呼称される技術が宇宙世紀のものと同様であるかは定かではない。

∀ガンダム編集

宇宙世紀から遥か遠い未来である『∀ガンダム』の舞台となる正暦の時代では、技術設定としてのサイコミュの扱いについて触れる場面は見られないが、黒歴史時代のモビルスーツであるターンXにサイコミュ的な技術が扱われていることを示唆する発言がある。

福井晴敏による小説版では、宇宙世紀以降のさらに進化したサイコミュの姿に言及している。特殊能力を必要とせずに誰もが使用可能となったサイコミュは、それまでのような兵器コントロールシステムだけの限定的な利用にとどまらず、ヒトの意思を機械ないしはネットワークで直結されたヒト同士に伝達できるダイレクト・インター・フェイスとして、各分野に急激な浸透をみせたという。これと同時に台頭をみせたナノマシンテクノロジーの発展や使用拡大とも相俟って、ヒトと機械、またはヒトという存在にまつわるさまざまな分野に多大なるパラダイムシフトを及ぼした。もっとも、それこそが人類そのものを自滅へ急がせた要因の1つであるとしている。

機動戦士ガンダムSEED編集

機動戦士ガンダムSEED』と続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、ビットやファンネルのような無線砲台のドラグーン・システムが登場する。

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ アルレット・アルマージュのように、ニュータイプだが(強い感応波を発せられるが)サイコミュには対応出来ない者もいる。

出典編集

  1. ^ a b c F91 オフィシャルエディション, p. 60.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 宇宙世紀ボックス PART.8, p. 38.
  3. ^ ガンダム辞典 Ver,1,5, p. 64.
  4. ^ a b c 小説『Vガンダム⑤』, p. 249.
  5. ^ 小説『逆襲のシャア(中篇)』, p. 83.
  6. ^ 宇宙世紀ボックス PART.13, p. 28.
  7. ^ a b c d e f g 小説『逆襲のシャア(中篇)』, p. 86.
  8. ^ a b c d 宇宙世紀ボックス PART.13, p. 29.
  9. ^ a b 小説『Vガンダム⑤』, p. 69.
  10. ^ 小説『Vガンダム⑤』, p. 351.
  11. ^ 劇場アニメ『機動戦士ガンダムNT』
  12. ^ 小説『逆襲のシャア(後篇)』, p. 250.
  13. ^ 劇場用アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
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参考文献編集

  • コミック
    • 葛木ヒヨン『機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ 4』角川書店、2014年10月25日、初版。ISBN 978-4-04-102227-6
  • フィルムコミック
    • 『機動戦士ガンダムF91 劇場用アニメ映画フィルムコミック』旭屋出版、1998年3月。ISBN 4-7511-0125-0
  • プラモデル付属説明書
    • MG 1/100 RX-0 ユニコーンガンダム2号機バンシィ』 バンダイ、2012年3月。 

関連項目編集