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サイコフレーム (Psycho Frame) は、アニメ作品群『ガンダムシリーズ』に登場する、架空の技術および工業部材。

目次

技術概要編集

サイコミュの基礎機能を持つコンピューター・チップを、金属粒子レベルで鋳込んだモビルスーツ(MS)用の構造部材[1][2]新生ネオ・ジオンにより開発された技術で、「MSN-03 ヤクト・ドーガ」を設計する際、サイコミュに必要とされる装置自体を小型化した事で省略された機能を代替するために開発された[3]

サイコフレームの採用によって機体の駆動系にパイロットの意思を直接伝える事が可能となり、コクピット周辺や機体各所へ分散配置することで追従性の大幅の向上が実現[1]。同時にサイコミュ装置の搭載スペースの大幅な削減に貢献しているため、本体重量の軽量化にも繋がった[4]。チップ単体では実効的な効果を持たないためサイコミュシステムとして機能させるにはメインとなる装置が別途必要になるが[5]、サイコ・フレーム単体でフル規格サイコミュと同等の性能を発揮した事例も挙がっており、相乗効果も含めてサイコミュという概念を一変させるポテンシャルを秘めている[6]

開発者はシャア・アズナブルとされていたが[7]、2010年に連載された漫画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア BEYOND THE TIME』ではシャアの部下のナナイ・ミゲルが開発を行ったという事になっている[8]

構造材そのものにサイコミュ能力を持たせることに成功したが、この技術には未解明の部分が多く[9]U.C.0096にアナハイム・エレクトロニクス社から出向してきたアーロン・テルジェフも、ユニコーンガンダムの装甲から露出したサイコ・フレームが発光する理由は造った自分達ですら分からないと言っていた[10]。しかし彼は後に、ユニコーンガンダム1号機に搭乗したバナージ・リンクスの戦闘データから作中で発光原理を解明することが出来た。

サイコフレーム技術の流転編集

意図的な技術の流出編集

劇中でオクトバー・サランアムロ・レイチェーン・アギに対して最初に説明していたのは、νガンダム搭載のサイコミュを使い敵の脳波を強化して受信し対応を早めるというアムロのアイデアを元に、アナハイムの材質開発部がサイコフレームを開発したという経緯だった。しかしオクトバーはチェーンに向けた手紙で、実際にはこの技術はアナハイムの材料開発部門が開発したものではなく、ネオ・ジオンから提供された技術であるということを明かしている。
新生ネオ・ジオンの総帥であるシャア・アズナブルは宿敵である地球連邦軍アムロ・レイが新型のガンダムを開発している事を察知した為、技術格差を是正するためにアナハイム・エレクトロニクス社フォン・ブラウン工場側へサイコフレーム技術を意図的にリークしたのだった。またシャアの真意としては、アムロとMS戦で互角に戦いたかったというだけでなく、地球を自らの手で汚染することに恐れを覚えたことから、アムロに自分を止めてもらうべく、技術を与えたのだと真実を打ち明けている[7]
結果として、敵方であるνガンダムとシャアの搭乗するサザビーに搭載されたサイコフレーム、そしてオクトバーの手紙に同封されたサイコフレーム試料が超常的な現象を引き起こすこととなった。

表向きの研究開発の中止編集

『機動戦士ガンダムUC』本編から2年前にあたるエピソード「戦後の戦争」では、『シャアの反乱』から一年後のサイコフレームの扱いが描かれた。サイコフレームは『シャアの反乱』で実戦に供されて以後、連邦軍では研究開発が中止された曰く付きの代物となっていた。それは開発側にも想定しきれない未知の特性が確認され、制御がきかなくなる可能性が指摘されたからである。だが、そんな公式発表の裏側で、軍とアナハイム・エレクトロニクスはUC計画をプロジェクトし、開発中止の例外[11]として、サイコフレームの研究開発を継続、UC計画の一環として試験機のスタイン01こと《シナンジュ》を開発、ネオ・ジオン軍に譲渡する計画が仕組まれていた[12]。サイコフレームのアイデアはネオ・ジオンからアナハイムへもたらされたものだが、ネオ・ジオンにはサイコフレームを生産する設備がなく、アナハイムに委託せざるを得なかった事情があった。『シャアの反乱』が失敗に終わった宇宙世紀0094年では、アナハイム社がネオ・ジオンに義理立てをする義務はなく、いくらネオ・ジオン原産の素材であったとしてもサイコフレームを譲渡する理由もない。地球連邦にとっても、未知の特性を秘めた素材を流出させるのは危険極まりなく、強奪事件に見せかけ《シナンジュ》をネオ・ジオンへと譲渡した。

フル・サイコフレーム機の実戦投入編集

U.C.0096年においても、公式発表では表向き開発は中止されていることになっている。アナハイムの材料開発部に所属するアーロン・テルジェフも開発中止の理由は「サイコフレームは未知の領域が大きすぎたからだ」と聞かされていた[13]。また、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ではνガンダムを建造する際にフォン・ブラウン工場側に技術がリークされていたがこの時代は、サイコフレームの製造設備は月のグラナダ側にしかなく、グラナダ工場側が機密保持も含めて一括管理している事も彼により説明された。
技術を発展させたことで新型のサイコフレームが完成、ムーバブルフレームそのものをサイコフレームにしたフル・サイコフレーム構造が可能となり、それを採用したユニコーンガンダムは計三機開発された。ユニコーンガンダム一号機においては、単機でコロニーレーザーを無効化する戦闘力に加えて最終的には自己再生能力までも発揮するに至り化け物じみた性能を戦場で発揮した。

秘匿されたサイコフレーム技術の捜索編集

ラプラス事件から数ヶ月経ったこの時代、未だに連邦へともたらされたサイコフレームの精製法は連邦が厳重に管理していた[14]。しかし、アクシズの残骸にはまだ研究資料が残されている可能性があり、もしかしたら何者かがそれを入手しサイコフレームを再開発、使用する恐れがあった。サイコフレーム技術を入手しようとブッホ・コンツェルンは私兵武装集団バーナムをアクシズの残骸へと差し向け、連邦側は特殊部隊マスティマをアクシズの残骸へと派遣し技術の漏洩を防ごうとしていた。

フル・サイコフレーム機の封印編集

『ラプラスの箱』が開かれ、ニュータイプの存在とその権利に言及した『宇宙世紀憲章』の存在が明かされて一年後、世界の枠組みが大きく変化することはなかった。『ラプラス事変』と呼ばれるU.C.0096年の争乱の最後の戦闘で、人知を超えた力を示した白き一角獣黒き獅子は封印され人々の意識から遠ざけられ忘れ去られようとしていた[15]
アナハイム社やルオ商会に詳しい人間が描いたと思われる[16]報告書 U.C.0097』によれば、『ラプラス事変』後にミネバ・ラオ・ザビはユニコーンガンダム1号機と2号機の人智を超えた能力を危険視し、地球連邦軍と共同で封印することを決断した。同書では、この協定は機体そのものだけでなく、サイコフレーム研究も含めて封印した協定のようであると注釈をつけ説明された[17]

サイコフレームで作られた道具編集

サイコフレーム試料編集

劇場用アニメおよび小説版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する。事前通知なしでアナハイム側がνガンダムに搭載した新素材サイコフレームをテストするため、ロンド・ベルに合流したチェーン・アギの元へνガンダムの開発担当オクトバー・サランから送られたT字型の金属。
これをノーマルスーツの腰元に装着したチェーンは、ラー・カイラムの機銃を手動で操作してレズン・シュナイダーが操縦するギラ・ドーガの激しい機動を読んで撃墜、α・アジールのビームに対してバリアーを貼るなど不思議な現象が起こった。劇中終盤、少しでもサイコフレームが多い方がアムロが有利になるとの理由で、チェーンが戦場に届けようとしたが彼女は機体を撃破され戦死、チェーンの元から離れたサイコフレーム試料は戦場を彷徨うことになった。しかし、チェーンが残したサイコフレームの資料片が契機となり、戦場に集う人々の意識が繋ぎ合わされ、ついに地球に落下しつつあるアクシズを引き戻すほどの力を発揮した[18]
小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 中篇』では、サイコ・フレーム試料をテストしている様子が描写された。疲労テストデータは一万時間までは保証されていたが、これを見たアムロは「これでは俺を殺す気だ、もっと長い時間のデータが要る」とオクトバーに言った。倍加強度は80Gまでは確認済みで上限は120G、試料によって多少のバラツキが観察されていた。これに対しアムロは最大値で揃えるように注文を出し、オクトバーは焼き込みの時の重力制御が甘かったのだろうと考察し、脳波変換のアクセス・チップの並べ方を詰めて改善する事を提案した[19]。サイコフレームの試料は、νガンダムに採用するためモビルスーツ二、三機分のテストを行うなど大量に作られていた。アムロはサイコフレーム技術が、軍以外に使ってはいけない性格のものだと感じ、一技術者レベルで取り扱っていいものではないと評した。オクトバー曰く、サイコフレームは全社的に核兵器と同じレベルでの機密管理を行っており、サイコフレーム試料も封印して破棄を行っている。だがこれに不信感を持ったアムロは、極秘事項として軍からもチェックさせるとチェーンに言った[20]

サイコ・スーツ編集

劇場用アニメおよび小説版『機動戦士ガンダムNT』に登場する。サイコフレームが仕込まれたパイロットスーツ[21]
劇中では、ナラティブガンダムに搭乗する際、ヨナ・バシュタが着用している。ナラティブガンダム A装備の複合特殊兵装サイコ・キャプチャーは、サイコ・スーツの力を借りて起動させる[22]。装着者、もしくは外部のサイコ・ウェーブ(感応波)に反応して、スーツのサイコフレーム部分が赤く発光し、ヘルメットのバイザーにニュータイプ特有の閃きのような光が煌めく[21]
ヘルメット部分の分厚いバイザーなど、かなりの重量を持った重装備で、着ているだけで装着者の体力を激しく奪う。また、着脱には1人では重過ぎてできないのでルオ商会専属のメカニックの介護を必要としていた[23]
終盤、ヨナがナラティブのコア・ファイターからフェネクスへ移動する際、宇宙空間に破棄された[24]

機能と特性編集

感応波の受信編集

サイコミュの基本機能。パイロットの感応波だけでなく周囲の人間の感応波も受信し、パイロットにフィードバックすることで反応速度を向上させた。サイコフレームでは従来のサイコミュより受信許容量や速度が大きく向上し、機器の安定性も高まった。感応度の向上などニュータイプの脳波の増幅・送受信機としての機能が想定されていたが、微弱なオールドタイプの脳波も送受する作用が存在し、感知能力を先鋭化させたり、遠く離れた人に意思を伝えたり、人の意思が集中する接点となる現象が起きている。

開発当初の段階では、普通の人間がサイコミュを使うと生理的な強迫観念にとらわれて自滅してしまう欠点があったが、サイコミュとサイコフレームの併用により一般的なパイロットでも脳波誘導できることを期待されていた。また、アムロのようなニュータイプが使うと敵のパイロットの意思まで読み取れることを期待されていた[25]

軽量性と高い強度編集

サイコ・フレームは従来のフレーム材よりも軽量で、強度にも優れている。νガンダムのコクピット周辺の素材を換装した際には、3kg軽量化された。また、稼働状態のサイコ・フレームは高い強度を発揮し、フル・サイコ・フレーム機であるユニコーンガンダムは、OVA版EP7にてマニピュレーターでネオ・ジオングの装甲を破壊した。『電撃ホビーマガジン』2012年2月号掲載のインタビューで福井晴敏は個人的見解として「サイコフレームは物理法則を超越したオリハルコンであり、またサイコフレームはいかなる物体よりも固くなる」と述べている[要ページ番号]。また、ユニコーンガンダムの開発指揮者であるカーディアス・ビストは、サイコフレームが発動した時に特殊な現象が発生することを予め想定していたとも述べている。

バリアー機能と出力の増大編集

旧来のサイコミュでも見られた機能だが、対ビーム・バリアーの形成、機体の出力増大が認められる。実際、サイコ・フレーム試料を身に着けていたチェーン・アギはα・アジールからのビーム攻撃を無効化した。また、ユニコーンガンダム(デストロイモード)のジェネレーター出力、スラスター総推力が測定不能と記述されているのはこの為であると考えられている。

思考による機体操作とファンネル操作難度の緩和編集

旧来のサイコミュでも部分的に実現していた機能だが、サイコフレームはより高度化しており、パイロットの脳波(思考)を直接駆動系に伝達できるため、機体の追従性が大幅に向上している。理論上では、操縦桿を介さずにMSの操縦が可能である。また、ファンネルに代表されるサイコミュ制御式攻撃端末の操縦難易度も、サイコフレームの力により大幅に下がることになった。

発光現象(人間の意思をエネルギーに転化)編集

稼働状態のサイコ・フレームは発光する、それは「人の意思」が集中し稼働率が高まるほど強い光を発する。 『逆襲のシャア』ではサザビーやνガンダムが緑色に発光していた。 『機動戦士ガンダムUC』では、緑以外にも紫、赤、金など様々な色を放つようになったが、色の違いの理由は不明である。「UC計画」によって誕生した人の意思を感受することに長けたインテンション・オートマチック・システム搭載機の、ユニコーンガンダムバンシィシナンジュなどでも確認されている。サイコフレームが最大共振すると、搭載機は虹色のオーラで機体を包む現象を起こし、人智を超えた性能を見せる。『機動戦士ガンダムUC』小説版では3機とも最終決戦にて虹色に発光したが、OVA版では戦闘中に虹色に発光するのはユニコーンガンダムのみで、コロニーレーザー相殺やバナージ救助の際にバンシィも虹色に発光するように変更された。

このサイコ・フレームが発する光の正体は、感応波のオーバーロード。つまりユニコーンガンダムのサイコ・フレームは(当初の仕様にはなかった特性であるが)、パイロットであるバナージ・リンクスをエネルギー源として集積された感応波を光に変え、最終的には物理エネルギーに転換する装置でもあると、アナハイム社のアーロン・テルジェフがユニコーンガンダムのデストロイ・モード発動時のデータを再検証することで解明した[26]。 『機動戦士ガンダムUC』原作者の福井晴敏は『機動戦士ガンダムNT』×『機動戦士ガンダムオンライン』コラボレーション第二回の対談の場において、この現象の詳細を段階に分けて「第一段階では、サイコフレームが発動状態になると、人間の意思をエネルギーに転化する。第二段階では、サイコフレームの中に生きた人間が丸ごと入ってそれを己の肉体とすると、我々が住んでいるレベルの次元とは違う力を引き出せてしまうらしい」と解説している[27]。 また同対談で福井は、同様の現象が過去のガンダム作品でも見られると独自に解釈していることを述べた。例として、『機動戦士ガンダム』の最終決戦でアムロがニュータイプでない者に向けても脱出を呼びかけることが出来る、たくさんの幽霊達と一緒にZガンダムが突っ込んでいった。どういう理屈か自分のエネルギー砲口が壊れるくらいビームを撃てるようになったZZガンダムは明らかに別世界の何かが流れ込んでいてそうなったという描写だと受け取り、ユニコーンガンダムはそれを踏まえた上で更に次の上の段階であると語った[28]

サイコフレーム技術の応用編集

改良型サイコフレーム編集

νガンダム ヘビー・ウェポン・システム装備型の駆動系に採用された。詳細不明。

フルサイコフレーム編集

「シャアの反乱」後にアナハイム・エレクトロニクス社は極秘裏に研究、開発したことで新型のサイコフレームを開発した。このサイコフレームは以前の物と比べムーバブル・フレーム全身に使うことへの強度と生産性の問題をクリアしている。これを用いてユニコーンガンダムではムーバブル・フレームそのものを、サイコフレームを使って構築した「フルサイコフレーム構造」を実現しており、サイコミュオペレーションシステム「NT-D」と連動させることで、宇宙世紀0096年時においては測定不能な程の出力と高機動性を実現している。ただし、パイロット自体の肉体的・精神的負荷も甚大であるため、NT-D発動時間は5分という制限(通常時はレスポンスにリミッターがかかる)が設けられている。ユニコーンガンダム1号機は発光色が赤、2号機バンシィは金、そして後に搭乗者のバナージとリディがニュータイプとして覚醒した際には両機とも緑色へと変化した。なお、本編未登場の3号機は青に発光する。

サイコフレーム機にはサイコミュ母機との連携が解説された資料もあるが、フルサイコフレーム機についての母機の設定は判明していない。

インテンション・オートマチック・システム編集

機動戦士ガンダムUC』に登場するサイコミュ思考操縦システム。「UC計画」によって誕生したユニコーンガンダムシナンジュ[29]に搭載された、機体の操縦にニュータイプ・パイロットが思い描く操縦イメージを直接反映させるサイコミュシステムであり、パイロットの思考が機体の動きにダイレクトに反映され、通常の手動のみの操縦を遥かに凌駕する反応速度と動作精度を誇る。この機体制動システムとフル・サイコフレーム機を組み合わせることにより開発された、ユニコーンガンダムに搭載される「NT-Dシステム(ニュータイプ・デストロイヤー・システム)」はMSの機動性を極限にまで高め、まるで瞬間移動をしているかのような機動が行われる。その動きは、対峙した相手がニュータイプのパイロットであっても容易には察知することができないほどの機動性を誇る。

F91のサイコミュの主増幅器として編集

ガンダムF91は操縦席の背にサイコミュのサブ受信機を設け、サイコミュの主増幅器としてコクピット周辺のフレームにサイコフレームを装備しているとされる[30][31][注 1]。 その一方で、『機動戦士ガンダムF91』のアニメでサイコフレームの言及はされることはなかった。 資料によってはF91がサイコフレーム機の発展[35]、サイコフレーム搭載MS[36]の一覧に含まれておらず、また研究・開発を凍結された後、サイコフレームに代わる新素材としてMCA装甲が誕生したと搭載されていない旨の資料も見られる[37]。 小説及び劇場用アニメ作品『機動戦士ガンダムNT』では、宇宙世紀0097年にミネバ・ラオ・ザビと地球連邦軍との間で、サイコフレームに関する研究は封印されたと説明された。その後、『ガンダムNT』作中ではサイコフレームを搭載した機体・技術が登場するが[38]、それらサイコフレームを搭載した機体・技術を使用するのは条約違反であり、それに関してゾルタン・アッカネンにより指摘されている[39]

マルチプル・コンストラクション・アーマー編集

マルチプル・コンストラクション・アーマー(Multiple Construction Armor、MCA=多機能装甲)構造とは従来のムーバブル・フレーム構造材に代わるもので、それぞれの部材を単機能にはせず、構造材、電子機器、装甲としての機能を合わせ持つ部材にする技術である[40]

これはサイコフレーム製造で確立された「構造材にコンピュータ・チップを金属粒子並みの大きさで盛り込む技術」を応用し、情報伝達及び処理を行うとともにエネルギー伝達回路としても働く多機能で複雑な構造材が開発された。なおこの構造はフレームだけでなく、装甲材にも使用されている。結果、小型MSは機体強度を維持したままで機体内の容積自体が激減して飛躍的な軽量化を達成し、既存のMSを遥かに超える高い機動性を獲得することに成功した[40]

サイコ・フィールド編集

サイコフレームが作り出す力場。その発生には二人以上の意思の共鳴が必須である[41]。 オーロラ状に広がる光の帯を伴いながら莫大なエネルギーを無尽蔵に発生させ人智を超えた数々の不思議な現象を引き起こすが、それは電気や光とは異なり、物理が物理に働きかけて生じる弱々しい既存のものと比較にならず全く別次元の莫大なエネルギーである。宇宙世紀0093年の「アクシズ・ショック」の際に初めてこの現象が確認されて以降、サイコフレーム搭載機によりたびたび確認されている。

機動戦士ガンダムNT』では、89式ベース・ジャバーに乗ったミシェル・ルオがサイコフレームの資材を戦闘宙域にばら撒き、フェネクスの放ったサイコ・ウェーブ(感応波)がベース・ジャバーを介してサイコフレームと共鳴することでミシェルの命を依代にしてサイコ・フィールドを発生させ、IIネオ・ジオングを金縛りにした[42]

サイコシャード編集

サイコシャードとは、サイコフレームを搭載したモビルスーツモビルアーマーニュータイプパイロットとの交感能力を最大限にまで高めた際に生成する未知の光の結晶体である[43]。 この光の結晶体の正体は、サイコフレームの中に封じ込められた金属粒子並みのコンピュータ・チップ(ナノサイズの集積回路)を散布して、サイコフレームが作り出す力場の中で結晶化して生成された疑似的なサイコフレームである[44]

この技術はユニコーンガンダムの開発試験中に発生した偶然の産物[45]であるとされ、ネオ・ジオングのサイコシャード発生器はその際のデータが「袖付き」に流出しそれを用いて完成したとされている。 アニメ及び小説『機動戦士ガンダムNT』によれば、「袖付き」内では、シャアの亡霊に取り憑かれたフロンタルが、この世ならざる知識でネオ・ジオングのサイコシャードを造り出したと噂が流れており、現にⅡネオ・ジオングのサイコ・シャードは動きはするが何故動くのかが分からないという有様で解析作業は進んでいなかったのである[43]

サイコシャードによるサイコ・フィールド編集

サイコシャードはサイコフレームと同様に、ニュータイプパイロットと同調することで「サイコ・フィールド」を発生させるが、サイコシャードを発生させた機体は、端的に言うならばサイコフレームが一時的に増量されたような状態の為、より強力なサイコ・フィールドを発生させることが可能となっている。 また、サイコシャードはサイコフレームと違い二人以上の意思の共鳴は必要とせず、単独でサイコ・フィールドを恣意的に作り出すことが可能。そのサイコ・フィールドは使用者の意思を具現化する精神の力場であるという[46]

フル・フロンタルが操縦するネオ・ジオングのサイコシャードは、操縦者が望む脳内イメージや想念を実現・具現化できてしまう[47][48]とまで言われており、『機動戦士ガンダムUC EP7』劇中では「敵の火力を奪う」というイメージを実際の現象として具現化し、敵機体の武装類に干渉して自壊に追い込んだり[47][48]バナージ・リンクスに自身の人類への諦念を理解させたいと望んだ際には、一年戦争時のアムロ・レイララァ・スンのように、二人のニュータイプとしての認識能力を拡大させ“宇宙の記憶”を精神的イメージとしてフラッシュして、“”を形象として垣間見せるという奇跡まで引き起こした[49][50]。具体的にパイロットが望む脳内イメージをどこまで実現可能なのかなど、未だ数多くの謎を含んでいる[45]

バナージ・リンクスが操縦するユニコーンガンダムは、『機動戦士ガンダムUC EP7』において、破壊兵器コロニーレーザーの光線を防ぐ為に搭乗者が命を賭してニュータイプ能力が極限を超えたレベルで発揮した結果、装甲を押しのけるほどの大量のサイコシャードを偶発的に発現させユニコーンガンダム(光の結晶体)となり、未曾有のサイコ・フィールドを発生させコロニーレーザーを相殺した。 また、捕縛に現れた連邦軍の大部隊へ手を振るって波動を送ると、波動に接触したゼネラル・レビル所属のMS、SFSの大部隊の核融合エンジンが次々に停止した。 続編の『機動戦士ガンダムNT』では、この時起こった現象が調査されており、ユニコーンガンダムの放出した波動を受けて機能を停止したジェガンA2型のジェネレータは組み立て前に戻ったように分解された事が判明している。脚本を担当した福井晴敏によれば、この現象は「刻が巻き戻った」と解説している[51]

ゾルタン・アッカネンが操縦するIIネオ・ジオングはサイコシャードを搭載している。サイド6におけるゼネラル・レビル艦隊との戦闘で使用し、ヘリウム3貯蔵タンク1基をサイコ・フィールドで包み込むとそのまま投げつけ、内部のヘリウム3ガスを臨界状態にして大爆発を引き起こしゼネラル・レビルを含めた艦隊を一網打尽にした。後にこの戦闘はヘリウム3備蓄基地臨界爆発事故として報告・処理されている。 ヘリウム3が臨界爆発を起こした原因は、サイコシャードのサイコ・フィールドによるものなのだが、事故の原因は未だに解明される事はなかった。ジャーナリストのカイ・シデンがまとめたレポートによれば、臨界状態でないヘリウム3は単なるガスであるから、タンクに流れ弾が当たってもガス爆発が起こるだけであると言う。また、ヘリウム3を臨界状態にしてエネルギーを取り出すには、融合反応が起こるだけの超高圧環境となっている密閉された融合炉が必要となるから、戦闘中に散布されたミノフスキー粒子がヘリウム3の原子核と結びつくという事態は物理的に起こりえない。タンク1基分のヘリウム3を臨界させるにしても、地球連邦軍全軍のミノフスキー粒子散布装置を集めてもまだ足りないくらいなのである[52]

劇中での内容編集

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
劇中では、サザビーとフィン・ファンネルバリアー使用時のνガンダムで機体に発光現象が確認されている。試料用のサイコフレーム(T字型)を宇宙服の腰に着けていたチェーン・アギは感知能力を一時的に先鋭化させてラー・カイラムの機銃をギラ・ドーガ(レズン機)に直撃させ撃墜した、また、リ・ガズィ搭乗時には眼の前にバリアーを形成してα・アジールのメガ粒子砲をも防いだ。しかし、その後激昂したハサウェイの攻撃に対してはバリアーは発生しなかった。これはチェーンの憎悪が彼女を守る光を消した為であるとされる[53]アクシズ落下の最終段階には、チェーンから離れた試料型サイコフレームとアムロ、シャアそれぞれの機体に搭載されたサイコ・フレームが共振現象を起こし、発生した大規模なサイコ・フィールドが地球へ落下しつつあったアクシズを宇宙へ押し戻すという奇跡的な現象を起こしている。これは『機動戦士ガンダムUC』でアナハイムのスタッフから、「アクシズ・ショック」と呼ばれることになった。
『機動戦士ガンダムUC』
ユニコーンガンダムの戦闘中にたびたびサイコ・フィールドの展開が確認されており、最大で半径数百キロメートル以上のフィールドを展開させた。地球から大気圏を突破しようとするネオ・ジオンの偽装貨物船ガランシェールと、それを救出するために大気圏近くまで降下してきたロンド・ベルネェル・アーガマが接触した際には、小規模なアクシズ・ショックが発生している。ガランシェールとネェル・アーガマの接触を補助するため、自らをケーブルのつなぎ目としたユニコーンガンダムのフルサイコフレームが、MSでは到底引き寄せられないはずの質量(アクシズよりも格段に軽いが)を持つ2隻を接合させるという現象を引き起こした。この他にも、サイコ・フィールドに巻き込まれたガルダ級超大型空中輸送機(当時でも最大級の空中艦艇)が瞬時に粉砕されたり、触れるだけで誘爆させられている。OVA版ではシャンブロとの戦闘の際に発生したサイコ・フィールドがぶつかり合ったことで周りの建物が破壊されており、終盤では1号機のバナージと2号機のリディが共にニュータイプとして覚醒した結果、フルサイコフレームの色が赤と金から緑へ変化したうえ、ユニコーンガンダムのシールドはサイコフレーム内蔵であるため、緑色に発光した1号機のシールドは推進器も無しに自在に防御と攻撃を行うシールドファンネルとなった。最終的にはバナージとリディを含む多くの人々の思惟とユニコーンガンダムを融合させ、複合する意識の集合体へ進化してコロニーレーザーの直撃すらかき消したうえ、迫ってきた連邦艦隊の機体を機能停止にさせている。

サイコフレームを採用したMS編集

旧型サイコフレーム採用機
新型サイコフレーム採用機
資料によってサイコフレーム搭載か分かれる機体
サイコフレーム改造機
サイコフレーム外装機

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ サイコフレームを搭載と記述した資料もみられる[32][33]。また、F91のバイオセンサーにはサイコミュを用いたとする資料も見られる[34]
  2. ^ 当初の設計には含まれていなかったが、建造中にサイコフレームが持ち込まれたことで搭載機として完成。小説『ベルトーチカ・チルドレン』版では鹵獲したサイコ・ギラ・ドーガからサイコフレームを移植。
  3. ^ νガンダム同様に搭載されているとされるが、漫画『ラスト・サン』等非搭載とする記述もあり。
  4. ^ 採用しているとする資料とサイコフレーム搭載機に含めない資料の両方有り。
  5. ^ 小説やラジオドラマ版ではサイコフレームについては言及されない。
  6. ^ 「袖付き」より技術提供。本来多人数で行う操作をメインパイロットのみで行えるようになった。

出典編集

  1. ^ a b 機動戦士ガンダム MS大図鑑Part3, p. 42.
  2. ^ 『逆襲のシャア パンフレット』, p. 19.
  3. ^ 機動戦士ガンダム MS大図鑑Part3, p. 68.
  4. ^ ガンダム パーフェクト・ファイル15号
  5. ^ 機動戦士ガンダム MS大図鑑Part3, p. 54.
  6. ^ ガンダム パーフェクト・ファイル15号
  7. ^ a b 小説『逆襲のシャア(後篇)』, p. 250.
  8. ^ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア BEYOND THE TIME』より
  9. ^ 機動戦士ガンダム MS大図鑑Part3, p. 70.
  10. ^ アニメ『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』第8話「ラプラス、始まりの地」
  11. ^ 電撃データコレクション 機動戦士ガンダムUC, p. 157.
  12. ^ 小説『不死鳥狩り』, p. 105.
  13. ^ アニメ『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』第8話「ラプラス、始まりの地」
  14. ^ 『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』【第4回】第二章「追憶~リーアにて~」2
  15. ^ 『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』公式サイト あらすじ
  16. ^ 『機動戦士ガンダムNT』数量限定ムビチケ前売券第2弾特典・特製ブックレット『報告書 U.C.0097 「UC計画」にまつわるモビルスーツ及び関連勢力の現状について』2頁。
  17. ^ 『機動戦士ガンダムNT』数量限定ムビチケ前売券第2弾特典・特製ブックレット『報告書 U.C.0097 「UC計画」にまつわるモビルスーツ及び関連勢力の現状について』16頁。
  18. ^ 『ガンダム パーフェクト・ファイル84』ディアゴスティーニ・ジャパン、2013年5月24日、[要ページ番号]
  19. ^ 小説『逆襲のシャア(中篇)』, p. 82-83.
  20. ^ 小説『逆襲のシャア(中篇)』, p. 83.
  21. ^ a b 小説『機動戦士ガンダムNT』, p. 55.
  22. ^ 小説『機動戦士ガンダムNT』, p. 58.
  23. ^ 小説『機動戦士ガンダムNT』, p. 74-76.
  24. ^ 小説『機動戦士ガンダムNT』, p. 318.
  25. ^ 小説『逆襲のシャア(中篇)』, p. 86.
  26. ^ 小説『機動戦士ガンダムUC』より。
  27. ^ 『『機動戦士ガンダムNT』×『機動戦士ガンダムオンライン』 コラボレーション対談 #02』 13:56~14:26
  28. ^ 『『機動戦士ガンダムNT』×『機動戦士ガンダムオンライン』 コラボレーション対談 #02』 14:27~15:07
  29. ^ プラモデル「シナンジュ」組立説明書, 1/100スケールモデル MG, バンダイ, (2013年3月) 
  30. ^ 『機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション』バンダイ、1991年4月、60頁。(ISBN 978-4-89189-155-8)
  31. ^ 『月刊ニュータイプ』1991年1月号、角川書店、6頁。
  32. ^ 『月刊ニュータイプ』1991年4月号、角川書店、6-7頁。
  33. ^ 『ニュータイプ100%コレクション 機動戦士ガンダムF91』角川書店、1991年4月、1999年3月(復刻版)、8頁。ISBN 4-04853-067-4
  34. ^ 小説版F91下巻 1991, p. 198.
  35. ^ 『週刊 ガンダム パーフェクト・ファイル第157号』ディアゴスティーニ・ジャパン、2014年10月7日、22頁。
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  37. ^ 『ガンダムモビルスーツバイブル 3号 (RX-0 ユニコーンガンダム)』ディアゴスティーニ・ジャパン、2019年3月5日、19頁。
  38. ^ グレートメカニックG 2018WINTER 2018, p. 7.
  39. ^ 「機動戦士ガンダムNT」数量限定ムビチケ前売券 第2弾特典:特製ブックレット『報告書 U.C.0097 「UC計画」にまつわるモビルスーツ及び関連勢力の現状について』16ページ
  40. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE35 機動戦士ガンダムMS大図鑑PART5 コスモ・バビロニア建国戦争編』バンダイ、1991年6月、60頁。ISBN 4-89189-157-2
  41. ^ 小説『不死鳥狩り』, p. 202.
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  46. ^ 小説『不死鳥狩り』, p. 229.
  47. ^ a b 「玄馬宣彦 episode 7 メカシーン解説」『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールドep7』双葉社、2014年10月、22-31頁。ISBN 978-4575464825
  48. ^ a b 「玄馬宣彦が10000字で語るメカシーンの秘密」『グレートメカニックDX29』双葉社、2014年6月、12-25頁。
  49. ^ 『週刊ガンダムパーフェクト・ファイル』第156号、2014年9月30日、ディアゴスティーニ・ジャパン、14頁。
  50. ^ 「監督古橋一浩インタビュー」『機動戦士ガンダムUC インサイドアニメーションワークス 2』一迅社、2014年11月、148-150頁。ISBN 978-4758014137
  51. ^ 『『機動戦士ガンダムNT』×『機動戦士ガンダムオンライン』 コラボレーション対談 #02』 13:24~13:55
  52. ^ 劇場用アニメ『機動戦士ガンダムNT』入場者2週目特典『IMMEDIATE REPORT 灰の中から何度でも -サイド6 ヘリウム3備蓄基地臨界爆発事故異聞 -』
  53. ^ 小説『逆襲のシャア(後篇)』, p. 211-212.
  54. ^ 『ホビージャパン』1991年2月号、48頁。

参考文献編集


関連項目編集