機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(きどうせんしガンダム ぎゃくしゅうのシャア、英題:Mobile Suit Gundam Char's Counterattack)は、1988年3月12日(土)に松竹系で劇場公開されたガンダムシリーズのアニメ映画。監督は富野由悠季。略称は英題の頭文字を取った「CCA」、または「逆シャア」など。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア | |
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Mobile Suit Gundam Char's Counterattack | |
監督 | 富野由悠季 |
脚本 | 富野由悠季 |
製作 | 伊藤昌典 |
出演者 |
古谷徹 池田秀一 弥生みつき 鈴置洋孝 安達忍 佐々木望 川村万梨阿 |
音楽 | 三枝成章 |
主題歌 |
TM NETWORK 『BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)』 |
撮影 |
古林一太 奥井敦 |
編集 | 布施由美子 |
配給 | 松竹 |
公開 |
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上映時間 | 120分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
興行収入 | 11億6000万円 |
配給収入 | 6億2000万円 |
本作は『機動戦士ガンダム』から14年後の宇宙世紀0093年を舞台に、一連のシリーズの主要人物であるアムロ・レイとシャア・アズナブルの最後の戦いを描いている。
ガンダム作品史上、初めて3DCGを導入した作品でもある[注釈 1]。制作当時、CGを扱うこと自体が高コストで時期尚早であったため、回転するスペースコロニー等、手書きのみでは正確なアニメーションを行うことが難しい場面で用いられている。
公開時のキャッチコピーは「宇宙世紀0093 君はいま、終局の涙を見る…」。同時上映は『機動戦士SDガンダム [注釈 2]』。前売り券限定特典は光る!SDガンダムの卵[注釈 3]、またはテレホンカード。
配給収入6億2000万円、観客動員数103万人。DVDは30万枚出荷[2]。
2019年9月13日に機動戦士ガンダム40周年プロジェクト『ガンダム映像新体験TOUR』として4DX上映された[3]
物語編集
宇宙世紀0093年。先のグリプス戦役以降消息不明だった、元ジオン公国軍エース・パイロットで、ジオン共和国創始者ジオン・ズム・ダイクンの息子であるシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)は、幾多の戦いを経ても旧態依然として地球から宇宙移民を統制し続ける地球連邦政府に対し、ネオ・ジオンを率いて反乱の狼煙を上げる。
ネオ・ジオンは、小惑星5thルナを地球連邦政府があるチベットのラサに衝突させようとする。かつてのシャアの宿敵アムロ・レイらが所属する連邦軍の外郭部隊ロンド・ベルの奮闘も空しく、5thルナ落下を阻止することはかなわなかった。
ネオ・ジオンは、アデナウアー・パラヤを始めとする地球政府高官と密かに裏取引を行い、スペースコロニー・ロンデニオンにて停戦交渉に合意する。停戦に安堵する地球連邦の思惑と裏腹に、シャアは取引によって得た小惑星アクシズを地球に衝突させるべく、再び作戦を開始した。
合意が偽りであることを察していたロンド・ベルは核ミサイルを準備、やがてネオ・ジオンとの間で戦端が開かれる。アムロは自ら開発に加わった新型モビルスーツ・ν(ニュー)ガンダムを駆り、アクシズを目指す。一方、アクシズを内部から爆破して軌道を逸らすロンド・ベルの作戦は成功するかに見えたが、アクシズの一部は既に地球の引力に捉われていた。巨大な岩塊が地球に落下しようとする中、アムロとシャアの最後の一騎討ちが始まる。
登場人物編集
- 地球連邦軍(ロンド・ベル)
- アムロ・レイ(声 - 古谷徹)
- ブライト・ノア(声 - 鈴置洋孝)
- アストナージ・メドッソ(声 - 広森信吾)
- アンナ(声 - 丸尾知子)
- チェーン・アギ(声 - 弥生みつき)
- ケーラ・スゥ(声 - 安達忍)
- トゥース(声 - 戸谷公次)
- メラン副艦長(声 - 石塚運昇)
- ネオ・ジオン
- シャア・アズナブル(声 - 池田秀一)
- ナナイ・ミゲル(声 - 榊原良子)
- クェス・パラヤ(クェス・エア)(声 - 川村万梨阿)
- ギュネイ・ガス(声 - 山寺宏一)
- レズン・シュナイダー(声 - 伊倉一恵)
- カイザス・M・バイヤー(声 - 村松康雄)
- ホルスト・ハーネス(声 - 池田勝)
- ライル艦長(声 - 曽我部和恭)
- 地球連邦政府
- カムラン・ブルーム(声 - 村山明)
- アデナウアー・パラヤ(声 - 嶋俊介)
- その他
登場兵器編集
それ以外のものについては
ベルトーチカ・チルドレンにのみ登場する機体編集
ネオ・ジオン軍
- MSN-04-2 (MSN-04II) ナイチンゲール
- MSN-03-2 サイコ・ドーガ(サイコ・ギラ・ドーガ)
ハイ・ストリーマーにのみ登場する機体編集
スタッフ編集
- 企画・製作 - サンライズ
- 企画 - 山浦栄二
- 製作 - 伊藤昌典
- 原作・脚本・監督 - 富野由悠季
- 原案 - 矢立肇、富野由悠季
- キャラクターデザイン - 北爪宏幸
- モビルスーツデザイン - 出渕裕[4]
- メカニカルデザイン - ガイナックス(庵野秀明、増尾昭一)、佐山善則
- デザイン協力 - 大畑晃一
- 作画監督 - 稲野義信、北爪宏幸、山田きさらか、大森英敏、小田川幹雄、仙波隆綱
- 作画監督補 - 恩田尚之、中沢数宣、重田亜津史、小林利充
- 原画 - 古泉造司、中野美佐緒、佐久間信一、松本朋之、井尻博之、鈴木克彦、山崎健志、磯光雄、重田亜津史、佐藤英幸、小林利充、梅津泰臣、関野昌弘、南伸一郎、橋本浩一、吉田徹、仙波隆綱、小田川幹雄、所ともかず、佐藤敬一、宇佐美皓一、越智博之、上野けん、山田浩之、菅沼栄治、牧野行洋、中野深雪、佐久間しげ子、千明孝一、榎本明広、今隈真一、牧野竜一、内田順久、重田智、佐藤千春、武藤照美、石原典子、高橋千代子、熊谷浩彦、大平晋也、古瀬泰栄、戸倉紀元、加藤義貴、川元利浩、二村秀樹、長崎重信、吉野浩之、青木聡、仲田美歩、近衛真守、寺沢伸介、木下ゆうき、三坂徹、友田政晴、高木広行、北久保弘之、安藤義信、太田博光
- 動画チェック - 向山祐治、工藤千恵子、加藤ひろし
- 音楽 - 三枝成章
- 撮影監督 - 古林一太、奥井敦
- 美術監督 - 池田繁美
- 編集 - 布施由美子
- 音響監督 - 藤野貞義
- 演出補 - 川瀬敏文、高松信司
- プロデューサー - 内田健二
- 製作協力 - 松竹、創通エージェンシー、名古屋テレビ放送、バンダイ
主題歌編集
- 「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」
- 作詞 - 小室みつ子 / 作曲・編曲 - 小室哲哉 / 唄 - TM NETWORK (EPIC・ソニー)
作品解説編集
『逆襲のシャア』というタイトルは、1984年頃に『機動戦士ガンダム』の続編小説企画のタイトルとして一般に告知されたものであった。しかし、翌年に『機動戦士Ζガンダム』製作が決定したことで、同企画も番組の小説版として『機動戦士Ζガンダム』に改題された経緯がある。また、小説『ガイア・ギア』の連載前予告タイトルは『機動戦士ガイア・ギア 逆襲のシャア』であった(連載後は変更されている)。
ガンダムシリーズのアニメ映画としては初めてテレビアニメの再編集ではない完全新作として制作され、主題歌にTM NETWORKを起用した。なお、サンライズアニメーション作品企画部が用いる共同ペンネーム「矢立肇」のクレジットは使用されていない。
メカニックデザインは、主役のνガンダムについてはΖガンダム、ΖΖガンダムと同様にコンペ形式で多数のデザイナーが参加、その中で鈴木雅久らが中心になって数多くのラフデザインを提出し、最終的に出渕裕がまとめている[注釈 4]。ネオ・ジオン軍のモビルスーツは出渕裕がデザインしている。
スペースコロニーのサイド1・ロンデニオンとスウィートウォーターの描写などに3DCGが使用されているが、単なるCG作画ではなくCGモデルに手書き画像を貼り付けるテクスチャマッピングによりセル画との質感の差を低減しているなど当時としては先進的な技法が使用されている[注釈 1][注釈 5]。CG制作はトーヨーリンクスが担当している。
『機動戦士Ζガンダム』で可変機構が組み入れられ、『機動戦士ガンダムΖΖ』では巨大化・大出力化が進んできたモビルスーツであるが、本作品ではシンプルな人型の機体が中心となっている。サイコミュ回路を金属粒子に封じ込めて機体のフレームに使うサイコフレームが登場し、ファンネルが、初めて主役機にも装備された。
プロモーション編集
- 機動戦士GUNDAM 逆襲のシャアのすべて
本作公開直前に、特別番組が放送された。この特番には、監督の富野由悠季の他、アムロ役の古谷徹、シャア役の池田秀一、クェス役の川村万梨阿に加え、シャアのファンである富田靖子が出演し、番組内で彼女が富野から本作でシャアが着用しているネオ・ジオンの制服をプレゼントされたことが、本作のパンフレットに写真入りで掲載された。また、富野は番組の最後で「この作品は35歳以上の方に、特に男性の方に見てもらいたい」と視聴者に向けたメッセージを送っていた。
関連作品編集
小説編集
総監督の富野由悠季による小説が、2作刊行されている。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア編集
1987年に刊行。2009年に復刻刊行された。 表紙や挿絵のメカニック、キャラクターを担当したのはSF漫画家の星野之宣。従来のデザインや劇場版と比べると、大胆な独自の解釈によるデザインとなっている。 後述の正式に『ハイ・ストリーマー』と名称を戻した小説と区別する為、こちらは『徳間版/逆襲のシャア』(アニメージュ文庫)と呼称される[5]。
この小説群は、映画公開の一年前(1987年5月号)までアニメ雑誌『アニメージュ』(徳間書店)で連載されていた『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』に加筆したものである[6]。 アニメージュ文庫で刊行される際に劇場版と同じく(前編)だけは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』と改題された。 しかし、(中編)と(後編)は表紙にだけタイトルに(ハイ・ストリーマーより)との一文が追加されている。 なぜ『アニメージュ』誌上で『ハイ・ストリーマー』として発表されたものが『逆襲のシャア』として発表されたかについては、筆者の富野によれば「関係者各位の善意がすれ違ったと理解していただきたい」と説明している[7]。
アニメージュ誌上で連載されたものはアムロがスウィート・ウォーターに潜入調査をしているシーン、クェスがインド大陸でヒッピー達と断食に励む描写などが描かれ映画版の前日談となっていて、文庫化した際には前編に収録された。 中編のフィフス・ルナでの戦闘からは文庫の書き下ろしで、ほぼ劇場版に沿った形でありながらνガンダム設計会議、ブライトとの再会、チェーンとの出会いなど劇場版の物語を更に補足したストーリーとなっている。連載最終話のチャプターLは文庫の方で先に発表された。
劇場版ではあまり触れられなかったシリーズの歴代キャラクターに対しては、前編で精神崩壊したカミーユ・ビダン、中編でグリプス戦役時に付き合っていたベルトーチカ・イルマに触れられている。
- アニメージュ文庫版(旧版)
- 富野由悠季(著)、徳間書店〈アニメージュ文庫〉、全3冊。
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 前篇』、1987年12月発行、ISBN 4-19-669570-1
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 中篇』、1988年2月発行、ISBN 4-19-669575-2
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 後篇』、1988年3月発行、ISBN 4-19-669578-7
- アニメージュ文庫版(復刻版)
- 富野由悠季(著)、徳間書店〈アニメージュ文庫〉、全3冊。
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 前篇』復刻版、2009年7月発行、ISBN 978-4-19-908004-3
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 中篇』復刻版、2009年7月発行、ISBN 978-4-19-908005-0
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 後篇』復刻版、2009年7月発行、ISBN 978-4-19-908008-1
機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー編集
2002年10月刊行。上述の小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の内容をそのままに、表紙や挿絵のメカニック、キャラクターを久織ちまきが担当し『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』として正式なタイトルに戻したもの。アニメージュ文庫版に収録された星野之宣によるイラストは各巻の巻末に再録されている。
- 徳間デュアル文庫版
- 富野由悠季(著)、徳間書店〈徳間デュアル文庫〉、全3冊。
- 『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー 1 アムロ篇』、2002年10月発行、ISBN 978-4-19-905125-8
- 『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー 2 クェス編』、2002年11月発行、ISBN 978-4-19-905129-6
- 『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー 3 シャア編』、2002年12月発行、ISBN 978-4-19-905130-2
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン編集
1988年刊行。本来は未発表の映画用シナリオ第1稿を基に改訂され、モチーフ小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』として角川スニーカー文庫より刊行。2014年には漫画化もなされた。本書においては、ストーリーの大筋は映画版の展開をなぞるものの、一部の設定や登場キャラクターの変更など、よりシナリオ第1稿に近い構成が採られており、映画版とはパラレルワールドの関係にある。最大の特徴は『機動戦士Zガンダム』に登場したベルトーチカ・イルマがアムロの恋人として登場する点である。その為、劇場版におけるアムロの恋人、チェーン・アギは本作品に登場しない。当初書き上げた映画用シナリオの第1稿が「ガンダム映画化委員会」の審査にかけられた折、「映画でアムロの結婚した姿は見たくない」「モビルスーツの玩具が売れることで厚い市場を形成し、映画を制作する資金が出ているのに、モビルスーツの存在をシナリオで否定しているのはどうなのか?」という意見・批判を受けた為、実際の劇場版には本稿を大幅に修正したものが採用された。またヒロインであるベルトーチカがアムロの子供を身籠っている、クェス・パラヤがチェーンによる攻撃ではなくハサウェイの誤射によって死亡するなど、ストーリーに影響を及ぼす変更があり、後の小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、こちらの作品の歴史を引き継ぐものとなっている。ベルトーチカ・チルドレンの口絵は出渕裕による描き下ろしだが、νガンダムのデザインに小説用のアレンジが施された[8]。また映画におけるサザビーに相当するシャア専用MSナイチンゲールが登場し、こちらも人気を得ている。サイコ・ドーガは本作にのみ登場するオリジナルの機体であり、映画版のヤクト・ドーガに相当する。
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』、1988年2月20日発行、ISBN 978-4-04-410109-1
カセット文庫編集
当時展開していた角川カセット文庫でリリース。ベルトーチカが登場するためクェスの声が川村万梨阿から荘真由美に変更されているなどキャスティングが一部異なっている他、音楽も増田俊郎の手によってこのカセット文庫版用に書き下ろされている。
漫画編集
- 村上としや版
- コミックボンボンに劇場公開後の1988年4月および5月に前後編で掲載。単行本としては1999年に大都社が復刻版として発売した漫画版『機動戦士ガンダムΖΖ』の単行本2巻に併録されたのが唯一。映画とは異なりハサウェイは連邦のパイロット候補生として最初からラー・カイラムに乗艦しているため、クェスとの関わりはなく、他にもリ・ガズィ、α・アジールが登場しないなど、ストーリーにいくつか差異が見られる。
- ときた洸一版
- 劇場公開から10年後のPlayStation版ゲームの発売に合わせコミックボンボン1998年10月から1999年2月まで全5話連載、1999年3月に単行本化。こちらの作品は映画とほぼ同様のストーリーとなっている。
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア BEYOND THE TIME
- 『機動戦士ガンダムUC』のアニメ化を記念して角川書店の雑誌『ガンダムエース』2010年7月号より連載された漫画作品。久織ちまき画、本田雅也シナリオ。全2巻。
- ナナイ・ミゲルが主人公の外伝であり、ナナイがアクシズ攻防戦の際に見た白日夢として、かつてはニュータイプ研究生であったナナイが志を果たせぬまま研究する側となり、やがてシャアと出会ってネオ・ジオンに参加する半生等を描いた内容となっている。
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン
- 上述のモチーフ小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』をベースとしたコミカライズ。作画はさびしうろあき、柳瀬敬之。『ガンダムエース』2014年8月号(2014年6月発売)から[9]2018年5月号まで連載された。単行本は全7巻。
ゲーム編集
「スーパーロボット大戦シリーズ」を筆頭に本作が登場するゲーム作品は無数にあるため、ここでは本作を題材に単独商品化された作品のみ記述する。
- コンシューマーゲーム
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- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1998年12月17日、バンダイ、PlayStation)
- モバイルゲーム
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- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(2006年8月31日、バンダイネットワークス、iモード)
- PCゲーム
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- 機動戦士ガンダム クラシックオペレーション (PC-88、PC-98、X68000)
派生作品編集
- GUNDAM EVOLVE 5 RX-93 ν GUNDAM
- 短編映像作品『GUNDAM EVOLVE 5』では、CGとセル画を合わせる手法によりリデザインされたνガンダムとα・アジールの戦いが、映画や小説とは違う展開で描かれている。本作は1から4までと合わせて『GUNDAM EVOLVE +』としてDVD化された。
- 複数製作された同シリーズにおいて、唯一富野がストーリーを製作した作品である。劇場版や小説版の続編『閃光のハサウェイ』とは異なり、クェスとハサウェイの結末がポジティブな物へと転化されている。
- 機動戦士ガンダム シャアの帰還 ―逆襲のシャア外伝―
- 勁文社より1988年4月に発行されたゲームブック。スタジオ・ハード編集、草野直樹、日高誠之構成・文。
- 原作の時代設定から3年前の宇宙世紀0090年が舞台。主人公であるシャア・アズナブルとなって、ジオン残党ダンジダン・ポジドン少将の協力の下、新生ネオ・ジオンの組織作りの経緯を描いた内容となっている。なお、ネェル・アーガマを率いるブライトやナナイ、ギュネイなど本作の人物も登場する。
エピソード編集
- 同時上映の『機動戦士SDガンダム』では本編に先駆けて、νガンダムがシルエットで登場した後、二頭身で登場。エンドではサザビー開発中のシャアが「今度は劇場で仕返ししてやる」とタイトルと同時上映であることを意識した発言をしている。
- 終盤サイコフレームが宇宙から見た地球をバックに何処かへ飛ぶシーンがあるが、この地球は「実物の地球儀に立体的に背景を描き、これを一コマづつ撮影したものである」と、当時本作で演出補だった高松信司が証言している[10]。
注釈編集
出典編集
- ^ 「PRODUCTION NOTE アニメ史上初の試み! CGとアニメの合成によるニュー“ガンダム”ワールド」『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(映画パンフレット)』松竹株式会社事業部、1988年3月12日。
- ^ 月刊ascii2008年5月号
- ^ 「ガンダム 40周年プロジェクト」本格的に始動!シネマ・コンサート他、各種イベントを展開!2019年4月7日 機動戦士ガンダム40周年プロジェクト
- ^ “機動戦士ガンダム 逆襲のシャア:出渕裕「最初の印象は最悪で…」 富野監督の“可愛い”一面も明かす”. MANTANWEB (2019年9月16日). 2019年9月17日閲覧。
- ^ 『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー3 シャア編』276ページ
- ^ 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(中篇)』254ページ
- ^ 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(後篇)』253ページ
- ^ 後にこの小説版νガンダムのデザインを元に「Hi-νガンダム」と呼ばれる機体としてデザインや設定が新たに起こされ、ゲームへの登場や模型化などを経て独自の立ち位置を確立した。
- ^ “富野由悠季「ベルトーチカ・チルドレン」コミカライズ決定”. ナタリー (2014年5月26日). 2015年5月26日閲覧。
- ^ 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に使用された地球儀、実物がまだあった!