サザエさん (1956年の映画)
『サザエさん』は、1956年12月12日に公開された日本映画(実写版)。製作、配給は東宝。モノクロ、スタンダード。86分。
サザエさん | |
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監督 | 青柳信雄 |
脚本 | 笠原良三 |
原作 | 長谷川町子 |
製作 | 杉原貞雄 |
出演者 | 江利チエミ |
音楽 | 原六朗 |
撮影 | 遠藤精一 |
配給 | 東宝 |
公開 |
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上映時間 | 86分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
次作 | 続・サザエさん |
東宝版「サザエさんシリーズ」の第1作。以後、1961年公開の『福の神 サザエさん一家』まで全10作が製作・公開されることとなる。監督は全て青柳信雄。本作では、サザエとマスオの出会いを中心に展開している。
基本はコメディであるが、主演が人気歌手の江利チエミであったことから『サザエはジャズが大好き』との設定がなされ、劇中でたびたび歌うシーンが登場しており、音楽映画のような側面も垣間見える。
ストーリー編集
東京のある町に、磯野という一家が住んでいた。家族は父母の元に長男・カツオ、次女・ワカメ、そしてうっかり者の長女・サザエだ。
ある日磯野家に、新聞社勤めの親戚ノリスケが下宿を申し込んだ。協議の末、大食に相当する下宿代で下宿を許す。やがて、サザエが「女性クラブ」という雑誌社に採用され、勇んで出勤するが、間違えて山高商事に出勤、たまたまその会社にいたフグ田マスオによって、「女性クラブ」へ案内され、サザエはマスオに心を惹かれる。さてサザエの初仕事は、小説家・神田大六宅への原稿取り、いざ神田宅へ上がり込んで見れば、その神田氏とは、以前サザエが親友ミチコの勤めるデパートで失敗の末、怒らせた客だったのだ。慌てて逃げ出したサザエは「女性クラブ」を首となるが、マスオの薦めで大木探偵事務所に転職、素行調査の依頼からノリスケとミチコの恋を知り、サザエの援助で二人は結婚した。
やがてもうすぐクリスマス。ミチコの名案で、サザエはマスオへのクリスマス招待状を送る。そしてクリスマス当日、かねてからマスオに言われた通り女らしく振る舞うサザエ。だがなかなかマスオは来ない。だがようやく、「会社の都合」という理由でマスオはやってきた。プレゼントはサザエ貝のブローチだった。喜んで踊る二人を中心に、磯野家のクリスマスは続いていた…。
スタッフ編集
キャスト編集
- 磯野 サザエ:江利チエミ
- フグ田 マスオ:小泉博
- サザエの父親[1]:藤原釜足
- サザエの母親[1]:清川虹子
- 磯野 カツオ:小畑やすし
- 磯野 ワカメ:松島トモ子
- ノリ助:仲代達矢
- ミチコ:青山京子
- 女性クラブ編集長:丘寵児
- 貝原 キミ子:若山セツ子
- 神田 大六:花菱アチャコ
- その夫人:音羽久米子
- 山中老人:柳家金語楼
- 大木探偵所長:森川信
- 中野夫人:一の宮あつ子
- 所員:宇野晃司
- およしチャン:白川由美
- おでん屋の女将:塩沢登代路
- おでん屋のオッさん:沢村いき雄
- 流しの男A:平凡太郎
- 流しの男B:有木山太
- 横向夫人:三田照子
- 医者:熊谷二良
- 三河屋のサブちゃん、洗濯屋、炭屋、魚屋:ダーク・ダックス
同時上映編集
その他編集
- 本作では江利チエミの持ち歌が度々歌われており、テ・キエロ・ディヒステはクライマックスで使われている。
- 本シリーズは映像ソフト化された事はなく、また衛星放送でも放送される事は無かった。だが、サザエさん誕生70周年を記念して、2016年4月にCS「日本映画専門チャンネル」にて本作が初めて放送された(本作を含む全10作が、2017年1月にかけて毎月1作品ずつ順に放送された)。
脚注編集
- ^ a b 当時、原作版『サザエさん』では「磯野波平」と「磯野フネ」の名前は決められていなかったため、映画のプレスシートでも「父親」・「母親」と記載されていた。なお、家の表札は「磯野松太郎」となっていた。また、本作のポスターでのみ父の名が「磯野アワビ」と記されている。「磯野フネ」の名前の初出は3作目の『サザエさんの青春』、「磯野波平」の初出は9作目の『サザエさんとエプロンおばさん』で、正式に役名が「波平」・「フネ」と記述されるのは、7作目の『サザエさんの脱線奥様』から。