ハンプトンコートステークス: Hampton Court Stakess)とはイギリスの競馬の競走である。ロイヤルアスコット開催で行われる競走の一つで、3歳馬による1マイル1ハロン212ヤード(約2004メートル)戦である。2014年の格付けはG3。

ハンプトンコートステークスHampton Court Stakes
開催国 イギリスの旗イギリス
競馬場 アスコット競馬場
2017年の情報
距離 芝1マイル1ハロン212ヤード(2017年)
(約2004メートル)
格付け G3[1]
賞金 賞金総額75,000ポンド[1]
出走条件 3歳
負担重量 9ストーン0ポンド(約57.15kg
  • ※牝馬は3ポンド(約1.36Kg)減量
  • ※G1またはG2の勝馬は出走できない
  • ※7ハロン以上のG3の勝馬は4ポンド(約1.81Kg)加増
テンプレートを表示

概要 編集

ハンプトンコートステークスはロイヤルアスコット開催の3日目に行われる競走である。2011年からG3に格付けされているが、G1・G2の優勝馬は出走できない。

かつてはリステッドレースであり、さらにその前は「ニューステークス」という名称だった。1999年のリステッドレース化以前は「ミルカーズコンディションステークス」(「コンディション」は「条件戦」を表す)、「チャーチルステークス」の名称で行われる条件戦だった。

名称と条件の変遷 編集

この競走は、1990年代から頻繁に名称が変わっている。

チャーチルステークス(-1995) 編集

当初はチャーチルステークス(英: Churchill Stakes)という競走で、格付け外の条件戦だった。

ロイヤルアスコット開催は4日間の日程で行われており、そのうち土曜日は「アスコットヒース開催日」と呼ばれてきた[2]。チャーチルステークスはこの土曜日に行われる競走だった。後に開催最終日の施行に変更になり、距離は1マイル4ハロンになった。

ミルカーズコンディションステークス(1996-1998) 編集

1996年から、カーディーラーのミルカーズ社(Milcars)がスポンサーになり、ミルカーズコンディションステークス(英: Milcars Conditions Stakes[注 1])となった。

ニューステークス(1999-2002) 編集

1999年からリステッドレースに格付けされるようになり、これを機にニューステークス(英: New Stakes)という名称に改められた[3]。翌2000年には1マイル2ハロンに短縮された。

2001年までは引き続きミルカーズがスポンサーを務めていたので、興業上は「ミルカーズ・ニューステークス」という名称で開催されている[4]

なお、この「ニューステークス」(1999-2002)は同じアスコット競馬場で1843年から1972年まで行われていた「ニューステークス」(現在のノーフォークステークス)とは別の競走である。

2002年はエリザベス2世即位50周年にあたり、ロイヤルアスコットも記念開催となった[5]。開催は5日間に延長され、これにあわせて本競走の施行日も従前の最終日から3日目に変更になった[2]。競走名もハンプトン・コート宮殿にちなんで「ハンプトンコートステークス」(英: Hampton Court Stakes)として開催された[6](ただし競走成績書には「ニューステークス」と記載される[6][7])。

ハンプトンコートステークス(2002-2010) 編集

2002年の開催では興行上「ハンプトンコートステークス」だったが2003年以降もロイヤルアスコット開催の5日間開催が続くことになり、2003年からこの競走は正式に「ハンプトンコートステークス」に改められた[2]

ターセンテナリーステークス(2011-2016) 編集

2011年にG3に格上げとなり、競走名は「ターセンテナリーステークス」(英: Tercentenary Stakes)に改称となった[8][6]。これは、1711年にはじまったアスコット競馬場の300周年を記念してのものである[8]("tercentenary"は「300年祭」の意味である)。

ハンプトンコートステークス(2017-) 編集

この年から名称が「ハンプトンコートステークス」に戻された[9]

記録 編集

  • 1986年以降の記録に基づくもの。

最多勝騎手 編集

最多勝調教師 編集

歴代優勝馬 編集

  • *印は日本輸入馬。国際競走出走のための一時的なものも含む。

チャーチルステークス 編集

  • グレード外
  • 距離1マイル4ハロン(約2414メートル)
  • 1986:Sadeem
  • 1987:Russian Steppe
  • 1988:Mazzacano
  • 1989:Spritsail
  • 1990:Middle Kingdom
  • 1991:Luchiroverte
  • 1992:Profusion
  • 1993:*ホワイトマズル
  • 1994:Rudagi
  • 1995:Juyush

ミルカーズコンディションステークス 編集

  • 条件戦
  • 距離1マイル4ハロン(約2414メートル)
  • 1996:Astor Place
  • 1997:Falak
  • 1998:Dark Moondancer

ニューステークス 編集

  • リステッドレース
  • 2000年から距離1マイル1ハロン(約2011メートル)
  • 2002年は興行上は「ハンプトンコートステークス」。記録上は「ニューステークス」。
施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師
1999年6月19日 Zarfoot 牡3 2:32.56 L.Dettori L.Cumani
2000年6月24日 Port Vila 牡3 2:07.27 R.Hills J.Gosden
2001年6月23日 Freefourinternet 牡3 2:06.05 P.Eddery B.Meehan
2002年6月20日 Burning Sun 牡3 2:06.85 T.Quinn H.Cecil

ハンプトンコートステークス 編集

  • リステッドレース
  • 距離1マイル1ハロン(約2011メートル)
  • 2005年はヨーク競馬場で代替開催
施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師
2003年6月19日 Persian Majesty 騸3 2:06.45 J.Murtagh P.Harris
2004年6月17日 Moscow Ballet 牡3 2:07.98 J.Spencer A.O'Brien
2005年6月16日 Indigo Cat 牡3 2:08.53 K.Fallon A.O'Brien
2006年6月22日 Snoqualmie Boy 騸3 2:06.73 J.Egan D.Elsworth
2007年6月21日 Zaham 騸3 2:06.27 R.Hills M.Johnston
2008年6月19日 Collection 騸3 2:07.55 K.McEvoy W.Haggas
2009年6月18日 Glass Harmonium 牡3 2:04.52 R.Moore M.Stoute
2010年6月17日 Afsare 騸3 2:06.22 K.Fallon L.Cumani

ターセンテナリーステークス 編集

  • G3
  • 距離1マイル1ハロン(約2011メートル)→1マイル1ハロン212ヤード(約2004メートル)
施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師
2011年6月16日 Pisco Sour 牡3 2:11.84 J.Fortune H.Morrison
2012年6月21日 Energizer 牡3 2:10.03 A.de Vries J.Hirschberger
2013年6月20日 Remote 牡3 2:04.46 W.Buick J.Gosden
2014年6月19日 Cannock Chase 牡3 2:05.31 R.Moore M.Stoute
2015年6月18日 Time Test 牡3 2:03.05 L.Dettori R.Charlton
2016年6月16日 Hawkbill 牡3 2:09.59 W.Buick C.Appleby
2017年6月22日 Benbatl 牡3 2:05.40 O.Murphy S.bin Suroor
2018年6月21日 Hunting Horn 牡3 2:03.02 R.Moore A.O'Brien
2019年6月20日 Sangarius 牡3 2:08.36 L.Dettori M.Stoute
2020年6月17日 Russian Emperor 牡3 2:05.86 R.Moore A.O'Brien
2021年6月17日 Mohaafeth 牡3 2:05.72 J.Crowley W.Haggas
2022年6月16日 Claymore 牡3 2:07.45 A.Kirby J.Chapple-Hyam
2023年6月22日 Waipiro 牡3 2:05.10 T.Marquand E.Walker

脚注 編集

参考文献・出典 編集

各回結果 編集

注釈 編集

  1. ^ 「コンディション」は日本で言う「条件戦」に相当する。

出典 編集

関連項目 編集