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ピナコサウルスPinacosaurus "板のトカゲ"の意味)は白亜紀後期のサントニアンen)後期からカンパニアン後期(およそ8,000万-7,500万年前)にモンゴルから中国にかけて生息していた中程度の大きさの曲竜類恐竜の属である。ピナコサウルスは各鼻孔の近くに用途不明な2から5個の付加的な穴があった。

ピナコサウルス
生息年代: 80–75 Ma
ピナコサウルス
復元骨格
地質時代
白亜紀後期, (およそ8,000万-7,500万年前) - 
サントニアン後期からカンパニアン後期
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
亜目 : 装盾亜目 Thyreophora
下目 : 曲竜下目 Ankylosauria
: アンキロサウルス科 Ankylosauridae
: ピナコサウルス属
Pinacosaurus
学名
Pinacosaurus
Gilmore1933
シノニム

[1]

  • P. ninghsiensis Young, 1935
  • Heishansaurus Bohlin, 1953
  • Syrmosaurus Maleev, 1952

目次

記述編集

 
P. grangeri の頭骨
 
香港科学博物館に展示されるピナコサウルスの骨格

ピナコサウルスは軽量な造りで、中程度の大きさの曲竜類で、体長は5 m程度に達し[2]、他の全てのアンキロサウルス科と同じように尾の先端に骨質のこぶを持っており、ヴェロキラプトルのような捕食者から防御するための武器として使用したようだ。オリジナルの標本でもっとも珍しい要素は2つの付加的な卵形の穴の存在であり、一方はもう一方の上部にあり、鼻孔は通常の場所に見つかる[3] 。この開口部は数は様々だが属の特徴であり、1999年にGodefroit et al.では4つ、2003年には幼体の標本では5つと記載している[4]

発見編集

アメリカ自然史博物館は1920年代にいくつかのモンゴルのゴビ砂漠での中央アジア探検を後援していた。シャバラク・ウス(Shabarakh Usu)のジャドフタ層の"炎の崖"(Flaming Cliffs)で発見された多くの古生物学的資料の中にピナコサウルスのオリジナルの標本はあった[5]ホロタイプ(AMNH 6523)は1923年に収集された部分的損傷した頭骨、顎、皮骨である。 ピナコサウルスはもっともよく知られたアジアの曲竜類であり、1つの完全な骨格、5つの頭骨[6]、1つの部分的な頭骨、砂嵐で同時に死んだと見られる2組のごちゃごちゃに混ざった幼体の化石群(Jerzykiewicz, 1993; Burns et al., 2011).など15の標本が含まれる。幼体の最良の頭骨がテレサ・マリヤンスカ(en)により1971年と1977年に記載された。

分類編集

ピナコサウルスのタイプ種はP. grangeriである。楊鍾健(C.C.Young)は寧夏回族自治区で新しい標本を発見し、1935年に新種P. ninghsiensisを記載したが、現在では P. grangeriと同じ種だと考えられている;1952年にMaleevよってシルモサウルス・ヴィミニカウドゥス(Syrmosaurus viminicaudus)として記載された断片的な化石のように[7]。Arbour, Burns and Sissons (2009) は甘粛省、黒山(en:Heishan)近郊の民和層(en)由来のヘイシャンサウルス・パキケファルス(Heishansaurus pachycephalus ”分厚い頭の、黒山トカゲ")を検討し、 これは保存状態の良くない頭骨と断片的な体の骨であるが、これもまたP. grangeriのジュニアシノニムであるとした[1]。シルモサウルスはもともと1953年に堅頭竜類として初め記載されたものだが、一般的には疑問名(en:nomen dubium)になっていた。 中国からの追加的な化石対してGodefroit et al.により1999年にP. mephistocephalusとして記載されたものは真皮性の角と鼻孔の特徴に基づく正当な種であると考えられた[6]。最も保存状態の良い頭骨は幼体由来のものであるが、ホロタイプは成体の頭骨であり、幅よりも長さはあり、より基盤的な装盾類の可能性を示唆する。 ピナコサウルスは元々はノドサウルス科とされたが[8]、現在ではアンキロサウルス科であると考えられている。下記のクラドグラム(en)は2011年の古生物学者Richard S. Thompson、 Jolyon C. Parish、 Susannah C. R. Maidment および Paul M. Barrettによる解析より得られた最も決定的な樹形である[9]

Ankylosauridae

Minmi




Liaoningosaurus




Cedarpelta




Gobisaurus




Shamosaurus


Ankylosaurinae

Tsagantegia



Zhongyuansaurus





Shanxia




Crichtonsaurus




Dyoplosaurus



Pinacosaurus mephistocephalus








Ankylosaurus



Euoplocephalus






Minotaurasaurus



Pinacosaurus grangeri





Nodocephalosaurus





Talarurus



en:Tianzhenosaurus





Tarchia



Saichania














脚注編集

  1. ^ a b Arbour, V. M.; Burns, M. E.; Sissons, R. L. (2009). “A redescription of the ankylosaurid dinosaur Dyoplosaurus acutosquameus Parks, 1924 (Ornithischia: Ankylosauria) and a revision of the genus”. Journal of Vertebrate Paleontology 29 (4): 1117. doi:10.1671/039.029.0405. 
  2. ^ Hill et al. 2003, p. 4.
  3. ^ Gilmore 1933, p. 5 and Fig. 1.
  4. ^ Hill et al. 2003.
  5. ^ Hill et al. 2003, p. 2–4.
  6. ^ a b Hill et al. 2003, p. 2.
  7. ^ Hill et al., p. 2 refers to Maleev 1952.
  8. ^ Gilmore 1933, p. 9.
  9. ^ Thompson, R. S.; Parish, J. C.; Maidment, S. C. R.; Barrett, P. M. (2012). “Phylogeny of the ankylosaurian dinosaurs (Ornithischia: Thyreophora)”. Journal of Systematic Palaeontology 10 (2): 301. doi:10.1080/14772019.2011.569091. 

参照編集

  • Dixon, Dougal. 'The Complete Book of Dinosaurs.' Hermes House, 2006.
  • 福井県立恐竜博物館: ウェブサイト—ピナコサウルス・グランゲリ
  • Gilmore, C. W. (December 4, 1933). “Two new dinosaurian reptiles from Mongolia with notes on some fragmentary specimens”. American Museum Novitates (679): 1–20. 
  • Hill, R. V.; Witmer, L. W.; Norell, M. A. (2003). “A New Specimen of Pinacosaurus grangeri (Dinosauria: Ornithischia) from the Late Cretaceous of Mongolia: Ontogeny and Phylogeny of Ankylosaurs”. American Museum Novitates (3395): 1–29. 
  • Maleev, E. A. (1952). “Novoe semeystvo pantsirnich dinosavrov is verchnego mela Mongolii [A new family of armored dinosaurs from the Upper Cretaceous of Mongolia]”. en:Doklady Akademii Nauk SSSR 87: 131–134.  (ロシア語)
  • Young, C. C. (1935). “On a new nodosaurid from Ninghsia.”. Palaeontologica Sinica, Series C (11): 5–27. 
  • Burns, M. B.; Currie, P. J., Sissons, R. L., Arbour, V. M. (2011). “Juvenile specimens of Pinacosaurus grangeri Gilmore, 1933 (Ornithischia: Ankylosauria) from the Late Cretaceous of China, with comments on the specific taxonomy of Pinacosaurus.”. Cretaceous Research 32 (2): 174–186. doi:10.1016/j.cretres.2010.11.007. 

外部リンク編集