ポール・ジョージ

アメリカのバスケットボール選手 (1990 - )

ポール・クリフトン・アンソニー・ジョージPaul Clifton Anthony George[2][3], 1990年5月2日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州パームデール出身のプロバスケットボール選手NBAロサンゼルス・クリッパーズに所属している。ポジションはシューティングガードまたはスモールフォワードを兼任するスウィングマン

ポール・ジョージ
Paul George
インディアナ・ペイサーズでのジョージ
(2014年)
ロサンゼルス・クリッパーズ  No.13
ポジション SG / SF
所属リーグ NBA
基本情報
愛称 PG13
Playoff P
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生年月日 (1990-05-02) 1990年5月2日(33歳)
出身地 カリフォルニア州の旗 カリフォルニア州パームデール
身長 203cm (6 ft 8 in)
体重 100kg (220 lb)
ウィングスパン 211cm  (6 ft 11 in)[1]
キャリア情報
高校 ナイト高等学校
大学 フレズノ州立大学
NBAドラフト 2010年 / 1巡目 / 全体10位[1]
プロ選手期間 2010年–現在
経歴
20102017インディアナ・ペイサーズ
20172019オクラホマシティ・サンダー
2019ロサンゼルス・クリッパーズ
受賞歴
Stats ウィキデータを編集 Basketball-Reference.com
Stats ウィキデータを編集 NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten
代表歴
キャップ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
獲得メダル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
オリンピック
金メダル - 1位 2016 リオデジャネイロ

経歴 編集

カレッジ 編集

大学時代はカリフォルニア州立大学フレズノ校で2年間プレーし、1年目は1試合平均14.3得点、FG47%、2年目は1試合平均16.8得点、FG42.4%、7.2リバウンドであった[4]

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2008–09 フレズノ校 34 34 34.6 .470 .447 .697 6.2 1.9 1.7 1.0 14.3
2009–10 29 29 33.2 .424 .353 .909 7.2 3.0 2.2 0.8 16.8

インディアナ・ペイサーズ 編集

2010年のNBAドラフトで1巡目10位でインディアナ・ペイサーズに指名された。2010-2011シーズンのオールルーキーセカンドチームに選出された。2012年のライジング・スターズ・チャレンジスラムダンクコンテストにも選出された。

2012-13シーズン 編集

2012-2013シーズン、チームはエースのダニー・グレンジャーを怪我で失うも、自身は攻守両面で急成長しチームの顏となる活躍をし、チームをプレイオフに導いた。この年初めてNBAオールスターにも出場し、MIPも受賞した。

2013-14シーズン 編集

2013-2014シーズンには、ペイサーズは開幕9連勝などの快進撃でカンファレンス首位に躍り出ると共に、ジョージ自身も大台の平均20得点を記録し、オールスターにはスターターとして初選抜された。チームはシーズン後半に失速するもプレイオフ第1シードを獲得。カンファレンスファイナルでは昨年と同じくマイアミ・ヒートと対決。2勝4敗で破れファイナル進出はならなかった。ジョージはオールNBA3rdチームに、オールディフェンシブチームでは1stチームに選出された。

2014-15シーズン 編集

 
ジョージが重傷を負った後、深刻な顔をして見守る代表チームの選手たち

2013-2014シーズン終了後、ジョージはFIBAワールドカップアメリカ代表選抜に向けたトレーニングキャンプに招集された。しかし8月1日に行われたアメリカ代表のエキシビションマッチにおいて、ターンオーバーからのジェームス・ハーデンのレイアップをブロックしようとした際に着地に失敗し、右足の腓骨と脛骨を開放骨折する重傷を負った。完治には12ヶ月ほどかかるとも言われ、2014-2015シーズンのNBAの試合は全休するのではないかとされていたが、手術後の懸命のリハビリを経て、2015年4月5日のマイアミ・ヒート戦で、新背番号「13」を着用し、見事に復帰を果たした。

2015-16シーズン 編集

前述の重傷から完全復活した2015-2016シーズンは、10/11月度のイースタンカンファレンス月間最優秀選手に選出され、12月5日のユタ・ジャズ戦では自己最高の48得点を記録[5]。2016年1月21日には、ファン投票で2年ぶりのNBAオールスターゲーム出場が決定した。

2016-17シーズン 編集

 
レブロン・ジェームズとマッチアップするジョージ(2017年)

2017年4月14日、ジョージは4月の間、1試合平均32.8得点、8.2リバウンド、4.5アシストを記録しカンファレンス月間最優秀選手に選ばれた[6]

オクラホマシティ・サンダー 編集

2017-18シーズン 編集

2017年7月1日、ビクター・オラディポドマンタス・サボニスとのトレードでオクラホマシティ・サンダーへ移籍[7]。2017年11月10日に行われたロサンゼルス・クリッパーズ戦でシーズンハイとなる42得点を含む9リバウンド7アシストを記録[8]。12月27日に行われたトロント・ラプターズ戦で33得点、フランチャイズのゲーム記録タイとなる7本の3ポイントを記録した[9]

2018年1月27日、負傷したデマーカス・カズンズの代替として、2月18日にロサンゼルスステイプルズ・センターで行われるNBAオールスターゲームに出場した[10]。2月1日に行われたデンバー・ナゲッツ戦でシーズンハイとなる43得点を記録した[11]。4月15日のプレーオフ1回戦、対ユタ・ジャズの初戦で36得点、チームのプレーオフ記録となる8本の3ポイントを記録しチームを勝利に導いた[12]

シーズン終了後FAとなり、自身の地元であるロサンゼルス・レイカーズへの移籍が予想された中、2018年7月に4年1億3700万ドルでサンダーと再契約を結んだ[13][14]

2018-19シーズン 編集

サンダー2年目となったシーズンで昨年を大きく上回る活躍を見せた。相棒のラッセル・ウェストブルックとリーグ屈指のダイナミックデュオとして活躍し、史上9組目となる同じ試合で同時にトリプルダブルを記録した。12月5日に行われたブルックリン・ネッツ戦では移籍後最多の47得点を記録した。なお、この試合でキャリア初の決勝点を記録した[15]。また、2月12日のポートランド・トレイルブレイザーズとの対戦でもキャリアハイに1得点及ばなかったものの、47得点を記録した[16]。シーズン終盤は肩の故障で成績を落とすも、自身初のオールNBAチーム1stチーム選出、スティール王獲得、NBA最優秀守備選手賞最終候補ノミネートなどキャリアベストのシーズンを送った。

ロサンゼルス・クリッパーズ 編集

2019-20シーズン 編集

2019年7月10日、シェイ・ギルジアス=アレクサンダーダニーロ・ガリナリ、複数のドラフト1巡目指名権及びスワップ権との交換でロサンゼルス・クリッパーズに移籍した[17]。シーズンデビュー戦は肩の手術ためシーズン開始から11試合欠場し、11月14日のニューオーリンズ・ペリカンズ戦がクリッパーズのデビュー戦となった[18]。ジョージ自身は32得点を記録したがチームは132-127で敗北した[19]。自身9回目となるプレーオフでは、平均20.2得点フィールドゴール成功率39%と振るわなかった。

2020-21シーズン 編集

2020年12月10日、クリッパーズと4年1億9000万ドルで契約延長した[20]。同年12月22日のロサンゼルス・レイカーズ戦にて33得点を記録し、116-109でシーズン開幕戦の勝利に導いた。オールスターにも選出されるなど安定した活躍を見せ、オールNBA3rdチームに選出された[21][22]

プレーオフ2回戦のユタ・ジャズとの第6戦目で28得点9リバウンド7アシスト3スティールを記録し、カワイ・レナードが欠場した中クリッパーズをフランチャイズ史上初となるウエスタンカンファレンスファイナルに導いた。カンファレンスファイナルではフェニックス・サンズと対戦し、第5戦ではプレーオフでの自己最多となる41得点を含む13リバウンド6アシストを残し、この試合でプレーオフで最初の試合から18試合連続で20得点以上を記録した。他にこれを成し遂げたのはマイケル・ジョーダンコービー・ブライアントケビン・デュラントら3人のみ。クリッパーズは第6戦で敗れたが、プレーオフでつきまとっていた勝負弱いイメージを払拭させる活躍を見せた[23]

2023-24シーズン 編集

3月20日、ポートランド・トレイルブレイザーズとの対戦で4本の3ポイントを成功させるなど、1シーズンに成功させた3ポイント数を205本とし、これまでJ・J・レディックが持っていた201本を上回り、球団記録を達成した[24]

選手としての特徴 編集

NBA.comは、ジョージの身長を6フィート8インチ(203cm)と記載しているが、インディアナポリス・スターによると、2011年12月に5.1cm身長が伸び、6フィート10インチ(208cm)に達していると報告している[25]。元々はシューティングガードでプレーしていたが、インディアナ・ペイサーズ在籍時にシューティングガードであるランス・スティーブンソンとポジションが被っていたため、スモールフォワードで起用されていた[26][27]

スムーズなフットワークとガード顔負けのシュート力やボールハンドリングに加えて運動能力も高く、パスやリバウンドも平均値以上でこなせるオールラウンダーである。2012年と2014年にはスラムダンクコンテストにも参加しており、2014年は決勝まで進んでいる[28]。また、リーグ屈指のディフェンダーの1人であり[29]、2014年2月10日にペイサーズがデンバー・ナゲッツに勝利した後、当時ナゲッツのヘッドコーチだったブライアン・ショウは、「このゲームで最高のツーウェイプレーヤー」と述べた[30]

個人成績 編集

略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック  PPG  平均得点  太字  キャリアハイ
  リーグリーダー

NBAレギュラーシーズン 編集

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2010–11 IND 61 19 20.7 .453 .297 .762 3.7 1.1 1.0 .4 7.8
2011–12 66* 66* 29.7 .440 .385 .802 5.6 2.4 1.6 .6 12.1
2012–13 79 79 37.6 .419 .362 .807 7.6 4.1 1.8 .6 17.4
2013–14 80 80 36.2 .424 .364 .864 6.8 3.5 1.9 .3 21.7
2014–15 6 0 15.2 .367 .409 .727 3.7 1.0 .8 .2 8.8
2015–16 81 81 34.8 .418 .372 .860 7.0 4.1 1.9 .4 23.1
2016–17 75 75 35.9 .461 .394 .898 6.6 3.3 1.6 .4 23.7
2017–18 OKC 79 79 36.6 .430 .401 .822 5.7 3.3 2.0 .5 21.9
2018–19 77 77 36.9 .438 .386 .839 8.2 4.1 2.2* .4 28.0
2019–20 LAC 48 48 29.6 .439 .412 .876 5.2 3.9 1.4 .4 21.5
2020–21 54 54 33.7 .467 .411 .868 6.6 5.2 1.1 .4 23.3
2021–22 31 31 34.7 .421 .354 .858 6.9 5.7 2.2 .4 24.3
2022–23 56 56 34.6 .457 .371 .871 6.1 5.1 1.5 .4 23.8
通算 793 745 33.6 .437 .381 .850 6.4 3.7 1.7 .4 20.6
オールスター 9 3 23.1 .496 .380 1.000 3.3 3.0 1.3 .1 18.0
  • 2011-12シーズンは66試合で打ち切り

NBAプレーオフ 編集

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2011 IND 5 5 26.6 .303 .231 .875 5.0 1.0 1.4 2.0 6.0
2012 11 11 33.7 .389 .268 .786 6.6 2.4 1.6 .4 9.7
2013 19 19 41.0 .430 .327 .727 7.4 5.1 1.3 .5 19.2
2014 19 19 41.1 .438 .403 .789 7.6 3.8 2.2 .4 22.6
2016 7 7 39.3 .455 .419 .953 7.6 4.3 2.0 .7 27.3
2017 4 4 43.0 .386 .429 .867 8.8 7.3 1.8 .5 28.0
2018 OKC 6 6 41.9 .408 .365 .861 6.0 2.7 1.3 .7 24.7
2019 5 5 40.8 .436 .319 .816 8.6 3.6 1.4 .2 28.6
2020 LAC 13 13 36.8 .398 .333 .909 6.1 3.8 1.5 .5 20.2
2021 19 19 40.8 .441 .336 .844 9.6 5.4 1.0 .5 26.9
通算 108 108 39.1 .424 .351 .825 7.5 4.1 1.5 .5 21.3

脚註 編集

  1. ^ Paul-George”. draftexpress.com (2010年). 2020年12月11日閲覧。
  2. ^ Paul George NBA公式サイト
  3. ^ Paul Clifton Anthony GEORGE (USA)'s profile - 2016 Rio 2016 - Olympic Basketball Tournament (Men) FIBA(国際バスケットボール連盟)公式サイト
  4. ^ Profile --NBA.com
  5. ^ Favors scores 35 as Jazz beat Pacers 122-119 in OT
  6. ^ Indiana Pacers' Paul George, LA Clippers' Chris Paul named Kia Players of Month” (英語). NBA.com (2017年4月14日). 2017年4月18日閲覧。
  7. ^ ポール・ジョージがサンダーへトレード NBA JAPAN
  8. ^ George scores 42, Thunder beat Clippers to snap 4-game skid” (英語). ESPN.com. ESPN (2017年11月10日). 2018年4月10日閲覧。
  9. ^ George, Westbrook lead Thunder past Raptors 124-107” (英語). ESPN.com. ESPN (2017年12月27日). 2018年4月10日閲覧。
  10. ^ Paul George to replace Demarcus Cousins on Team LeBron in 2018 NBA All-Star Game” (英語). NBA.com (2018年1月27日). 2018年1月28日閲覧。
  11. ^ Harris hits 3 at buzzer, Nuggets beat Thunder 127-124” (英語). ESPN.com. ESPN (2018年2月1日). 2018年4月10日閲覧。
  12. ^ George scores 36, leads Thunder to 116-108 win over Jazz” (英語). ESPN.com (2018年4月15日). 2018年4月16日閲覧。
  13. ^ Paul George agrees with Thunder on 4-year, $137 million deal” (英語). ESPN.com (2018年7月2日). 2018年8月15日閲覧。
  14. ^ Thunder Signs Paul George to Multi-Year Contract” (英語). NBA.com (2018年7月6日). 2018年8月15日閲覧。
  15. ^ Paul George scores 25 in 4th vs. Nets; Russell Westbrook passes Jason Kidd on triple-double list” (英語). ESPN.com (2018年12月6日). 2019年1月24日閲覧。
  16. ^ Westbrook sets new triple-double record in Thunder win” (英語). ESPN (2019年2月12日). 2024年4月5日閲覧。
  17. ^ L.A. Clippers Acquire Six-Time NBA All-Star Paul George” (英語). NBA.com (2019年7月10日). 2019年11月18日閲覧。
  18. ^ Paul George injury update: Clippers star to miss at least first 10 games, per Doc Rivers” (英語). CBSSports.com (2019年10月13日). 2020年2月17日閲覧。
  19. ^ Paul George Says He Was 'Terrible' in Clippers Debut Despite Scoring 33 Points” (英語). Bleacher Report (2020年11月15日). 2020年2月17日閲覧。
  20. ^ Paul George Contract Extension”. 2020年12月10日閲覧。
  21. ^ Polacek, Scott (2020年12月22日). “Paul George, Kawhi Leonard Dominant as Clippers Beat LeBron James, Lakers”. Bleacher Report. 2020年12月23日閲覧。
  22. ^ Azarly, Tomer (2020年12月24日). “Clippers' Kawhi Leonard, Paul George react to win over LeBron James, Lakers”. ClutchPoints. 2020年12月24日閲覧。
  23. ^ Salao, Renzo (2021年6月18日). “VIDEO: Clippers star Paul George’s immediate reaction to Terance Mann’s shocking Game 6”. ClutchPoints. 2021年6月18日閲覧。
  24. ^ クリッパーズのジョージ、ナゲッツのポーターJr.がシーズン最多3ポイント成功記録を樹立”. バスケットボールキング (2024年3月23日). 2024年3月24日閲覧。
  25. ^ Wells, Mike (2011年12月15日). “Pacers: George is still growing”. The Indianapolis Star. オリジナルの2012年1月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120108022047/http://www.indystar.com/article/20111215/SPORTS04/112150368/Pacers-George-still-growing 2012年1月1日閲覧。 
  26. ^ WHO'S BETTER: PAUL GEORGE OR JAMES HARDEN?”. Dime Magazine (2013年12月13日). 2014年4月24日閲覧。
  27. ^ Beecken, Ben (2013年12月28日). “How good is Paul George?”. Sports Illustrated. 2014年4月24日閲覧。
  28. ^ Golliver, Ben (2014年2月18日). “Grading the 2014 Slam Dunk Contest”. Sports Illustrated. 2014年4月24日閲覧。
  29. ^ 2013 NBA Player Rankings: 11–15”. ESPN.com (2013年10月18日). 2014年4月24日閲覧。
  30. ^ Lund, Spencer (2014年2月11日). “BRIAN SHAW CALLS PAUL GEORGE "THE BEST TWO-WAY PLAYER IN THE GAME"”. Dime Magazine. 2014年4月24日閲覧。

外部リンク 編集