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一般車

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鉄道における一般車編集

鉄道では優等車両以外の車両。すなわち特定の列車や種別(特に特急や急行といった優等列車)で使用することを目的としない車両、つまり普通列車への運用を主体とする車両のことである。転じて乗車券のみで乗車できる車両のことをこう呼ぶこともある。

日本の国鉄・JR編集

日本国有鉄道(国鉄)・JRでは一般形車両と呼ばれる。詳細は一般形車両 (鉄道)を参照。

私鉄編集

用途分類としての一般車編集

 
東武鉄道における優等列車用車両と一般車両との対比。
左から1800系、8000系、100系、200系、50050系
(東武ファンフェスタにて撮影)
 
京阪13000系
 
小田急2300形
元々は特急用として登場し、2度に亘って準特急用、一般車(通勤車)に格下げされた。

私鉄の車両については国鉄・JRのように事業者はもとより国土交通省日本民営鉄道協会でも明確な規程はしていないが、特定の列車や種別に供することを目的とした車両(特に団体列車用車両や優等列車専用車両)があり、そちらに分類されないその他の車両を表す意味で使われる場合がある。

説としては、「特急料金などを必要としない車両」に対して表現する場合と[1]、列車種別や接客設備によって車両を定義することがあり、特定の列車や種別(特に特急・急行列車等の有料列車や優等列車)などに専用で充てる車両があり、営業・運用上の区別が明確な場合、そのほかの列車(特に普通列車・各駅停車などの料金不要列車に用いる車両)に使用する車両のことを表現する場合があるが[2]、定義としては恣意的であり、実際には優等列車における料金徴収の有無や一般車両の分類は事業者ごとに異なり、その事業者が運営する線区の実情に合わせた車両が導入され、同類の区分に近い表現として特定の車種に分類されない車両(優等列車専用以外の車両)として解釈されており、便宜的にこの表現が使われているものとされる(一般用車両一般車一般車両とも呼ばれる)。また、私鉄には近郊形の概念が存在しないため[3]、JR東日本E231系以降の電車のような通勤形と近郊形の機能を兼ねるタイプの車両も事実上存在しないことから大手・準大手私鉄では単に通勤形車両そのものを指す場合もある。

近畿日本鉄道では特急用車両と団体用車両以外の車両(料金不要列車に充当される車両)を案内上一般車両と呼称しているが[4]、この場合は乗車券のみに乗車できる列車に使用する車両を意味する。ただし長距離急行列車を運行している大阪名古屋線系統においてはトイレの有無や接客設備の違いにより、長距離急行用とその他の一般列車用の区別はされている。

京阪電気鉄道では「京阪グリーン」と呼ばれるグリーン系統に塗装されたロングシート車両が一般車とされる[注 1]。1957年(昭和32年)から2008年(平成20年)までは上半分が若草色(ライトグリーン)で下半分が青緑色(ダークグリーン)であったが、2008年(平成20年)以降は上部が濃緑色(レストグリーン)、帯線が黄緑色(フレッシュグリーン)、下部が白色(アーバンホワイト)に変更されている[5]。なお、京阪ではロングシート車両をクラス3と位置付け、「シティ・コミューター」と呼称している[6]

優等列車用車両(特急および急行用車両)であった車両が優等列車(特急・急行列車等)の運用を離脱した場合、状態の良い車両は一般列車に転用される場合があり、この場合も一般車格下げ通勤車格下げ特急(急行)車格下げと称する場合がある。優等列車用車両はその性質上、快適性や速達性が重視され[7]、接客設備や性能は時代とともに変化するため10数年も使用すれば見劣りすることがあり、状態が良くても後継車両に比べて性能や接客設備に遜色のある車両は格下げの体制で一般車の水準向上(性能向上や冷房化、経年車両の置き換えなど)に充てることがある。かつては優等列車には10数年ごとに新車を投入し、捻出した車両は一般車に格下げする傾向があった。中には通勤形車両に近づける改造を受けた車両もあり、この種の改造では料金不要の優等列車を運行している西日本地域の私鉄で見受けられた。他にも本来の優等列車専用車両導入後に一般車両への格下げすることを前提とした車両もあり、この種の車両では小田急2300形京成3200形(開運号用)などが挙げられる。しかし近年(概ね2000年代以降)では一貫して優等列車で使用する方針に転換しつつあり、一般車への格下げは見られなくなりつつある。これとは別に車両そのものは用途を明確に定めていないが、登場間もない頃は優等列車で使用され、後継車両の増備や置き換えにつれて普通列車にも使用される車両もある。この種の例では6000系登場以前の名古屋鉄道の電車などが挙げられる。

一方、その他の私鉄では通勤形の概念が存在しないことから[8]、単に地方の地域普通列車輸送に供するための鉄道車両として解釈されている。三陸鉄道ではイベント用以外の車両を一般形車両と表現しており[9]。車両自体はJRの一般形気動車そのものであり、ここでも輸送量の差が大きく表れている。


座席区分としての一般車編集

   
名鉄2200系特別車
名鉄2200系一般車

名古屋鉄道では座席指定車両である特別車との対比で無料の自由席車両を特急用車両も含めて一般車と呼称している[注 2]。この場合には乗車券のみで乗車できる車両を意味するものであり、列車用途による車両区分ではなく、座席区分として使われているものである[10]。また、かつて運行していたJR直通特急「北アルプス」には有料の自由席車両が連結され、自由席といえばそれを意味するものであったため、それと区別する意味合いもある[11]

南海電気鉄道においても通勤形車両を一般車両と呼称している[12]。こちらも一部座席指定特急「サザン」を運行していることから座席指定車両との対比で使用されているものとされる。

日本国外において同様の呼称を用いる事例としては、韓国鉄道公社セマウル号における特室一般室がある。

道路交通における一般車編集

自動車においては旅客輸送に供されない自家用乗用車を指す。転じて乗用車において高級車との対比で大衆車のことをこう呼ぶこともある。

自転車の種類においては軽快車ことを指す。転じてスポーツ用と競技用以外の自転車のことをこう呼ぶこともある。

自動車ゲームにおける一般車編集

自動車ゲームにおいては、アザーカーと呼ばれ、プレイヤー以外の自動車のこと指す。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 接客設備からすれば通勤用車両そのものである。
  2. ^ 1999年5月まではそれぞれ指定席車、一般席車と呼称していた。

出典編集

  1. ^ 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』No.354 p. 17
  2. ^ PHP研究所『京阪電気鉄道のひみつ』p.113
  3. ^ 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』No.399 p.50
  4. ^ 近畿日本鉄道|鉄路の名優
  5. ^ 5月23日(金)、新カラーデザイン車両を初めて営業運転します (PDF) 2008年5月21日付 京阪電気鉄道ウェブサイト報道発表資料
  6. ^ 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』No.295 p. 29-30
  7. ^ PHP研究所 梅原淳『雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 特急列車のすべて』p. 78
  8. ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』No.889 p.49
  9. ^ 2014年夏~秋お座敷列車北三陸号運転のお知らせ - 三陸鉄道
  10. ^ 特別車、一般車とは何ですか? - 名古屋鉄道
  11. ^ JTBパブリッシング 徳田耕一『パノラマカー栄光の半世紀』p. 204
  12. ^ 現在の車両 - 鉄道博物館 - 南海電気鉄道