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京阪8000系電車(けいはん8000けいでんしゃ)は、1989年平成元年)に登場した京阪電気鉄道特急形車両で6代目特急専用車。愛称はエレガント・サルーン(ELEGANT SALOON)[注 1]

京阪8000系電車(0番台)
6号車を座席指定のプレミアムカーに改造した8000系 (2017年8月20日 牧野駅)
6号車を座席指定のプレミアムカーに改造した8000系
(2017年8月20日 牧野駅
基本情報
運用者 京阪電気鉄道
製造所 川崎重工業兵庫工場
製造年 1989年 - 1998年
製造数 10編成80両
主要諸元
編成 8両編成
(プレミアムカー改造中は7両)
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
全長 先頭車 18,900 mm
中間車 18,700 mm
全幅 2,780 mm
全高 4,155 mm
車体 アルミニウム合金
普通鋼(8800形)
台車 ダイレクトマウント空気ばね台車
電動車・ダブルデッカー車
川崎重工業KW-88・KW-88B 軸梁式
付随車
住友金属工業FS517D SUミンデン式
主電動機出力 175 kW
駆動方式 中空軸たわみ板継手平行カルダン方式
歯車比 5.25
編成出力 2,800 kW
制御方式 界磁位相制御
制動装置 回生ブレーキ優先全電気指令式電磁直通ブレーキ HRDA-1
保安装置 K-ATS(出町柳駅 - 淀駅間)
京阪型速度照査ATS
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登場直後の8000系(1990年1月 森小路駅)
8000系2階建て(ダブルデッカー)車両(2007年10月13日)
ダブルデッカー車階下席の車内(2014年7月6日)
新塗装に塗り替えられた8000系(2017年1月1日)
快速特急「洛楽」運用時の8000系(2012年5月4日 関目駅)

当初は鴨東線の開業時の特急用車両の増備分として投入されたが、その後も追加で投入されて初代3000系を置き換えていった。1997年(平成9年)から1998年(平成10年)にかけては2階建車両が製造、さらに2016年(平成28年)からは編成内の中間車1両が座席指定車(プレミアムカー)に改造され、各編成に組み込まれている。かつては、車内にテレビを設置した車両(テレビカー)も連結されていたが、後述の2011年の車内リニューアルの際にテレビは撤去された。

2008年には、8両のみ残っていた初代3000系が8000系に編入されて30番台となったが、本項では、製造当初より8000系として落成した0番台について記述し、出町柳方先頭車の車両番号+F(Formation=編成の略)を編成名として表記する。

目次

投入の経緯編集

京阪の特急専用車両としては6代目である[注 2]。当初、本系列は、1989年(平成元年)の鴨東線開業に伴う特急用車両の所要本数の増加分と、3000系に存在していた6両編成を7両編成に統一するために必要となった中間車のみを投入する計画で、まず7両編成1本と中間車5両が製造された。3000系に組み込む中間車の車両番号が、製造順ではなく8552・8554・8564・8566・8568とされたのは、組み込み先の3000系の車両番号に合わせていたためである。

運用が開始されると、特急停車駅で新型車両に乗車するために待つ乗客が非常に多くなったことから、当時の会社首脳陣が3000系の総置き換えを推進したという逸話が残っている[注 3]。その後、この計画は変更されて3000系は1編成のみ残され、1995年平成7年)にはリニューアル工事とともに2階建車両(ダブルデッカー)が改造で組み込まれた[注 4]

新造が進んで順次3000系を置き換えていき、1993年(平成5年)には本系列は7両編成10本(70両)となった。3000系に組み込まれていた8000系中間車は、新造された8000系に組み込まれている。そして、先に3000系で試験的に組み込まれていた2階建車両(8800形ダブルデッカー)を本系列にも増結することになり、1997年(平成9年)から1998年(平成10年)にかけて、1年で5両ずつ、計10両が新製され、後述のテレビカーの次位、出町柳方から4両目(淀屋橋方から5両目)に順次組み込まれ、8両編成10本(80両)となっている。

製造編集

鴨東線延伸と3000系6両編成の7両化を目的に8001F 7両と増結用中間車 5両を製造。

←京都                          大阪→
形式 8000 8100 8500 8750 8550 8150 8050 竣工
Mc M T T T M Mc
車両番号 8001 8101 8501 8751 8551 8151 8051 1989年8月
形式 8550 竣工
T
車両番号 8552 1989年9月
8554
8564
8566
8568

8002F-8006Fは6両編成で落成。残り1両は3000系に組み込まれていた増結用中間車を一部改番の上、編入。

←京都                      大阪→
形式 8000 8100 8500 8750 8150 8050 竣工
Mc M T T M Mc
車両番号 8002 8102 8502 8752 8152 8052 1990年9月
8003 8103 8503 8753 8153 8053 1990年10月
8004 8104 8504 8754 8154 8054 1990年12月
8005 8105 8505 8755 8155 8055 1991年6月
8006 8106 8506 8756 8156 8056 1991年7月

8552→8002Fに編入

8554→8004Fに編入

8564→8556に改番の上、8006Fに編入

8566→8555に改番の上、8005Fに編入

8568→8553に改番の上、8003Fに編入


8007F-8010Fは8001Fと同様に7両編成で落成。

←京都                          大阪→
形式 8000 8100 8500 8750 8550 8150 8050 竣工
Mc M T T T M Mc
車両番号 8007 8107 8507 8757 8557 8157 8057 1992年7月
8008 8108 8508 8758 8558 8158 8058 1992年8月
8009 8109 8509 8759 8559 8159 8059 1993年7月
8010 8110 8510 8760 8560 8160 8060 1993年8月

ダブルデッカー車 10両が落成。各編成の8500形と8750形の間に組み込み、8両化。

形式 8800 竣工
T
車両番号 8801 1997年9月
8802
8803
8804
8805
8806 1998年4月
8807
8808
8809
8810

8両編成化後編集

  • 2004年(平成16年)6月30日:8009Fに「海老蔵号」ラッピングされ貸切運転(天満橋駅から香里園駅へ)。
  • 2005年(平成17年)
    • 1月15日:8008Fが義経号ラッピング車として運行開始、同年11月16日まで運行。
    • 2月2日:8009Fが静号ラッピング車として運行開始、同年12月18日まで運行。
    • 2月3日:8006Fが弁慶号ラッピング車として運行開始、同年12月20日まで運行。
    • 4月1日:8005FがKUZUHA MALL号ラッピング車として運行開始、2006年5月28日まで運行。
  • 2006年(平成18年)10月6日:8750形のブラウン管テレビを液晶32型テレビへ更新開始[注 5]。併せて「地上デジタル放送の受信」に切り替えられたためにBSアンテナの撤去が開始される。
  • 2008年(平成20年)
    • 6月27日:1本のみ残っていた3000系が本系列に編入(改番)され、30番台に付番される[1]
    • 6月28日:8008Fが本系列で初めて新塗色化。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月5日:8005Fが新塗色化。8805のみ内装の意匠も変更。
    • 4月1日:公衆電話ルームの使用を中止。その後順次撤去され、座席が増設された[2]
  • 2010年(平成22年)
    • 3月19日:8010Fが新塗色化。併せて初めての車内リニューアル、テレビカー廃止(以下、リニューアルの項目を参照)。28日に一般営業運転に入った。
    • 9月1日:9月30日までの期間限定で8000系全編成に京阪特急60周年「記念ヘッドマーク」を掲出[3]
    • 9月2日:この日限りで8001Fがリニューアルのため入場し、8000系0番台の旧塗装編成が消滅。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月1日:8001Fが新塗装化され[注 6]、全編成の新塗装化が完了。
  • 2012年(平成24年)
    • 7月:8000系0番台のリニューアル全編成完了、0番台からはテレビカー全廃[4]
  • 2016年(平成28年)
    • 3月:同年2月24日に発生した「酒に酔った男性が階段から転落した際に着席していた女性に激突し、女性は首を骨折した上に退院後も手足に麻痺が残るという重傷を負った事故」を受けダブルデッカー車の各階段下の補助椅子が撤去された。
    • 9月:京阪特急プレミアムカー導入に伴う車両改造で8001F - 8005Fの5編成が7両化された。
  • 2017年(平成29年)
    • 2月:京阪特急プレミアムカー導入に伴う車両改造で8006F - 8010Fの5編成が7両化され、全ての8000系が7両編成となった。
    • 8月20日:プレミアムカーの運用を開始。8006F・8009Fを除く全編成が8550形を改造したプレミアムカーを組み込み8両編成に復帰。
  • 2018年 (平成30年)
    • 3月:8006Fの行先表示器を幕式からLED式に改造し、MGはSIVに換装。

車体・機器編集

構体は6000系と同様にアルミ合金大型押出型材を使用した。ただし、後に製造された2階建車両(8800形)は普通鋼製車体である。メーカーは川崎重工業兵庫工場である。

主電動機東洋電機製造直流複巻式TDK-8161A(175kW×4)である。

駆動方式は中空軸たわみ板継手平行カルダンが採用された。

制御装置は東洋製のACRF-H8175-792A界磁位相制御[注 7]回生ブレーキおよび定速制御機能付きである。定速制御は時速45km以上であれば任意に設定が可能である。また、定速制御操作を容易にするために京阪で初めて[注 8]主幹制御器(マスコン)をワンハンドル式とした。そのため、営業開始前の1989年8月から10月にかけて昼間に寝屋川車庫 - 天満橋駅間で京阪線に所属するすべての運転士を対象に訓練運転が行われた。ワンハンドルマスコンは、ノッチは力行側がOff/1/2/-:減速/N:定速/+:加速、ブレーキ側はB1/B2/B3/B4/B5/B6/B7/キー抜取/非常ブレーキである。ただし、定速制御という特殊な目的のため、本系列(0番台)と更新後の30番台以外の一般車両に関してはマスコンハンドルとブレーキ設定器を分離したツーハンドル式が引き続き採用されている[注 9]

ブレーキはHRDA-1 回生ブレーキ優先電気指令式ブレーキである。付随車空気ブレーキを効かせないで[注 10]付随車の運動エネルギーまでも回生ブレーキで電気に換える遅れ込め制御を採用している[注 11]。これには空気ブレーキ時に車輪に押し当てる制輪子が摩耗するのを減らすなどのメリットもある。

台車は、動力車が軸梁式KW-88(川崎重工製)、付随車がSUミンデン式FS-517C(住友金属工業(現・新日鐵住金→日本製鉄)製)であったが、1993年以降、FS-517C台車を新造された6000系・7200系9000系の付随車へ振り替え、FS-517Dに交換している。

床下の継電器箱は東芝製である。

編成編集

京阪の特急専用車としては初めて新造当初からの固定編成形式である[注 12]

号車 1 2 3 4 5 6 7 8
動力車・付随車の別 Mc1 M2 T2 TD T3 T M1 Mc2
番号 8000 8100 8500 8800 8750 8550 8150 8050

1号車が出町柳側である。

車内編集

本系列は、初代3000系のイメージを残しつつ、より近代的にアレンジされている。例えば、大きな客室窓(熱線吸収ガラス)の日除けには無機質なロール式カーテンではなく横引きカーテンが取り付けられている。また、運転席の遮光幕は運転席の後部のみ、運転席スイッチで自動で昇降する[注 13]。ただし、客室から運転室へのドア部の遮光幕は運転士が手で閉める。遮光幕は、登場時は客室寄りが黒、運転室寄りが緑色となっていたが、今では両方とも灰色である。

自動音声放送編集

自動放送装置を搭載している。2008年10月19日中之島線開業に伴うダイヤ改正時より優等列車において使用しており、英語アナウンスによる情報提供も実施している。ただし、次駅での接続列車などについては肉声で案内される。また、扉開時の案内も7200系以降の車両と同様に従来より少し低いトーンの自動放送である(これに合わせて戸閉予告ブザー音も30番台を含めて同じく7200系以降のものに変更されている)。

2003年9月6日のダイヤ改正以前にも男声(大伴英嗣)による自動放送を使用していたが、この改正により特急の停車駅が増加したため装置のROM容量の限界を超えてしまい、新装置への交換には費用がかかるとのことでその使用を停止し車掌の肉声による案内放送を行っていた[注 14]。なお、朝方に運転される列車では、出だしの「京阪電車をご利用下さいまして、ありがとうございます。」が「おはようございます。」に差し替えられる。さらに、補助椅子を使用している場合は扉が開く前の放送「左(右)側の扉をあけます。ご注意ください」の後、「なお、出入口が混雑致しますので、補助いすをご使用のお客さまは、一度、お立ちくださいますようお願いいたします」という放送が流れる。

座席編集

座席は転換クロスシート[注 15]である。初代3000系とは異なり、車端部や扉横を含めたすべての座席の転換が可能になっている(ただし、2階建車両の一部座席は固定式)。平屋車両はバケットタイプの転換クロスシートで、登場時は座席表地はブラウン系とピンク系の2色があり、ダブルデッカーを除いて1両おきに色が異なっていた。編成によってパターンが異なり、両先頭車がブラウン系の編成とピンク色の編成の両方があった。また、当初は段モケットで、独特の座り心地であったが後に順次段のない表地に変更された。ただし、初期車は後述のリニューアルで新モケットに張り替えられるまで登場時のままであった。ダブルデッカーの8800形は背もたれの上部が直角になるシートで、青系の色であった。2008年以降に塗装変更された車両はシート表地が全車黒色・枕カバーが赤(優先座席はオレンジ)に変更された。全車空気圧による自動転換装置を備えており、ターミナル駅で一斉に座席の向きを変える光景が見られる。

補助椅子編集

この他に、一般車(テレビカーを含む)は各ドア付近、ダブルデッカー車は各ドア付近(階段とドアが接する部分を除く)と1階席の各階段下に補助椅子が設置された。補助椅子にはロック機構が付いており、通常上りは京橋駅以降、下りは中書島駅以降でのみ使用できる。なお、ダブルデッカー車の階下席の補助いすのみロック装置がなく、全区間・全種別・終日使用できたが、2016年2月24日、酒に酔った男性が階段から転落した際に着席していた女性に激突し、女性は首を骨折した上に退院後も手足に麻痺が残るという重傷を負った事故が起きたことを受け、2016年3月ごろに撤去された[5]。補助椅子がロックされている間は「ただ今補助いすは使えません」の表示が出る。通常は使用可能区間に入るとロックが開錠されその旨の車内放送がある。混雑が予想される場合は開錠されず、車掌の肉声でその旨が車内放送される。なお、混雑が解消されれば、途中駅からでもロックが開錠され、この場合でも補助椅子使用可の旨を告げる自動放送がある。なお、特急・快速特急以外の種別で運用される場合は、補助椅子は使用できない。

新塗色への変更に伴い、他の座席と同様の表地に交換された。

初代3000系(後の8000系30番台)では1箇所につき1人掛けを2席設置していたが、本系列では2人掛けの横長一体型に変更されている。ただし、撤去された階下席の階段下は1人掛けであった。なお、2階席には元から補助椅子は設けられていない。

車内広告編集

京阪特急の伝統にならい、車内には一切広告が掲出されない[注 16]。連結面側の壁には沿線の名所・旧跡の絵画が飾られている。

テレビカー編集

 
8750形に設置の液晶テレビ(画像モザイク処理済み)。
  • 就役開始から2012年6月まで、8750形[注 17]は、京阪特急の伝統である「テレビカー」として、車内にテレビが設置されていた。
  • テレビ受像機の更新時期を迎えた車両から、登場時の21型ブラウン管テレビから32インチ液晶ハイビジョンテレビに順次取り替えられ、2007年7月までに完了した。
    • 液晶ハイビジョンテレビに取り替えられた編成は、屋根上に地上デジタル放送ダイバーシティ式の無指向性・広帯域UHFポールアンテナが2本設置されている[注 18]
    • 地上デジタルを受信できることにより、以前より美しく、途切れにくい映像とともに、一部の番組では本来聴覚障害者向けの日本語字幕を表示することが可能となり、スピーカーのスイッチ[注 19]が入っていなくてもより楽しく番組を視聴できるようになった。
    • 以前は屋根上に2方向に向けたVHFアンテナに加え、走行中に方向が随時変化することに対応できる、自動追尾機能を持ったBSアナログアンテナを搭載しており、衛星放送も受信することができた[注 20]。しかし、機器の老朽化に伴い、地上デジタル放送受信設備に更新した車両から順次撤去された。
  • テレビは出町柳方車端部上部に1台のみ設置されているため、テレビカーは終点で座席を次の進行方向に自動転換させず、常に出町柳方向を向いていた[注 21]
  • 2011年7月24日正午までは、地下区間に漏洩同軸ケーブルを敷設しているため、地下に入って映像が途切れることはなかった。しかし、地下区間で受信できたのは従来の地上アナログ放送であったため、アナログ放送停波後は地下区間でのテレビ放送は行われなくなった。
  • 通常はNHK大阪総合にチャンネルが合わせられていることが多かったが、在阪民放局スポーツ中継ニュース番組などを放映することもあった。また在阪民放局の一般番組もまれに放映されることがあった。
  • テレビが視聴しやすいように、テレビ付近の室内灯はテレビの電源が入ると自動的に消灯する仕様であった。
  • テレビ設置箇所の隣にはカード専用公衆電話ルームが設置されていた。なお、送受信はテレビ・鉄道無線・公衆電話とも空間波方式だが、公衆電話の送受信には漏洩同軸ケーブルの設備が対応していないため、送受信アンテナのある地下駅構内進入時を除いて地下区間内では使用できなかった[注 22]。2009年4月1日より公衆電話ルームは使用を中止し、順次撤去された[2]。撤去後は座席が増設された。
  • 特急以外での運用時はテレビは使用停止となっていた。
  • テレビ音声は各座席の壁に埋め込まれたスピーカーから流れる。このスピーカーにはスイッチが付いており、乗客の好みで音声を切ることが可能である[注 23]。スイッチ付きのスピーカーは3000系でも採用されていた装備である。なお、本系列新造当初はスイッチ付きのスピーカーは採用されず、テレビ音声は天井のスピーカーから車両全体に流していたが、後に3000系と同様のスイッチ付きスピーカーに変更された。なお、テレビ付近の座席[注 24]にはスピーカーはなく、テレビから直接音声が流れる。
  • 改良工事にあわせて順次撤去を進め、2011年度に全廃されることが発表された[6]が、全廃は2012年7月にずれ込んだ。

リニューアル編集

最初の編成が落成してから20年が経過することからリニューアルされることが発表された。なお、8000系に編入された旧3000系については、リニューアルの対象外となり[6]、施工されないまま2013年3月末のさよなら運転をもって営業運行を終了した。

内装の更新編集

 
リニューアル車に取り付けられたLCD
 
リニューアル編成の車端部ロングシート(優先席)の様子

座席モケットの張替え[注 25]や、車端部(運転席後部を除く)のハイバックロングシート[注 26]つり革の設置などが施工され、バリアフリー対策として車椅子スペース3000系(2代)に準じたLCD車内案内表示器が設置された。ロングシート部分の背もたれはクロスシート部分と同等以上の高さを確保しており、1区画ごとにヘッドレストを設けて区切るなど、通勤用車両のロングシートとの差別化が図られている。ロングシート化された部分のカーテンも従来通り横引き式である。また、テレビカーに設置されているテレビ受像機公衆電話も同時に撤去されることになった[注 27]。なお、リニューアルにより撤去された座席は伊賀鉄道200系(旧東急電鉄1000系)の2011年度分導入の車両に転用されている。

また、車内妻面に掲出される車両番号・落成年次・製造メーカー(川崎重工業の英語略称「Kawasaki」)・禁煙ピクトグラム・号車番号表示は、新3000系同様に1枚のシールにまとめている。

リニューアル編成1本目となる8010Fは2010年3月28日から営業運転に復帰した[7](前日の27日は展示会と臨時特急で運用)。

新塗色化編集

本系列の従来の車体塗色は、上が黄色、下が赤色のツートンカラーであったが、2010年までにすべての編成の塗色が変更されることとなり[8]2008年6月28日に第1陣となる8008Fが出場した[注 28]。主な内容は次の通りである。

  • 上下を逆転させ、上が赤色、下が黄色となり、間に金色の帯を入れた。
  • 車両番号表記書体の変更。
  • 2階建車の車体に飾られていた時代祭行列のラッピングが廃止され、車体中央に「ELEGANT SALOON」のロゴが記載された。また、「テレビカー」のロゴも左に四角囲みで「TV」、右下に「テレビカー」のロゴに変更された。
  • 座席表地なども変更されている(8005Fの2階建車のみ、座席が3000系に似たものに変更された)。貫通扉の上の空白部分には、「ELEGANT SALOON 8000 SERIES DOUBLE DECKER」の文字が小さく記載されている。その部分と貫通扉は、黄色で半円を、残りは黒で塗色されている。先に新塗色に変更された8008F・8006F・8009Fでは、このような更新はされていない。8005F以降に塗色変更された8002F・8003Fは2階建車のリニューアルは施工されずに出場した。
  • トップナンバーの8001Fのみ、在来塗色のまま車両番号ならびにKマーク、側面社紋のステッカー化を行っていたが、2010年9月2日夜の普通萱島行きでの運用を最後に在来塗色での運用を終えた[3]。2011年3月1日をもって8001Fもリニューアル工事を受け、当系列(30番台を除く)の新塗色化は完了した。

新塗装化実施日編集

  • 2008年6月30日:8008F(併せて座席モケット更新、2011年5月21日に車内リニューアル・テレビ撤去施工)
  • 2008年9月29日:8006F(併せて座席モケット更新)
  • 2008年11月18日:8009F(併せて座席モケット更新)
  • 2009年2月12日:8005F(併せて座席モケット更新、2階建車は試作的要素を兼ねた車内内装簡易リニューアル施工)
  • 2009年7月1日:8002F(併せて座席モケット更新)
  • 2009年9月30日:8003F(併せて座席モケット更新)
  • 2010年3月19日:8010F(同時に車内リニューアル・テレビ撤去施工)
  • 2010年7月7日:8004F(同時に車内リニューアル・テレビ撤去施工)
  • 2010年12月28日:8007F(同時に車内リニューアル・テレビ撤去施工)
  • 2011年3月1日:8001F(同時に車内リニューアル・テレビ撤去施工)

(テレビは2012年7月までに全車両撤去済み)

プレミアムカー編集

2015年9月30日、京阪は2017年を目処に本系列の6号車(8550形)を大規模改造し、有料の指定席車を導入すると発表した[9]。 2016年9月1日には、仮称であった座席指定車両の名称が「プレミアムカー」に決定したことを発表した[10]

2017年8月20日より運用を開始。早朝深夜の一部の当系列による急行運用でも座席指定の上で客扱いを行っている。8月21日からは全車座席指定の優等種別「ライナー」にも充当されている。

指定席導入に伴い、ドア横に号車番号数字と編成中の号車位置(例:川側8号車、山側1号車であれば□□□□□□□⬛)の表示が描かれた。

その他の改造工事編集

2014年から前照灯のLED電球への交換が開始され、8000系は全編成の交換が完了した[11]

2018年3月に8006Fの行先表示器を幕式からLED式に改造、MGはSIVに換装された。

運用編集

本系列が運用されるのは、主に特急快速特急(2008年10月17日まではK特急)・ライナー運用のうち、駅に掲出されている時刻表で2扉車を表す「II」の表示のある列車である。

  • 平日朝ラッシュ時、おおむね7時20分から8時50分までの間に枚方市駅を出発する下り特急は特に混雑が激しいため3扉車での運用に振り替えられ、この時間帯および折り返し運用に当たる列車においては本系列は30番台も含めてすべての運用から外れる。ラッシュ時から日中ダイヤへ切り替わる際、入・出庫を兼ねた急行の運用も存在していたこともあった。なお、快速特急・特急以外の運用時や回送試運転時は前面の鳩マークの部分(幕式)は無表示に切り替える。
    • 2008年10月18日までは、平日9時から10時台に運転される急行のうち淀屋橋駅 - 出町柳駅間の上り1本と淀屋橋駅 - 枚方市駅間の上り1本・下り3本の急行に充当されており、折り返し時に6000系または7200系で運転される特急と入れ替える運用が組まれていた。また、ダイヤパターンが変わる際(特急10分ヘッド→15分ヘッドなど)にも折り返し時で特急から急行に入れ替わる運用もあった。早朝と深夜には入・出庫を兼ねて出町柳駅 - 淀駅寝屋川市駅間の急行に充当されていた。
    • 2008年10月19日のダイヤ改定以降は、下り早朝の他に平日ダイヤの夕方2本と22時台の3本が寝屋川車庫への入庫を兼ねて萱島行きの普通または区間急行として運用される他、土曜・休日ダイヤの上り早朝5時から6時台に淀屋橋駅を発車する急行が折り返し出町柳発特急の送り込み運用となるためすべて本系列での運転であった。
    • 2008年11月22日から11月30日までの土曜・休日に臨時特急「もみじEXPRESS」が本系列を使用して運転された。ここでは中之島駅 - 出町柳駅間の運転となったため、通常中之島線に入線しない本系列が同線を初めて走行した。この時点で8009Fは新塗色に変更され、この運用には当時新塗色に変更された3編成すべてが充当された。
    • 2009年9月14日より、平日に限り間合い運用で中之島線の下りは区間急行、上りは普通列車として1往復する運用が定期で設定された(往復とも萱島発着)。8000系の営業列車での同線入線は臨時列車を除いては初めて。2011年より増加するも2018年2月25日のダイヤ改正で中之島線運用は廃止され、現在は試運転で入線するのみとなっている。
    • 2011年5月28日より、夜間に運転される一部の下り快速急行にも充当されることになった。また送り込み運用となる萱島行き普通は深夜1本を除いて取り止められ、夕ラッシュ時の特急運用にも就くこととなった。
    • 2014年からスタートした春秋の特別ダイヤでは、朝9時から11時までの淀屋橋発の上り快速特急「洛楽」出町柳行きと夕方の出町柳発の下り快速特急の淀屋橋では、定期点検や車両の都合などを除いて、全列車が8000系で運転されていた。なお、特別ダイヤが始まる前の臨時快速特急の運用にも8000系が使用されていた[注 29]
  • 2017年8月20日のダイヤ改定からプレミアムカーが連結されたことにより、中之島線への入線や入出庫を兼ねた準急・区間急行・普通列車としての運用を廃止し、ライナー・特急・ごく一部の急行にのみ充当されるようになった[注 30]
  • 現在では原則として新3000系で運用されている快速特急「洛楽」は、秋の観光シーズンや年末年始期など多客期には当系列による運用に差し替えられる。
  • 2018年9月15日のダイヤ改定より、新3000系で運用されている快速特急「洛楽」の定期列車について、1年半ぶりに土休日に限り本系列に戻されることになった一方、快速特急「洛楽」(土休日)・特急・ライナー(平日)以外の本系列の運用(通勤快急以下の各種別での運用)は廃止されることになった。1997年以来、21年ぶりに車両基地への出入庫は全て回送列車のみとなる。

組成表編集

←出町柳・私市・宇治                            淀屋橋・中ノ島→
形式 8000形 8100形 8500形 8800形 8750形 8550形 8150形 8050形 リニューアル 行先LED化 備考
区分 Mc M T T T T M Mc
車両番号 8001 8101 8501 8801 8751 8551 8151 8051 2011年2月
8002 8102 8502 8802 8752 8552 8152 8052 2012年8月
8003 8103 8503 8803 8753 8553 8153 8053 2012年11月
8004 8104 8504 8804 8754 8554 8154 8054 2010年7月
8005 8105 8505 8805 8755 8555 8155 8055 2012年5月
8006 8106 8506 8806 8756 8556 8156 8056 2011年10月
8007 8107 8507 8807 8757 8557 8157 8057 2010年12月
8008 8108 8508 8808 8758 8558 8158 8058 2011年5月
8009 8109 8509 8809 8759 8559 8159 8059 2012年1月
8010 8110 8510 8810 8760 8560 8160 8060 2010年3月

ラッピング編集

  • 2005年にNHK大河ドラマ義経』のPRとして8006Fが「弁慶」として2月3日から12月20日まで、8008Fが「義経」として1月15日から11月16日まで、8009Fが「」として2月2日から12月18日まで、各人物をイメージしたラッピングを施して運行された。また、番組のPRも兼ねて1月15日から12月25日までの土曜・休日に淀屋橋9:00・9:30・10:00発の3本の特急が「鞍馬連絡特急」として運転され、これらの3編成は上記時間帯に特急に用いられる運用を中心に充当されていた。
  • 2005年4月から2006年5月下旬にかけて8005FにKUZUHA MALLのラッピングが施された。
  • 2014年12月から2016年3月まで8010Fに『きかんしゃトーマス』のラッピングが施された。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 旧愛称は「エレガン都エクスプレス」
  2. ^ 1900系の元1810系編入車を除けば5代目、元3000系編入車である8000系30番台車を本系列として扱うと4代目となる。
  3. ^ 当時の広報誌で「5カ年計画として、すべての特急を8000系に置き換えていきます。」と発表し、1991年末の駅掲示ポスター(自社広告)では「年末には2本に1本の特急が8000系となります。」と宣伝されていた。
  4. ^ 詳細は「京阪3000系電車 (初代)#車体改修工事・固定編成化」を参照。
  5. ^ 2007年7月20日までに全車の更新を完了。
  6. ^ 併せて車内リニューアル、テレビ撤去も実施された。
  7. ^ 同時期に登場した7000系ではVVVFインバータ制御が採用された。
  8. ^ 関西圏の鉄道会社における採用は阪急電鉄に続く2例目である。
  9. ^ 7200系以降の車両では、1980年代後半以降に関西地区で新規導入された鉄道車両で多数採用されている横軸ツインレバー式となっている。
  10. ^ 回生失効に備えるために少しだけ効かせてある。
  11. ^ 回生ブレーキの制動力が不足している時は空気ブレーキで補う。
  12. ^ 編成が長い、先頭車両の貫通扉は増解結を考慮していない、管理・運用が編成単位。
  13. ^ 8001Fはデビュー時は自動ではなかったが、1991年に自動に変更された。
  14. ^ かつては「左(右)側のドアがひらきます。ご注意ください」と男声でアナウンスされていたが、その後女声で「左(右)側の扉をあけます。ご注意ください」とアナウンスされるようになった。
  15. ^ 扉間の配列は一般車(テレビカーを含む)が9列、2階建車両は1階席が7列(ただし、階段や下記の補助いすの位置の関係で1列分座席配列がずれている)、2階席が8列、車端部(ダブルデッカー車の平屋部を含む)は3列(運転台の後ろは2列)。車椅子スペースのある車両は淀屋橋方の山側の車端部の座席が1つ(2人分)少ない(8009F・8010F以外はダブルデッカー車のみ車椅子スペースがある)。
  16. ^ パンフレットには「車内広告は、一切なし。」の記述がある。
  17. ^ 7両編成時代は4号車、8両編成化後は5号車(出町柳方から5両目、淀屋橋方から4両目)。
  18. ^ 過渡期にはブラウン管テレビのまま地上デジタル放送用チューナーを取り付けた車両もあった。
  19. ^ 各座席の窓側にある。
  20. ^ ただし、区間によっては電波が遮られる地点も多かった。
  21. ^ ただし、テレビ視聴時間帯以外。また、手動での座席の淀屋橋方向への転換は可能。
  22. ^ 旧自動放送ではこのことについても説明していた。
  23. ^ とくに淀屋橋行きの場合、テレビを視聴するには進行方向と逆に着席することになるため、テレビを視聴せずに前向きに座る乗客が多いからである。
  24. ^ 車端部のドアとテレビの間の3列。
  25. ^ クロスシートの座席配置は2+2列のままである。
  26. ^ 歴代の特急車(一般車と兼用の車両は除く)の中では1900系以来のセミクロスシート車となった。
  27. ^ 携帯電話スマートフォン)やモバイル機器の普及に伴い、車内でのテレビ放送やカード式公衆電話の設置の必要性が薄れたためである。
  28. ^ 運転開始は6月30日から。
  29. ^ 8000系30番台(旧3000系)も2013年3月に営業運行を終了するまでは使用されていた。
  30. ^ 急行運用は、平日朝の寝屋川市発出町柳行き、土休日朝の淀屋橋発出町柳行き、土休日夜の出町柳発淀行き各1本のみである。

出典編集

  1. ^ 「現行の塗色 - 京阪電鉄の新塗色と中之島線用3000系フォトギャラリー」 asahi.com(朝日新聞社)による。 実際の運用開始は6月28日から。
  2. ^ a b 『8000系車内電話機の利用を中止します』 K PRESS 3月号「くらしのなかの京阪」より。
  3. ^ a b 京阪特急が運転開始して60周年を迎えます! (PDF) 2010年8月23日 京阪電気鉄道 報道発表資料
  4. ^ 京阪テレビカー引退へ 来春記念グッズなど販売 - 京都新聞(2012年7月13日)
  5. ^ 京阪事故 車両構造に問題、被害女性が提訴 大阪地裁 - 毎日新聞(ニュースサイト)毎日新聞社)、2017年11月6日、12時10分配信。
  6. ^ a b 〜京阪特急新時代〜8000系特急用車両が、より豪華に、より機能的に、生まれ変わります (PDF) 2009年3月24日、京阪電気鉄道
  7. ^ 開業100周年を迎え新しく生まれ変わった「8000系特急用車両」の一般営業運転を3月28日(日)から開始します! (PDF)
  8. ^ 京阪グループ新世紀に向けたブランドコンセプトに基づき京阪線車両のカラーデザインを一新します (PDF) 2008年4月15日、京阪電気鉄道
  9. ^ 京阪特急の次代を拓く 2017(平成29)年、「(仮称)京阪特急プレミアムカー」を導入! (PDF)
  10. ^ 座席指定の特急車両「プレミアムカー」のデザインが決定! (PDF) - 京阪電気鉄道
  11. ^ 清水祥史 『京阪電車』 JTBパブリッシング、2017年、145頁。

関連項目編集

外部リンク編集