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劇場版美少女戦士セーラームーンR

概要編集

シリーズ初の劇場化作品。配収13億円、94年邦画配給収入第7位[2]

映画化の話は、平成5年(1993年)の年明け間もないころからあったが、女児向けの映画が本当にヒットするのかという興行的な不安から、東映が映画化をためらっていた。結局「正月映画にふさわしい劇映画が見当たらず、利益率の高いアニメで勝負した」(当時の東映常務・鈴木常承の話)[3]ということで制作に入ったのは8月からで、制作スケジュールはとても短いものだった[4]が、公開すると配収13億円の大ヒットでその後のシリーズの映画化への道筋をつけた。

物語のクライマックス、挿入歌『Moon Revenge』が映画を効果的に盛り上げている[5]。歌詞は二番目の前半でそれぞれのキャラクターの声を担当した声優がソロで歌う構成だが、映画中、それぞれのキャラクターの回想と歌のソロパートがシンクロし、スペクタクルシーンと共に絶妙なタイミングで編集されている[6]。クライマックスはミュージカルのようにしたいという監督の幾原とプロデューサーの東の提案[7]で、セーラームーン・ミュージカルで音楽を担当していた作詞・冬杜花代子、作曲・小坂明子によるコンビが作詞・作曲を担当した。そのため、クライマックスはミュージカル映画のようでもあり、幾原の持ち味が強く出ているが[8]、それは東が、制作当初から幾原の個性を全面に押し立てた作品にしたいと考えていたからである[9]。挿入歌「Moon Revenge」は『美少女戦士セーラームーンCrystal』オープニングテーマ収録のももいろクローバーZのシングル『MOON PRIDE』にも、ももいろクローバーZが歌うアレンジバージョンとして収録された。

公開当時、メイン客層である子供たちだけではなく同伴した多くの大人をも涙させた作品[10]である。

テレビシリーズを支えていた作画監督(伊藤郁子長谷川眞也香川久)たちと、そうそうたる顔ぶれのアニメーター陣(新井浩一・須賀重行・濱洲英喜山内則康など[11])が作画(原画)に参加している。作画監督の只野和子は「セーラームーンのエキスをギュッと集めた集大成」と語っている[12]。全ての必殺技シーンを長谷川眞也が作画担当している[13]

本作に感動した庵野秀明は映画館で3度観た[14]緒方恵美[15]が本作で衛の少年時代の声を担当していて、映画のビデオを貞本義行に見せて、準備中だった「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジの声は緒方しかないと力説した[16]

セーラームーンの映画すべてを収録した「美少女戦士セーラームーン THE MOVIE DVD-BOX」は2002年3月21日発売、単巻は2004年12月10日発売。単巻はステレオ/モノラルの状態に加えて、登場人物のセリフなし、BGMと挿入歌と効果音のみが収録された音声状態を選択できる。

時列的にはちびうさがセーラー戦士の正体を知っていることや、うさぎと衛の関係が修復していることから第77話から第82話までの間の出来事だと推測できる。

本作のメインゲスト声優として、『R』テレビアニメ版のアニメオリジナルストーリーである「魔界樹編」で、銀河星十郎(エイル)を演じた緑川光がフィオレ役で、銀河夏美(アン)を演じた冬馬由美がキセニアン役で出演。

セーラームーン25周年を記念し、主人公である月野うさぎの誕生日・6月30日に劇場版『美少女戦士セーラームーン R』HDリマスター版の初の発声可能応援上映イベントが開催されている[17]

ストーリー編集

うさぎ達の前に突然現れた、謎の異星人フィオレ。彼は子供の頃の衛と友人であった。衛との友情のために花を持って来たと言うフィオレだったが、彼の心は悪魔の花キセニアンによって支配されていた。弱い心に取り付き、取り付いた人間を支配し、憎しみを爆発させるキセニアンはフィオレを憎悪に駆り立てて地球を滅ぼそうと企んでいた。キセニアンに心を支配され、地球人を滅ぼすと言うフィオレには衛の言葉も届かない。しかも彼はセーラームーンのことを衛を騙している者として憎み、その命を狙う。やがて衛はフィオレの攻撃からセーラームーンを庇って深手を負い、フィオレに拉致され、いずこかへ攫われてしまった。その頃、地球に一個の小惑星が接近しつつあった。実はそれこそがキセニアンの本拠地であり、彼らは地球上の人間のエナジーを奪い尽くそうと考えていたのだ。セーラー戦士達は彼の野望を阻止すべく、その小惑星に向かう。

登場人物編集

セーラー戦士編集

月野うさぎ
- 三石琴乃
地場衛
声 - 古谷徹/緒方恵美(少年時代)
火野レイ
声 - 富沢美智恵
水野亜美
声 - 久川綾
木野まこと
声 - 篠原恵美
愛野美奈子
声 - 深見梨加
ルナ
声 - 潘恵子
アルテミス
声 - 高戸靖広
ちびうさ
声 - 荒木香恵

敵キャラクター編集

キセニアン以外はスーパーファミコン作品『美少女戦士セーラームーン Another Story』にも敵として登場する。ただし、フィオレのみはイベント専用キャラクターである。

フィオレ
声 - 緑川光/丸尾知子(少年時代)
衛の幼馴染だったが、キセニアンに取りつかれて敵対することになる。テレビアニメ版『R』前半の「魔界樹編」に登場するエイルと風貌が似ているが、無関係の別人。
キセニアン
声 - 冬馬由美
本作の黒幕。宇宙の伝説に現れる妖花で、弱い心を持つ者に操る能力を発揮する。フィオレを利用し、地球をキセニアンの星にしようとした。
グリシナ
声 - 山崎和佳奈
6本の足を特徴とする花の妖魔で、非常に行動が速い。
カンパニュラ
声 - 西川宏美
両腕にナイフのような翼を持つ花の妖魔で、速いスピードで飛行できる。
ダリアン
蛇の尾のような下半身を持つ花の妖魔で、小惑星に大量を潜める。

スタッフ編集

英語版スタッフ編集

ビズメディア版スタッフ編集

  • 製作総指揮 - ケン・ササキ
  • 音声演出 - スザンヌ・ゴールディッシュ
  • 英語制作 - Viz Media, LLC
  • ADRとポストプロダクション - Studiopolis, Inc.

主題歌編集

オープニングテーマ編集

ムーンライト伝説
作詞 - 小田佳奈子 / 作曲 - 小諸鉄矢 / 編曲 - 池田大介 / 歌 - DALI

エンディングテーマ編集

Moon Revenge
作詞 - 冬杜花代子 / 作曲 - 小坂明子 / 編曲 - 林有三 / 歌 - 三石琴乃・久川綾・富沢美智恵・篠原恵美・深見梨加
途中挿入もあり。

ドラマCD編集

美少女戦士セーラームーンR 〜ドラマ編〜
ジャンル 戦闘美少女ファンタジーアクション
ドラマCD
制作 東伊里弥
脚本 富田祐弘
演出 幾原邦彦
発売元 フォルテ・ミュージックエンタテインメント
販売元 日本コロムビア
レーベル 日本コロムビア(FMCC-5027)
発売日 1994年4月21日
レイティング 指定なし
収録時間 61分21秒
話数 全1話
枚数 1枚
テンプレート - ノート

映画のドラマCDが『美少女戦士セーラームーンR 〜ドラマ編〜』(びしょうじょせんしセーラームーンアール ドラマへん)として1994年4月21日に発売されている。収録時間は61分21秒。新規録音は月野うさぎ(三石琴乃)のナレーション部分のみで、キャストは映画と同じ。

スタッフ

脚注編集

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  1. ^ 1994年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  2. ^ 社団法人日本映画製作者連盟調べ。
  3. ^ 日刊スポーツ 1993年12月6日 27面内記事
  4. ^ 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)より。
  5. ^ 「映画 美少女戦士セーラームーンR 音楽集」(日本コロムビア)の中のプロデューサー東伊里弥ライナーノートより。
  6. ^ 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)の中の編集者クマさんの解説による。
  7. ^ 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)より。
  8. ^ 幾原はテレビシリーズの46話において、やはりクライマックスに歌を使用している。本作は、その表現をさらに推し進めたものだと言える。
  9. ^ 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)の中のプロデューサー東伊里弥のインタビューより。
  10. ^ 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)の中でのプロデューサー東伊里弥のインタビューより。
  11. ^ 新井浩一は「AKIRA」「MEMORIES 彼女の想い出」「スチームボーイ」など大友克洋の作品で原画担当。須賀重行は「キノの旅」「GR GIANT ROBO ジャイアントロボ」などのキャラクターデザインを担当。濱洲英喜は「PERFECT BLUE」「千年女優」などの作画監督、「AKIRA」「攻殻機動隊」の原画担当。山内則康は「王立宇宙軍」で飛行シーンの原画担当。
  12. ^ 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)の中での只野和子のインタビューより。
  13. ^ 「映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(講談社)第67頁より。
  14. ^ 「さらばセーラームーン 夢特集 幾原邦彦」(ハッピー興行新社)の中の庵野秀明の寄稿より。
  15. ^ 緒方はテレビアニメ92話(『セーラームーンS』)から登場する天王はるか役でレギュラー出演を果たしている。『R』時代にもブラック・ムーン一族のペッツ役で出演するなど、数回出演している。
  16. ^ 「eve 2015年の女神たち―新世紀エヴァンゲリオンPHOTO FILE」(角川書店)の中での貞本の発言より。
  17. ^ 劇場版『美少女戦士セーラームーン R』応援上映&スペシャルゲストトークイベントが2017年6月30日(金)&7月1日(土)に開催決定!”. 超! アニメディア (2017年5月30日). 2017年6月14日閲覧。

外部リンク編集