和歌山市企業局(わかやましきぎょうきょく)は和歌山県和歌山市上水道事業、工業用水道事業、下水道事業を運営する地方公営企業である[1]

和歌山市企業局
種類 地方公営企業
本社所在地 日本の旗 日本
640-8511 
和歌山県和歌山市 七番丁23番地
業種 水道業、下水道業
事業内容 水道業、下水道業
代表者 公営企業管理者
売上高 7,223百万円(水道、2020年度)
2,158百万円(工水、同年度)
営業利益 6,651百万円(水道、同年度)
2,055百万円(工水、同年度)
従業員数 253人 (2020年度)
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諸元 編集

水道事業 編集

  • 1日最大給水量 - 213,000 m3[1]

工業用水道事業 編集

  • 1日最大給水量 - 415,000 m3

下水道事業 編集

  • 計画処理人口 – 179,200人
  • 計画処理区域面積 - 3,613ヘクタール
  • 計画1日最大処理水量 - 106,682 m3

主な施設 編集

水道事業 編集

  • 加納浄水場[2]
    • 施設能力 – 121,000m3 / 日
    • 稼働 – 昭和48年
  • 出島浄水場
  • 滝畑浄水場
    • 施設能力 – 34m3 / 日
  • 秋葉山配水池
  • 和佐配水池
  • 貴志配水池
  • 花山配水池
  • 六十谷水管橋

工業用水道 編集

  • 六十谷第1浄水場
    • 施設能力 – 155,000m3 / 日
    • 稼働 – 昭和35年
  • 六十谷第2浄水場
    • 施設能力 – 230,000m3 / 日
    • 稼働 – 昭和40年

主な指標 編集

※数値は平成30年 (2018年)度

  • 有収率 (給水している水量に対する料金が発生する水量の割合) – 84.19%[3]。これは水道事業ガイドラインに基づいて公表している給水人口上位50事業体でも低位の前橋市 (84.4%) 、静岡市 (87.6%) 、大分市 (88.8%) [4]よりも低く、令和元年 (2019年) 度には82.24%[3]と更に悪化していることから、漏水量が多いことが推定される。
  • 給水収益に対する企業債 (借金) 残高の割合 – 699.2 (給水収益 6,625百万円、固定負債企業債 43,743百万円、流動負債企業債 2,581百万円より) [5]。これは同50事業体でも高位の富山市 (683.0) 、京都市 (595.9) 、一宮市 (507.5) [6]を上回る数値であり、財務指標は悪い

事故 編集

花山交差点漏水事故 編集

経緯 編集

2020年1月8日、花山配水池からの流量計に異常 (300m3 / 時間) が確認された。これを発端に局が調査を進めたところ、国道24号花山交差点の路面下から湧水が確認され、同地に敷設された口径800mmの水道管漏水と推測された。修繕の方法として断水工法と不断水工法の2つが提案された。前者は約35,000世帯・約8万人への断水を伴うが[7]、後者のためには材料手配から設置までに約1か月を要することや同交差点の約40,000台 / 日もの交通量から国土交通省側から難色が示され[8]前者が選択された。

同月16日夕、局は19日から3日間の断水計画を発表[9]。同日夜に掘削した結果、漏水は800mmでなく支管の150mmからであることが判明し20日未明、断水せずに修繕された。しかし修繕後も湧水は継続し、調査を進めた結果、送水管1500mmの漏水と判明。4時間の送水停止で修繕可能と判断され、22日未明に修繕された[7]

影響 編集

結果的に断水することなく修繕されたが、影響は大きかった。断水予告後に市民は飲料水を買い求めにスーパーマーケット等に殺到。飲食店宿泊施設も相次ぎ休業を決めた。局は県内、大阪府奈良県の水道事業者に給水車を要請した[10]。国土交通省も北海道開発局から給水車を支援[7]。また断水が回避されたにもかかわらず、その広報に気付かない市民も多く、市への問い合わせや苦情は16日から20日にかけて約3千件に達した[11]

六十谷水管橋崩落事故 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 和歌山市公営企業の設置等に関する条例”. 和歌山市. 2021年10月5日閲覧。
  2. ^ 水道施設一覧”. 和歌山市. 2021年10月5日閲覧。
  3. ^ a b 令和元年度和歌山市水道統計年報4 事業の推移”. 和歌山市企業局. 2021年10月5日閲覧。
  4. ^ 平成30年度水道事業ガイドライン(JWWA Q 100)に基づく業務指標公表値調査結果  B)安定した水の供給(運営管理)”. 日本水道協会. 2021年10月5日閲覧。
  5. ^ 令和元年度和歌山市水道統計年報2収益構成、5貸借対照表”. 和歌山市企業局. 2021年10月5日閲覧。
  6. ^ 平成30年度水道事業ガイドライン(JWWA Q 100)に基づく業務指標公表値調査結果  C)健全な事業経営)”. 日本水道協会. 2021年10月5日閲覧。
  7. ^ a b c “[https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/happyou/thesises/2020/pdf01/anzen1-01.pdf 国道24号花山交差点における 水道管漏水事故対応について(報告)]”. 国土交通省. 2021年10月5日閲覧。
  8. ^ 漏水対応で応酬、異例の決断”. 産経新聞. 2021年10月5日閲覧。
  9. ^ 広報不十分、方針も二転三転”. 産経新聞. 2021年10月5日閲覧。
  10. ^ 【検証】和歌山市が断水回避。よかった?悪かった?断水は全国で起きる?”. 橋本淳司. 2021年10月5日閲覧。
  11. ^ 広報不十分、方針も二転三転”. 産経新聞. 2021年10月5日閲覧。

関連項目 編集