この項目に含まれる文字は、オペレーティングシステムブラウザなどの環境により表示が異なります。

噂の二人』(うわさのふたり、The Children's Hour)は1961年アメリカ合衆国のドラマ映画。監督はウィリアム・ワイラー、主演はオードリー・ヘプバーン、シャーリー・マクレーンジェームズ・ガーナー。原作は1934年リリアン・ヘルマンの戯曲『子供の時間』 。

噂の二人
The Children's Hour
(別名:The Loudest Whisper)
Childrens Hour trailer.jpg
監督 ウィリアム・ワイラー
脚本 ジョン・マイケル・ヘイズ
原作 リリアン・ヘルマン
『子供の時間』
製作 ウィリアム・ワイラー
製作総指揮 ウォルター・ミリッシュ
(クレジット無し)
出演者 オードリー・ヘプバーン
シャーリー・マクレーン
ジェームズ・ガーナー
音楽 アレックス・ノース
撮影 フランツ・プラナー
編集 ロバート・スウィンク
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 アメリカ合衆国の旗 1961年12月19日
日本の旗 1962年4月21日
上映時間 107分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $3,600,000
テンプレートを表示

キャスト編集

※括弧内は日本語吹替(初回放送1969年11月16日『日曜洋画劇場』)

スタッフ編集

ストーリー編集

17歳のときから親友同士のカレンとマーサは、今では共同で女学校を経営していた。カレンにはジョーという恋人がおり、2人はついに婚約した。しかし経営が軌道に乗りはじめた時期でもあり、マーサは嫉妬し、カレンと口論になる。さらに、わがままな生徒メアリーによって2人が同性愛関係にあるとの噂を流されたことから、平穏だった暮らしは次第に崩壊していく。

製作編集

  • 監督のウィリアム・ワイラー1936年に同じ原作を映画化している(邦題:『この三人』)[1]。前作は時代的な制約で、レズビアンを表に出すことは検閲当局に禁止され、同性愛の部分をカットして三角関係のドラマになっていた[1]
  • 原作者リリアン・ヘルマンは『この三人』と同じく脚本を書き始めたが、まもなく愛するダシール・ハメットの病気のためにこの仕事を降りた[1]
  • 監督ウィリアム・ワイラーは「前にこの映画を作った当時、世間はまだ受け入れる準備ができていなかったので、我々が望んだような形にするのは不可能だった。今はもうそういう時代ではない。」と語っている[1]
  • ワイラーとオットー・プレミンジャーは映画業界内の戦いに参加していた[1]。『スパルタカス』のトニー・カーティスに対する検閲に、ハリウッドのプロデューサーや監督から、これでは同性愛を堂々と描いている外国映画との競争に勝てないとの抗議の声が上がっていた[1]。『噂の二人』の共同制作者であるミリッシュ・カンパニーは「性的倒錯の禁止」に対して抗議した[1]。プレミンジャーは『野望の系列』をホモセクシュアルのエピソードに手を加えないまま映画化すると発表[1]。1961年10月3日、とうとうアメリカ映画協会が折れて「現代の文化、風習、価値観に合わせて、慎重・抑制を条件として、同性愛その他の性的逸脱を扱うことを認める」と規則を改正した[1]。『噂の二人』は性的規制改正後に映画協会のコード・シールを受けた最初の映画であった[1]
  • しかし製作中に配給会社のユナイテッド・アーティスツからレズビアンの要素を控えるように圧力がかかり、ワイラーがマーサのキャラクターが良くわかる短いシーンをカットして以降、シャーリー・マクレーンはワイラーに対して不満を抱くようになった[2]

エピソード編集

  • 二人の教師が名誉毀損で訴訟を起こすが、その訴訟にどのようにして負けたかが描かれていた法廷シーンが撮影されていたが、公開前の編集でカットされた[2]
  • ミリアム・ホプキンスは『この三人』でマーサを演じている。カレンを演じたマール・オベロンにもティルフォード夫人の役がオファーされたが断っている[1][2]。代わりにフェイ・べインターが演じ、アカデミー助演女優賞にノミネートされた[2]
  • 英国では “The Loudest Whisper”という別題名で公開された[3][4][2]。日本でもVHSやレーザーディスクでは英国版を元に商品化されていた。今でもAmazonなどで確認することができる。
  • シャーリー・マクレーンは、ドキュメンタリー映画 『セルロイド・クローゼット』 の中で当時を振り返って、「本当なら、マーサは自分のために戦わなければならなかったのに…」と語り、自分自身も撮影当時は同性愛というものについて何も考えていなかったと語った。

受賞・ノミネート編集

アカデミー賞編集

ノミネート
アカデミー助演女優賞フェイ・べインター
アカデミー撮影賞 (白黒部門):フランツ・プラナー
アカデミー美術賞 (白黒部門):フェルナンド・カレーレ、エドワード・G・ボイル
アカデミー衣装デザイン賞(白黒部門):ドロシー・ジーキンス
アカデミー録音賞:ゴードン・ソーヤー

ゴールデングローブ賞編集

ノミネート
ゴールデングローブ賞 監督賞ウィリアム・ワイラー
ゴールデングローブ賞 主演女優賞シャーリー・マクレーン
ゴールデングローブ賞 助演女優賞:フェイ・べインター

全米監督協会賞編集

ノミネート
長編映画監督賞:ウィリアム・ワイラー

ローレル賞en:Laurel Awards編集

受賞
ゴールデンローレル賞主演女優賞(ドラマ部門):シャーリー・マクレーン
ノミネート
ゴールデンローレル賞主演女優賞(ドラマ部門):オードリー・ヘプバーン(4位)
ゴールデンローレル賞助演女優賞:フェイ・べインター

キネマ旬報ベスト・テン編集

1962年度 第9位

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g h i j k バリー・パリス (1998年5月4日初版発行). 『オードリー・ヘプバーン』上巻. 集英社 
  2. ^ a b c d e ジェリー・バーミリー (1997年6月13日初版発行). 『スクリーンの妖精 オードリー・ヘップバーン』. シンコー・ミュージック 
  3. ^ ロビン・カーニー (1994年1月20日初版発行). 『ライフ・オブ・オードリー・ヘップバーン』p188. キネマ旬報社 
  4. ^ アレグザンダー・ウォーカー (2003年1月20日初版発行). 『オードリー リアル・ストーリー』. アルファベータ 

関連項目編集

外部リンク編集