堤 剛(つつみ つよし、1942年7月28日 - )は、日本チェリストである。桐朋学園大学院大学特任教授、公益財団法人サントリー芸術財団代表理事、サントリーホール館長、霧島国際音楽祭音楽監督を務める。

堤 剛
堤剛.jpg
文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真
基本情報
生誕 (1942-07-28) 1942年7月28日
出身地 日本の旗 日本
学歴 桐朋学園大学
ジャンル クラシック音楽
職業 チェリスト
担当楽器 チェロ

来歴編集

父親からチェロの手ほどきを受け、8歳で第1回リサイタルを開催。桐朋学園斎藤秀雄に師事し、桐朋学園高校音楽科卒業後にインディアナ大学へ留学しヤーノシュ・シュタルケルに師事した[1]1963年よりシュタルケルの助手を務める。

1957年に第26回日本音楽コンクールのチェロ部門で第1位と特賞を獲得、1960年NHK交響楽団欧米演奏旅行に同行し評判を博した。その後、1963年ミュンヘン国際音楽コンクールで第2位、ブダペスト国際音楽コンクールで第1位を獲得し[1]、世界各地のオーケストラと多数共演した。西オンタリオ大学准教授、イリノイ大学教授、インディアナ大学教授、2004年4月から2013年3月まで桐朋学園大学学長を務めた。

ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル他より収録CD、演奏曲を多数発表。大賀典雄とも親交が深い[1]。特にバッハの「無伴奏チェロ組曲」は1969年1991年と2度録音している[2]。師であるシュタルケルがバッハを得意としていたこともあり、堤自身「無伴奏チェロ組曲」は自分の血であり肉であると発言。この曲の全曲演奏の際には第3番を最後に弾くことが多いが、その理由としてコントラスト効果もあるが、最初に聴いたバッハのレコードがパブロ・カザルスの弾く「第3番」であったことを挙げている。また、近年の演奏はバロックそのものではないが、バロックの精神を生かした演奏が一つのスタイルになっているとも発言している[1]古典音楽から現代音楽まで幅広い演目をもつ。リサイタルも多数行っている。サイトウ・キネン・オーケストラ水戸室内管弦楽団の主要メンバーでもあった(現在は引退)。

音楽教育者として後進の指導、小中学校等での出張コンサートにも多数出演している。2005年5月22日神戸ワールド記念ホールで開催された、1000人のチェロ・コンサートに参加。サントリー音楽財団[3]の理事長を務め[4]、また、改修工事の終了にあわせて2007年9月1日より、佐治信忠に代わりサントリーホールの館長にも就任した。2009年日本芸術院会員、サントリー芸術財団代表理事。

妻で劇作家の堤春恵(「仮名手本ハムレット」で読売文学賞)は佐治敬三の長女。ヴァイオリン奏者恵藤久美子は妹である。

主な受賞歴編集

主な著作編集

  • 私の「イリノイ日記」―チェロとともに(音楽之友社 1990年)
  • チェロを生きる(新潮社 2002年)
  • 斎藤秀雄 講義録(編集)(白水社 2005年)

脚注編集

外部リンク編集