堤 駿斗(つつみ はやと、1999年7月12日 - )は、日本プロボクサー千葉県千葉市出身[1]志成ボクシングジム所属。第49代OPBF東洋太平洋フェザー級王者。

堤 駿斗
基本情報
本名 堤 駿斗
(つつみ はやと)
階級 フェザー級
身長 171cm
国籍 日本の旗 日本
誕生日 (1999-07-12) 1999年7月12日(24歳)
出身地 千葉県千葉市
家族 堤麗斗(弟)
スタイル 右ボクサーファイター
プロボクシング戦績
総試合数 5
勝ち 5
KO勝ち 2
敗け 0
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獲得メダル
日本の旗 日本
男子 ボクシング
AIBA世界ユース選手権
2016 サンクトペテルブルク フライ級

来歴 編集

アマチュア 編集

3人兄弟の2番目に生まれる[2]。最初は極真空手を習っていたが小学5年生からキックボクシングとボクシングを始める。那須川天心とは幼なじみで幼少の頃から中学まで空手とキックボクシングを一緒の道場とジムで練習した[3]。中学2年生からボクシングに専念し、全国U-15ジュニアボクシング大会全国アンダージュニアボクシング大会全日本アンダージュニアボクシング王座決定戦などを制覇した[4][5][6]

習志野高校時代にフライ級、バンタム級で高校6冠を達成した[7]。卒業後、東洋大学経営学部会計ファイナンス学科に進学[8]

2016年、高校2年生の時に世界ユース選手権フライ級(52kg)で優勝。世界ユース選手権を日本人で初めて優勝した[3](男子では初のAIBA主管大会優勝でもある)[9]

2017年11月、高校3年生の時に全日本選手権(バンタム級)を優勝した[10]

2018年8月25日、アジア競技大会バンタム級(56kg)に出場。1回戦でモンゴルの選手に敗れた[11]

2019年11月、全日本選手権(フェザー級)を優勝した。

2020年3月3日、東京五輪アジア・オセアニア予選のフェザー級(57kg)に出場。1回戦でフィリピンのイアン・クラーク・バウチスタに敗れ、五輪出場枠を獲得出来なかった[12]

2021年6月に開催予定だった東京五輪世界最終予選が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になり、ランキング上位者に五輪出場枠が与えられることになったが、堤はランキングが上位ではなかったため五輪出場が消滅した[13][14]

2021年11月、セルビアベオグラードで開催された世界選手権ライト級(60kg)に出場[15]。3回戦でロシア人選手に判定負け[16]

プロ 編集

2022年4月13日、志成ボクシングジムに入門し、プロ転向を発表[17][18]。26日にB級プロテストを受験、スパーリング相手は元WBOアジア太平洋フェザー級王者で同じジムの森武蔵が務めた[19]。27日に合格が発表された[20]

2022年7月13日、大田区総合体育館にてWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ、井岡一翔 VS ドニー・ニエテス戦の前座にて東洋太平洋フェザー級5位ジョン・ジェミノ(フィリピン)相手に但馬ミツロに続き史上10人目となるA級(8回戦以上は9人目)デビューを行い[3]、8回3-0(79-73、80-72×2)判定勝利を収めた[21][22]

2022年12月31日、大田区総合体育館にてWBO・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦、井岡 VS ジョシュア・フランコ戦の前座にて前東洋太平洋スーパーバンタム級王者ペテ・アポリナル(フィリピン)とフェザー級契約で対戦[23]。6回にダウンを奪い8回3-0(79-72、80-71×2)判定勝利[24]

2023年5月11日、ABEMAと年間スポンサー契約を結んだことを発表した[25]

2023年5月31日、後楽園ホールにて清水聡の王座剥奪に伴い空位となったOPBF東洋太平洋フェザー級王座をOPBF同級3位のジョー・サンティシマと争い、12回3-0(118-110、120-108、119-109)判定勝ちを収め田中恒成、清水聡の4戦を抜き日本男子として最速記録(女子の最速は松田恵里の2戦)となる3戦目での東洋太平洋王座獲得に成功した[26]

2023年10月13日、後楽園ホールにてWBA世界フェザー級15位のルイス・モンシオン・ベンチャーラとノンタイトル戦を行う予定だったが、堤のインフルエンザ感染とそれに伴う高熱で前日計量を病欠したため中止となった。

2023年12月31日、大田区総合体育館にて井岡一翔対ホスベル・ペレスの前座でルイス・モンシオン・ベンチャーラと仕切り直し戦を行い、3回2分14秒TKO勝ちを収めた。

2024年2月5日付でOPBF王座を返上した。

2024年4月17日、後楽園ホールにて元WBA世界バンタム級スーパー王者でWBA世界フェザー級9位のアンセルモ・モレノと対戦予定だったが、試合の前日に東京の文京区にて計量を行うも、フェザー級リミットの57.15kgを1.6kg超過し58.75kgとなり計量失格。その後2時間の猶予が与えられ再度計量に臨むも50gしか落とせなかったためリミットは達成できなかった。その後、両陣営の協議の結果61.12kgのキャッチウェイトで試合が行われることとなり[27]、当日計量では60.95kgでパスしたため試合が成立し、3回2分45秒KO勝ちを収めた。しかし、前日計量に失敗したことで4月16日から6カ月のライセンス停止処分となる[28]

エピソード 編集

戦績 編集

  • アマチュアボクシング:94戦 88勝 (26KO・RSC) 6敗
  • プロボクシング:5戦 5勝 (2KO) 無敗
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2022年7月13日 8R 判定3-0 ジョン・ジェミノ   フィリピン プロデビュー戦
2 2022年12月31日 8R 判定3-0 ペテ・アポリナル   フィリピン
3 2023年5月31日 12R 判定3-0 ジョー・サンティシマ   フィリピン OPBF東洋太平洋フェザー級王座決定戦
4 2023年12月31日 3R 2:14 TKO ルイス・モンシオン・ベンチャーラ   ドミニカ共和国
5 2024年4月17日 3R 2:45 KO アンセルモ・モレノ   パナマ
テンプレート

獲得タイトル 編集

アマチュア
プロ

脚注 編集

  1. ^ 全日本王者に聞く 堤駿斗(東洋大) 世界ユース王者の目標は五輪王者 産経新聞 2018年5月23日
  2. ^ 「スポーツイチバン☆ 」堤麗斗選手 アメサソリ27 2017年9月21日
  3. ^ a b c d アマ13冠・堤駿斗とは?那須川天心と一緒の道場で練習も きょう井岡の世界戦前にプロデビュー”. 日刊スポーツ (2022年7月13日). 2022年7月15日閲覧。
  4. ^ 堤 駿斗 つつみ はやと PROFILE”. トラロックエンターテインメント. 2022年7月14日閲覧。
  5. ^ “最強高校拳児” は18歳 ボクサー堤駿斗はアジア&世界制覇済み 「吹っ切れて成長」から一年、今夏は「大人と戦う準備」が進行中! ライブドアスポーツ特集 2017年8月8日
  6. ^ ボクシング堤駿斗、尚弥超える“新MONSTER”へ 金メダルが絶対条件”. スポニチ (2019年12月17日). 2020年3月12日閲覧。
  7. ^ 堤駿斗が高校6冠!全日本選手権Vで東京五輪金照準 日刊スポーツ 2017年10月9日
  8. ^ ボクシング部の堤駿斗選手が関東大学ボクシングリーグ戦の最優秀選手賞に選ばれました 東洋大学
  9. ^ 堤駿斗、史上最強の高校生ボクサーが狙う東京五輪金メダル VICTORY
  10. ^ 千葉の「新怪物」堤駿斗、次の照準は? ボクシングモバイル 2017年12月1日
  11. ^ 2018 アジア大会 ボクシング競技について(報告)”. 一般社団法人日本ボクシング連盟 (2018年8月29日). 2020年3月12日閲覧。
  12. ^ 男子フェザー級・堤駿斗、1回戦で判定負け…五輪出場枠獲得“持ち越し””. スポニチ (2020年3月4日). 2020年3月12日閲覧。
  13. ^ ボクシング世界最終予選中止に日本連盟代替案提出も”. 日刊スポーツ (2021年2月16日). 2022年6月26日閲覧。
  14. ^ 五輪ボクシング、最終予選中止へ 国際大会の成績で出場枠決定”. 読売新聞 (2021年2月16日). 2022年6月26日閲覧。
  15. ^ 【男子世界選手権】日本代表10選手が正式決定!”. 日本ボクシング連盟 (2021年9月19日). 2022年1月6日閲覧。
  16. ^ ライト級堤駿斗、秋山佑汰はともに8強逃す ボクシング男子世界選手権”. 日刊スポーツ (2021年11月1日). 2022年1月6日閲覧。
  17. ^ “堤駿斗が井岡所属の志成ジムでプロ転向、那須川との対戦にも意欲 16年世界ユースで日本人初V”. 日刊スポーツ. (2022年4月13日). https://www.nikkansports.com/battle/news/202204130000344.html 
  18. ^ “世界ユース日本人初金メダルの堤駿斗が井岡所属の志成ジムからプロ転向 2年で世界王者目指す”. Sponichi Annex. (2022年4月13日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2022/04/13/kiji/20220413s00021000342000c.html 
  19. ^ “アマ13冠堤駿斗にモンスター井上尚弥以来の特例A級デビュープラン浮上 JBCも前向き姿勢”. 日刊スポーツ. (2022年4月26日). https://www.nikkansports.com/battle/news/202204260000697.html 2022年4月27日閲覧。 
  20. ^ “アマ13冠の“ネクストモンスター”堤駿斗がプロテスト合格”. スポーツ報知. (2022年4月27日). https://hochi.news/articles/20220427-OHT1T51076.html?page=1 
  21. ^ “ボクシングアマ13冠・堤駿斗プロデビュー戦判定勝ち”. Sponichi Annex. (2022年7月13日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2022/07/13/kiji/20220713s00021000540000c.html 
  22. ^ ““ネクスト・モンスター”堤駿斗がプロデビュー戦V  判定勝ちに「プロって厳しいな」”. スポーツ報知. (2022年7月13日). https://hochi.news/articles/20220713-OHT1T51224.html 
  23. ^ “世界ユース制覇のアマ13冠堤駿斗が大みそかプロ2戦目、前東洋太平洋王者アポリナルと対戦予定”. 日刊スポーツ. (2022年11月25日). https://www.nikkansports.com/battle/news/202211250000327.html 2022年11月30日閲覧。 
  24. ^ “アマ13冠ルーキー堤駿斗が判定勝ちでプロ2勝目飾る「次は圧倒した勝ち方ををしたい」”. 日刊スポーツ. (2022年12月31日). https://www.nikkansports.com/battle/news/202212310000595.html 
  25. ^ 【ボクシング】堤駿斗がABEMAと年間スポンサー契約 「井上尚弥さんとの対戦を目指している」”. サンスポ (2023年5月11日). 2023年6月19日閲覧。
  26. ^ “【【ボクシング】アマ13冠・堤駿斗が国内最速3戦目で東洋太平洋獲得に成功「ほっとしています」”. 日刊スポーツ. (2023年6月1日). https://www.nikkansports.com/m/battle/news/202305310001380_m.html?mode=all 2023年6月1日閲覧。 
  27. ^ 藤中栄二. “アマ13冠の堤駿斗、元V12王者モレノ戦計量で体重超過 当日計量実施し契約体重で試合成立へ - ボクシング : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年4月16日閲覧。
  28. ^ 【ボクシング】堤駿斗に6カ月のライセンス停止処分 16日の計量で体重超過…JBCが発表”. 日刊スポーツ (2024年4月19日). 2024年4月20日閲覧。
  29. ^ “井上尚弥2世”高3アマ堤駿斗、大学生に圧勝「東京で金」 スポーツ報知 2018年3月24日
  30. ^ アマホープの堤駿斗、井岡一翔と同じ所属事務所とマネジメント契約 スポーツ報知 2019年12月1日

関連項目 編集

外部リンク 編集

空位
前タイトル保持者
清水聡
第49代OPBF東洋太平洋フェザー級王者

2023年5月31日 - 2024年2月5日(返上)

空位
次タイトル獲得者
N/A