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慶長見聞集(けいちょうけんもんしゅう)は、江戸時代初期に三浦茂正によって書かれた仮名草子形式の随筆。別名・江戸物語(えどものがたり)。全10巻10冊。

概要編集

元は見聞集と呼ばれる52冊の大作であったが、後に『そぞろ物語』『北条五代記』『順礼物語』『見聞軍抄』に分冊して、その残りが『見聞集』と呼ばれ、更に類似の書物との区別のために自序が記された慶長19年12月25日1615年1月24日)の元号が冠されて現在の書名となった(ただし、実際には次の元和年間に追記された部分も含まれている)。「見しは今」「聞きしは今」などで始まる130余りの話から構成され、慶長・元和期の江戸の風俗・風景などが描き出されている。江戸幕府成立期の江戸の姿を知るうえで貴重な史料である。

目録編集

巻之一

  • 万民の楽みにあへる事
  • 養心斎長命の事
  • 吉祥寺門前の沙弥手柄の事
  • 江戸町瓦葺の事
  • 江戸河口野地ほんきの事
  • 将棊盤に迷悟そなふる事
  • 下帯いにしへにかはる事
  • 人の振舞蛛に似たる事
  • たばこの烟のむ事
  • 道斎日夜双紙を友とする事
  • 花売盗人をとらへる事
  • 医賊法印の事
  • 江戸の河橋にいわれ有事
  • 東海にて魚貝取尽す事

巻之二

  • 夢に不思議有事
  • 平五三郎行儀異様之事
  • 古き文に虚言有事
  • 仲信入道弁をこのむ事
  • 久斎天神詣の事付宗円入道之事
  • 一里塚つき給ふ事
  • 真言浄土法論之事
  • 永伝師匠坊主をころす事
  • 江戸を都といひならはす事
  • 当世らうさいはやる事
  • 浅井源蔵師の恩忘るゝ事
  • 下郎の言事世にひろまる事
  • 三島平太郎三年奉公の事
  • 歌舞妓太夫下手の名を得る事

巻之三

巻之四

  • 童子あまねく手習ふ事
  • 神田明神山王権現氏子の事
  • 蛛山たちに似たる事
  • 山梨三郎とんせいの事
  • 清林和尚災難をのがるゝ事
  • 万病円ふりふりの事
  • 高屋久喜欲にふける事
  • 正慶斎他の筆跡をあざむく事
  • 江戸町衆乗物にのる事
  • 唐人と日本人問答の事
  • 道見夢物語之事
  • 当世男髭なき事
  • 玄好法師よく雨を知る事
  • 西誉一入道心をこす事
  • 諸士弓筆の道を学び給へる事(武家諸法度元和令)
  • ゆなぶろ繁昌の事
  • 岡崎左兵衛音曲をこのむ事

巻之五

  • 日本橋市をなす事
  • 都人待乳山一見の事 付宗斎事
  • 東国に得義をほき事
  • 才兵衛諸芸を俄に学ぶ事
  • 花をる咎に縄かゝる事
  • 楽阿弥乞食の事
  • 土風に江戸町さはぐ事
  • 勧進能見物の事
  • 道いぶ斎心まがる事
  • 吉原町の橋渡りかねたる事
  • かふぎをどりの事(遊女歌舞伎

巻之六

  • 江戸にて老若つえつく事
  • 大鳥一兵衛組の事
  • 罪人共籠中法度を定むる事
  • くろつぐみ比丘の事
  • 品川の塔風に損ずる事(天妙国寺五重塔
  • 仙栄碁すきの事
  • 当世人の工み益なき事
  • 江戸町水道の事
  • 江戸町境論の事
  • 江戸にて金の判あらたまる事(慶長小判
  • 箱根海両国の中に有言 付同号の名所の事

巻之七

  • 初雪を常に詠る事 付役行者の事
  • 夕顔の宿りの事 付江戸屋形作りの事
  • 江戸町に金札立をく事
  • 諸国に金山ある事
  • 江戸町の道どろふかき事
  • 気ちがひ者かへつて誠をいふ事
  • 角田川一見の事
  • 関八州盗人狩の事
  • 夫婦いさかひの事
  • 寒嶺斎真似賢人の事
  • 南海をうめ江戸町立給ふ事
  • 人有てねざめを詫る事
  • 当世しれぬ俗言の事
  • 盲目遠路を知事
  • よし原傾城町立る事
  • 近年国大名数多滅亡の事

巻之八

  • 寿庵はやり医師の事
  • 宗順だみたる声を笑ふ事
  • 世念入道無常を知事
  • 江戸町にて正学坊立行の事
  • 能玄法師が宏才益なき事
  • 梅庵生霊を祭らざる事
  • 願心斎善にも悪にもつよき事
  • 江戸の境地世にこえたる事
  • 関東海にて鯨つく事
  • 江戸町大焼亡の事(慶長の大火
  • 村岡茂兵衛あるじまうけの事
  • 雲竜こつじきの事
  • 愚なる子供のうはさの事

巻之九

  • 江戸町衆はさみ箱かつがする事
  • 老楽斎身持を沙汰する事
  • 鰒の肉に毒有事
  • 兼然法印元日を喜ばざる事
  • 武蔵と下総国境の事
  • 半蔵筆をすつる事
  • 年物語に喧嘩の事
  • 江戸町衆花を愛する事
  • 新福寺諸国勧進の事
  • 声仏事をなす事
  • 唐船作らしめ給ふ事
  • 柿に異名ある事
  • 遊女共江戸を払はるゝ事

巻之十

  • 浄和軒観音へ日まうての事
  • 城言坐頭片いじなる事
  • 伯斎東国一見の事 付武州浅草がうじ事
  • 藤次よき栖をもとむる事
  • 熊居助身のわきまへなき事
  • 神田大塚にて行人火定の事
  • 江戸ちまた説の事
  • 江戸大橋に毎日刀市立事
  • 他の嘲を知らざる事
  • 湯島天神御繁昌の事
  • 長光法眼世をへつらふ事
  • 花の詠に品かはる事
  • 老て小童を友とする事

参考文献編集

  • 山本武夫「慶長見聞集」(『国史大辞典 5』(吉川弘文館、1985年) ISBN 978-4-642-00505-0
  • 野田寿雄「慶長見聞集」(『日本史大事典 2』(平凡社、1993年) ISBN 978-4-582-13102-4
  • 林達也「慶長見聞集」(『日本歴史大事典 1』(小学館、2000年) ISBN 978-4-09-523001-6

外部リンク編集