沖縄台風

1924年に沖縄を襲った台風

沖縄台風(おきなわたいふう)は、1924年大正13年)8月9日から8月18日にかけて、沖縄地方を襲った台風である[1]複雑な動きをしたことで知られ、「沖縄台風」という名称は非公式に付いたものである[2]

沖縄台風
発生期間 1924年8月
寿命
最低気圧
最大風速
(気象庁解析)
被害総額
死傷者数
被害地域 沖縄地方

概要編集

台風は当初、日本のはるか南方洋上を、琉球列島に向けて西に進んでいたが、沖縄本島を通過後、急に進路を東寄りに転じて、再び沖縄本島に接近。およそ10日間に渡り沖縄付近を彷徨したため、沖縄地方は長時間暴風雨に襲われた[1]。その後台風は北上して東シナ海を通り、九州の西海上を北に進んだ後、対馬海峡から日本海へと抜けた[1]。台風の移動速度が極めて遅かったため、当時としては豊富な観測資料が得られたという[1]。気象学者の堀口由己はこの資料を参考に、台風の構造・エネルギーについて研究し、この台風を「沖縄台風」と名付けた[1]

なお、沖縄台風の推定進路を「気象要覧」に基づいて要約すると次のようになる。

8月6日小笠原諸島の南西に現われた台風は北西に進み、紀州はるか沖で進路を西向きに変え、10日に沖縄本島北部をかすめて、12日には少し南に移り宮古島付近に到ったが,これよりそれまでの経路をほぼ逆進し、14・15日に再び沖縄本島を過ぎて、遂に大東島付近に引き返し、17日に北西に向きを変え、奄美大島付近を経て肥前五島の外側をまわり、20日に壱岐対馬の間を、21日に隠岐を、22日に青森県を経て23日に千島に去る。6日出現から23日千島に去るまで18日間を要し、大東島・宮古島の往復に1週間かかった。

脚注編集

  1. ^ a b c d e 日本大百科全書(ニッポニカ). “沖縄台風(おきなわたいふう)とは”. コトバンク. 2020年3月25日閲覧。
  2. ^ 異常な動きの台風12号、再び暴風域になる可能性も 過去にもあった、“迷走台風” (2018年8月1日)”. エキサイトニュース. 2020年3月25日閲覧。

関連項目編集