駒崎弘樹

日本の社会起業家

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駒崎 弘樹(こまざき ひろき、1979年9月18日-)は、日本の社会起業家病児保育に関するNPO法人フローレンス代表理事。2008年、福田政権において「社会保障国民会議」の委員に就任。2010年よりNHK中央放送番組審議会委員に就任、現在にいたる[1]鳩山内閣のときは内閣府非常勤国家公務員を務めた[2]。2012年より休眠口座国民会議呼びかけ人[3]

経歴

東京都江東区出身。私立市川中学校・高等学校卒業。高校在学中にアメリカ・ワシントン州に1年間留学。その後慶応義塾大学総合政策学部入学。 在学中に株式会社ニューロンに参画し、代表取締役に就任。2年間の経営経験の後、共同経営者に経営権を譲渡し、大学卒業と同時にフリーターになり、NPO法人フローレンスを起業。

著書

  • 『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(2007年、英治出版
  • 『働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法』(2009年、筑摩書房
  • 『「社会を変える」お金の使い方』(2010年、英治出版

共著

  • 『2人が「最高のチーム」になる―― ワーキングカップルの人生戦略』(2011年、英治出版 小室淑恵との共著)

翻訳書

  • 『あなたには夢がある 小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡』(2008年、英治出版 ビル・ストリックランド著)

韓国語への翻訳

  • 2008年、自著「『社会を変える』を仕事にする」が韓国で出版された[4]

活動

認定NPO法人フローレンス

駒崎が代表をつとめる認定NPO法人フローレンスでは、育児をする共働き世帯やシングルマザーなどの子どもが軽い病気のため保育所に預けられない際に保育サービスを提供する。また乳幼児が感染症などにかかった場合は保育園に預けられないため、そうした病児を保育する[5]。事業は安定的に成長し2011年の収益は約4.4億円にのぼった[5]。 2013年3月からは病児保育の認定資格を創設し、病児保育の担い手を全国で養成していく予定。[5]

NHK番組出演

NPO法人フローレンスの活動はNHKで幾度か紹介されている。

  • 『未来へのアクション File6 “子育て”で社会を変える』(NHK Eテレ/2012年10月29日放送)[6]
  • 『未来へのアクション File7 “休眠口座”で社会を変える?』(NHK Eテレ/2012年10月30日放送)[7]
  • 『フローレンスの「訪問駆けつけ型」「共済型」の病児保育の紹介』(NHK総合/2013年2月5日放送)[8]
NHKとの癒着疑惑

NHK番組内容を審議する立場にあるNHK中央放送番組審議会委員の駒崎の活動がこのようにNHKでとりあげられたのは宣伝にあたり、その宣伝の見返りに審議基準の緩和などがあったのではないかとの癒着疑惑も指摘された[9]

民主党との関係

駒崎弘樹は以下にみるように民主党との関係が深く、民主党のブレーンのひとりである。民主党参議院議員鈴木寛から「駒ちゃん」と呼ばれている[10]。民主党衆議院議員岸本周平は駒崎の著書を絶賛し[11]民主党参議院議員松井孝治は駒崎について「このひとは将来の日本のパブリック(公)を変える」と賞賛している[12]

  • 2008年11月15日、 民主党京都府総支部連合会主催の政治スクールにて講演会[13]
  • 2010年6月5日鳩山由紀夫元総理辞任の際に抱いた心境をブログに記述している。「総理は最後に委員一人一人と握手をしました。僕は後ろの席でその姿を見ていたら、内閣府政務官である泉健太議員が『行かないの?』と近寄ってきて下さいました。『いや、恐れ多いので』と断ると『何言ってんだ、行こう』と背中を押して、総理のところまで連れて行ってくれました。総理は僕の目の前まで来て、僕の手を取り、『ありがとうございました』と深く礼をされました。そしてどこかから起こった拍手を背に、官邸大会議室を出て行かれました。僕は自分が何もできなかったことに唇を噛みながら、彼の背中が見えなくなるまで、小さく拍手を続けました。」[14] 退陣後、鳩山由紀夫が駒崎の同日記事の「新しい公共」円卓会議に関する発言「政治家や官僚を叩きながら確実に腐っていく我が国の中で、僕は今日から自らの行いによって、半径1メートルの中で1ミリでも社会を変えていこう」をツイートし駒崎のブログのURLが拡散され、そこから北大教授、寺脇研、民主党参議院議員鈴木寛、民主党前衆議院議員逢坂誠二らが「俺たちが『新しい公共』を考えよう」と北海道でシンポジウムを行うきっかけとなった[15]民主党参議院議員松井孝治はデザイナーの徳田祐司とのなかで、こうした駒崎の言葉のツイッターでの拡散とそれが生み出す政治的な動きに対して「これこそがが僕らが狙った、みんなで考えようってことなんです」と賞賛した[15]
  • 2011年3月1日、「新しい公共」推進シンポジウム[主催者:鳩山由紀夫元総理(新しい公共推進本部本部長)、仙谷由人民主党前衆議院議員(推進本部本部長代理)、平野博文民主党前衆議院議員(推進本部本部長代理)]に参加し[16]、預金者の権利を保護しながら休眠口座マイクロファイナンスに活用し、貧困解消や被災地支援に繋げていくプランについてプレゼン[17]
  • 2011年9月26日、民主党衆議院議員辻元清美主催のトークライブ「助けあおうジャパン!~3・11後の日本を元気にするために」にゲスト出演[18]
  • 2012年11月3日、特定非営利活動法人「全国小規模保育協議会」設立記念フォーラムにてディスカッションに参加。パネリストは、内閣府少子化担当参事官長田浩志公明党衆議院議員高木美智代、民主党衆議院議員小宮山洋子[19]
  • 2012年衆議院選挙の結果に凹んでいる人に対して「実は勝負はこれからだ」と奮起させた[20]

休眠口座国民会議

2011年3月1日鳩山由紀夫仙谷由人らが主催した「新しい公共」推進シンポジウムにおいて預金者の権利を保護しながら休眠口座マイクロファイナンスに活用し、貧困解消や被災地支援に繋げていくプランについてプレゼンした[17]

休眠口座とは長期間引き出されたり取引のない銀行預金口座のことであり、2009年度には883億円、2010年度には882億円など、近年は毎年800億円を超える休眠口座が発生しており、最近20年間の累積では2兆円ほどにもなるとされ、預金者が忘れたりまた死亡したりするこで休眠口座になるケースもある[3]。駒崎は韓国での[休眠口座活用を知り、それを日本でも導入すべきだと考え、2012年に駒崎が呼びかけ人となって休眠口座国民会議が発足した[3]。休眠口座の活用に対しては国家が国民の預金に手を付けるのは問題であるとして批判されたが、これに対しては預金者の要求があれば払い戻しのは応じると説明された[3]

2013年1月には「休眠口座が日本の未来を創る」シンポジウムが開かれ、「歴史的なシンポジウム」と評価された[3]創価学会系の雑誌『第三文明』2013年4月号で「休眠口座の社会的な活用を目指す」という特集記事が組まれ、駒崎による休眠口座に関する活動が紹介された[3]。同シンポジウムで民主党の鈴木寛は、正義にかなう不平等は政府ではできないが、休眠口座をベースにしたソーシャルファンドでは堂々とできると語った[3]。また駒崎は政治家の背中を押す熱量について語り、シンポジウム参加者に対して「共犯者」として協力を呼びかけた[3]

韓国

  • 2011年3月11日の東日本大震災当日、Twitterにて在日韓国人へ向けた救援情報に関するツイートをハングルで行った[21][22]

これは、フローレンスのインターン生である韓国人大学生に翻訳を行ってもらい、震災によって情報不足に陥っているだろう日本在住の韓国人の人々に向けて発信したものである。

社会変革・「火炎瓶」に関する発言

2011年4月1日、ジャーナリスト・江川紹子氏との対談にて次のような発言を行った。 「どのように世の中を少しでもよくしていけるかということについて、僕がなんとなく思っているのは、かつては火炎瓶の投げ先があった社会だったんだと思う。誰か悪いもの…国なり…がいて、彼らを糾弾して正させることによって、正しいガバナンスが行われるみたいな。それを、我々の世代は感じられない。火炎瓶の投げ先がない(笑)。それをはっきり認識したのは、鳩山内閣で半年だけ官僚をさせてもらった時のことです。寄付税制とか新しい公共を考えるということで、政治任用されて、内閣府非常勤国家公務員政策調査員)になりました。それで政策決定の中枢に入ってみて、僕はこれまで大きな勘違いをしていたなと思った。総理大臣になれば、いろんなことを変えられると思っていたのに、どうもそうではないらしい、というのが分かってしまったんです。」[2]ここでいう火炎瓶とはかつて1950年代に日本共産党山村工作隊による武装闘争、また1970年代の学生運動において左翼過激派学生が多用したもので、当時の学生運動においては機動隊などに向かって投擲された急造兵器の一種である。日本政府は1972年に「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」を制定し、現在では火炎瓶を製造・所持・使用した者は罰せられる。

「ネット右翼」に関する発言

2013年2月18日[23]、NHK広報局のtwitter公式アカウント(タイトルは「NHK広報局(ユル~く会話しますよ)」[24])は、「ヘイトスピーチをまき散らすだけで、まるで何か世の中の役に立つことをやっている気になっているようなネット弁慶さんたちには、1度でいいから東北へ行ってボランティアでもしてきなよ、と言いたい。かなり本気で言いたい」と発言し[25][26] [27][28]twitter2ちゃんねるで掲示板が乱立するなど炎上した[27]。「ネット弁慶」とはネット上では強気だが実際に対面するとおとなしいひとを指すスラング[29]。NHK中央番組審議会委員任期中の駒崎はこのNHK広報局の発言について「勇気ある発言」「外圧を恐れず発信していって下さい。審議会では徹底サポートで助太刀します。 」と発言、さらにNHKがチベットウイグルの惨状を報道しないのは偏向報道ではないかという別のユーザーの指摘に対して「安定のネトウヨクオリティwww」と揶揄した[30]。また同ツイートで自分が「NHK中央放送番組審議委員会」の一員であることも明言した[30]。また「www」とは匿名掲示板2ちゃんねるを常用する2ちゃんねらーなどの間で使用される(笑)を意味するスラング表記である[31]が、人によっては嘲笑や侮辱の表現と受け取られることがある[32]

ネット右翼」という言葉は近年作られたスラングで、インターネット上の右翼的、保守的、国粋主義的な性向を持つ人々を指し使われ[33]、主としてそのような傾向と対極に位置する反保守的性向(左翼的、革新的)を持つと自認する人々によって用いられ、また反論者側からレッテル貼りに用いられる一種の侮蔑語である[34]。このように「ネット右翼」という用語はレッテルであるため、「ネット右翼」という言葉にポジティブな意味はなく[34]、またネット右翼の実態には、まともに働いていない「ニート引きこもり」または「負け組」であると認定する見解も多く[35]、「ボランティアにでもいってこい」という「若者」に向けた発言はかつて猪瀬直樹なども行なっている[36]。他方、批評家の濱野智史津田大介などはいわゆる「ネット右翼」とよばれる人々の行動は、マスコミ監視の側面もあり、「ネット右翼というレッテル貼り」はもはや限界にあると指摘している。[34][37]

その他

脚注

  1. ^ 病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog(2010年10月25日)
  2. ^ a b Egawa shoko Journal
  3. ^ a b c d e f g h 第三文明』2013年4月号「休眠口座の社会的な活用を目指す」
  4. ^ [ http://megalodon.jp/2013-0221-1746-02/florence.seesaa.net/article/111402896.html 病児保育・病後児保育のNPO法人フローレンスブログ(2008年12月18日)]
  5. ^ a b c 週刊東洋経済2013年3月2日号「新しい仕事はどこにある?」
  6. ^ NHK福祉ポータル ハートネット:2012年10月29日の放送
  7. ^ NHK福祉ポータル ハートネット:2012年10月30日の放送
  8. ^ 認定NPO法人フローレンス メディア掲載・公演情報
  9. ^ 「NHK広報Twitter炎上で番組審議会委員との癒着疑惑噴出」2013年2月21日「税金と保険の情報サイト」ニュース
  10. ^ すずかん.TV 第311回 駒崎 弘樹 氏(NPO法人 フローレンス 代表理事)
  11. ^ 岸本周平ブログ(2011年2月17日)
  12. ^ 『世界』2013年4月号「「民」「政」「官」のつながりが実現させた小規模保育」
  13. ^ 民主党京都府総支部連合会ホームページ
  14. ^ 病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog(2010年6月5日)
  15. ^ a b 松井孝治公式ホームページ
  16. ^ 病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog(2011年2月27日)
  17. ^ a b Twitter 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki
  18. ^ 病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog(2011年9月26日)
  19. ^ NPO法人 ピッピ・親子サポートネット
  20. ^ 意見をつなぐ、日本が変わる。BLOGOS
  21. ^ Twitter 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki
  22. ^ Twitter 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki
  23. ^ 2013年2月18日午前7時5分の投稿
  24. ^ NHKはこの他にも複数のアカウントを活用している。[1]2013.2.20閲覧
  25. ^ NHK広報局 (2013年2月18日). “2013年2月18日07時05分のtwitter投稿”. twitter. 2013年2月19日閲覧。
  26. ^ NHK広報局 (2013年2月19日). “2013年2月18日07時05分twitter投稿のツイッター魚拓”. twittaku. 2013年2月19日閲覧。
  27. ^ a b [2] p.2 J-CASTニュース2013年2月19日記事「NHK広報担当者がツイッターでキレた?「ネット弁慶は東北でボランティアしろ」で大炎上」
  28. ^ Yahoo ニュース「ネット弁慶は東北へ行ってボランティアしてきな」……NHK広報Twitterのツイートが物議」RBB TODAY2013年2月19日(火)11時42分配信
  29. ^ [3]日本語俗語辞書
  30. ^ a b [4]
  31. ^ 2典Plus(笑)#(w、w参照。
  32. ^ (笑)#(w、w参照。
  33. ^ デジタル大辞泉『ネット右翼』 - コトバンク
  34. ^ a b c 2011年11月12日放送 フジテレビ「新・週刊フジテレビ批評」特集「“ネトウヨ心理”とテレビ」『“ネトウヨ心理”とテレビ
  35. ^ 近藤瑠漫・谷崎晃編著 『ネット右翼とサブカル民主主義 ――マイデモクラシー症候群――』 三一書房、2007年8月
  36. ^ ネット右翼参照
  37. ^ 2011年11月12日 ニコニコニュース「"ネトウヨ"というレッテル貼りをするな」 フジテレビ番組が「ネトウヨ」特集(伊川佐保子)
  38. ^ TALKING ABOUT OUR FUTURE
  39. ^ 変革と未来-前編- 駒崎弘樹 TheFutureTimes
  40. ^ 創価学会青年部サイト SOKAYOUTH

外部リンク

関連項目