リューネブルク級補給艦

リューネブルク級補給艦ドイツ語: Versorger Lüneburg-Klasse)は、ドイツ連邦海軍(西ドイツ海軍)が運用していた補給艦の艦級。公称艦型は701型[1]

リューネブルク級補給艦
701C型「コーブルク」
701C型「コーブルク」
基本情報
種別 補給艦
運用者  西ドイツ海軍
 ギリシャ海軍
 スペイン海軍
 コロンビア海軍
 エジプト海軍
 ウルグアイ海軍
就役期間 1966年 - 2004年(ドイツ海軍)
同型艦 8
前級 ドイツの旗アンゲルン級
次級 ドイツの旗ベルリン級
ギリシャの旗プロメテウス
要目
満載排水量 701A型:3,483 t
701C型:3,709 t
701E型:3,900 t
全長 701A型:104.15 m
701C型:114.9 m
701E型:118.3 m
最大幅 13.2 m
吃水 4.2 m
主機 マイバッハMD872ディーゼルエンジン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 5,600 bhp
電力 1,935 kW
速力 17ノット
航続距離 3,200海里(14kt巡航時)
乗員 82名
兵装 40mm連装機銃×2基
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概要 編集

ドイツ連邦海軍(西ドイツ海軍)は、まずフランスの商船(2,111総トン)2隻を購入して、1959年アンゲルン級補給艦として就役させた。これらの任務は資材の輸送におおむね限定されており、海軍としては不満が残るものであった。このことから、海軍の要請に応じた補給艦として建造されたのが本級である[1]

本級は、当初、下記の通り計1,100トンの物資を搭載できるよう設計されていた[2]

  • 貨油640トン
  • 真水131トン
  • 弾薬205トン
  • 予備部品100トン(約10,000個)
  • 糧食等100トン
  • 冷凍食糧品267 m3

その後、1974年から1977年にかけて、「ザールブルク」をはじめとする4隻が701C型改装を受けた。これはアルバトロス級(143型)ティーガー級(148型)ミサイル艇を支援するため、船体を11.5メートル延長して、エグゾセ艦対艦ミサイルの整備能力付与や予備部品搭載能力の増強(搭載量を30,000個に増加するとともにニクスドルフ・コンピュータ・システム搭載)を行ったものであった[2]

また1981年から1984年にかけて、「フライブルク」はブレーメン級フリゲートを支援するため701E型改修を受けた。これは船体を14.3メートル延長してヘリコプター甲板と大型クレーンを追加するとともに、ハープーン艦対艦ミサイルの予備弾9発を搭載、リンクスMk.88ヘリコプターの修理設備を備えたものであった[1][2]

冷戦終結後は逐次退役が進められ、リューネブルク級よりはるかに大型かつ高速のベルリン級補給艦2隻の就役と前後して、2004年までに全艦がドイツ海軍から退役した。

退役後もその大半が外国に引き取られ(コロンビアとギリシャが2隻ずつ。スペインとエジプト、ウルグアイが1隻ずつ)、それぞれの国の海軍において運用されている。

同型艦 編集

同型艦一覧[2]
  ドイツ海軍 退役/再就役後
サブクラス # 艦名 起工 就役 退役 再就役先 # 艦名
701A A1411 リューネブルク
Lüneburg
1964年7月 1966年1月 1994年6月   コロンビア海軍 BM-161 カルタヘナ・デ・インディアス
ARC Cartagena de Indias
A1416 ニーンブルク
Nienburg
1965年4月 1968年8月 1998年3月 BM-162 ブエナベントゥーラ
ARC Buenaventura
A1417 オッフェンブルク
Offenburg
1966年 1968年5月 1993年6月   スペイン海軍 n/a
701C A1412 コーブルク
Coburg
1965年4月 1968年7月 1991年9月   ギリシャ海軍 A464 アクシオス
Αξιός
A1414 グリュックスブルク
Glücksburg
1965年8月 2001年11月   エジプト海軍 A230 シャラティーン
Shalatein
A1415 ザールブルク
Saarburg
1966年3月 1968年7月 1994年4月   ギリシャ海軍 A470 アリアクモン
Αλιάκμων
A1418 メーアスブルク
Meersburg
1965年8月 1968年6月 2004年12月 海軍工廠ドイツ語版にて保管中。
701E A1413 フライブルク
Freiburg
1965年 1968年5月 2003年12月   ウルグアイ海軍 ROU 04 ヘネラル・アルティハス
General Artigas

ギャラリー 編集

参考文献 編集

  1. ^ a b c 吉原栄一「揚陸艦/補助艦 (第2次大戦後のドイツ軍艦)」『世界の艦船』第542号、海人社、1998年9月、92-95頁。 
  2. ^ a b c d Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. p. 202. ISBN 978-0870212505 

関連項目 編集