東北沢駅

日本の東京都世田谷区北沢にある小田急電鉄の駅

東北沢駅(ひがしきたざわえき)は、東京都世田谷区北沢三丁目にある、小田急電鉄小田原線である。駅番号OH 06

東北沢駅
東口(2021年4月10日)
ひがしきたざわ
Higashi-Kitazawa
OH 05 代々木上原 (0.7 km)
(0.7 km) 下北沢 OH 07
地図
所在地 東京都世田谷区北沢三丁目1番4号
北緯35度39分56秒 東経139度40分23.5秒 / 北緯35.66556度 東経139.673194度 / 35.66556; 139.673194座標: 北緯35度39分56秒 東経139度40分23.5秒 / 北緯35.66556度 東経139.673194度 / 35.66556; 139.673194
駅番号 OH06
所属事業者 小田急電鉄
所属路線 小田原線
キロ程 4.2 km(新宿起点)
駅構造 地下駅
ホーム 1面4線*
乗降人員
-統計年度-
[小田急 1]7,086人/日
-2022年-
開業年月日 1927年昭和2年)4月1日
備考 * 通過線2線含む
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歴史 編集

駅名の由来 編集

開業時に、駅の所在地が「荏原郡世田ヶ谷町下北沢」のの外れに位置していたことから、下北沢の東側という意味で「東北沢」と名付けられる。

なお、旧版地図によると開業当時の字は「下山谷」といった。ただ、山谷駅があった付近(現・渋谷区内)との関連は特に見られず、紛らわしかった、ということも窺える。

駅構造 編集


東北沢駅
配線図

代々木上原駅

2 1


       
       
       
       
       

下北沢駅

島式ホーム1面4線を有する地下駅である。複々線区間で、外側が急行線、内側が緩行線で、緩行線の上下線間に島式ホームが設けられている。

当駅付近では急行線・緩行線とも同一階層で並んでいるが、ホームの下北沢寄りは両線間が壁で隔てられ、急行線は下り勾配で緩行線の直下へ潜る2層式の形態になっている。

のりば 編集

ホーム 路線 方向 行先[11]
1   小田原線 下り 小田原片瀬江ノ島方面
2 上り 新宿  千代田線方面

変遷 編集

地上駅時代 編集

2006年(平成18年)11月24日までは、相対式ホーム2面4線(うち2線はホームに面せず)を有する地上駅であった。上りホームに駅舎と北口改札があり、2面のホームは跨線橋で結ばれ、跨線橋上に南口改札があった。駅舎の佇まいと比較的長い時間通過待ちで停車する各駅停車の光景は郊外や下町の駅を彷彿させた。また、かつては貨物駅が新宿方(渋谷区内)にあり、代々木上原から当駅までの高架複々線化まではその痕跡があった。高架複々線化後は当駅の小田原寄りで急行線と緩行線が合流し複線になっていた。当駅構内は2線が本線格で急行線、外側2線が側線格で緩行線になり、急行線にホームがない構造だった。通過線は、ホームの設置がない通過専用線として1927年(昭和2年)に開業した時から存在していた。

その後、代々木上原駅 - 梅ヶ丘駅間の連続立体交差化・複々線化工事にあたり、用地捻出のために複々線の内側2線を撤去するとともに、内側線跡に上り仮設ホームと仮設橋上駅舎を建設し、2006年11月25日に上り線が移設された[3]。仮設駅舎にはエレベーターが出入口とコンコース間に2基、コンコースとホーム間に2基、計4基設置された[4]。これにより従来の北口改札は橋上に移された[4]。同時に南口改札も臨時改札口として使用を開始した[4]。工事の進捗に伴い暫定複線化された2008年(平成20年)3月29日には単式ホーム2面2線[3]2009年(平成21年)4月25日から地下化までは島式ホーム1面2線と[3]、形態が変化した。

この間に旧上りホームと旧駅舎の撤去を行い、跡地に上りトンネルと駅を建設した。上りトンネルと駅の完成により、上り線路を地下へ切り替え、地上に下りホームと線路を移設、下りホームを撤去し、跡地に下りトンネルと地下ホームを建設した。

2013年(平成25年)3月23日の地下化に伴い、東京都道420号鮫洲大山線に跨る地上踏切が撤去された。

地下駅(複線)時代 編集

 
緩行線の線路上に設置された仮設ホーム(2013年4月20日)

2013年(平成25年)3月23日に地下化された[5]。地下化当初は将来の急行線を本線として使用し、緩行線の線路上を塞ぐ形で、本設ホームよりやや代々木上原寄りに8両編成分の仮設ホームが設けられ、ホームには新たにLCD式の発車標が設置された(2013年4月中旬より稼働)。その後、2015年(平成27年)5月16日からは仮設橋上駅舎に代わり新しい地上駅舎の使用を開始し、改札口は西口・東口の2か所になった[7]

複々線の完成により、2018年(平成30年)3月2日終電をもって仮設ホームの使用を終了し、撤去の上で翌3日より緩行線に設置された本設ホームの全面使用を開始した[9]。これによりホームが10両編成に対応すようになり、同年3月17日より、特急ロマンスカーを除く上り(綾瀬方面行き)の千代田線直通列車が通過列車を含め、緩行線ホームを経由するようになった。

利用状況 編集

2022年度の1日平均乗降人員7,086人であり[小田急 1]、小田急線全70駅中65位。近年は減少傾向にあり、小田急線の複々線区間では最も少ない。また、東京都内の小田急線の駅では南新宿駅に次いで2番目に少なく、全体でも富水駅に次いで5番目に少ない。

近年の1日平均乗降乗車人員推移は下表の通り。

年度別1日平均乗降・乗車人員[12]
年度 1日平均
乗降人員[13]
1日平均
乗車人員[14]
出典
1956年(昭和31年) 4,136 [* 1]
1957年(昭和32年) 4,373 [* 2]
1958年(昭和33年) 4,797 [* 3]
1959年(昭和34年) 5,307 [* 4]
1960年(昭和35年) 11,440 5,441 [* 5]
1961年(昭和36年) 12,097 5,725 [* 6]
1962年(昭和37年) 12,602 6,050 [* 7]
1963年(昭和38年) 12,884 6,273 [* 8]
1964年(昭和39年) 13,954 6,847 [* 9]
1965年(昭和40年) 14,583 7,178 [* 10]
1966年(昭和41年) 14,868 7,055 [* 11]
1967年(昭和42年) [注 1]14,872 7,011 [* 12]
1968年(昭和43年) 14,455 6,652 [* 13]
1969年(昭和44年) 13,986 6,674 [* 14]
1970年(昭和45年) 13,802 6,560 [* 15]
1971年(昭和46年) 12,684 6,358 [* 16]
1972年(昭和47年) 13,914 6,794 [* 17]
1973年(昭和48年) 13,680 6,708 [* 18]
1974年(昭和49年) 13,710 6,778 [* 19]
1975年(昭和50年) 13,875 6,606 [* 20]
1976年(昭和51年) 13,613 6,459 [* 21]
1977年(昭和52年) 14,030 6,427 [* 22]
1978年(昭和53年) 13,178 5,949 [* 23]
1979年(昭和54年) 11,784 5,541 [* 24]
1980年(昭和55年) 11,219 5,567 [* 25]
1981年(昭和56年) 11,913 5,516 [* 26]
1982年(昭和57年) 11,985 5,490 [* 27]
1983年(昭和58年) 12,645 5,528 [* 28]
1984年(昭和59年) 12,874 5,748 [* 29]
1985年(昭和60年) 13,198 5,795 [* 30]
1986年(昭和61年) 14,185 6,237 [* 31]
1987年(昭和62年) 14,007 6,135 [* 32]
1988年(昭和63年) 13,667 5,928 [* 33]
1989年(平成元年) 13,814 6,008 [* 34]
1990年(平成02年) 13,140 5,959 [* 35]
1991年(平成03年) 13,195 5,937 [* 36]
1992年(平成04年) 13,106 5,868 [* 37]
1993年(平成05年) 12,930 5,703 [* 38]
1994年(平成06年) 12,642 5,500 [* 39]
1995年(平成07年) 12,266 5,283 [* 40]
1996年(平成08年) 12,043 5,082 [* 41]
1997年(平成09年) 9,538 4,762 [* 42]
1998年(平成10年) 9,185 4,562 [* 43]
1999年(平成11年) 8,923 4,334 [* 44]
2000年(平成12年) 8,896 4,284 [* 45]
2001年(平成13年) 9,018 4,275 [* 46]
2002年(平成14年) 9,114 4,344 [* 47]
2003年(平成15年) 8,862 4,199 [* 48]
2004年(平成16年) 8,407 4,077 [* 49]
2005年(平成17年) 7,702 3,740 [* 50]
2006年(平成18年) 7,632 3,696 [* 51]
2007年(平成19年) 7,580 3,713 [* 52]
2008年(平成20年) 6,876 3,370 [* 53]
2009年(平成21年) 6,683 3,266 [* 54]
2010年(平成22年) 6,386 3,132 [* 55]
2011年(平成23年) 6,222 3,055 [* 56]
2012年(平成24年) 6,391 3,142 [* 57]
2013年(平成25年) 6,586 3,251 [* 58]
2014年(平成26年) 6,422 3,179 [* 59]
2015年(平成27年) 6,506 3,225 [* 60]
2016年(平成28年) 6,523 3,230 [* 61]
2017年(平成29年) 6,729 3,332 [* 62]
2018年(平成30年) 7,071 3,510 [* 63]
2019年(令和元年) 7,335 3,648 [* 64]
2020年(令和02年) 5,596 2,795 [* 65]
2021年(令和03年) [小田急 2]6,298
2022年(令和04年) [小田急 1]7,086

駅周辺 編集

宇田川渋谷川の流域)と北沢川目黒川の流域)の分水嶺に当たる台地の尾根上に位置し、地形的には両隣の駅(代々木上原・下北沢)へ向けて下り勾配となる。かつてこの尾根上には三田用水が通されており、駅の下を流れていた。

駅東側で東京都道420号鮫洲大山線と交差し、ほぼ渋谷区世田谷区の境界に当たる。

北口から鮫洲大山線の沿道にかけて商店街になっている。世田谷区北沢と渋谷区大山町などの境界に跨るこの商店街周辺では、北澤八幡神社代々木八幡宮の「睦会」があり、特に秋祭りの時季は「境目」の様相を見せる。

駅周辺は戸建住宅の多い住宅地である。

バス路線 編集

東北沢駅」停留所に京王バスの路線が乗り入れる。
2021年4月1日より、新設された駅前ロータリーに乗り入れる代わりに、それまでの東北沢(「駅」の付かない路上停留所)から幡ヶ谷折返所までの区間が廃止された[15]。また2023年3月1日より、日中時間帯のみ東北沢駅から笹塚駅まで延長し、渋65系統笹塚東北沢循環として運行を開始、併せて東急バスから京王バスに移管された。

貨物輸送 編集

開業時から、相模川など小田急沿線の河川から採取される砂利を輸送する貨物列車が運転されていた。その際に当駅の新宿寄りには専用施設が設置され、採取した砂利を東京に向けて輸送していた。この貨物輸送は1966年で廃止となった。

隣の駅 編集

小田急電鉄
  小田原線
快速急行・通勤急行・急行・通勤準急・準急
通過
各駅停車
代々木上原駅 (OH 05) - 東北沢駅 (OH 06) - 下北沢駅 (OH 07)

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 当駅の乗降人員最高値年度

出典 編集

  1. ^ 小田急五十年史』小田急電鉄、1980年12月、98-99頁。doi:10.11501/11956508https://dl.ndl.go.jp/pid/11956508/1/78 
  2. ^ 佐藤信之「小田急電鉄連続立体化・複々線化事業を振り返る」『鉄道ピクトリアル』第68巻第6号(通巻946号)、電気車研究会、2018年6月1日、69 - 71頁、ISSN 0040-4047 
  3. ^ a b c d e f g 杉田弘志「小田急電鉄 列車運転の変遷とその興味」『鉄道ピクトリアル』第60巻第1号(通巻829号)、電気車研究会、2010年1月10日、213 - 218頁、ISSN 0040-4047 
  4. ^ a b c d ODAKYUシモチカナビ vol.2” (PDF). 小田急電鉄 (2006年10月1日). 2019年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月10日閲覧。
  5. ^ a b 2013年3月23日初電から東北沢、下北沢、世田谷代田3駅を地下化します -代々木上原〜梅ヶ丘駅間上下線を地下化、9箇所の踏切を廃止-』(PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2013年1月31日。 オリジナルの2019年5月16日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190516233220/https://www.odakyu.jp/program/info/data.info/7896_5372651_.pdf2020年4月11日閲覧 
  6. ^ 小田急線・箱根登山線・箱根ロープウェイ・箱根海賊船にて 2014年1月から駅ナンバリングを順次導入します! 新宿駅から箱根・芦ノ湖まで通しのナンバリングにより、わかりやすくご利用いただけます』(PDF)(プレスリリース)小田急電鉄/箱根登山鉄道、2013年12月24日。 オリジナルの2021年5月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210509093516/http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8052_1284200_.pdf2021年5月9日閲覧 
  7. ^ a b ODAKYUシモチカナビⅡvol.9” (PDF). 小田急電鉄 (2015年4月3日). 2019年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月10日閲覧。
  8. ^ ODAKYUシモチカナビⅡvol.15” (PDF). 小田急電鉄 (2016年10月6日). 2019年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月10日閲覧。
  9. ^ a b c 2018年3月3日初電から、代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間において複々線での運転を開始します -東北沢・下北沢・世田谷代田3駅において新たなホームを使用開始します-』(PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2017年12月15日。 オリジナルの2018年1月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180130144117/https://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8732_1784221_.pdf2020年4月11日閲覧 
  10. ^ 代々木上原〜登戸間の「複々線化」により小田急の通勤が変わる! 2018年3月、新ダイヤでの運行開始 〜ラッシュピーク混雑率150%、町田〜新宿間の最大12分短縮を実現〜 〜快速急行の登戸停車や列車種別の新設で、都心へのアクセス向上〜』(PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2017年11月1日。 オリジナルの2019年4月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190415221739/http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8701_5820170_.pdf2020年4月11日閲覧 
  11. ^ 東北沢駅のご案内 駅立体図”. 小田急電鉄. 2023年6月3日閲覧。
  12. ^ 世田谷区統計書 - 世田谷区
  13. ^ レポート - 関東交通広告協議会
  14. ^ 東京都統計年鑑 - 東京都
  15. ^ 【渋55】渋谷駅~幡ヶ谷折返所運行区間変更のお知らせ 2021年4月1日(木)実施”. 東急バス (2020年11月9日). 2020年11月9日閲覧。
小田急電鉄の1日平均利用客数
  1. ^ a b c 鉄道部門:駅別乗降人員・輸送人員ほか”. 小田急電鉄. 2023年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月26日閲覧。
  2. ^ 鉄道部門:駅別乗降人員・輸送人員ほか”. 小田急電鉄. 2023年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月26日閲覧。
東京都統計年鑑

関連項目 編集

外部リンク 編集