生命40億年はるかな旅
生命40億年はるかな旅(せいめい40おくねんはるかなたび)は、1994年から1995年にかけてNHKスペシャル枠で放送されたドキュメンタリー番組。作曲は大島ミチル。音楽プロデュースを Kim Studio の伊藤圭一が担当。全10集。
概要編集
生命の進化の道筋をたどるシリーズである。出演は宇宙飛行士の毛利衛。1集54分(最終回のみ74分)。
放送テーマ編集
- 第1集:海からの創世(1994年4月24日)
- 生命誕生から細胞誕生までの道筋を探る。(46億〜20億年前)
- 第2集:進化の不思議な大爆発(1994年5月29日)
- カンブリア紀の爆発的な進化を、ハリー・ウィッチントンらの研究を参考に解説する。アノマロカリスの動きをロボットで検証する様子が放送された。(10億〜5億2000万年前)
- 第3集:魚たちの上陸作戦(1994年6月26日)
- 最古の魚から両生類の上陸までの道筋をたどる。(4億6000万〜3億6000万年前)
- 第4集:花に追われた恐竜(1994年7月31日)
- 恐竜絶滅の謎を「植物の進化」に注目して検証する。(4億〜6500万年前)
- 第5集:大空への挑戦者(1994年9月25日)
- 鳥の誕生と進化、鳥と翼竜の進化の違いについて解説する。(1億5000万〜5500万年前)
- 第6集:奇跡のシステム"性"(1994年10月30日)
- ″性″のシステムの確立と、生命の進化と性のかかわりについて説明する。(20億年前〜現代)
- 第7集:昆虫たちの情報戦略(1994年11月27日)
- 昆虫の進化と、昆虫の情報処理について。(3億年前〜現代)
- 第8集:ヒトがサルと別れた日(1995年1月29日)
- 人類の誕生のきっかけと進化の道筋を検証する。(6500万〜160万年前)
- 第9集:ヒトは何処へいくのか(1995年2月26日)
- 人類が農耕を始めるきっかけ、文明社会を築き上げて人類は地球においてどのような存在かを解説する。火星の植民計画の必要性についても言及している。(10万年前〜現代)
- 最終回(第10集):地球と共に歩んで(1995年3月19日)
スタッフ編集
- 音楽:大島ミチル
- ナレーター:石沢典夫、上田早苗
- テーマ曲演奏:NHK交響楽団
- 統括:須磨章、日向英実、高柳雄一(1-3)、小平信行(4-10)
- 特撮担当:冨永慎一、水島秀明
- 国際制作:韓国放送公社(KBS)、ディスカバリー・プロダクションズ(米国)、テレイマージュ/ITI(フランス)
- 制作・著作:NHK
- 共同制作:NHKクリエイティブ
漫画版編集
- 1994年〜1995年にNHK出版から全5巻が発売された。作画・本庄敬。本番組の制作スタッフや毛利が実名で登場し、スタッフの取材活動や制作風景が描かれたストーリーとなっている(但し性格や言動がギャグ風にデフォルメされており、3巻ではそれがネタになっている)。また、これ以前の『地球大紀行』の漫画版から引き続き、360度フルスクリーンで様々なバーチャル映像(リアルタイムでの同時取材報告も可能)を写せるスタジオが主な舞台になっている。
登場人物編集
- 注:以下に書かれている登場人物は実在する人物だが性格・趣味はあくまで漫画でのものであり、実際の性格とは異なる(容姿は本人に似ている〈日向や高柳の2011年現在の写真と漫画との比較から〉)。スタッフ陣は基本的にNHKまたはNHKクリエイティブ→NHKエンタープライズ21の社員(巻末から)。
- 日向英実:チーフプロデューサー(制作統括)の一人であり、しっかりしたまとめ役的人物。常時背広姿である。2011年現在はNHK交響楽団理事長[1]。
- 須磨章:チーフプロデューサーの一人。他の面々より老けて描かれている。勢いで迂闊なことを言ってしまうこと等があるが、基本的にまじめな人間である(3巻では漫画版を読んで自分のギャグキャラ化や老けた容姿に憤慨していた)。
- 高柳雄一:チーフプロデューサーの一人(前半部分のみ)。他の2人に比べあまり目立たない。2011年現在は多摩六都科学館館長を務めている[2]。またNHKジュニアスペシャルにも出演。
- 小平信行:チーフプロデューサーの一人(後半部分のみ)。
- 谷田部雅嗣:チーフディレクター。『魚たちの上陸作戦』などで取材を担当。太めでやや頼りないが、最終巻のラストではチーフプロデューサー陣3人・毛利とともに生命の今後について考えていた。2011年現在はNHK解説委員[3]。またNHKジュニアスペシャルにも『やったべえ』というキャラで登場していた。
- 新山賢治:ディレクター。『海からの創世』・『進化の不思議な大爆発』(1巻)では熱血青年として登場したが、『昆虫たちの情報戦略』(4巻)以降では中肉中背で眼鏡の男性になった(熱血青年の新山は1巻にしか登場せず、4巻で登場したとき眼鏡の新山は今までの企画を振り返り自分たちは何をするかと思考していた)。2011年現在はNHK理事を務めているが、NHK公式ホームページでの写真が眼鏡の新山に似ているため[4]眼鏡の方がより本人に近いキャラと思われる。
- 藤澤司:ディレクター。『海からの創世』などで取材を担当。まともなキャラだが、『ヒトがサルと別れた日』では取材先でワインを飲み酔っぱらって陽気になった状態でスタジオに向かってレポートしていた。
- 田中文弥:ディレクター。『花に追われた恐竜』などで取材を担当。ピアノ演奏が趣味で落ち込むと子供用ピアノを出し演奏を始めるという癖がある。
- 阿部真人:ディレクター。『大空への挑戦者』(3巻)で取材を担当。絵が趣味で制作開始時に須磨が発した『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』の由来をすぐに理解した。
- 久保安夫:ディレクター。『奇跡のシステム"性"』で取材を担当。
- 諏訪雄一:ディレクター(但し外部スタッフ。[5])。『奇跡のシステム"性"』で取材を担当。他のディレクター陣と違いこの回しか登場しないが、後に『地球大進化〜46億年・人類への旅(制作スタッフの一人だった)』の漫画版に登場した。
- 毛利衛:この番組の出演者。主に導入時のナビゲートを担当している。
刊行情報編集
- 1巻:海からの創世 進化の不思議な大爆発
- 2巻:魚たちの上陸作戦 花に追われた恐竜
- 3巻:大空への挑戦者
- 4巻:奇跡のシステム"性" 昆虫たちの情報戦略
- 5巻:ヒトがサルと別れた日 ヒトは何処へいくのか