空も飛べるはず

スピッツの楽曲

空も飛べるはず」(そらもとべるはず)は、日本ロックバンドスピッツの楽曲で、通算8作目のシングル。1994年4月25日にポリドールより発売。

「空も飛べるはず」
スピッツシングル
初出アルバム『空の飛び方
B面 ベビーフェイス
リリース
規格
録音 1994年1月 - 2月
ジャンル
時間
レーベル ポリドール
作詞・作曲 草野正宗
プロデュース 土方隆行&スピッツ
ゴールドディスク
  • トリプル・プラチナ(シングル、日本レコード協会[1]
  • トリプル・プラチナ(ダウンロード、日本レコード協会)[2]
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン[3]
  • 1996年2月度月間2位(オリコン)
  • 1996年3月度月間9位(オリコン)
  • 1996年4月度月間16位(オリコン)
  • 1996年度年間6位(オリコン)
  • オリコン歴代シングルランキング89位
  • スピッツ シングル 年表
    • 空も飛べるはず
    • (1994年 (1994)
    空の飛び方 収録曲
    スパイダー
    (2)
    空も飛べるはず
    (3)
    迷子の兵隊
    (4)
    ミュージックビデオ
    「空も飛べるはず」 - YouTube
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    概要

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    ドラマ主題歌(後述の『白線流し』とは別)の依頼から、シナリオを読み、草野が2-3日で書き下ろした曲[4]。主題歌採用はされなかったが、シングルとして発売した[4]

    レコーディング当時は、前年にアルバム『Crispy!』を担当した笹路正徳プロデューサーとのスケジュールが合わず、代わりに土方隆行がプロデュースを務め、同時期に次のシングルとなる「青い車」もレコーディングされた。5thアルバム『空の飛び方』のレコーディングから笹路が復帰し、彼の監修のもとアルバムバージョンを制作。ボーカルテイクを再録した上でリミックスされた。

    ジャケットデザインはCentral67の木村豊が手掛け、今作以後現在に至るまでスピッツ関連作品のすべてに関わっている。プロモーション・ビデオ竹内鉄郎の制作。撮影場所は茨城県稲敷郡美浦村にあった東京医科歯科大学医学部附属病院霞ヶ浦分院であり、現存はしていない。老紳士役を演じているのは丸山詠二

    1994年の発売当初はオリコン最高28位だったが、1996年1月からフジテレビドラマ『白線流し』の主題歌に起用され同一品番の準新譜扱いで1996年1月25日に再出荷、オリコンチャート同年2月5日付で再登場2位、翌週1位を獲得した。自身初のシングル1位であり、「ロビンソン」以来のミリオンセラーとなる[4][注釈 1]。ドラマのイメージから卒業ソングとして歌われることも多い。1996年3月に第8回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 主題歌賞を受賞[5]

    時代を超えたロングセラーでもあり、2023年2月度の日本レコード協会・ダウンロード認定でトリプル・プラチナ(75万DL)に認定された。[6]

    2010年4月にYouTubeで配信された公式MVは2024年7月29日に1億再生を突破した。1990年代にリリースされた楽曲としては4曲目の1億再生突破となった。

    デモバージョン「めざめ」

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    1993年12月24日に1日でレコーディングされた[7]若干、アレンジや歌詞が異なるデモバージョンが存在する。当初のタイトルは「めざめ」であり、そのままのタイトルで『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』(2006年)の初回盤に付属されているボーナスディスクに初収録された。

    収録曲

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    8cmCD
    マキシシングル
    全作詞・作曲: 草野正宗、全編曲: 土方隆行 & スピッツ
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「空も飛べるはず」草野正宗草野正宗
    2.「ベビーフェイス」草野正宗草野正宗
    合計時間:

    演奏

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    ベビーフェイス

    収録アルバム

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    空も飛べるはず

    ベビーフェイス

    ねごとによるカバー

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    「空も飛べるはず」
    ねごとシングル
    初出アルバム『SOAK
    A面 ALL RIGHT(両A面)
    リリース
    規格
    録音 2017年
    ジャンル
    時間
    レーベル キューンミュージック
    作詞・作曲 草野正宗
    プロデュース ねごと
    チャート最高順位
    ねごと シングル 年表
    • 空も飛べるはず / ALL RIGHT
    • (2017年)
    ミュージックビデオ
    「空も飛べるはず」 - YouTube
    SOAK 収録曲
    水中都市
    (10)
    空も飛べるはず
    (11)
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    2017年にガールズバンドねごとによってカバーされた。ねごとによるカバー・バージョンは、同年に公開されたショウゲート配給映画『トリガール!』主題歌で、8月30日に同映画の挿入歌として使用された「ALL RIGHT」との両A面シングル『空も飛べるはず / ALL RIGHT』として発売された[11][12]

    カバーのきっかけは、映画の監督である英勉より主題歌と挿入歌の演奏を依頼されたこと。蒼山幸子によると、依頼時点で「空も飛べるはず」をカバーすることが決まっていたとのことで、原曲を重んじながらアレンジしていくというかたちがとられた[13]。また、ねごとはかねてよりスピッツのメンバーと親交があり、草野もねごとがカバーするということから映画の主題歌として使用することを許可した[14]

    ミュージック・ビデオも制作されている。同ビデオには映画で主演を務めた土屋太鳳が出演しており、土屋が東京の空を飛ぶ映像とねごとの演奏シーンで構成されている[15]

    演奏

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    その他のアーティストによるカバー

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    音源化されているもの

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    リリース アーティスト 収録作品 備考
    2002年10月17日 ぱぱぼっくす トリビュート・アルバム一期一会 Sweets for my SPITZ
    2004年2月4日 0108(音羽ゆりかご会 カバーアルバム『想い出がいっぱい 〜旅立ちの日に3〜』[16] (キング KICS-1063)
    2004年2月25日 弘恵 シングル『ポプラ』[17]
    2008年4月9日 斉藤花 カバーアルバム『Fozz 〜Greatest Japanese Songs〜』[18]
    2008年9月10日 布施明 カバーアルバム『Ballade』[19]
    2009年9月16日 美吉田月 アルバム『Ska Flavor#2』[20]
    2010年1月20日 広瀬香美 カバーアルバム『DRAMA Songs
    2012年5月23日 さよならポニーテール シングル『空も飛べるはず/ビアンカ/恋するスポーツ』 TVアニメ『つり球』のエンディングテーマ
    2013年3月6日 アルバム『青春ファンタジア』初回生産限定盤 DISC2
    2014年3月26日 ダイスケ アルバム『tumugu』
    2015年8月19日 Ms.OOJA カバーアルバム『THE HITS 〜No.1 SONG COVERS〜
    2017年8月9日 中島美嘉 カバーアルバム『ROOTS 〜Piano & Voice〜
    2019年5月29日 HAN-KUN カバーアルバム『Musical Ambassador

    未音源化のもの

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    大張偉による盗作疑惑

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    中国の歌手・大張偉が歌った2009年発売の楽曲『偏偏愛上洋葱』(英題:Only Onion Is My Love、和訳:どうしても玉葱しか愛せない、作詞・作曲:Russo, Gioavanni・Della Vecchia, Domenico・Jeanne, Laurent)のメロディが『空も飛べるはず』に酷似していることがインターネットなどで話題となり、報道された[24]。大張偉は「(パクリと疑う人は)音楽の素質が解っていない」とコメントしていた[25]が、事務所関係者は「権利は日本からもらった」と主張しているため盗作疑惑が益々強くなった。「なぜ作曲者欄の名前が本来の草野さんではないのか」という記者の質問には「印刷のミスだ」と答えたという。また、大張偉は2006年ごろから日本の楽曲を含む盗作騒動が相次いでいる。

    脚注

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    注釈

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    1. ^ なお、ドラマで使用されたのはアルバムバージョン。
    2. ^ a b 両A面シングル『空も飛べるはず / ALL RIGHT』としてチャートイン。

    出典

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    1. ^ 3月度「ゴールド・アルバム」他認定作品」『The Record』第438号、日本レコード協会、1996年5月1日、5頁、2020年7月10日閲覧 
    2. ^ 2月度DL認定 ~スピッツ「空も飛べるはず」がトリプル・プラチナ認定、back number「水平線」がプラチナ認定”. PR TIMES. 日本レコード協会 (2023年3月20日). 2023年3月21日閲覧。
    3. ^ “スピッツ、映画『ハチミツとクローバー』主題歌リリース!”. ORICON NEWS (オリコン). (2006年4月28日). https://www.oricon.co.jp/news/20083/full/ 2020年7月10日閲覧。 
    4. ^ a b c 富澤 2008, p. 594-595.
    5. ^ ドラマアカデミー賞 【第8回 主題歌賞】「空も飛べるはず」スピッツ ザテレビジョン 2014年2月27日閲覧
    6. ^ 1990年代初出の楽曲で、フル配信75万DLに到達したのは、中島みゆきの『』(100万DL)、高橋洋子の『残酷な天使のテーゼ』(100万DL)、同『魂のルフラン』と本作の4例のみ。
    7. ^ 『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』初回盤付属ブックレット、曲解説より。
    8. ^ Billboard Japan Hot 100 | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2017年9月11日). 2020年7月13日閲覧。
    9. ^ 空も飛べるはず/ALL RIGHT | ねごと”. ORICON NEWS. オリコン. 2020年7月13日閲覧。
    10. ^ Billboard Japan Top Singles Sales | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2017年9月11日). 2020年7月13日閲覧。
    11. ^ “ねごと、スピッツの名曲「空も飛べるはず」を8月にシングルリリース”. OKMusic (ジャパンミュージックネットワーク). (2017年7月13日). https://okmusic.jp/news/190411 2020年7月13日閲覧。 
    12. ^ “ねごと、スピッツ“空も飛べるはず”カバーをシングルリリース&新アー写公開”. OKMusic (ジャパンミュージックネットワーク). (2017年7月13日). https://rockinon.com/news/detail/163716 2020年7月13日閲覧。 
    13. ^ (インタビュアー:清水素子)「【ねごと】ミステリアスな“スピッツイズム”を継承したい」『OKMusic』、ジャパンミュージックネットワーク、2017年8月24日https://okmusic.jp/news/1988562020年7月13日閲覧 
    14. ^ “ねごと、『トリガール!』主題歌でスピッツ「空も飛べるはず」カバー”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク). (2017年6月27日). https://www.barks.jp/news/?id=1000143824 2020年7月13日閲覧。 
    15. ^ “土屋太鳳が東京の空を美しく飛ぶ!ねごと「空も飛べるはず」MV出演”. モデルプレス (ネットネイティブ). (2017年8月10日). https://mdpr.jp/music/detail/1706416 2020年7月13日閲覧。 
    16. ^ Various Artists/想い出がいっぱい 〜旅立ちの日に3〜”. Tower Records. 2021年8月1日閲覧。
    17. ^ 弘恵/ポプラ”. Tower Records. 2021年8月1日閲覧。
    18. ^ 斎藤花/Fozz”. Universal Music. 2021年8月1日閲覧。
    19. ^ 布施明/Ballade”. Tower Records. 2021年8月1日閲覧。
    20. ^ 美吉田月/Ska Flavor#2”. Tower Records. 2021年8月1日閲覧。
    21. ^ スピッツ / 空も飛べるはず”. cdjournal.com. 2014年2月27日閲覧。
    22. ^ ドラマチックカバー特集  高杉さと美「桜坂」、「瞳をとじて」、「空も飛べるはず」 配信スタート!”. UULA. 2013年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月18日閲覧。
    23. ^ 「空も飛べるはず」がリクルート「SUUMO」CMソングに”. spitz-web.com. 2020年6月18日閲覧。
    24. ^ 「スピッツ」ヒット曲とそっくり また中国で盗作疑惑 - J-CASTニュース、2010年5月7日
    25. ^ “中国でスピッツの名曲「空も飛べるはず」にもパクリ疑惑 - 中国リアルIT事情”. ASDII.JP. (2010年5月2日). http://blogmag.ascii.jp/china/2010/05/003813.html 2013年8月3日閲覧。 

    参考文献

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    • 富澤一誠「空も飛べるはず―スピッツ」『J-POP名曲事典300曲』ヤマハミュージックメディア、2008年、594-595頁。ISBN 9784636838732 

    関連項目

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    外部リンク

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