羊と鋼の森』(ひつじとはがねのもり)は、日本作家である宮下奈都による小説

羊と鋼の森
著者 宮下奈都
イラスト 牧野千穂
発行日 2015年9月15日(文庫版:2018年2月10日)
発行元 文藝春秋
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 248
公式サイト 『羊と鋼の森』宮下奈都 文藝春秋BOOKS
コード ISBN 978-4-16-390294-4
ISBN 978-4-16-791010-5(文庫版)
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文藝春秋発行の『別册文藝春秋』にて2013年11月号から2015年3月号まで連載される。2015年9月15日単行本が同社より刊行される。装画は牧野千穂が担当している。装丁は大久保明子が手がけている。著者の宮下は、「師がいて、そこに弟子入りする男の子の話を書きたかった」と語っている[1]

2015年紀伊國屋書店による〈キノベス!2016〉第1位に選ばれる[2]。同年、『王様のブランチ』によるブランチブックアワード2015大賞に選ばれる[3]。同年、第154回直木三十五賞の候補作に選ばれる[4]2016年、第13回本屋大賞で大賞に選ばれる[5]

2018年2月9日、文庫化。レーベルは文春文庫(文藝春秋)。

2018年東宝配給で映画化され、公開された[6]

あらすじ 編集

外村は、高校2年の2学期のある日の放課後、体育館に置かれているグランドピアノ調律師調律するのを偶然目の当たりにする。そのことがきっかけとなり、外村は生まれてはじめて北海道を出て、本州にある調律師養成のための専門学校で2年間、調律の技術を学んだ。そして、北海道に戻り、江藤楽器という楽器店に就職する。入社して5か月が過ぎた秋のある日、ふたごの姉妹の住む家で柳が行う調律に同行する。入社2年目のある日、板鳥が行う一流ピアニストのコンサートの調律に同行する。

登場人物 編集

  • 外村直樹(とむらなおき) - 調律師
  • 板鳥宗一郎(いたどり そういちろう) - 調律師。
  • 柳伸二(やなぎしんじ) - 調律師。
  • 秋野(あきの) - 調律師。
  • 佐倉和音(さくら かずね) - 佐倉家のふたごの姉。
  • 佐倉由仁(さくら ゆに) - 佐倉家のふたごの妹。
  • 北川(きたがわ) - 江藤楽器の事務員。

書評 編集

書店員の大矢靖之は、「優れた作品は読み手にいく種もの想像を許し、促していくものだと思う。そして本作はそうした作品に他ならないのだ」と評している[7]書評家瀧井朝世は、「自然の描写や音楽の表現がとてもきれいで、美しい」[8]音楽の描写、外村の心情、周囲の人々との会話、なにげない比喩。どれもが丁寧に選ばれた言葉で表現されており、心にしみ込んでくる」[9]と評している。

漫画 編集

水谷愛の作画で、『Cheese!』(小学館)にて2018年2月号から[10]同年6月号まで連載された。

映画 編集

羊と鋼の森
監督 橋本光二郎
脚本 金子ありさ
原作 宮下奈都『羊と鋼の森』
製作 石黒裕亮
川田尚広
製作総指揮 山内章弘
出演者 山﨑賢人
鈴木亮平
上白石萌音
上白石萌歌
堀内敬子
仲里依紗
城田優
森永悠希
佐野勇斗
光石研
吉行和子
三浦友和
音楽 世武裕子
主題歌 久石譲×辻井伸行
「The Dream of the Lambs」
撮影 山田康介
編集 瀧田隆一
制作会社 東宝映画
製作会社 「羊と鋼の森」製作委員会
配給 東宝
公開 2018年6月8日
上映時間 134分
製作国   日本
言語 日本語
興行収入 5.5億円[11]
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2018年6月8日公開[12]。監督は橋本光二郎、主演は山﨑賢人[13]

上白石萌音萌歌の姉妹が映画初共演[12]

キャスト (映画) 編集

スタッフ (映画) 編集

オーディオブック 編集

映画公開同日の2018年6月8日に、Audibleからデータ配信でオーディオブック化されている[14]。朗読は村上聡が担当した[14]

脚注 編集

  1. ^ 「作家と90分」 宮下奈都 2”. 文藝春秋 (2016年5月28日). 2017年11月18日閲覧。
  2. ^ 「キノベス!2016」、1位は『羊と鋼の森』”. 新文化通信社 (2015年12月18日). 2017年11月18日閲覧。
  3. ^ 「本屋大賞」受賞作『羊と鋼の森』が100位圏外から急上昇で首位獲得”. オリコン (2016年4月21日). 2017年11月18日閲覧。
  4. ^ 芥川賞・直木賞 第154回候補作品を発表”. 産経新聞社 (2015年12月21日). 2017年11月18日閲覧。
  5. ^ 本屋大賞に宮下奈都さん「羊と鋼の森」”. 日本経済新聞社 (2016年4月12日). 2017年11月18日閲覧。
  6. ^ 本屋大賞「羊と鋼の森」映画化、2018年公開”. シネマトゥデイ (2016年12月15日). 2017年11月18日閲覧。
  7. ^ 良い音、美しい音とは何か”. 図書新聞 (2015年9月19日). 2017年11月18日閲覧。
  8. ^ 「作家と90分」 宮下奈都 3”. 文藝春秋 (2016年5月28日). 2017年11月18日閲覧。
  9. ^ 耳を澄ませて読みたい物語 羊と鋼の森”. 朝日新聞社 (2016年3月13日). 2017年11月18日閲覧。
  10. ^ “ピアノ調律師の成長描く「羊と鋼の森」マンガ版がCheese!で開幕”. コミックナタリー (ナターシャ). (2017年12月22日). https://natalie.mu/comic/news/262405 2019年4月28日閲覧。 
  11. ^ 『キネマ旬報』2019年3月下旬特別号 p.41
  12. ^ a b c d “上白石萌音、萌歌が映画初共演「お互い高め合える」”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2017年11月23日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201711230000035.html 2017年11月23日閲覧。 
  13. ^ a b c d “山崎賢人&三浦友和、本屋大賞1位「羊と鋼の森」映画化で初共演!”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2017年2月3日). http://eiga.com/news/20170203/2/ 2017年11月23日閲覧。 
  14. ^ a b Audibleから、『羊と鋼の森』のオーディオ版を映画公開同日の6月8日(金)配信開始!!”. 共同通信PRWire (2018年6月8日). 2021年3月5日閲覧。

外部リンク 編集