金峰 (周南市)
金峰(みたけ)は、日本・山口県周南市北東部の地名(大字)。1955年から2003年の周南市発足までは、徳山市と都濃郡鹿野町にまたがる地域であった[2]。
金峰 | |
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北緯34度11分28.54秒 東経131度55分13.75秒 / 北緯34.1912611度 東経131.9204861度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 山口県 |
市町村 | 周南市 |
地区 |
須金地区(旧徳山市) 大字金峰地区(旧鹿野町)[1] |
等時帯 | UTC+9 (JST) |
郵便番号 |
745-0402 |
市外局番 | 0834 |
ナンバープレート | 山口 |
※座標は国道434号と県道徳山徳地線の交差点付近 |
地理
編集周南市中心部から16キロメートル、車で45分の場所に位置し[3][4]、ほとんどが山地で占められた典型的な過疎地域である。果樹やワサビ、シイタケなどの栽培が盛んである。
東部を錦川が北流し、西部から中部にかけて錦川支流の金峰川が東流する。道路網は東部を国道434号が錦川と並走し、東西を主要地方道の県道9号徳山徳地線が通り、鹿野中心部との間は金峰峠(標高480m)で越える[2]。西部の郷集落からは同じく主要地方道の県道41号下松鹿野線が南に菅野ダムまで通じている[2]。また、菅蔵集落からは一般県道の県道179号金峰徳山線が西に伸び、虻峠(標高400m)を越えて向道ダムまで通っている[2]。徳山徳地線の前身は萩と岩国を結ぶ山代往還である。また虻峠の北には金峰山(標高790m)がある[2]。
西部の郷集落は2013年現在においても携帯電話が利用できず、同年6月末の総人口14人中10人が高齢者を占める「限界集落」となっている[4]。
行政区
編集周南市の地区別人口統計[5]では行政区ごとの人口を掲載しており、旧鹿野町側は大字金峰地区の全域、旧徳山市側は須金地区の一部として扱われている。カッコに示した数値は2013年6月末現在の人口・世帯数である。
- 旧鹿野町
- 奥谷(6世帯9人)
- 郷(8世帯14人)
- 菅蔵(13世帯23人)
- 旧徳山市
- 兼田(11世帯19人)
- 小田原(3世帯5人)
- 楽々谷(3世帯3人)
- 長渡路(11世帯18人)
- 中原(38世帯72人)
- 朴(7世帯12人)
- 松室(18世帯37人)
歴史
編集江戸時代には萩藩(毛利氏)の領地とされ、山代宰判(のちに前山代宰判)が地域の支配にあたった。寛延2年(1749年)における周防国都濃郡金峰村の総人口は585人、家数は186、石高は1,095石余であった[6]。
1889年4月の町村制実施に伴い、北に隣接する須万村(すま)と合併し都濃郡須金村(すがねそん)として発足し、金峰は大字となった。村名は両村の頭文字を採って組み合わせたものである。須金村の総人口は1891年時点で4,797人、1955年時点で4,562人であった。
昭和の大合併の流れに伴い須金村は1955年7月に分割され、西部は鹿野町に編入されその一部となった。東部は都濃町と合併しその一部となったが、1966年1月に徳山市に編入された。このため、大字金峰は鹿野町と徳山市(都濃町)の両市町に並存するかたちとなった。郵便番号も鹿野町と徳山市で別個に設定されていた(鹿野町大字金峰 - 745-0412、徳山市大字金峰 - 745-0402、いずれも須金郵便局管区(当時))[7]。
2003年に徳山市と鹿野町、新南陽市、熊毛町の2市2町が合併し周南市が発足し、大字金峰の全域が同市に属するようになった。周南市発足に伴って、大字金峰の郵便番号は旧徳山市側のもの(745-0402、2006年9月11日に須金郵便局の無集配局化に伴い須々万郵便局管区へ変更)に統一されている。
2013年7月21日、西部の郷集落で山口連続殺人放火事件が発生。集落に住む63歳の男による放火で2軒が全焼し5人が殺害される大事件となった[8]。
教育
編集小学校はかつて、1875年に須磨小学郷支校が設置され、1892年に金峰小学校として独立した(1955年以降は鹿野町立金峰小学校)が、1978年に鹿野小学校金峰分校となり、休校期間を経て2003年に正式に廃止された。跡地には2006年に金峰杣の里交流館が建設されたが、2013年時点では利用されていなかった[4]。中学校は1947年に須金中学校金峰分校として設置されたものの、1950年代のうちに鹿野中学校へ統合されている。
公立小中学校の通学区域は周南市の規則[9]によって定められており、旧鹿野町側と旧徳山市側で区別されている。2013年現在、旧鹿野町側は鹿野小学校・鹿野中学校へ、旧徳山市側は須磨小学校・須々万中学校(須金中学校は休校中)へ通学することとなっている。
神楽
編集金峰(旧鹿野町側)には神楽座があり、7年毎に「吉野御能くずし」が奉納されていた。しかし1987年の時点で後継者不足の状態に陥っていた。
公共交通(バス)
編集周南市街地と須金(須万)を結ぶバス路線が防長交通により運行されており、金峰においては東部の国道434号沿いを走行する。2012年10月1日現在では平日7往復、土・日・祝日5往復運行されている[10]。
かつては岩国市錦町(錦川鉄道錦川清流線錦町駅)からバスが出ていた[2]。2009年時点では岩国市生活交通バス(旧・岩国市営錦バス)須金線が火曜日・水曜日・土曜日に須金中原まで運行されていたが[11]、2013年現在は廃止されている[12]。また防長交通は1959年より旧鹿野町中心部(鹿野上の上市集落)と西部の郷集落を結ぶバス路線を運行していたが[13]、2013年現在では廃止されており[14]、同地域には予約式の乗合タクシー「ふれあい号」が平日と土曜日(年末年始を除く)に運行されている[15]。
脚注
編集- ^ 地域区分は周南市の地区別人口統計に基づく(2013年7月閲覧時点)
- ^ a b c d e f コンサイス日本地名事典 第3版 三省堂書店 1989年12月15日 p.1135
- ^ 大字金峰の西部(旧鹿野町側)にあたる郷集落の位置(『読売新聞』読売新聞西部本社、2013年7月23日朝刊1面)
- ^ a b c 『西日本スポーツ』2013年7月23日15面。
- ^ 市の人口 - 周南市公式ウェブサイト。最新の地区別人口統計が公開されている。執筆には2013年6月末現在(同年7月23日閲覧時点)のデータを用いている。
- ^ 『防長地下上申』による(当項目では角川日本地名大辞典からの孫引き)
- ^ 住所の表示等の変更 - 周南市公式ウェブサイト。2013年7月閲覧。
- ^ 「周南殺害 63歳逮捕」『読売新聞』読売新聞西部本社、2013年7月27日朝刊1面
- ^ 周南市立小・中学校の通学区に関する規則 - 周南市例規集。2013年7月閲覧時点。
- ^ 路線バス時刻表 - 防長交通公式ウェブサイト(周南営業所の路線図を選択後、須金局前・須々万の時刻表を参照)、2012年10月1日改正時点、2013年7月閲覧。
- ^ 玖珂・周東、本郷・錦・美川・美和地域のバスの運行が変わります『広報いわくに』2009年3月15日号 pp.10-11
- ^ 岩国市生活交通バス(錦地域) - 岩国市公式ウェブサイト。路線図(2012年3月17日改正時点)に須金線は記載されていない(2013年7月閲覧)
- ^ 『角川日本地名大辞典』が発刊された1980年代後半の時点では、廃止された旨が記載されていない。
- ^ 2013年7月現在、防長交通公式ウェブサイトの時刻表に同路線は掲載されていない。
- ^ 鹿野地区等乗合タクシー「ふれあい号」 - 周南市公式ウェブサイト、2013年4月1日改正時点、同年7月閲覧。
参考文献
編集- 「須金村」「都濃町」「前山代宰判」「金峰」「徳山市」「鹿野町」『角川日本地名大辞典 35 山口県』角川書店、1988年 pp.473-474 pp.558-559 p.769 pp.793-794 p.1020 pp.1210-1215