雨の慕情

日本の歌手、八代亜紀の楽曲

雨の慕情」(あめのぼじょう)は、1980年4月25日に発売された八代亜紀の30枚目のシングル。

雨の慕情
八代亜紀シングル
A面 雨の慕情
B面 男と女・酒と歌
リリース
規格 レコード
ジャンル 演歌・歌謡曲
時間
レーベル テイチク
作詞・作曲 阿久悠(作詞)
浜圭介(作曲)
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間9位(オリコン
  • 1980年度年間26位(オリコン)
  • 1981年度年間97位(オリコン)
  • 6位(ザ・ベストテン
  • 八代亜紀 シングル 年表
    女だから
    1979年
    雨の慕情
    1980年
    港町絶唱
    (1980年)
    ミュージックビデオ
    「雨の慕情」 - YouTube
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    解説編集

    • シングルの総売上は「なみだ恋」に続き八代のシングルでは第2位を記録した。
    • TBS系列『ザ・ベストテン』では唯一の登場曲となった。
    • 前年発表した八代の「舟唄」が男心を歌にしていることに対し、同じく作詞をした阿久悠が女心を歌にしたものとされる[1]
    • 阿久悠&浜圭介コンビによる、「舟唄」「港町絶唱」と合わせて哀憐三部作とされた[2]。阿久によると、「舟唄」「雨の慕情」と徐々に評判を高めていき、最終的に「港町絶唱」で日本レコード大賞を狙うつもりであったようである[3]。だが、結果的には「雨の慕情」が予想以上のヒットとなり、同賞のほか多くの音楽賞を受賞することとなった。
    • 八代は1980年の『第31回NHK紅白歌合戦』の大トリで表題曲を歌唱した。
    • サビのところからリズムが入る際の、手のひらを天に向ける振り付け[4]は、八代自身の考案[2]。他の八代の歌の場合と同様、自然に出てきたものだと本人は言う[5]。本作が当時の様々な歌番組で披露されると、上記の振付けが子どもたちにもウケてマネされたこともあり、世代を超えるヒットに繋がった[2]
    • 1983年サンリツ電気からリリースされたアーケードゲーム『四人打ち麻雀・ジャントツ』ではBGMにこの楽曲をアレンジした演奏が採用された(このゲームのゲームセンター向け広告チラシやポスターにも八代が起用されている)。
    • 中部日本放送CBCテレビ)制作・TBS系の「昼の連続ドラマ」枠で1983年3月21日から同年7月15日まで放送されたテレビドラマ『雨の慕情』(加賀まりこ主演)の主題歌に起用された。
    • ヴィダルサスーンBOSSのCM等でも使用されている。
    • 偶然ではあるが、発売された1980年は夏場に雨が続き、同年の5~8月までの月間降水量は全て前年比100%を超えている[注釈 1](詳しい降水量は右のリンクを参照[6])。気象予報士の森田正光によると、当時働いていた気象協会では、この現象を「八代効果」と呼んでいたとのこと[2]。また、このため記録的な冷夏となっており(詳しい気温は右のリンクを参照[7])、この曲と冷夏とが重なる形で印象づけられることになった。
    • ドラマ『北の国から』第8話では、同曲を歌い出す登場人物(吉岡秀隆演じる黒板純)が最終的に歌詞の一部(あめあめふれふれ)が同じである童謡『あめふり』を歌ってしまうシーンが描かれている。
    • 本作を作詞した阿久悠は、当初「雨々ふれふれ」というタイトルを考えていた[2]。しかしこのタイトルを聞いた本作のプロデューサー・小西良太郎が、阿久に「雨の慕情」への変更を助言したことでタイトルが正式に決まった[2]
    • それまでの日本の歌謡曲では、「雨」に関する名曲は切ないメロディが多かったとされる[2]。「雨の慕情」では、楽しく雨乞いをするような歌詞、切なさもありながら明るいメロディは画期的だった。一部マスコミからは、「日本人が楽しそうに雨に関する歌を歌うのは、『あめふり』以来」とも言われている[2]
    • 浜圭介は、阿久悠が書き上げた歌詞を受け取った際、「これは雨の歌だけと湿っぽい演歌ではない」と感じ、曲作りを始めた。「私のいい人つれて来い」の部分をどこか前向きなイメージ[注釈 2]を持ったことから、サビの明るいメロディが浮かんだという[2]
    • 浜によると、「演歌のコブシを付けると暗くなりやすいため、リズムは16分音符を使って軽やかに、フォークっぽい分かりやすいメロディで作った」とのこと[注釈 3]。また物憂げなイントロは、編曲した竜崎孝路の「ヨーロッパの匂いを出したい」との考えにより、フランス製のガットギターの演奏で完成させた[2]

    収録曲編集

    1. 雨の慕情(3分28秒)
    2. 男と女・酒と歌(3分41秒)

    価格編集

    • 発売当時の値段は600円

    カバー編集

    • テレサ・テン(1980年7月1日発売、アルバム『演歌のメッセージ』に収録)
    • 瀬川瑛子(1989年7月21日発売、アルバム『心に泌みる想い出の歌』に収録)
    • 奥村チヨ(1995年3月24日発売、アルバム『奥村チヨ伝説』に収録)
    • 谷本知美(2002年10月17日発売、アルバム『知美の流行歌14〜ビビッてたまるか〜』に収録)
    • 永井龍雲2009年発売、アルバム『歌鬼2〜阿久悠 vs. フォーク〜』に収録)
    • 山内惠介(2013年12月4日発売、アルバム『時代を超えた同歳』に収録)
    • 池田瑛紗(2022年6月20日OA、日本テレビ「新・ 乃木坂スター誕生!」)

    脚注編集

    注釈編集

    1. ^ 5月は111%、6月は103%、7月は129%、8月は109%だった[2]
    2. ^ 浜は、「歌詞の中の女性が『傘を持たない恋人が、にわか雨に降られて私の所に急いで来てくれる』と期待するシーンと解釈した」とのこと。
    3. ^ 阿久にサビのメロディを聞かせた所、「浜ちゃん、これ面白いよ」と喜んでくれたという[2]

    出典編集

    1. ^ 2008年4月19日放送、名古屋テレビ放送制作のバラエティ番組『仰天! ヒット曲の謎』での本人インタビューより。
    2. ^ a b c d e f g h i j k l 週刊現代2022年6月11日・18日号週現「熱討スタジアム」第435回・八代亜紀の「雨の慕情」を語ろうp144-147
    3. ^ 阿久悠『歌謡曲の時代 歌もよう人もよう』新潮社、2004年、54-55頁。ISBN 4104708011
    4. ^ 八代亜紀「今でも忘れられぬレコード大賞巡る五-八戦争」 - 週刊朝日 2016年9月30日号
    5. ^ ゲスト:八代亜紀 ロングインタビュー3 - BSフジ 『歌人伝説』
    6. ^ [1]「気象庁」のウェブサイトより東京の降水量の月合計値。
    7. ^ [2]「気象庁」のウェブサイトより東京の日平均気温の月平均値。

    関連項目編集