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黒の試走車』(くろのテストカー[1])は、1962年に発表された梶山季之経済小説

黒の試走車
著者 梶山季之
発行日 1962年
発行元 光文社
ジャンル 経済小説
日本の旗 日本
言語 日本語
次作 赤いダイヤ
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目次

あらすじ編集

タイガー自動車は新車「パイオニア・デラックス」を発売。ところが購入者が運転中に、踏切でエンスト、車体が爆発炎上する事故が起きる。通常なら単なる車の故障事故として片付けられるはずが、購入者がタイガー自動車を告訴し、ライバル会社がこぞってこの事故を逆宣伝に利用した結果、新車の売上は急減。さらにこの新車のデザインがライバル会社に盗まれていた疑惑も浮上した上に、その疑惑を調査していた担当課長が事故で急死してしまう。ライバル会社の産業スパイ行為の可能性を察知した上層部は、主人公にそれに対抗する組織を社内で構築するように依頼し、主人公はライバル会社とあの手この手で情報の探り合いを演じることになる。

登場人物編集

  • 朝比奈豊 - 主人公。元々はタイガー自動車の大阪支店勤務だったが、柴山の事故に伴い後任として東京本社の企画第一課長に異動、同時に新設された「企画PR課」(表向きは企業広報担当だが、実際は他社の産業スパイ行為からの防御、並びに他社の情報を盗み出すことを主目的とする部署)の課長を兼務する。
  • 柴山美雄 - タイガー自動車の企画第一課長だったが、箱根の山道でスリップ事故を起こし死亡。朝比奈とは同期入社。
  • 小野田 - タイガー自動車の常務で、主人公たちの上役。
  • 宇佐美昌子 - 北新地のバー「桂」の女将。 タイガー自動車の大阪支店がよく利用していた。朝比奈の恋人で、後に朝比奈を追って東京に移ってくる。
  • 芳野 - 新車「パイオニア・デラックス」を購入した顧客。新車は踏切内で炎上した。
  • 的場捨松 - 業界紙「自動車ニュース」の社長。自動車業界に顔が広く、ライバル会社のマル秘情報をあっさり入手してくる凄腕。
  • 秋元加津子 - 表向きの肩書は、主にタクシー向けの自動車販売会社の社長。しかし裏で、色仕掛けで自動車会社各社の秘密情報を入手するスパイ活動を行っている。

発表編集

1962年に書き下ろしでに発表された。単行本は光文社松籟社、文庫は角川書店・光文社・岩波書店から出版。梶山の経済小説としては最初期のものである。

内容編集

作中には、当時の世相や物価が詳細に言及されており、梶山は意図的に「リアリティー」を盛り込むことで、当時人気の源氏鶏太による「サラリーマン小説」との差別化を狙ったという[2]

事実上の続編として、同じくタイガー自動車のラリーチームを主な舞台とした『傷だらけの競走車』(1967年、光文社)がある。

書誌情報編集

  • 『黒の試走車(テストカー)』(光文社、1962年)[3]
  • 『黒の試走車』(角川書店〈角川文庫〉、1973年)
  • 『黒の試走車』(光文社〈光文社文庫〉、1990年)
  • 『黒の試走車』(松籟社、2005年)
  • 『黒の試走車』(岩波書店〈岩波文庫〉、2007年)

映画編集

黒の試走車
監督 増村保造
脚本 舟橋和郎
石松愛弘
原作 梶山季之
出演者 田宮二郎
叶順子
船越英二
白井玲子
音楽 池野成
撮影 中川芳久
編集 中静達治
製作会社 大映
配給 大映
公開 1962年7月1日
上映時間 94分
製作国   日本
言語 日本語
次作 黒の報告書
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大映により映画化され、1962年7月1日に公開された。黒シリーズの第1作。上映時間94分、モノクロ。

スタッフ編集

キャスト編集

脚注編集

  1. ^ 単行本に作者が「テストカー」とルビを振っているが、文庫化でまれに「しそうしゃ」と読ませる場合もある。
  2. ^ 「黒の試走車」巻末解説(岩波現代文庫、2007年)。
  3. ^ 梶山作品には珍しく、「書き下ろし」の新作で雑誌への連載はない。

外部リンク編集