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池野 成(いけの せい、1931年2月24日 - 2004年8月13日)は、日本作曲家

池野 成
生誕 (1931-02-24) 1931年2月24日
出身地 日本の旗 日本 北海道札幌市
死没 (2004-08-13) 2004年8月13日(73歳没)
学歴 東京音楽学校
ジャンル クラシック音楽
職業 作曲家

来歴編集

北海道札幌市生まれ。祖父は植物学者の池野成一郎東京音楽学校に入学後、伊福部昭に師事。演奏会用の純音楽に関しては極端に寡作であり、その作品の編成の特異性から上演される機会も少ない。

1954年の映画『ゴジラ』の音楽で伊福部昭のアシスタントを務めた。1956年の映画『稼ぐ日』で映画音楽を手がけたのに始まり、1960年代には映画音楽を中心に活躍した。座頭市シリーズの音楽を担当したことで知られ、手がけた映画は150本近くに及ぶ。

1994年よりスペインに移住するが、2004年8月13日、東京にて死去。

作曲作品について編集

池野が活躍していた時期の映画界は裕福であり、フル・オーケストラを使うことができたため、映画音楽を通じて近代オーケストラ作品の書法を実験・研究していた。これらの経験や伊福部昭著『管弦楽法』執筆の助手などを通じて、池野は近代オーケストレーションに精通していた。

池野成独自のオーケストレーションの特徴としては、ティンパニーと同様に厳密にチューニングしたコンガやTom-tom(太鼓)のアンサンブルを中心とした打楽器アンサンブルにより、定律楽器の集合体である管弦楽と調和しながら、より立体的で生々しい音像を実現した事であり、この書法は、下記の‘Evocation'に始まり‘Timpanata'を経て、ヴァイオリン協奏曲‘Rapsodia Concertante'で結実した。

池野成による管弦楽法の研究については、某氏[要説明]のFacebookタイムラインに、『管弦楽ノート池野成メモ』が掲載されている[要出典]ほか、『楽器法の基礎となる諸問題について』という小冊子が存在する(未公表)[要出典]

池野成の音楽は古代主義とも称され、伝承されたアジア・アフリカの民族音楽が持つ生命力を希求し、チベットや日本の仏教音楽、能楽、ルワンダ・フトゥ族等のアフリカ音楽などの研究に基づくものである。音組織は調性の存在を当然のこととして、なおかつオリジナリティを追求し、民族音楽学者小泉文夫の核音の理論を参考にして構築されていた。特に`RapsodiaConcertante'の和声は、黛敏郎『涅槃交響曲』の梵鐘の響きの解析に基づく和声の踏襲や、‘Timpanata’にも見られる長三和音の平行進行を含む不協和音、短三和音を含む不協和音、完全5度の堆積を含む不協和音などに色分けされ、色彩の変化による表現の工夫が見られる。

旋律の形態は前記核音の理論(オクターヴに満たない音階の自由な組み合わせ)の影響が見られ、フリジア旋法への志向も顕著である。仏教聲明能楽能管の影響を感じさせる音型も多い。

楽曲構成は、複数のリフレインを用いたロンド形式的な大筋に池野のいわゆる『小さな対比』を適宜はさみ、前記多彩な和声の響きの変化と、激烈な変拍子やポリリズムが聴き手を熱狂に導くよう、緻密に計算されたものであり、作曲の弟子には楽曲構成の参考書として、エドガー・アラン・ポーの詩論『構成の原理』を推奨していた。

人柄・作曲姿勢について編集

日常の池野成は優しい人柄で知られていたが、「此の作品に就いて私はとくに述べることはない。常の如く死物狂いで全力をつくした。後は作家として何を云うことがあろうか。」(池野成『純音楽作品表〈舞踊作品七番の音楽>』作曲者解説[1])にあるように作曲に賭ける執念は激しく、‘RapsodiaConcertante’作曲中の4年間は映画音楽の仕事を断り、生活に困窮しながら研鑽を続けた。このような厳しい作曲姿勢は、師伊福部昭の非西欧中心主義的な文化観や、傾倒していた松本常朝葉隠』の影響下にあるとも見られ、門下には『葉隠』の「常住死に身」の精神を説いていた。

主要な純音楽作品編集

  • 序奏と交響的アレグロ(1952年、オーケストラ)第21回日本音楽コンクール管弦楽曲部門第2位入選。
  • ダンス・コンセルタンテ(1953年、オーケストラ)
  • エヴォケイション(EVOCATION)(1974年、マリンバソロ、6トロンボーン、6パーカッション
  • ティンパナータ(Timpanata)(1977年、ティンパニソロ、他)
  • RAPSODIA CONCERTANTE(1983年、ヴァイオリンソロ、三管編成のオーケストラ)
  • 古代的断章(1984年、12トロンボーン、6パーカッション)
  • ディヴェルティメント(Divertimento)(2000年・遺作、8打楽器)

映画音楽編集

外部リンク編集

脚注編集